GOD EATER:救雷の神鳴   作:ひょうたんふくろう

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36 ハガンコンゴウうめえ

 

 その後のことを述べて……いや、思い出していこうと思う。

 

 アンチジャミング剤の試食(?)をした後は、リッカさん主導のもと、私の素材を剥ぎ取ることに。こう見えて私は今までに発見例のない珍しいアラガミである上、非常に強力で特異な性質までもっていると来た。サンプルはいくらあっても足りない、というのが実情なのだろう。

 

 まずは毛。リンドウさんとキョウヤの神機によりほどほどに良い感じの所をカッティングする。ただの毛にいったいどれだけの有用性があるかはわからないけども、オラクル由来の繊維としてみればこれほど極上の物はないだろう。文字通り、神機でしか切ることができないのだから。

 

 ……あれっ、織ったり仕立てたりするのってどうやるんだ? まさかミシンみたいな神機があったりするのかね?

 

 ともあれ、どうせあとでいくらでも生えてくるってことで毛を切りまくる。アラガミを殺さずに素材だけ集めるだなんて、果たしていったい誰が想像したことだろうか。本来は命がけの作業であるはずなのに、そこには羊の毛刈りのごとくのどかな光景が広がっていたっけ。

 

 もちろん、不満がなかったわけじゃない。リンドウさんはあの通りの性格で、そしてキョウヤのやつは私に対するリスペクトがまるでない。せっかく大人しく毛を切らせてやっているというのに凄まじく適当というか大雑把で、見目を整えるという意識が酷く欠落している。

 

 私のキューティでエレガントなダイナマイトヒップが、見るも無残な十円ハゲみたいなケツに仕立て上げられたことに気付いた時はもう、マジでキョウヤのやつを噛み砕いてやろうかと思ったよね。

 

 『センス無さ過ぎ』、『可哀想だと思わないの!?』ってリッカさんとウチの娘が文句を言ってくれなければ、きっと私は千円カットで失敗したかのようなみすぼらしい姿を周りに晒す羽目になっていたことだろう。『別に誰も気にしねえよ』、『ムダ毛を処理してやってるだけだ』……って、あの二人は最後まで納得してなかったけどさ。

 

 とりあえず、なんとかそれなり程度にさっぱりした感じに切りそろえることだけはできた。切った毛は全部サンプル行き。もちろんふかふかボディは健在で、上等な毛布みたいな手触りもそのまんま。

 

 『もしちょっとでも余ったら、タオルバンダナにしてほしいです! 絶対すっごく良い奴になるはずですから!』ってチハルちゃんがすっげえ熱望していたっけ。ママてきには、娘のためなら百億万枚でもプレゼントしたい所存。それこそケツが全部丸ハゲになるのも厭わないっていう。

 

 その後は爪のカッティング。こいつもやっぱり貴重なアラガミ素材。私自身の図体が図体だから、爪の先だけといってもかなりのデカさ。こいつをリンドウさんの精密な神機捌きにより、爪切りよろしく切っていく……っていうアレね。

 

 『やべえ、腕ごとやっちゃいそう』ってリンドウさんがボソッと呟いた時はマジで肝が冷えるかと思った。思わず手を引っ込めそうになってしまった私をどうか許してほしい。

 

 なんだかんだでこちらもやっぱり恙なく完了。さすがに全部の爪を切ると私の戦闘能力が下がってしまうから、各手足(?)の薬指の爪だけを切ることとなった。親指や中指は当然として、一番端で一番小さい小指もやられちゃうとふんばりとかが全然効かなくなる予感がひしひしとしたんだよね。

 

 そうそう、貴重なサンプルとして私の血液も採取されることになった。『ごめんね、ちょっとだけ痛いかもだけど我慢してね……!』ってチハルちゃんが泣きそうな顔で言うから何かと思いきや、キョウヤのやつが割と遠慮なく私のケツに(神機で)噛みついて来たんだよね。

 

 とりあえず尻尾でぶっ飛ばしておいた。不意打ちでケツを噛みつかれたのだから、これくらいは許してほしいと思う。せめて一声かけてくれればなあ……。

 

 あえて語るまでも無く、本気でケツを食い千切ろうとしたわけではなく、ちょっと牙を突き立てて出血させるのが狙い。『キミの体に注射器が刺されば、こんなことせずに済んだんだけどね』ってリッカさんが言ってた。自分じゃまるで気づかなかったけど、既にリッカさんは注射器で私の血液を採取しようと試みていたらしい。

 

 が、神機でなければ傷がつかないこのカラダに注射針なんて刺さるはずも無く。私には針が刺さった(突き付けられた)ことすら気付かなかったって寸法よ。

 

 ちょっと困ったことが一つだけ。みんなして私のケツの傷口から血液を集めていたのはいいんだけど、私の回復力が高いせいかすぐに傷口が塞がっちゃったんだよね。『あらら……もう一回やってもらえる? 今度は結構、がっつり深めでよろしくね?』ってリッカさんがさらりと言って、キョウヤが『これ以上やったらマジでこいつに殺されるんでやりたくないっす』とかふざけたことを言っていたのを覚えている。

 

 まったく、あいつは人のことを何だと思っているのか。私以上に温厚で人に理解のあるアラガミなんて存在しないというのに。すこしはウチの娘のことを見習ってほしいものである。

 

 結局、500mlのペットボトル四、五本程度の血液を採取したと思う。『もう持ちきれないから、今日はこんなもんでいいか』ってリッカさんが言ってた。

 

 あとは……そう、牙と角。ただしこちらは次回に見送り。『マジな話、口の中のものを折り取ろうとして反撃しない生物っていないだろ? いくらこいつが賢くても、反射的に食い殺す可能性の方が高そうだが』……って、キョウヤがイモを引いたためである。

 

 ただ、さすがのチハルちゃんも今回ばかりは頷かざるを得ない感じだった。『…………もっとキョウヤくんとルーちゃんが仲良くなるか、神機が直ってから私が直接やるかのどっちかかな』とのこと。

 

 チハルちゃん自身は私の口に腕を突っ込む……いいや、それどころか頭を突っ込むことにも何の抵抗もないそうだけれど、他の人がそうするのはまだちょっと不安があるらしい。ママに対する解像度が高くてちょっと照れちゃうっていう。

 

 角もほぼ同じ理由。『ちょっと欠けたくらいならすぐ元に戻りそうだが、ハンニバルの逆鱗をブチ折るのと同じような感じがするんだよな……』とリンドウさんが言ったんだよね。

 

 ……アラガミ化していた時の事でも思い出したのだろうか? なんだか妙に生々しい(?)独白だったのを覚えている。

 

 『たしかに、見るからに高密度のオラクルで形成されている重要器官だもんね。激痛があるかもしれないし、さすがにこれは怒るかも』……ってリッカさんもフォロー(?)を入れていたっけ。

 

 素材採取自体はこんな感じ。本当だったら色々もっと採ってみたかったのだろうけれども、何分【生きたアラガミから素材を採取する】こと自体が初めてのことだ。ノウハウもない手探りの割にはよくできたと評価するべきだろう。これもひとえに私が大人しくて良い子だったから実現できたことである。

 

 なお、採取の時間のほとんどずっと、コウタは私の背中でその感触を存分に楽しんでいた。『俺の神機じゃ採取はできないからしょうがない』、『あったけえなあ……ノラミって感じの背中だ……』、『ほら、お前も本当はノラミの方が良いんだろ? ……遠慮なんてしなくて良いんだぜ?』ってずっとささやいてきたんだけど、あれはマジでどう反応するのが正解だったんだ?

 

 素材採取の後はリッカさん、リンドウさん、コウタと分かれ、チハルちゃん、キョウヤを背中に乗せてエイジスの外へ。あ、別れ際、リッカさんより『これ、ジャミング対策用の試作ルータね』……と、何やら妙な機械を受け取ったっけ。

 

 私のジャミングは近距離なら通信が成立するのだから、なんかこう上手く補佐するルータがあればジャミングの影響を無視できるんじゃないか……という実験をしたいらしい。ポケットWi-Fiてきなものだろうか?

 

 難しいことはよくわかんなかったので、その辺の実験は全部チハルちゃんらに任せた。私は言われた通りに走って、アラガミ☆グルメツアーを楽しんだ次第。今回はオウガテイルやコクーンメイデンなど、小型アラガミが多めのメニュー。強いアラガミほど質が良い(?)ため美味しいんだけど、ジャンクなものを後先考えず好きなだけ食べたくなる時ってあるよね? ……あるよね?

 

 最近ちょっと気づいたんだけど、もしかすると私、コクーンメイデンをしがむのが好きなのかもしれない。最初は歯ごたえも味もしなくて美味しくないと思ったんだけど、こう……何度もずっとしゃぶっているうちにほのかな旨味を感じられるようになってきたというか。アラガミの味に慣れただけかもわからんけど、コクーンメイデンの美味しさに目覚めた気がする。

 

 ……いや、どっちかっていうとビールの美味しさが初めて分かった時の気持ちに似ている……のか? 今まで美味しくないと思っていたものなのに、ある日ふと食べてみたら美味しく思えるようになったって言うアレ……なんて表現すればいいんだろ?

 

 まぁ、考えても仕方ないことは考えないに限るわ。

 

 ちなみに一番美味いのが荷電性コクーンメイデン。ちょっとぴりぴりするアクセントとほのかな電気の風味が実にいいネ!

 

 なお、私がおなかを満たしている最中も、背中の上の二人は何やらずっと作業をしていた。どうも、リッカさんから通信を貰って指示を受けていたらしい。『こんなに測定するのか……』、『え……なんでこんなに同じこと何回もやるの……?』ってキョウヤもチハルちゃんもげんなりしていたし、最後のほうはかなり集中力が切れていたのがはっきりとわかったっけ。

 

 実際、『ぶわーってやつ、よろしく』、『前の場所にもう一回戻ってくれる?』、『今度は止めて』……というのを、冗談抜きに五十回はセットで言われた気がする。ルータの能力や私のジャミング領域の影響範囲の測定でもしていたのだろうか。

 

 測定ばらつきや再現性の確認……ってことを考えると、むしろよくぞまぁ五十回程度で満足してくれたものだと思う。キョウヤは十回を超える前に飽きだして、『何でもいいから撃ちてェ』って神機に手をかけていた……というか何回か獲物を横取りされたのを覚えている。チハルちゃんの苦労がしのばれるというものよな。

 

 そんな感じで測定を繰り返していたところ、緊急入電が。なんかめっちゃ心臓に来る警告音(?)が鳴り響いたと思ったら、『ここから少し離れたエリアで、想定外のアラガミの侵入が確認されました!』……っていう、割とゲームでよく聞いたような感じのヒバリさんの声が聞こえてきたんだよね。

 

 その想定外のアラガミってのがまさかのハガンコンゴウ。当然のように複数体(三体)。そしてそんなハガンコンゴウに囲まれて(?)、潜伏して動けない状態になっているのはいわゆるモブの神機使いのみなさん。

 

 ハガンコンゴウ自体が強い部類のアラガミ……第二種接触禁忌種な上、複数体ともなればそりゃヤバい。あいつ硬いし攻撃範囲広いしすぐ気づくし群れるしで何気にかなり厄介なんだよね。ついでに弱点属性である神属性の神機って準備するの面倒だし。

 

 そんなの気軽にぶっ殺せるのなんて極東においても第一部隊くらいしかいない。当然、モブの神機使いじゃせいぜいが足止め程度……ってところだろう。

 

 『第二種接触禁忌種への対応が可能な神機使いを派遣する余裕はありません。周辺で対応が可能だと思われるのが、その……』と通信機器越しにヒバリさんが口ごもるのがわかった。『わかりました、すぐ向かいます』ってウチの娘ってばすごくあっさりOKを出した。『ルーちゃん、お願いできる?』って背中をぽんぽん。頼られるって最高ですわァ……!

 

 そんなわけで全力ダッシュ。『これ規定違反にはならないっすよね!?』、『フォローというか後始末とか、マジで頼みますよ!』ってキョウヤが通信機器越しになんかめっちゃいろいろ言っていたっけ。今になって思えば、チハルちゃんの階級じゃ能動的に接触禁忌種と戦うことは許されていないはずだし、トップシークレットな私を非関係者であるモブ神機使いに見せるのもそれなりに問題があったのだろう。

 

 だけどまあ、人命の前では些細な問題だ。それにどうせ、ヒバリさんの裏で榊博士が指示を出していたに決まっている。

 

 なんだかんだで二十分ほど全力疾走。『もうそろそろだよ!』って言われた頃合いにて、ビリビリパワーのユーバーセンス(仮)を発動。『バカ野郎、ここでジャミングしてどうすんだよ!』ってキョウヤには強かに背中の毛を引っ張られたけど、ユーバーセンスなんだからしょうがねえっていう。

 

 発動してすぐに、初めて感じる強めのオラクル反応と、あとか弱いか弱いニンゲンさんのオラクル反応をそれぞれ三つずつ確認。なんか思いのほかアラガミと人間の距離が近くてマジビビった。

 

 とりあえずカッコよく雄叫び。ついでにちょっぴりの演出として雷も落としてみた。『いいねえ、やる気満々じゃん!』……と、チハルちゃんからは高評価だったのに、キョウヤからは『いきなり本部と連絡が途絶えたうえにヤバいアラガミの咆哮まで聞こえたら絶望以外の何者でもないだろうが! 常識考えろ!』……と、お叱りの言葉を頂いてしまった。たまに正論言ってくるから困るっていう。

 

 ともかく目論見通り、私の存在に気付いてすぐにハガンコンゴウがやってきた。相も変わらず見事なきんぴかボディ……なのはいいとして、普通のコンゴウの顔面にあたる位置に異形の顔が三つもめり込んでいるというなんとも食欲が失せる見た目。少しは食べる人のことを考えてもらいたいものである。

 

 さすがに接触禁忌種だけあってちょっとは賢い(?)らしく、連中は小手調べとばかりに雷球を発射してきやがった。当然私には効くはずも無く、そのまま突っ込んで飛び掛かる。ちょっぴり意外なことに、そこそこ真面目にガントレットを叩きつけたつもりだったのに一撃で仕留めることはできなかった。足の下でなんかもぞもぞ動いている感じがひしひし。

 

 まぁ、そのまま普通にぶちっと潰したけど。背中にチハルちゃんを載せていなければ、そのままじっくり電熱でウェルダンにしたかったものだ。

 

 一体目の惨状を見てなお、二体目と三体目は逃げ出さなかった。一体はローリングアタックをぶちかましてきて、もう一体はやっぱり放電攻撃をしてきたのを覚えている。

 

 当然、体格で勝る私にローリングアタックが効くはずも無いし、放電攻撃も言わずもがな。ただ、背中にいる二人のことを考えてローリングアタックについては念のため跳んで避ける。ちょうど空中で交差するように飛び交う感じって言えば伝わるだろうか。何気に結構スタイリッシュだったかもしれない。

 

 ちょっと意外だったのが、『ひゃっはァ!』って下品に叫びながらも、キョウヤが銃撃を成功させていたところだろう。アサルトの銃撃で威力自体は大したことなかったとはいえ、まさか空中で後ろから攻撃されるとは思ってもいなかったのか、ハガンコンゴウは勢い余って(?)だいぶ派手に地面に激突していたっけ。

 

 ……マジな話、あいつ結構銃撃上手い感じ? 跳んでる私の上からローリングアタック中のハガンコンゴウに銃撃するのってだいぶ難しくない? しかもあれ初めてのはずだよね?

 

 とりあえず、みすみす隙を見逃す道理はないのでその後は迅速に止め。ガントレットで押さえつけ、そのまま思いきり嚙り付いてやった。歯ごたえ抜群、そしてなぜか意外なほどにぷりぷりとしていて食感が非常に楽しい。味も結構濃いめで食欲も刺激されまくり。あの見ためからは想像できない美味しさだったと言えよう。

 

 ただ、羽衣の部分はイマイチ。元が通常のコンゴウのパイプ状器官と同じだからか、中はかなりスカスカで味気ない。いや、コクーンメイデンやザイゴートを食べているよりかは満足感はあったけど、変に期待していた分ガッカリ感もひとしおだったというべきか。

 

 『ご飯はまたあとで! 最後の一匹もよろしくね!』ってチハルちゃんに声を掛けられ、戦闘再開。どうやら私が食事を楽しんでいる間にも、奴は私に電撃で攻撃していたらしい。ついでに言えばキョウヤも私の背中からハガンコンゴウを撃ちまくっていたようだ。『ちくしょう、全然銃撃が通らねえ』って文句言ってた。

 

 せっかくなので、最後の一体は高温で仕留める。牙に思いっきり帯電させて食らいつくだけ。体格でも素早さでも勝る私が相手では、ハガンコンゴウじゃもはや成す術もない。体を貫かれながらもしばらくはピクピク動いていたけど、抵抗虚しく最後は見事なウェルダンとして美味しく再会することになった。

 

 まぁ、一直線上で私に目を付けられた段階であいつの運命は決まっていたようなものだ。例え電気を使っていなかったとしても、そのときはメニューが踊り食い(?)になったってだけの話である。オオカミさんの瞬発力と顎の強さは伊達じゃないっていう。

 

 そんな感じで戦闘終了。他の中型アラガミよりは楽しめたとはいえ、終わってみれば随分とあっけなかった。接触禁忌種にしては少々味気ない……と思ったけど、私との相性が最悪だってのも大きいのだろう。

 

 ハガンコンゴウの攻撃って究極的には電気と殴る蹴るしかないわけだから、電気が効かずに体格で劣る相手に対してはどうしようもないんだよね。

 

 その後は後処理タイム。隠れていたモブ神機使いのみなさんとは無事合流。さすがに私の姿にだいぶビビり散らかしていたけれども、ハガンコンゴウを無邪気に頬張る私の可愛い姿を見て、いくぶん安心してくれたっぽい。最後には観念して(?)、自ら腕を開いて私に体の匂いを嗅がせるって言うアレをしてくれたっけか。

 

 『災難だったとは思うが、フェンリルの闇を見てしまった以上はもう普通の生活には戻れないぞ』ってキョウヤが悪い顔してモブ神機使いたちを脅していた。『こいつのことを知っているのは一握りの人間だけだ。……わかってるよなあ?』と随分とビビらせていたのを覚えている。

 

 単純に、私の監視役(エイジス駐在員)を任せられる人間が増えたってだけの話なのに。可愛そうに、一番若い男の子は今にも泣きだしそうな顔をしていたっけ。

 

 一応、最後の報告の際にヒバリさんが色々話してくれていたっぽいから、誤解自体はないと思うんだけど。

 

 だいたいこんな感じだろうか。他にもいろいろ細かいやり取りはあったけど、その後は救援ヘリが来るまで待機して、そこでそのままチハルちゃんらと分かれてエイジスに戻った。あんまり人目に触れるわけにはいかないし、エイジスからアナグラまでの移動って、人の足だとそれなりにかかるからね。

 

 これからもきっと、こんな感じで緊急出動することも増えていくのだろう。そんな事態なんて起きないほうが好ましいとはいえ、無理やりポジティブに捉えるならばその分強くて美味しいアラガミと出会えるチャンスということでもある。正直実験に付き合うよりもこっちのほうが嬉しいや。

 

 まだまだ彼らとの交流は始まったばかりだけれども、悪くない滑り出しだと思う。願わくばこのまま、平穏かつ穏やかに楽しいアラガミグルメライフを楽しみたいものだ。

 

 ──明日もみんな安全に、おなかいっぱいご飯を食べられますように。

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