GOD EATER:救雷の神鳴   作:ひょうたんふくろう

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110 コクーンメイデン討伐ミッション:赤い雨の被液事故に関する報告書

 

【コクーンメイデン討伐ミッション:赤い雨の被液事故に関する報告書】

 

 本報告書は、2074年10月に発行されたミッション(コクーンメイデン討伐ミッション/ミッションコード:7410FS121)および当該ミッションにおける赤い雨の被液事故について報告するものである。

 

◇対象ミッション

 コクーンメイデン討伐ミッション

 

◇ミッションコード

 7410FS121

 

◇ミッション開始日(事故発生日)

 2074年10月7日

 

◇ミッション参加者

・片桐キョウヤ(上等兵)

・桜田チハル(上等兵)

 

◇ミッション目的

 作戦エリアに出現したコクーンメイデンの討伐。

 

◇被害内容

 片桐キョウヤ上等兵の赤い雨の被液、およびそれに起因する黒蛛病の発症。

 

◇被害原因

・アラガミの攻撃による防護服の破損。

・突発的に発生した赤乱雲および移動手段を喪失したことによる避難の遅れ。

 

 

【経緯】

 

◇ミッション発行

 2074年10月7日の0800に、フリーの討伐用ミッションとして7410FS121が発行。本ミッションはコクーンメイデンの討伐ミッションであり、片桐キョウヤ上等兵、桜田チハル上等兵の両名はティターニアへの対抗のために本ミッションを受注。両名は0900にアナグラから軍用バギーに乗って目的地へと向かった。

 なお、ミッション発行時点では赤乱雲の発生および赤い雨の降雨の予報はされておらず、神機使いたちは自由に任務を受けられる状態となっていた。

 

◇作戦行動中

 1036頃、両名は作戦エリアに到着。約300m先に目視にて討伐対象のアラガミの姿を確認できたため、両名は降車して作戦行動を開始した。

 討伐対象のアラガミの中にコクーンメイデン異常個体が混じっていたため、この時点では作戦エリア内に潜むアラガミの正確な数の把握は困難であったが、両名は特に消耗することなく異常個体以外のコクーンメイデンの撃破に成功。目視にて周囲に別のアラガミがいないことを確認した両名はそのまま戦闘を継続した。

 1103頃、作戦エリアの周囲一帯にて急速に赤乱雲が発達。およそ六十分以内に赤い雨のゲリラ豪雨の発生が予想される状態となった。オペレーターの竹田ヒバリは赤い雨に関する警告を戦闘中であった両名に行うも、両名は戦闘の継続を選択。最終的に、コクーンメイデン異常個体は桜田チハル上等兵のブラッドアーツにて討伐されることとなった。

 

◇移動手段の喪失

 コクーンメイデン異常個体をほぼ消耗無しで討伐した両名であったが、コクーンメイデン異常個体が討伐される直前に放ったオラクル弾が両名の移動手段であった軍用バギーに直撃。オラクル弾が直撃した軍用バギーは爆発、炎上して走行不能なレベルで破損。1110時点にて、両名の移動手段は完全に消失。周囲および徒歩での移動範囲に雨避けとなる場所は無く、赤い雨から逃れてアナグラへ帰投するのは絶望的な状況となった。

 ほぼ同時刻にて、竹田ヒバリは両名を救出するための特別回収班の結成を宣言し、赤い雨対策を施した特殊車両と曹長以上からなる神機使い二名以上の派遣を要請。ブラッド隊のジュリウス・ヴィスコンティ大尉が竹田ヒバリの要請を承認。ジュリウス・ヴィスコンティ大尉はブラッド隊の神威ヒロと共に特別回収班に参加した。なお、神威ヒロの階級は上等兵であったが、非常時の特例措置としてジュリウス・ヴィスコンティ大尉の判断の元に、特別回収班への参加を許可されている。

 救出準備が進む中、片桐キョウヤ上等兵と桜田チハル上等兵の両名は軍用バギーの残骸の付近で赤い雨の防護服を格納した高耐久性コンテナを発見する。発見時点にてコンテナは爆発の衝撃により大きく変形しており、開閉機構は完全に破損した状態となっていたため、片桐キョウヤは人力にて扉部分を破壊。中に格納されていた防護服を回収した。

 

◇被液事故発生

 1117頃、コンテナに格納されていた二着の防護服のうち、一着が使用不能なレベルで破損していることが判明。片桐キョウヤは無事な一着を桜田チハルに着用させ、破損したもう一着を適当に切断し、簡易の雨避けシートとして桜田チハルに巻き付けた。また、さらにその上から自身の上着を桜田チハルに被せた。

 1130頃、赤い雨の降雨開始。片桐キョウヤは身を挺して桜田チハルの雨避けとなり、全身に赤い雨を被液。特別回収班が現地に到着するまでのおよそ九十分にわたり、被液し続けることとなった。

 1300頃、特別回収班が赤い雨に打たれる両名を発見し、回収。片桐キョウヤの赤い雨の被液量が甚大であることは明白であったため、この時点で片桐キョウヤはレベルIII以上の隔離措置を取られることとなった。また、桜田チハルも赤い雨の被液の可能性があったため、レベルIの隔離措置となった。

 1450頃、両名は特別回収班と共にアナグラへ帰投。片桐キョウヤは即時の黒蛛病患者隔離病棟への隔離措置となった。

 

 

【片桐キョウヤの容態について】

 2074年10月7日の夕方に実施した精密検査の結果、片桐キョウヤは黒蛛病に感染していることが判明した。また、翌日未明に巡回中の看護師が片桐キョウヤの両足に黒蛛病患者特有の紋様が浮き上がっていることを確認。最終検査を実施し、2074年10月8日の0800にて、黒蛛病の発症が確認された。

 現時点における、片桐キョウヤの容態は以下の通り。

 

◇自覚症状:症状レベル

 軽微な倦怠感こそあるものの、明確な自覚症状なし。症状レベル1と判断。

 

◇紋様の状態:進行度レベル

 両足首から大腿にかけて、目視で確認できる紋様あり。紋様の占積率は概ね40%程度。足首に近い方がやや色味は濃い。上半身には紋様は確認されず。進行度レベル3以上と判断。

 

◇所見

 被液量、被液時間が甚大であった影響か、被液から24時間以内に進行度はレベル3の非常に危険な状態にまで到達している。一方で、進行度レベルに対する症状レベルは低く、外観以外に目立った影響は確認されていない。

 片桐キョウヤは神機使いとしては初の黒蛛病の感染・発症者であるため、進行度レベルに対して症状レベルが低いのが神機使い特有の現象であるのか、または片桐キョウヤ自身の体質によるものなのかは現在の所不明である。

 進行度レベルが3以上であるため、隔離措置は継続とする。進行度レベル、被液時間、被液量を総合的に考慮すると、今後症状が急激に悪化する可能性が高いため、細心の注意をもって経過確認を実施すること。

 

 なお、片桐キョウヤは黒蛛病に関するすべての臨床試験に対して非常に協力的な姿勢を見せている。彼から提供される検体は黒蛛病の原因究明および撲滅における非常に貴重なサンプルとなるため、敬意をもって取り扱うこと。

 

 

【桜田チハルの容態について】

 2074年10月7日の夕方に実施した精密検査の結果、黒蛛病には感染していないことが確認された。一方で、精神的に大きく動揺した状態が続いているため、一日一回のメディカルチェックおよびメンタルケアを受けることを医師より指示されている。

 

 

【再発防止策】

 

◇暫定対策

◇恒久対策

 

 

※検討中。あとで整理して記載します。余分なメモは忘れずに消すこと!

 ⇒よろしくお願いします。

  検討メモも大事な資料なので削除はせず、別途アーカイブに残すようにしてください。

  ⇒了解です。

 

 

 

・徒歩以外の手段で作戦エリアに近づけるのは、作戦エリアより500mまでとする。

 ⇒再検討をお願いします。

  ⇒作戦エリアは後方支援のトレーラーが接近できるギリギリの距離を考慮して設定されています。

  ⇒今回のように、遠距離攻撃を行えるアラガミがいる場合は対策になり得ません。

  ⇒神機使いの移動の負担が増えることも考慮すると、あまり効果は見込めないと思います。

 

・コンテナボックスの耐久性を強化する。または、予備のコンテナボックスも用意する。

 ⇒再検討をお願いします。

  ⇒コンテナボックスはフェンリル内部規格における最高ランクの耐久テストをクリアしており、これ以上の耐久性を求めるのは技術的に困難を極めます。

  ⇒予備のコンテナボックスがあったとしても、同じ車両に搭載していた場合効果はありません。

   ⇒複数部隊による行動を義務付ける(二台以上の車両での行動を義務付ける)

    ⇒実運用面での負担が大きくなる懸念がありますが、検討します。

 

・防護服が破損しても修理できるように、修理道具(ソーイングセット)の携帯を義務付ける。

 ⇒検討します。

  ⇒防護服は特殊加工により製作されているため、通常の裁縫道具では十全な修理はできません。

   ⇒十全な処置が出来なくとも、簡易的でも修理ができるのであれば携帯しても良いと思います。

    ⇒了解。ただしその場合、裁縫技術の教育訓練と力量評価(とその管理)は必須です。

 ⇒そもそも防護服が片方だけ無事だった理由は?

  ⇒手前側に入っていた防護服が保護の役割を果たしたためだと思われます。

   ⇒防護服に防護服を包むように格納すれば破損のリスクは大幅に減らせるのでは?

    ⇒防護服の耐久性は最低限のものなので、今回は奇跡的なケースだと判断します。

 

・神機兵の現場投入の実現(赤い雨を気にせず行動できる戦力への代替)

 ⇒神機兵なら赤い雨の影響を受けずに行動できます。

 ⇒有人制御なら、神機使いであれば操作可能。運用もできるのでは?

  ⇒神機使いでも乗りこなすのに訓練が必要です。

  ⇒事前に入念なメディカルチェックも必要です。

   ⇒現時点では、搭乗者に深刻な後遺症が発生する懸念があります。

 

・撥水加工、防水加工を盛り込んだ特装服を開発する(戦闘服と防護服の一体化)

 ⇒検討します。ただ、すぐの対応は難しいです。

  ⇒特殊な加工が必要なため、戦闘に耐え得る機能性と耐久性の両立が技術的に困難です。

  ⇒一枚布の貫頭衣やマントであれば対応するのは比較的簡単なのでは?

   ⇒その場合、今の防護服とほぼ変わりません。

 

・赤い雨の降雨予想精度の向上

 ⇒検討しますが、これ以上の精度向上は技術的にかなり難しいです。

 

 

 

 作成中です。適宜追記などお願いいたします。





【NORN:データベース更新】

◇片桐キョウヤ
 片桐キョウヤ(17)
 2072年フェンリル極東支部入隊。現在の階級は上等兵。
 出生:1月11日 身長:178cm

 ミッション中に赤い雨を全身に被液し、黒蛛病を発症。黒蛛病進行度レベルは3以上。ほぼ黒蛛病の末期状態ではあるが、現在のところ明確な自覚症状なし。ただし、進行度レベル3以上であるため、今後容態が急激に悪化し、身体機能の著しい低下や吐血などの症状が現れる可能性が非常に高い。
 本来であれば暫定的に神機使いとしての任を解き、黒蛛病患者隔離病棟への強制隔離、療養措置となるが、本人の強い希望およびペイラー・榊らの判断により、事前に認可された任務中に限り、神機使いとして行動制限無く活動することを許可されている。
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