琴乃葉姉妹の日常1   作:黄十字

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Twitterでお題だけ貰ったので、淡々と書いてみました。
書き始めたときはまだ、琴乃は姉妹は持ってなかったので、本当に淡々としたものになってしまいました。

茜「逆にTwitterで暴れとるウチは、ここからの逆輸入なんやよな」

葵「私はあっちだと、随分変わっちゃったね。おつまみ担当になってるし」

茜「そんでオッチャン(マスター)がお酒飲めんなったから、笑えるわな」

葵「お姉ちゃん! 全然笑えないよ!」

茜「まぁ、もうすぐ飲めるようになるから、笑ってええやろ」

葵「もぅ、それでは、本文をどうぞ」


琴乃葉姉妹の日常1

「葵〜? 今日は昼ぐらいから雨が降るらしいで。傘を忘れんようにな」

お姉ちゃんが朝ごはんのサンドイッチを切りながら、私に教えてくれる。

今は梅雨だし、雨が多いのは当然だ。

「また雨か〜、本当に嫌になっちゃうね」

「しゃあないわ。気象庁にクレーム入れても止むもんやないしな」

喋りながらも、お姉ちゃんはテキパキとサンドイッチをお皿に盛り付けて、サラダとコーヒーを用意する。

「さ、はよ食べて歯ぁ磨いて、学校行こか。戴きますや」

「戴きます」

何時もながら、お姉ちゃんのサンドイッチは美味しい。

色々と挟まってて、味付けも絶妙。

今日のサンドイッチは玉子ハムサンドと苺ジャムマーガリンサンド。

コーヒーはブラックだけど、その苦味が舌をリフレッシュしてくれて、サンドイッチを、口に入れるたびに新鮮な味になってる。

毎日、お姉ちゃんの料理を食べられる私は、本当に幸せだ。

いつまでお姉ちゃんの料理を食べられるのかな?

いずれはお姉ちゃんにも素敵な彼氏が出来て、その彼氏に手料理を振る舞ったりして、私に構ってくれなくなるんだろうな…

何でだろう? 美味しい物を食べてるはずなのに、悲しい気分になってくる。

「葵? 元気ないで? 風邪でも引いたんか?」

「ううん。大丈夫だよ。ちょっと嫌な夢を思い出しただけ」

「どんな夢や? お姉ちゃんが聞いたるで、って言いたいけど時間がないわ。ほれ、食べたらシャワー浴びぃ。ウチはお弁当を用意しとるわ」

お姉ちゃんはすぐに食べ終わって、お弁当を詰めに入る。

お姉ちゃんが言うには、ご飯の蒸気を抜くのがポイントらしい。

お姉ちゃんのお弁当、本当に美味しいんだよな…

私はお風呂に向かいながら、お姉ちゃんのお弁当について考える。

私の悩みなんて、お姉ちゃんには言えないな…

私達の学校は、家から商店街を抜けてその先にある。

私達は益体もない話をしながら、商店街を抜けて学校に向かう。

でも、お姉ちゃんの笑顔を見てると、朝に思った事が浮かんでしまう。

お姉ちゃんとは、いつまで一緒に暮らそう居られるのかな…?

お姉ちゃんのウイットに笑いながら、それでも考える。

どうしても生返事になりながら会話してると、やがて学校に着いてしまった。

「それじゃ葵、またお昼なぁ〜」

玄関で上履きに履き替えて、お姉ちゃんと別れる。

双子で琴乃葉が二人いると面倒なのだろう。

私とお姉ちゃんは小学校以来、同じクラスになったことはない。

寂しいな…

でも、お昼にはお姉ちゃんと一緒にご飯を食べられる。

そう思って授業を受ける。

もちろん、授業は半分上の空。先生がなにか言ってるくらいにしか思えない。

 

 

 

そして、待望のお昼。

クラスのドアから、お姉ちゃんが顔だけを出す。

何で入ってこないの?

「済まん! 葵!」

お姉ちゃんは目を瞑って、両手を勢い良く合わせる。

「相談されたんや! 前に言うたろ? ウチが取り持ったカップルや!」

そう言えば、何か言ってたっけ。

古い言い方をすれば、お姉ちゃんが愛のキューピッドしたんだっけ?

「相談が長引きそうで、ご飯食べながらの相談になったんや! 済まん!」

わがまま言っても仕方ないもんね。

私は笑顔で返す。

「良いよ。お姉ちゃん、コミュニケーションモンスターだもんね。みんな頼っちゃうのは仕方ないよ」

「誰がモンスターや! 葵、埋め合わせは必ずするからな!」

もう一回、お姉ちゃんは拝むように手を合わせて行ってしまう。

行っちゃった…

私はカバンからお弁当を出して広げる。

ブチトマトの赤とブロッコリーの緑が良い彩りになってるけど、食欲が湧かない。

何でだろう、今日は気分が沈んていっちゃうな。

私は一人で黙々と食べる。

周りでは、席をくっつけたり椅子を動かしたりして、一緒に食べてる子達ばかりなのに…

「あ、雨、降ってきたね」

誰かが言ってるので窓の外を見ると、雨粒が窓ガラスを濡らしていくところだった。

窓で遮られてるのに、私の心も濡れていきそう…

 

 

 

結局、午後の授業も何をやったかなんて覚えていない。

ただ、授業を受けたって事だけ覚えてる。

ボンヤリとお姉ちゃんの事を考えていると授業が終わってたので、私は教科書とかを纏める。

カバンに荷物を入れてると、中に折り畳み傘があった。

そう言えば朝、お姉ちゃんに持っていけと言われたっけ。

「葵〜? 迎えに来たで〜」

お昼みたいに、ドアからひょっこりとお姉ちゃんが顔を出す。

「お姉ちゃん」

お姉ちゃんの顔を見ただけで、少し気持ちが上向いた。

「外は雨やで、傘ぁ持っとるよな?」

「あっ…」

とっさに私は、カバンから傘を出して机に入れてた。

「忘れたみたい」

「しゃあないなぁ。ほれ、帰るで」

「えっ? でも、傘…」

「ウチが持っとる。ほれ、葵」

教室に入ってきて、お姉ちゃんは私の手を掴んで立たせてくる。

荷物は纏まってるので、私は逆らわずにそのままお姉ちゃんに着いていく。

帰り道。

お姉ちゃんと一つの傘に入って私達はくっついて歩いている。

「お姉ちゃん、歩きにくくない?」

「アホやなぁ葵、くっつかんと濡れるやんか」

すぐ近くで、お姉ちゃんの笑顔がこっちを向く。私には出来ない満面の笑顔、見てるだけでこっちの顔まで綻んでしまう。

近すぎてくっついてる肩が、熱い。

肉親に、姉妹なのに、こんな気持になっちゃう私はやはり、どこかおかしいのかな…?

またそんな事が頭をよぎって、お姉ちゃんと一緒になのにまた気持ちが沈み込もうとする。

「なぁ、葵? 今日は何か変やないか?」

やっぱり、お姉ちゃんから見ても変だったんだ。

「そうかな…? 私は元気だよ?」

「嘘はいかんで。元気がないのは判っとるんや。話してみぃ」

そう言ってお姉ちゃんは親しい友人にするように、私の肩を抱いて覗き込んでくる。

ちょっと澄ました、真面目な顔だ。

何を、どう言い出せば良いんだろう…

私が切り出せないでいると、お姉ちゃんは待ってくれてる。

その間に、かなり歩いてしまった。

「あのね…」

「うんうん、少しずつで良いんや、思うように話ぃ」

「お姉ちゃんと、いつまで一緒にいられるのかな?」

「う〜ん、難しい話やなぁ」

私を覗き込んでいたお姉ちゃんは、上を向いて悩んだ顔。

お姉ちゃんは残酷だった。

「無理やで。いつか、葵にも好きな人が出来るんや」

お姉ちゃんが私を抱く手が強くなる。

「でもな、葵… いつか、一緒に暮らせん日が来る」

嫌! 私は逃げたい!

どこに!?

だけど、お姉ちゃんは私を逃げさてくれない。

「なぁ、葵? 素晴らしいと思わんか? ウチはこんな妹がいて幸せや」

私は思わず欲しく咳払いをしてしまう。

「突然、何?」

そう言い返すのが精一杯だった。

「葵が誰を好きになっても、誰と結婚しても、ウチの妹だってゆうのは変わらへん。

これはな、ウチも葵も死んでも変わらんのや。ウチと葵は姉妹。これだけは永遠や。嫌か?」

「嫌じゃないよ!」

聞いてくるお姉ちゃんに、私は思わず声を大きくして返してしまう。

私は堪らず、お姉ちゃんの肩に顔をうずめてしまう。

「お姉ちゃん、ゴメンね、ゴメンね」

「ええよええよ、誰だって調子の悪い時はあるわ。気にせんとき」

そうお姉ちゃんは優しい声で、私の頭を撫でてくれる。

その手の動きは、お姉ちゃんの声と一緒で優しい動きだった。

「ほれ葵、そのままでエエから、帰るで」

「うん…」

 

 

 

私がお姉ちゃんに顔をうずめてるので、二人でゆっくりと歩いて家に帰った。

「葵、冷えとるようだから、先にお風呂入りぃや。ウチは何か温かいものを作っとくで」

「ありがと、そうさせてもらうね」

本当に冷えたのか、少し咳が出る。クシャミも出た。

お風呂で温まったのは良いけど、何だかぼうっとしてきた。

お風呂から上がると、お姉ちゃんの顔色が変わった。

「葵!? 真っ赤やんか! 風邪引いたんちゃうんか!?」

「ううん、大丈…」

最後まで言う前に、咳が出る。

「完全に風邪やん。朝から調子悪かったのは、そのせいやないか?」

「そうかな? そうかも」

「判ったから、葵は寝ておきぃ。ご飯が出来たら持ってくわ。スープ作ったけど風邪に効くもんにするかぁ」

何の事はない。

朝から調子が悪かったのは、風邪のせいだったんだ。

とにかく眠って、明日はいつもの私に戻ろう…

 

(終わり)




ただお題を貰っただけで、内容までは指定が無かったので年齢指定無しになりました。
まぁ、琴乃葉姉妹でR-18を書けと言われても、難しそうですが。

リクエストなどがありましたら、Twitterで黄十字を探してください。
あるいはTwitterで「#ずんきりお喋り」を探すと、毎日数回、SSっぽいのが読めます。
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