【ティターニア調査状況について:簡易報告書】
本報告書は、2074年10月現在におけるティターニアの調査状況について簡易的に報告するものである。
【概要】
2074年9月にその存在が確認されたコクーンメイデン感応種:ティターニアと、コクーンメイデン集合体:フラックメイデンについて、極東支部およびフライアは協力体制を敷いてこれの討伐のための対策を行っている。ペイラー・榊およびラケル・クラウディウスの両名は、ティターニアは終末捕喰を引き起こす可能性が非常に高いアラガミであると判断しており、フライアでは神機兵開発を一時的に中断して人的リソースをティターニア対策に集中させている。
現在までに得られた情報は以下の通りとなる。
【第一次威力偵察】
2074年9月29日に、威力偵察のため雨宮リンドウ、ソーマ・シックザール、真壁ハルオミ、ジュリウス・ヴィスコンティの四名から成る部隊がアナグラより陸路にてティターニアの下へ派遣された。当該部隊は規制エリアとなっているティターニアより南西30kmの地点までは自動車にて移動し、以降は徒歩での接近を試みる運びとなっていた。
当初の予想に反し、徒歩での移動開始後しばらくはティターニアからの攻撃は無く、部隊は20kmほど移動することに成功。ティターニアまで残り10km、黎明の亡都まで残り3kmの地点にて、ティターニアからと思われる攻撃を確認。当該部隊はコクーンメイデン討伐ミッション(ミッションコード:7409FS089)にて確認されていたものと同様のオラクル砲撃を受けることとなった。
この攻撃について、コクーンメイデン討伐ミッションの参加者であったソーマ・シックザールは「前回の攻撃よりも弾幕の密度が小さかった」、「進むにつれて少しずつ弾の量も射撃精度も上がっていった」と述べている。
ティターニアからの攻撃を受けつつも、当該部隊はティターニアまで残り約7km地点である黎明の亡都まで到達。攻撃の激化により、これ以上の接近は不可能であると雨宮リンドウが判断したため、撤退する運びとなった。
この時、真壁ハルオミは北東の彼方にフラックメイデンの影があること、およびフラックメイデンよりオラクル砲弾が発射されている様子(オラクル砲撃に伴う特有の発光現象)を目視にて確認している。大気状態次第では、ある程度遠方からでもフラックメイデンを目視できることがわかった。
撤退開始後、ティターニアより8.4kmの地点にてフラックメイデンによるトマホークの攻撃を確認。1発目のトマホークについては回避成功、2発目のトマホークについては雨宮リンドウとソーマ・シックザール両名の連携により撃墜に成功した。
この撃墜したトマホークの確認結果より、トマホークとされていたものが黒蛛病に罹患し、異常進化したコクーンメイデン、即ちフラックメイデンであると断定され、ペイラー・榊が推定した説が正しいことが証明された。
フラックメイデン(飛翔体)のコアおよびサンプルを確保した当該部隊は、そのまま撤退しつつ1発目のフラックメイデン(飛翔体)の捜索を実行。ティターニアより10.4kmの地点にて対象を発見。フラックメイデン(飛翔体)もコクーンメイデン異常個体と同様の威力のオラクル砲撃で攻撃してきたものの、当該部隊は消耗することなくこれを撃破。コア及びサンプルを確保した。
その後、ティターニアより13km離れたところでティターニアからの攻撃は完全に沈黙。当該部隊は回収ポイントまで移動し、同日の1830にアナグラに帰投した。
【第二次威力偵察】
2074年10月3日に、雨宮リンドウ率いる雨宮1番隊(雨宮リンドウ、ソーマ・シックザール、アリサ・アミエーラ、真壁ハルオミ)とジュリウス・ヴィスコンティ率いるヴィスコンティ2番隊(ジュリウス・ヴィスコンティ、神威ヒロ、ギルバート・マクレイン、シエル・アランソン)による第二次威力偵察を実施。雨宮1番隊は第一次威力偵察と同様に南西から、ヴィスコンティ2番隊は北西からティターニアへの接近を試みる運びとなった。
両部隊とも、ティターニアより30kmの地点から徒歩による接近を開始。第一次威力偵察同様、ティターニアまで残り約10kmの地点にてティターニアからの攻撃が開始された。
両部隊はそのままティターニアへの接近を試み、雨宮1番隊はティターニアまで残り約5.5km、ヴィスコンティ2番隊はティターニアまで残り約6.0kmの地点まで接近に成功。攻撃の激化により、これ以上の接近は不可能と雨宮リンドウおよびジュリウス・ヴィスコンティが判断したため、両部隊はその時点で撤退することとなった。
この撤退時に、ヴィスコンティ2番隊が背部にコクーンメイデンが突き刺さったクアドリガ、胸部にコクーンメイデンが突き刺さったディアウス・ピター、胴体部にコクーンメイデンが突き刺さったグボロ・グボロが連れ立ってティターニアの方へ移動しているのを遠方より目視で確認している。
なお、この三体のアラガミについて、ヴィスコンティ2番隊は状況の観察だけに留めて撤退を選択している。
【考察】
◇ティターニアへの接近について
第一次威力偵察においては、ティターニアまで残り7kmの地点まで接近することに成功している。また、第二次威力偵察においてはそれぞれ5.5km、6kmの地点まで接近することに成功している。このことから、ティターニアの射撃能力にはその精度を確保するためのある種のキャパシティがあり、多方面から同時に攻め入ることで射撃精度をある程度落とすことが可能であると思われる。
一方で、ティターニアに接近すればするほど射撃精度は向上し、また攻撃も激しくなっている。これまでの状況から単純に考えると、ティターニアに接近するためには以下のいずれかの方法が必要になると思われる。
【Plan:A】
8部隊以上で構成された連隊による多方面同時攻撃。なお、部隊はすべて部隊長クラスの神機使い4名によって構成されているものとする。
【Plan:B】
32部隊以上で構成された連隊による多方面同時攻撃。なお、部隊はすべて上等兵以上の神機使い3名、部隊長クラスの神機使い1名で構成されているものとする。
【Plan:C】
500組以上の神機使いによる多方面同時攻撃。神機使いの階級、チーム編成は問わない。
【Plan:D】
感知機能を有し、地形を問わず時速120km以上の速度での移動、旋回ができる手段による正面突破。
なお、上記手法は全て現実性を度外視して考案されたものであり、また【作戦参加者のうち誰か一人でもティターニアの下へ辿り着ける】場合を想定したものである。あくまで現時点の不十分な情報を元にした概算であること、および上記手法を実施した際における消耗、損失、懸念などは全て無視していることに注意されたし。
◇コクーンメイデンが刺さったアラガミについて
第二次威力偵察における撤退時にヴィスコンティ2番隊が確認した3体のアラガミは、ラケル・クラウディウスがその存在を類推していたコクーンメイデン寄生体である可能性が高い。今回確認された限りでは、
①背部から突き刺さったコクーンメイデン(クアドリガ)
②背部から突き刺さり、胸部まで貫通したコクーンメイデン(ディアウス・ピター)
③胴体下面から突き刺さり、胴体上面まで貫通したコクーンメイデン(グボロ・グボロ)
の3パターンがあり、このうち①、②についてはフラックメイデンより発射されたフラックメイデン(飛翔体)が突き刺さったものであると思われる。一方で③についてはフラックメイデン(飛翔体)によるものとは考えづらく、地中から生えてきたコクーンメイデンが突き刺さった可能性が懸念されている。
現状においては、コクーンメイデンが突き刺さったアラガミがティターニアのいる方向に連れ立って移動している姿だけしか確認できていないが、ラケル・クラウディウスの仮説が正しい場合、件のアラガミはコクーンメイデンに寄生され、ティターニアの餌として操られていた可能性がある。
今の所はこの3体以外にコクーンメイデンの突き刺さったアラガミは確認されておらず、またコクーンメイデン以外のアラガミが通常の行動形態の範囲を超えて連携して行動する姿は確認されていないが、今後は同様のケースが発生していないか注意深く経過を観察する必要があると判断する。
◇その他
第一次威力偵察、および第二次威力偵察の結果より、ティターニアおよびフラックメイデンはペイラー・榊、ラケル・クラウディウスが事前に類推した通りの生態である可能性が非常に高いことが示された。今後はティターニアの勢力圏(フラックメイデンによる射程範囲)を広げないよう、階級を問わず神機使いはコクーンメイデンの積極的な討伐に従事すること。
なお上記理由により、本案件が解決の兆しを見せるまで、コクーンメイデンのコアは原種、堕天種、およびランクの区分け無く特別価格での引き取りとする。引き取り対象となるコクーンメイデンのコアはなるべく傷が無く、新鮮で、量が多い方が望ましい。特別価格での引き取りを希望する神機使いは、素材受け渡し時にその旨を必ず通達すること。
※本対応は、イレギュラー的な対応に対するアナグラからの慰労を兼ねた特別手当としての側面もあります。従来、コクーンメイデンのコアはそこまで高価な価格での取引はされておりませんでしたが、ヴァジュラのコアと同程度の価格での引き取りを予定しておりますので、この機会に積極的に討伐するようにいたしましょう。
なお、特別手当が発生するのはあくまでコアの引き取り時のみであり、討伐に対する特別報酬は発生しないので、コアの回収は忘れないようにしてください。