転生者せっ記   作:もののけ姫二次創作増えろ

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なんでこんな見切り発車の駄文が好評なんですかね?
ルーキー日刊ランキングや新作日刊ランキングにあったので目を疑いましたよ?


一話もどき

 

 

 

 「やれやれ、噂には聞いていたが随分な御仁だ…」

 

 転生者の心の中で生臭坊主と呼ばれているとはつゆ知らない、ジコ坊はやや芝居掛かった風にぼやいた。

 

 「まさかあそこまで話が通じないとはな…ははは、こりゃまいった!」

 

 柄にも無いと言うわけでも無くよく独り言を言うたちであるジコ坊は、奴に不満があるのか無いのかぼやき続けた。

 

 うろんげに向けられたその瞳には毛ほども残らない、奴の痕跡があろう場所に向けられていた。

 

 

 と、言うのも先ほどの奴の奇行の件である。

 

 その奇行とは、ジコ坊がジャブで帝の書付をどこぞのご老公の印籠の如く掲げて、怯ませてから本題を切り出すと言う巧みな交渉技術を駆使して奴に要求を受け入れさせようとした所、話の途中に立ち所に旅の支度をして屋敷から郎党も連れずに飛び出した事に起因する。

 

 「やれやれ…今までの奴のしでかした事を鑑みれば馬鹿ではない筈だ。これも何か考えあっての事だろう。こちらには天頂様の書付もある。とりあえずは奴の好きにさせるか…」

 

 どこぞの首に星型のアザがある帽子と髪が一体化したハーフの高校生の口癖が、口癖になろうとしている、人の米をガツガツ食べる事に躊躇ないジコ坊は勘違いしていた。

 

 奴は運だけが取り柄の筋肉モリモリマッチョマンの馬鹿だった。

 

 

 

 

 で、例のその奴は案の定その計画の無さを晒し、シシ神の森へ差し掛かるその前の森で、雨天にて立ち往生をくらっていた。

 

 雷が降るほどの雨で濁流にとなった川を眺めると言うあまりにも、危機感に欠けた言い回しでなくそのまま往生してしまいそうな方法で暇を潰していると、なんと上流からどんぶらこどんぶらこっこと何かが流れて来るではありませんか。

 

 そうです。

 

 牛です。

 

 そして今は1人きりです。

 

 そして今は1人きりならばやる事は一つです。

 

 「ウッヒョォ!?すき焼きだ!」

 

 迅速且つ丁寧に濁流を掻き分け牛を岸へと引き摺り上げる。

 

 例のその奴は眼孔をおっぴろげにして、牛…否。肉を舐める様に眺めていた。

 

 

 これには理由がある。

 

 理由がなくこんなのになってたら怖い。

 

 この時代において牛とは、労働力であり食べ物ではないのだ。

 

 物を運んだり、牛車を引いたり、鋤を引くのが仕事であり、食べて無駄にするなどもってのほか。よしんば飢えて仕方なにし平らげても、評判が衛生観念キモキモうんち野郎に成り下がってしまうのがオチだ。

 

 衛生観念キモキモうんち野郎に成り下がってしまうのがオチだ。

 

 しかし現代日本人が牛肉を食べないと言う事は、つまり死をも凌駕する苦しみの中で生きると言う事で、米を一生食えないほどの……

 

 いやそれだと絶対牛肉切り捨てるな……

 

 …兎にも角にも

 

 牛肉は美味しいし、隠れてでも食べたいよね!

 

 

 人目を気にする必要な無いのでクッチャクッチャと咀嚼音をたてながら、肉の味を賞賛しながら口に詰め込む。

 

 久方ぶりの牛肉に涙を流していると、背後から近づいて来る気配を気取った。

 

 振り返ると大きな2本角を湛えた鹿の様な動物に跨って、弓矢や山刀で武装した覆面蓑ッコヤローが静かに近づいて来ていた。

 

 アンブッシュだ!

 

 ん?

 

 覆面…

 

 アンブッシュ…

 

 ウ、頭ガ!

 

 アイエエエ! ニンジャ!? ニンジャナンデ!?

 

 ニンジャリアリティショック!!!

 

 しめやかに失禁!!

 

 ナムサン!

 

 する訳も無く、人の気配を感じたその瞬間速やかに牛肉パーティの痕跡を爆散(川へドボン)して、敵意の有無を確認する為古事記にも書かれている由緒正しい挨拶の作法で覆面蓑ッコヤローを出迎えた。

 

 「ドーモ、初めまして矢太郎です。」

 

 当然の如く偽名である。しかし相手はそんな事は知りようもないので相手にとって俺の名前は矢太郎と言う事になる。つまり俺は奴にとって矢太郎で、奴と接する俺は矢太郎と自認するだろう。

 

 つまりどう言う事だってばよ?

 

 俺にも分からん、分からん方がいい…

 

 「私の名前はアシタカだ。」

 

 あら、イケメン!

 

 俺の礼儀が通じたのか、わざわざ覆面を外し謎生物から降りて挨拶して来た覆面蓑ッコヤローは、眉目秀麗青年に進化した。

 

 「すまないが向こうに怪我人が居るんだ。よかったら手伝ってくれないか?」

 

 言う事もイケメソですね。

 

 流石にここまで来ると不信感感じてしまうほどです。

 

 まぁ断る理由もいわれも無いですしお寿司手伝いましょ。

 

 

 けれども、そこに転がっていたのは、明らかにあのタタラ場の連中であった。

 

 コイツらが原因作った地滑りで、自ら川に落ちたのだろうか。だとしたらお笑いだな。

 

 損害被った側としては、今ここで首を刎ねたい所ではある物の、この何も知らないであろうイケメソの前でいきなり首を跳ね始めたら危険人物どころの話では無いし、今は武士団の大棟梁としてここに居るのでは無いし、生臭坊主の話によるとシシ神退治の仲間らしいしな。

 

 俺は大人なのだ。

 

 一時期の感情に流されては…

 

 あっアシタカどっか行った。

 

 

 

 

 …ウキィー!!!

 

 この腐れ脳味噌が!

 

 世紀末気味日本であそこの文官やらの人材集めるのにどれだけ苦労したと思ってんだッ!

 

 タタラ場の連中め!

 

 全て終わったら覚悟しろ!

 

 貴公の首は柱に吊るされるのがお似合いだ!

 

 パパパパパウワードドン!

 

 

 いきなり無言で地団駄を踏みながら太刀を抜き振り回し始めた俺に、アシタカが乗ってた鹿っぽい何かが鳥肌を立てて後ずさる。

 

 なんだ貴様!

 

 ウコチャヌプコロするぞゴラァ!

 

 ……

 

 虚しい…

 

 中途半端に理性が働いて、無言でキチゲ発散してる所なんてかなり虚しい…

 

 

 

 許さねえぞ…

 

 よくもオレ様をここまでコケにしてくれたな…

 

 殺してやる…

 

 殺してやるぞ……!

 

 

 シシ神ッ!!

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