小僧の厄払いから数日、まぁ撒き餌に飛び付く馬鹿が襲ってきたりしたが何て事は無い全てワシの腹の中に収まった、それからガキに振り回される小僧にとうとう限界が来たらしい、何でももう悪霊狩りに付き合いきれないとさっさと勉強を終え帰っていった、この分だと今日の飯は期待出来そうにないな
夜宵「神様」
狐神「何だ?」
夜宵「神様なら螢多郎の呪いを祓える?」
狐神「………………良いかガキ、神にも得意不得意がある、例えばお前がワシに差し向けてきたあの軍服の奴、あいつの得意なのは広範囲の弱体化と防御だ、一方で純粋な火力には欠ける、分かりやすく言えば長期戦特化だ、呪いを祓うのにはそれに特化した人間又は霊、或いは道具が必要だ、つまり結論を言えばワシにはどうする事も出来ん、お前がそう言う奴を仲間にしているなら話は別だがな」
夜宵「いないし持ってない」
狐神「ならそう言う奴を脅すなり説得するなりして連れてくるんだな、まぁ奴の呪いも相当位が高い、治せるのは神か、或いは…………」
夜宵「???」
狐神「嫌、まさかな、そう多くは居るまい」
夜宵「神様なら治せる?」
狐神「可能性の話だ」
夜宵「…………神様、神狩りに行こう」
狐神「……ほう、それはそれは願ってもない馳走だ」
思わず笑いと涎が溢れる、神を食うのは何年ぶりか、最後に食ったのは確か、なりはガキの癖に偉そうにふんぞり返り喧嘩を売ってきた馬鹿の左腕を引きちぎってやった時か?
夜宵「今回は思い切り暴れて良い」
狐神「ぜひそうさせて貰おう」
夜宵サイド 夜 某廃れた神社
階段を上がる、廃れきった神社を見回すといくつも並ぶ仏像、そして汚れが目立ち建物を支える柱すら折れた社の中にそれは居た、何体もの水子の霊に纏わりつかれ私の方を見ている、いや、恐らく私じゃなくてこの子を、水子の霊は皆震え怯えている様だった
夜宵「何はともあれ、螢多郎と私のため」
背負ってきた箱の鍵を開け扉を開け放つとそこにあるのは花と何かの種、そして動物の物と思わしき頭蓋骨が入っている
無九羅魔狐神
添えられていた花が燃え土がない筈なのに種が芽吹き骨を飲み込む、こんな威圧感を感じるのは始めて会い卒業生3体を放った時以上だ
狐神『今宵は月が美しい、お前の力を貰うに相応しい』
始まった、先に仕掛けたのは無九羅魔狐神、彼?に向かってあらゆるエネルギーが収束していくのが見える、それもエネルギーの元の負担を何も考えていない、無理矢理奪っている、そこに生者も死者も無い
夜宵「これが神様の呪い、名付けるなら『略奪の呪い』と言った所か」
これを受け鬼神母神も無九羅魔狐神に攻撃を仕掛けようとする、しかし攻撃をする直前、何故かおろおろとしている
夜宵「???」
鬼神母神「!?!?!?」
狐神「気付いたか?、お前達から奪ったのは力のみではない、戦う権利、守る権利、そして呪いを使う権利、当然攻撃する権利も、全てワシの許可無く使うことは許さん、精々自分に合った新しい戦い方を作るんだな、新しい自分に生まれ変われるぞ」
夜宵「……………………」
災い転じて福と成す、災いの裏には福がある、まるでコインの表と裏の様に、でも
認識を誤っていた、これは略奪じゃない
簒奪だ
簒奪の呪い(夜宵命名)
相手の行動に対する決定権を握る呪い、この呪いを受けると食べる事も寝ることも、果ては呼吸さえ自身で決める事は出来ない、霊に使えば呪いの使用の決定権を握り自由に使えなくさせる、効果範囲もなかなか広く本気を出せば町を2つ3つ飲み込む、また効果を流しっぱなしにする無差別型と1人に大してのみ使用する限定型があり限定型は動きの決定権を完全に握る事が出来るまさに決まれば勝ちの呪い
ただしこれはまだ呪いの第一段階