GOD EATER:救雷の神鳴   作:ひょうたんふくろう

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85 Have a wolf by the ears

 

「やっぱアレ(・・)、ルーじゃないのか……」

 

 キョウヤの視線の先。銃使いでなければ気にもしないような遥か遠方に、そいつは確かにいた。

 

 白く大きな、四つ足のオオカミのような体。一際目を引く、前足の厳ついガントレット。胴体や頭は白い毛皮で覆われていて、ぱっと見はルーとそっくりだ。大きさもやっぱりルーと同じくらいはあるようだから、遠目からみたら見分けはかなりつきにくい。

 

 ただ、こいつはルーと違って背中に青いマント状の器官がない。代わりに赤い筋繊維の帯のようなものが四対八枚ほど生えている。そして額の角が無く、顔にあるはずの仮面も無い。

 

 さらに言えば……ルーの尻尾は扇状で大きくてふかふかなのに、こいつの尻尾はふかふかしていそうな見た目ではあるものの、どちらかと言えば細くて長い……まるで(ほつ)れた筋繊維のような見た目をしているのだ。

 

 これらを端的にまとめるならば。

 

「ルーの蒼を赤に変えた、パチモンってところか」

 

 所々の細部の意匠が異なる、赤いルー。それが、そのアラガミを見つけてしまったキョウヤが最初に抱いた印象だった。

 

「ロミオ、チハルたちは何か言ってたか?」

 

「いや……あれからすぐに、通信切れちゃったよ。もう、全然つながらないや」

 

 ──ほんの少し前。指定の待機ポイントで迎撃の詳細を改めて確認していたキョウヤは、視界の端で何かが動いたことに気づいてしまった。銃使いとして常に見える範囲にあるものに注意を向けるようにしているキョウヤは、いつも通りの自然な行動として……遥か遠方、崩れたビルの上で佇むそのアラガミを見つけてしまったのである。

 

 無論、ただのアラガミだったら大して気にすることもなかっただろう。例のナナの《血の力》で引き寄せられただけで、どうせこっちには気づいてすらいないんだ……と、そう切り捨てていたに違いない。

 

 だけれども。

 

 それがルーとそっくりなアラガミともなれば、話は別だった。

 

「……どうしましょう、ハルさん」

 

「──ちょっとばかり、マズい事態ではあるだろうな」

 

 油断なくそのアラガミを見据えたまま。

 

 何かを思案するように、真壁ハルオミ──臨時でキョウヤ、ロミオの隊長を務める熟練者(ベテラン)はつぶやいた。

 

「姿形から察するに、アレもガルム神属だろう。ただ、あれだけルーとそっくりなのが気にかかる。せめて同じ見た目だったらまだよかったんだが……」

 

「……」

 

「ルーってのは特別なアラガミだ。だが、ルーという種族が特別なのか、ルーという個体が特別なのかはわからない。……ルーとそっくりなのが、良いことなのか悪いことなのかがわからない。ルーと同じく賢くてわかりあえるアラガミならいいが、最悪の場合は」

 

「ルーと同じくらい賢くて強い、普通のヤバいアラガミ……か。その場合、俺たちは見つかったら全滅……いや、下手したらアナグラ全体がヤバいかも」

 

「え……やめろよキョウヤ、変なこというなよ……。きっとあいつもルーみたいに優しいアラガミだって。そしたらほら、あいつはフライアで面倒見ることにして、名前も俺らが考えたいな」

 

「……なあ、ロミオ」

 

 ただ佇んでいるだけなのに、確かに感じるプレッシャー。虚空を見つめているだけの……まるで、この世の生き物なんてただの獲物としか思っていないような凶悪な瞳。口の隙間から覗く牙はどこまでも凶暴で、そしてそれは──キョウヤが持っているアラガミのイメージと、まったく違わないものだ。

 

「あれが、人と仲良くできそうな顔に見えるか?」

 

「……見えない、かな」

 

「だろ? おっかねえツラしているが、ルーはあくまでアホ面だ。……でもあそこにいるあいつは、どこからどう見てもアラガミの顔だ。俺たちの事なんてそこらにいるエサとしか思っていない、人喰いの化け物のツラなんだよ」

 

 キョウヤの言葉は、ロミオも感じていたことなのだろう。何かを言い返そうとするも結局その口から言葉が紡がれることは無く、何かをあきらめたかのように小さなため息が漏れるだけだった。

 

「……これ、下手したらナナの《血の力》どころの騒ぎじゃないんじゃ」

 

「ああ。幸い、こちらに気づいた気配はないが……いずれにせよ、下手に刺激するのも、放置するのも良くないな。次に通信が復活したら、すぐに全体に情報展開してくれ。……それまで絶対、あいつから注意を逸らすなよ」

 

「「了解」」

 

 ひとまずは様子見。それがハルオミの出した結論だった。相手の実力が未知数である以上、こちらから攻撃を仕掛けるというのはありえないし、もし本当にアレがルーと同じく友好的なアラガミだったとしたら、それこそ取り返しのつかないことになってしまう。

 

 ──ガルムの堕天種……なんて、甘い考えはしないほうが良いんだろうな。

 

 はるか遠くにいるそいつを眺めて、ハルオミはぼんやりとそんなことを思う。

 

 ルーはどう見ても特別なアラガミだ。種族としてはガルム神属にあたるだろうが、その強さも、その知性も、何もかもが既存のアラガミを凌駕した存在だ。人を襲わず友好的だという時点でイレギュラーのような存在であり、そんな存在がほかにもいるだなんて、ハルオミにはどうしても想像ができない。

 

 つまりあの赤いルーみたいなアラガミは、ガルム神属が本来進むべきだった進化の道を順当に通ったアラガミということになる。そっちの方が話の筋としては通っているし、アラガミの常識に照らし合わせても自然なことだ。

 

 唯一問題があるとすれば──ガルム神属が順当に進化したであろうあのアラガミの実力が、果たしてどれほどのものなのかというその一点である。そしてその答え次第では、ハルオミたちどころかこの極東全体……いいや、それどころかフェンリル全体が壊滅してしまう未来につながりかねないのだ。

 

「くっそ……やっぱ通信繋がらないな。ルーのやつ、ジャミング使ってやがる」

 

「もともとそういう予定だったし、しょうがないさ。敵の感知が出来なきゃ囲まれるリスクがあるし……それに、もう少し待てばまた定期連絡の時間になる」

 

 今回の任務はあくまでナナの《血の力》の制御が目的だ。必然的にアラガミを呼び寄せてしまう以上、付近にいるアラガミの位置は常に把握しておきたいというのが実情である。もとより、作戦の性質上各ポイントでアラガミの迎撃にあたる人員についてはアラガミに襲われる危険が少ないために、今回はルーのジャミング──ルー自身の索敵能力を全面的に解禁しているのだ。

 

「……だけど、ハルさん」

 

「あん?」

 

 キョウヤの疑問。

 

 彼方に見えるその凶悪なアラガミから目を離さずに、ハルオミは続きを促した。

 

「チハルだったら、ルーのジャミングを止めることができる──通話が中途半端に途切れたってのに、どうしてかけ直そうとしてこないんだ?」

 

「……あ」

 

「それって……アラガミに襲われてそれどころじゃないか、もしくは──」

 

 ──チハルの言葉を無視してでも、ジャミングを使うべきだとルーが判断しているか。

 

 そう続くはずだったキョウヤの言葉は、何気ない小さなつぶやきにより妨げられた。

 

「あ……やっべ」

 

「……どした?」

 

 聞きたくない。

 

 本音で言えば、ロミオのそのつぶやきは聞かなかったことにしたい。

 

 けれども──聞こえてしまった以上は気にしなきゃいけないわけで、そして幸か不幸か、その理由は聞かずともわかってしまった。

 

「なあ、キョウヤ」

 

「……」

 

 

 

 

 

「……目、合っちゃった」

 

 

 

 

 

 はるか遠く。明後日の方向を向いていたはずのあのアラガミは。

 

 疑いようもなく、キョウヤたちを見据えている。

 

 ──ガァァァァァ!!

 

「「っ!?」」

 

 雄叫び。体中がびりびりと震えるような重く響く声。空気の振動が物理的な圧迫感となって襲ってきて、たったそれだけでキョウヤ達の体はびしりと強張る。

 

「気合い入れろ! 迎撃準備!」

 

「……っす!」

 

「……はい!」

 

 ハルオミの喝。竦んでいた体に力が戻り、そしてロミオとキョウヤは神機を構え直す。

 

 どうやらこちらを逃すつもりはないらしい。あのアラガミは雄たけびを上げながら、恐ろしいスピードで大地を駆けている。おそらく、あと十数秒のうちにはキョウヤ達の元へとやってきて……そして、戦闘が始まることだろう。

 

「相手の実力は未知数だ! 攻めるよりも守る戦いを心掛けろ! お前ら二人は常にお互いをフォローできる距離を保て! いいか、俺たちは時間さえ稼げばいいってことを忘れるな!」

 

「了解! ……ロミオ、まずは俺が銃で攻撃する! 奴がこっちに注目したら、死角からちょっかいかけてくれ!」

 

「わかった!」

 

 対アラガミ戦闘における基本的な戦術。一人がアラガミの注意を引いている間に、もう一人がアラガミの不意を突く。注意を引く人間はアラガミの攻撃から身を守ることだけを考えていればいいし、不意を突く人間はアラガミに攻撃することだけを考えればいい。可能な限り損傷を抑え、可能な限り相手にダメージを与える戦法として、この戦法はなかなか理に適っている。

 

 ──オオォォッ!!

 

「──っ!?」

 

 ただし。

 

 それはあくまで理屈上の話で、現実は必ずしも理屈通りに事が運ぶとは限らない。

 

「……どうしたキョウヤ!? なんで撃たない!?」

 

 彼我の距離、およそ十数メートル。もはや目の前と言っていい距離──そのプレッシャーが余計にそう感じさせるのだろう──まで白いアラガミが接近しているというのに、キョウヤの銃撃が始まらない。銃撃に紛れて側面に回るはずだったロミオはその姿をそのままアラガミの前に晒しているし、ロミオとは反対方向に回り込もうとしていたハルオミもまた同様だ。

 

「──神機が重い(・・・・・)! そいつ感応種だ!」

 

 撃たないんじゃなくて、撃てない。

 

 実にシンプルで分かりやすいその答えは、ロミオの中に緊張を走らせるのに十分なものだった。

 

 

 ──ウォォォォァァァ!!

 

 

「あっぶねっ!?」

 

 ガントレットによる一撃を、ロミオはかろうじて避ける。ひゅおん、と空気が切り裂かれる音が確かに聞こえて、そして近くが爆発したのではないかという轟音が響き渡った。

 

「あっつ……!?」

 

 揺らめく炎。肺が焼けるような熱気。晒されている素肌がぴりぴりと痛み、特有の臭気が鼻を衝く。

 

「こいつ……やっぱり! 見た目がそっくりなだけの別物だ!」

 

 爆発したのではないか──ではなく、文字通り地面が爆発している。より正確に言えば、その白いアラガミのガントレットから爆炎が噴き出したのだ。

 

「こっちだ!」

 

 ハルオミの銃撃。胴体を正確に捉えたその攻撃は、それなり程度にはダメージを与えることができたのだろう。使用されたバレットは【氷】のもので、爆炎を操るアラガミに対して効果的であるのは疑いようがない。

 

 ──ウゥゥ……ッ!

 

 その証拠に、ほんの少しとはいえ血液によく似たそれがびちゃりと地面に垂れて、白い湯気を出しながら蒸発していく。ぼたぼた、ぼたぼたと傷口から滴り落ち続けるオラクル片は高温の地面に焼かれ、瞬きを三回するうちには白いケロイド状に熱変質していた。

 

「効いてる……! こいつ、ルーほどタフじゃないぞ!」

 

 油断なく神機を構えたまま、ハルオミはそのアラガミからの反撃に備える。これだけの手傷を負わせれば、まず間違いなく相手の敵意は自分に向かうものだと確信して。純然たる事実として、アラガミは攻撃をしてきた人間を襲う傾向があるし、そうでなくとも生物的な反射として、より危険で驚異的な相手を排除しようとするのは自然なことだ。

 

「今度は俺が引き付ける! ロミオは後ろからぶっぱなしてやれ!」

 

 しかしながら。

 

 そのアラガミは──攻撃をしてきたハルオミではなく、さらには神機を動かせないキョウヤでもなく。

 

 ──アアアアア!!

 

「また俺ぇ!?」

 

 なぜだか、再びロミオに向かって飛び掛かった。

 

「くっそ!」

 

 ガントレットの一撃を避け、吐き出される炎をガードして。幸いというかなんというか、どうやらこの白い感応種の行動は、ガルムのそれと大して変わらないらしい。炎の勢いも爆風の威力も普通のガルムとは段違いではあるが、言ってみればそれだけ──ルーとは違って電撃は使ってこないし、その動きはあらゆる意味でアラガミのそれでしかない。

 

 だからこそ、ロミオは猛攻に晒されながらもなんとか持ちこたえられている。もしこれがルーと同等の知能を持っていたとしたら、おそらくとっくにロミオは倒れていたことだろう。

 

「おいおい、俺の相手もしてくれよな!」

 

 ロミオからの注意を逸らすべく、ハルオミが横合いから攻撃を加える。銃による攻撃はもちろん、剣での攻撃──より具体的には、ブラッドアーツすらも使って。

 

「──おらァ!」

 

 オラクル細胞の活性に伴う特有の発光現象。ハルオミの神機の刀身は青白く輝き──鮮烈なる軌跡となって、アラガミの脇腹へと叩きこまれる。一時的に活性化した肉体による威力と速度が乗った攻撃でもあるから、並のアラガミであればそれだけで勝負が決まっていた一撃であったのは誰の目にも明らかだ。

 

 だというのに。

 

 ──アアアアア!!

 

「うわわっ!?」

 

「どうなってんだよコイツ……! 俺の方なんて見向きすらしねえ……!」

 

 どういうわけかそのアラガミは、ハルオミの事なんて目も向けず、ただひたすらロミオだけを執拗に狙い続けていた。

 

「ちょっ、おま、まっ!?」

 

 避ける。防ぐ。身を守ることだけに専念して──というか、反撃する余裕がないだけだ──ロミオはひたすら時間を稼ぐ。そうして稼いだ時間でハルオミが攻撃を叩き込むが、やはりそのアラガミは爪、牙、ガントレット、爆風、炎……と、あらゆる手段でロミオだけを狙い続けている。

 

「ロミオ! 目を瞑れ!」

 

「っ!」

 

 ほとんど反射的に目を瞑れば。

 

 

 ──タァン!

 

 ──ッ!?

 

 

 どこか聞きなれたその音。目を瞑っていてもわかるほどに強烈な閃光。

 

 気づけば、あれほど激しかった猛攻がぴたりと止んでいた。

 

「ナメんなよ……! こちとら、不測の事態への対策はいくらでもしてきてんだからな……!」

 

 二発目のスタングレネードを構えたキョウヤが不敵に笑う。感応種の能力により神機を封じられていても、何もできないわけではない。相棒があんな目に遭ってしまったキョウヤだからこそ、この手の事態についてはかなり念入りな準備をしてきているわけで、その懐にはまだまだスタングレネードのストックがあった。

 

「今まで散々やってくれたなあ……!」

 

 がちゃ、とロミオは神機を構え直す。相手の視界が塞がれている今、反撃するのにこれ以上の機会はない。それに、今までなぜか執拗に攻め立てられていたのだ。ここらで一発やり返しておかなければ気分が良くないし、それなり以上の鬱憤だって溜まっている。

 

 

 ──ウウゥ……ッ!!

 

「謝ったって、許さねえからな!」

 

 

 ヴヴヴ、と特徴的な鳴動がロミオの神機から響いていく。神機と腕輪、そしてロミオ自身のオラクル細胞が共鳴し、活性化して──その破壊の衝動が解き放たれる瞬間を、今か今かと待ち構えている。

 

 たぶん、というかおそらく。

 

 ロミオのこの必殺の一撃──チャージクラッシュでは、このアラガミを倒すことはできないだろう。ハルオミのブラッドアーツをあれだけ叩き込んでも倒せていないのだから、もしかしたら怯ませるのが精いっぱいなのかもしれない。

 

「うぉぉ……!!」

 

 それでも、それなり以上の攻撃になるのは間違いない。仕留めることはできなくとも、撃退することくらいはできるかもしれない。何より──少しでも倒せる可能性がある以上、この危険なアラガミを放置して芋を引くだなんて、ロミオにできるはずがなかった。

 

 

 

「くらえ──!」

 

 

「──伏せろ(・・・)、ロミオッ!!」

 

 

 

 切羽詰まったかのような、ハルオミの叫び。

 

 ほとんど反射的にロミオは倒れ込むようにしてその場に伏せて──ほぼ同時に、頭の上で何かが風を切る音が聞こえた。

 

 その、直後。

 

 

 ──ドォォォン!!

 ──ギャアアアアア!?

 

 

「うっひゃあ!?」

 

 大爆発。轟音と共に爆風にあおられたロミオは、ごろんごろんと地面を転がる。上も下もわからないし、背中も首の裏も痛いし熱いし、おまけに変に焦げ臭い匂いが鼻を突き、ついでに耳もじんじんと痛む。泣きたくなってくるというよりかは、もはや泣いていないほうがおかしいと思ってしまうくらいだ。

 

「な、なんだよ……」

 

 ──ア、……アア、アア……!

 

 何とか立ち上がってみれば──あの凶悪なアラガミが、目の前で黒煙に包まれている。前足の一部は明らかに吹き飛んで大きな穴が開いているし、びちゃびちゃ、びちゃびちゃとあちこちからあまり流したらよろしくない感じの液体が流れ出てしまっている。

 

 もし、あともうほんの少しハルオミの声が遅れていたら。もし、あともうほんの少し伏せるのが遅れていたら。

 

 ああなっていたのは、ロミオ(じぶん)であったのかもしれない。

 

「い、いったい何が……」

 

 ぞっとした背筋。ロミオが確かめるようにして後ろを振り向いてしまったのも、自然なことだろう。

 

 

 

「……あはッ♪」

 

 ──ルァァ……!!

 

 

 

 爆風によって巻き上がった、土煙のその先に。

 

 

 

 

 

「──射線上に入るなって、私言わなかったっけ?」

 

 

 

 

 

 示威するように雄叫びをあげる白いアラガミと、その背中に立って神機の銃口を向ける──トんだほほ笑みを浮かべる神機使いがいた。

 

 

 

▲▽▲▽▲▽▲▽

 

 

 

『──ああ……言葉通り、ルーにそっくりのアラガミだ。尤も、今しがたルーにそのまま喰われちまったけどな。極力サンプルは集めるが、コアの確保は諦めてくれ』

 

「……なんだって?」

 

 極東支部。

 

 今日の任務──【グルメ・ツアー】のために設けられた作戦本部にて響き渡った、ハルオミからの無線通信。

 

『まず間違いなく、アレはガルムの感応種だな。ガルムを白くして、より強力な炎が扱えるようになったって感じのやつだ。似ているのは見た目だけで、ルーとは全然別物だったよ。こっちにケガ人も出ていない』

 

「そんな……まさか」

 

「……まあ!」

 

 スピーカー越しに聞こえてきたその衝撃の事実に、二人の博士──榊とラケルは、同時に呟いた。

 

 

 

 

「──ありえない(・・・・・)

「──みんな無事で、良かったわ」

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