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最近、ホシノを模写してみました。中々の出来だと思います。
それにしても可愛いなぁ、ホシノは。気の抜けた笑顔も可愛いし、欠伸しているような表情も可愛い。
だからこそ。
その顔を曇らせたい!!!!(原点回帰)
じゃけん、まずは喜びを与えましょねー。
戦闘開始から数刻が経つ。
向かってくる傭兵達を無力化していきながら、『
(妙だな……)
それはこちらに攻撃がこないことだ。正しく言えば、『顔無し』にだけ攻撃がこないのである。
その証拠に、アビドス対策委員会にはしっかりと便利屋68からの攻撃が与えられている。
「ッ……皆。盾だよ、背後に隠れて!」
様子を見るに、アビドスの面々は苦戦しているようだ。
無理もない。
自分が半分引き受けてはいるが、それでも彼女達は多数の傭兵を相手にしている。それに加えてだ。
「……よし! いい調子ね!」
「固まったねっ。それじゃ爆弾、いっくよー!」
「……うん。そのまま待機。そっちは回り込んで、そこ爆弾いくから避けて」
「あ、あわわ、でも、どんどん迫ってきてませんかぁ……!?」
(アルの的確な狙撃にムツキの爆発物、カヨコの指揮能力に……ハルカは今は何もしてないけど、接近またはアルに攻撃が与えられれば、頑丈な狂戦士の完成か)
あらゆる事態に臨機応変に対応できる、便利屋68の確かなチームワークとその実力。
本当に厄介だ。一緒にいる時は賑やかで楽しい集団だったが、敵に回すことでその恐ろしさを再確認した。
『顔無し』は自分が取るべき行動を決める。
「あっ! 逃げた!」
「いやでも固まったよ! これで一網打尽出来る!」
引き受けていた傭兵達から距離を取り、固まるアビドスの面々の傍へと駆け寄った。
「! 『顔無し』が!」
「……! おっと、危ない危ない」
アルとムツキは持っていた狙撃銃と爆弾を下げる。
やはり、とそれを横目で見た『顔無し』は、アル達が自分に攻撃が出来ないことを悟った。
なので落ち着いて、ホシノの後ろで固まるアビドスの面々に声を掛ける。
「よお。ちょっと話が」
それを見たセリカは驚いたように目を開くと、素早く『顔無し』を掴む。
「バカ! 早くこっち来て!!」
そして、自分達の輪の中に入れた。
こちらを向く『顔無し』は武器を持っておらず、背後から銃を構える傭兵を見ていなかったためだ。
それでは身体が脆い『顔無し』に、簡単に穴が空いてしまう。
「ん。『顔無し』は世話が焼ける」
「本当っ。仕方ない人ですね〜!」
シロコとノノミもセリカと同様に、『顔無し』を隠すように動いて、傭兵と撃ち合った。
「それで!? 何の用!?」
セリカが大声で問いかける。銃撃音が鳴り響いているため、そのくらいの声量がちょうど良かった。『顔無し』も同じく、声を張り上げる。
「悪い! 傭兵全員頼んだ! 俺はあいつらを相手してる!!」
「はぁ!? ちょっ、待」
セリカの制止の声を最後まで聞くことなく、『顔無し』はアビドスの輪から抜け出す。
「っ! ダメだ。素早い」
シロコが咄嗟にその腕を掴もうとするが、『顔無し』の速度にはついていけなかった。
だが考えなしに、『顔無し』は飛び出したわけではない。
彼は気付いていた。何らかの理由で、自分だけがアル達に攻撃されていないことを。
なのでアル達に近付き、無力化する。それがベスト。
そう考えたのだ。
アル達のところに向かう『顔無し』の背中に、悲痛な叫び声が刺さる。
「行かないで! 『斑目』!!!」
「……ッ」
ホシノの叫び声に、『顔無し』の足が一瞬止まった。
まるで『身体がホシノの呼び声に反応したように』。
だがすぐに動いた身体に、『顔無し』は溜息を吐く。仮面の中では、少し残念そうに眉根を下げていた。
(……気のせいか)
自分の意思で、再度アル達の元に走る。
所詮フィクションはフィクション。大切な者の声で、彼が目覚めることはなかったようだ。
思考を切り替える。『顔無し』は戦闘と一緒に、この後どのような対応をホシノ達にするかを考えることにした。
ホシノの声に反応したのは、『顔無し』だけではない。
「まさか……っ」
最初に反応したのはカヨコだった。他の便利屋68達も、聞き覚えのある名前に冷や汗を浮かべる。
「ム、ムツキ……今あの人、『顔無し』のこと『斑目』って言わなかった……?」
アルは震えながら幼馴染に問い。
「言ったね。いやいや……これ、マジか〜」
ムツキは苦虫を噛んだように、その整った顔を歪ませ。
「じゃ、じゃあ『顔無し』さんを私達、捕縛しないといけないんですか……っ」
ハルカは狼狽えるように、自分以外の便利屋68を見渡す。
その言葉に誰も答えることが出来なかった。初対面の時と違い、彼女達は『顔無し』に恩があり、付き合いも長い。
「……別人って可能性は?」
「多分、ないと思う」
アルの問いに、カヨコはすぐに首を振った。
アル達の元に行かせまいと立ち塞がる傭兵を、速度を落とさぬまま『顔無し』は弾き飛ばしている。
話せる時間は有限だと考え、カヨコは話す速度を上げた。
「人間型の男子なんてそうそう聞かないし、アビドスの人間が呼んだんだ。なら、『顔無し』が
「……そうだね」
ムツキはそう言って、アルを見る。
「アルちゃん。どうする? 私は、アルちゃんの判断に従うよ」
「わ、私も……!」
「……社長が言うなら、いつもみたいに公私は区別して、しっかり仕事をこなす。社長が嫌なら、この件から手を引く。後で文句は言わない。私も社長の判断に従うから……」
「……!!!」
仲間達の視線が自分に向けられ、アルは判断に迷う。
『顔無し』に対し恩を仇で返したくない気持ちと、アウトローになりたい自分がせめぎ合う。
(ど、どうしよう……! 出来ることなら私も、『顔無し』と敵対したくないわよ! 恩人だし、良い人だし、何よりこの前は無事だったけど、『顔無し』は私達と違って、人間! 今度はこ、殺しちゃうかもしれないし……!)
(でも、標的が恩人だからって見逃したり手を抜くのは、アウトローって言えないんじゃないの……!? 『公私を区別して、しっかり仕事をこなす』『金さえもらえれば何でもする』……それが
そんな時だった。
アルにとって、今だけは救いとなる音が鳴り響く。
キーンコーンカーンコーン
「あ、定時だ」
「今日の日当だとここまでね。あとは自分達で何とかして。みんな、帰るわよ」
「(ラ、ラッキー! ナイスタイミングよ、チャイム!)は、はぁ!? ちょっと待ってよ!!」
アルは内心喜びながら、しかし面子を保つために傭兵を引き留める。
……どちらにしろ、面子を保てているかは微妙ではあるのだが。
「終わったってさ」
「帰りにそば屋でも寄ってく?」
「こ、こらー! ちょっ、どういうことよ!? ちょっと! 帰っちゃダメ!」
ぞろぞろと帰路に着く傭兵達。『顔無し』やアビドスによって倒された傭兵も、ゆっくりとではあるが立ち上がり、同様に歩いて帰っていく。
先生は傭兵達に苦笑いだ。
「何てお金への執着心……」
「……闘争の空気じゃねぇな」
『顔無し』は人の密度が殆どなくなった大地を見回して、身体の力を抜き便利屋68達を見る。
「どうする? まだやるか?」
「……いーや、やーらないっ! この時間まで決着がつかない相手と一緒に、ネムネムと戦ったらヤバいだろうし」
ムツキの言葉に、アルは頷く。
「そ、そうね! だからといって、逃げるわけじゃないけどっ。これで終わったと思わないことね! アビドス!」
「あはは、アルちゃん、完全に三流悪役のセリフじゃん!」
そう言って、撤退していく便利屋68。
「待って! ……あ、行っちゃいましたね」
『……詳しいことはわかりませんが、敵兵力の退勤……いえ、退却を確認。それで、ええと……』
アヤネが戸惑うように、次に発する言葉を探る。
それはホシノ、『顔無し』、先生を除く全員がそうであった。
先生はゆっくりとホシノに歩み寄る。
「ホシノ……『そういうこと』なの?」
「……うん。皆に、聞いてほしいことがあるんだ」
静かな声なのに、全員の耳にホシノの言葉が染み込んだ。
彼女は『顔無し』に向けて、歩を進めた。
「昔ね。おじさんには同期がいたんだ。弱い癖に優しくて、一生懸命アビドスを助けるために足掻いた仲間がね」
「つまり皆の先輩。その人は今まで、退学届を出して行方不明だった……。私もっ、もう二度と会えないと思ってた……!!!」
そして駆け出し、『顔無し』の胴体に腕を回し、ホシノはその腹に顔を埋める。
「うへへ。固い……! 昔とは大違いだぁ……ッ。身体は変わったけど、心の中は変わってない。ずっと見守ってて、くれたんだね……!!!」
涙を流しながら、その腹に擦り付けるように自分の顔を埋めるホシノ。その泣き声の中に混じった喜びに、アビドスの生徒達は息を呑む。
「まさか……」
『『顔無し』さんが……!』
「わぁ〜……!!!」
「えっ、あんたそうだったの!?」
小さく、うん、とホシノは頷いた。
そして『顔無し』の手を引いて、晴れやかな笑顔で言う。
「斑目ユウ。私の同期で、皆の先輩だよ……!!!」
な、なんだってーーー(棒)
それと、絶対匿名さんが素晴らしい絵を恵んで下さったので、皆様に共有いたします。本当にお世話になりっぱなしで、感謝しても仕切れない……!
【挿絵表示】
どうです……。いい眺めでしょう……?(ワイン片手に)