THE LAST COMPANY   作:帝都造営

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受け継ぐは誇りか意地か②

 

「月刀少尉」

 

 不機嫌そうな大尉の声が私を呼ぶ。

 

「は、はい。なんでしょうか」

「どうやら私もアンタらもお役御免らしいわよ。満州行きと小隊(あなた)の監視命令が消えてる。私は平壌の第七十七連隊司令部に出頭」

 

 そっちはどうなってるの? 大尉の問いかけに私も支給された陸軍の端末を操作すれば、新たな命令が入っていた。

 

「仁川発の輸送船団に便乗せよ、とのことです」

 

 そして、私の方でも満州行きの命令は消されている。軍隊において命令は絶対。であるからこそ命令を取り消すのは中止命令でなければならない。にも関わらず、存在したはずの命令は中止命令すら出されずに()()()()()

 

「とんでもない魔法を使うのね。()()()は。でもおかしいわ。()は経済産業委員でしょう? どうしたら陸軍に口が挟めるの?」

 

 長谷川大尉の問いは、園田さんへと注がれている。園田さんは民間軍事企業の人間。つまりただの会社員だ。にも関わらず、彼は微笑みを絶やさずに言う。

「飯田()()は、確かに参議院では経産委員会です。しかし勤王党ではその限りではない」

 

 園田さんの飯田防護社は、説明するまでもなく飯田家――つまり私のお母さんの実家が立ち上げた企業。そしてその大株主である飯田啓介。私の神戸のお祖父ちゃんは、勤王党の参議院議員。

 

「勤王党の国防部委員でしたっけ? 退役陸軍少将にはもってこいの役職(ポスト)ね。一期目の代議士とは思えないわ」

 

 そう言ってから、大尉が私を見る。

 

「少尉も悪運が良いわね。近衛OBを大勢抱える勤王党は近衛師団に顔が利く……元から、それを見越していたのかしら?」

 

 そんなことを私に聞かれても、困るだけだ。お祖父ちゃんは三年前の選挙で参議院議員になった。勤王党は保守第一党の立憲友民党と連立政権を組む与党。だからと言って、そんなお祖父ちゃんにも私の『リスト入り』を防ぐことは出来なかった。

 

 戦争という大事件の前には、どんな一族に産まれても結果は同じ。父方(かなざわ)母方(こうべ)も、私を守ることは出来なかった。それが今更、何をしてくれるというのだろう。

 

「今だからこそ、出来ることもあるんですよ。美佳」

 

 懐疑の視線を感じたのだろう。お母さんが口を開く。それは大袈裟に嘆くでもなく、感情に身を焼かれるでもなく。ただ私の幼い頃から沢山見てきた、母の顔。

 

「この国は『リスト入り』を排除してきました。その流れにはどうやっても逆らいようがありません。それなら、この国の流れを変えるまで。お母さんだって、しっかりやっているんですよ?」

 

 その言葉と共に見せられる携帯端末には何処かのウェブサイトが映し出されている。そこには【突発性反社会的人格障害に関する救済措置の特例法案に反対する市民の会】の文字。要するに、『リスト入り』の『処分』に反対する市民活動。

 

「もうすぐ参議院選挙。そこで私たちは必ず勝ちます」

 

 お母さんは、そんなことを言う。それは多分、一般市民の感情なのだろう。初めは極少数だった『リスト入り』は、『やつら』による本土侵攻が進むにつれて急増している。それは姉さんの言うとおりなら『リスト入り』は『やつら』に近づくこと、汚染されていくことと同義だから。そして隣人を『リスト入り』で喪う人が増えるにつれて、テロ対策の名目で強引に『処分』されることに抵抗を覚える人も増えてきた、と言うことなのだという。

 

 それに、とお母さんは続ける。

 

「広島の戦いで核弾頭の投入を防いだのは紛れもない『リスト入り』の兵士達……既に()()が反社会的でなく、立派に社会貢献できることは証明されているはず。あとは民意を掴み取るだけ」

「……ええ、そうですね」

 

 嗚呼、お母さん。あなたは勘違いをしています。『リスト入り』では、第七〇一二中隊は広島では勝てなかった。広島で勝ったのはひとえに福ちゃん、五島福を捨ててしまった誰かのおかげ。

 

 『やつら』に勝つために求められるのは『リスト入り』のその先に行ってしまった力だというのに。でも私は、今の私にはお母さんの気持ちも分かるんです。あなたは、私を取り戻したいだけ。

 

「もうすぐ、美佳が護郷隊(りくぐん)にいる理由も、近衛師団の一員として戦う理由も消えてなくなるの。安心しなさい」

 

 でも、それは許されない。私は知ってしまった。知らなくて良かった。知るべきではなかった『戦争』を知ってしまった。

 

 私はこれでも、良い子でいたつもりなのだ。でもそれを世界は許してくれなかった。私は戦争を知ってしまったし、福ちゃんをそして姉さんの(くるしみ)を知ってしまった。今更お母さんが手を伸ばしてくれても、私にはもう、それを享受する権利が残っていない。

 

「お母さん。ありがとう」

 

 その言葉だけで、多分お母さんには私の言いたいことの全部が伝わるだろう。だけれどこれは私が決めたことだから、その決意を伝えるために、私は言葉を続ける。

 

「でも。私はもう逃げるわけには行かないんです。今の私は大切な部下達の命を預かる身ですし。お国がこんな状況なのに、一人だけ逃げるのは()()()ではありません。それに」

 

 望姉さんのことも、ありますから。その言葉で、何か言いたげだったお母さんの顔がはっと変わる。お母さんは、望姉さんのことを、自分の姪がどんな状況になっているか、どんな気持ちで十を手に取るのか、知っているのだろうか。私だって本当の所は分かっていない。だからこそ、行くしかないのだ。

 

「お願いします。お母さん、行かせて下さい」

 

 きっとこれは、お母さんの面目を潰すことになる。金沢の街でお母さんに私とお兄さんしか味方がいなかったように、私にとっての味方もお母さんだけだった。あの雪の残る春の日、陸軍から私を守ろうとしてくれたのはお母さんだけ。その後も諦めずに、私を取り戻そうとずっと頑張ってくれていたお母さん。きっと私が良い子なら、ここで頷いて、新幹線を降りてしまえばいい。金沢にはまだ、殆ど戦火は及んでいないのだから、どこか欠けてしまった日常を、最後まで享受していれば良い。

 

 だけれどもう、列車は、何もかも走り出してしまったのだ。

 

「いいでしょう。他でもない美佳のお願いですもの」

 

 お母さんに止めることは出来ないわ。それは予想通りの言葉。お母さんが私を止めれば、戦争反対の非国民として扱われかねない。それは許されない。だから、お母さんに選択肢はない。

 

 そしてきっと、お母さんは私の選択を知っていた。

 

「園田さん、アレを出してください」

「はい」

 

 お母さんが言うと、園田さんは先ほどの鞄とは違う大きなケースを引き出す。そこから現れたのは、見覚えのある形。

 

「月刀の家は、遙かの昔より鉱業、大地の恵みの鍛錬に重きを置いてきました。家宝が過去の遺産なら、これは現代の誇りです」

 

 平成七年制式軍刀。漆黒の鞘に収められたそれ。

 

「本当は、こんなものはあなたには渡したくないのです」

 

 お母さんはそう言う。私の意思を尊重してくれたのだろうか。

 

「月刀と飯田、多少の違いはあれども、報国により身を立ててきた一族であることには変わりありません」

 

 これは必然かもしれませんね。そう言うお母さんはそれとも、抗えない運命に身を委ねたのだろうか。私には分からない。

 

「往きなさい、美佳。あなたには誇り高き月刀家の刃と、飯田家の血があります。必ずや敵を討ち滅ぼすでしょう」

 

 ただ私のお母さんは、どこまでも澄み切った表情をしていた。

 

 

 

 


 

 

 

 

『本日は、新幹線をご利用頂きまして誠にありがとうございます。この列車は、特急スーパーあじあ二号。哈爾浜(ハルビン)行でございます』

 

 電子アナウンスが単調に告げる。京城をやはり定刻通りに出発した新幹線の八号車には、長谷川大尉と月刀春奈。そして少々の飯田防護社の()()が残されていた。

 

「それで、なんであなたは残ったのですか? 月刀さん」

「何故と言われても……私は月刀財閥における満州開発の立役者、株式会社ペトロ&コークスの専務取締役ですよ? 満州にお仕事で向かって何か問題でもありますか?」

 

 それが名目というのなら、長谷川大尉に文句を挟む余地はない。とはいえ長谷川大尉にしてみれば目の前の彼女は()と一緒に京城で降りるという認識であった。

 

「まあ、疑問に思うのも当然ですよね。実は春奈、少々気になるところがありまして。それをお聞きしたかったのです」

「なんでしょうか」

 

 とはいえ長谷川は陸軍大尉。月刀春奈はいくら背後に財閥やら参議院議員がついているとはいえ一般人である。答えられぬ事は答えられないと予防線を張る彼女に、春奈は笑う。

 

「M38――サンパチ・カービンの出所が気になりまして」

「なんの話ですかね?」

「惚けても弾痕をみれば分かります。M38はカービン弾使用の小銃。今日日小銃なんて五粍SEATO(5.56mm)弾が主流ですよ」

 

 持ってるんでしょう、カービン銃。しかし長谷川大尉はそんな一般市民の詰問を笑っていなす。

 

「なにか誤解があるようです。あれはウチの司令官の私物でしてね。なんでも、樺太戦争を戦ったお父上の宝物なのだとか」

 

 証明書もありますよとキャリーケースのポケットより書類ケースを引き出す長谷川。

 

「他人の預かり物で戦うとは、緊急避難とはいえ乱暴ですね……ふうむ、それにしてもM38、昭和三八年式国民銃(サンパチ・カービン)ですか。あれは確か、核戦争を想定した国民総抵抗軍(ゲリラ)構想に基づくものでしたよね。帝都テロの衝撃と共に自衛自存を求められた北部満州や樺太を中心に絶大な人気を誇ったという。しかしアレは骨董品です。入手のしやすさから今でもテロリストには人気らしいですが」

 

 そんな、銃嗜好者(マニア)なら誰でも知っているであろう知識をひけらかす春奈。長谷川は彼女の言わんとすることを汲み取って嗤う。

 

「テロリストだとでも? たった今テロに巻き込まれた私が?」

「では。先ほどのがテロでないとしたら、どうです?」

 

 なにが言いたい。長谷川大尉の言葉が一等(グリーン)車の室内に放たれる。それは温かみを持つ内装品に吸収されるか乱反射して、そのまま小さく減衰して消えてゆく。

 

「あの()()はですね、本当に訓練なんですよ。まあ、試験(テスト)を経ずにいきなり実地試験となってしまったのは残念ですが――――」

 

 

 

 ――――神産(かみうみ)計画。ご存じですね?

 

 

 

「その言葉を、一般市民サマの口から聞くとはね」

 

 それで、お母さんは娘にこの話を聞かれたくなかったと。合点がいって納得する長谷川大尉。先ほど京城で降りた近衛師団特務機動小隊。月刀美佳少尉以下三名は『神産計画』の()()()だ。

 

神産計画(アレ)は『リスト入り』を()()()()するモノよ。あなた、特例法案には反対なんじゃなかったの?」

「反対と有効利用することは同義ですよ。私が反対しているのは『リスト入り』が無為に打ち棄てられている現状です」

 

 とんだ狸ね。長谷川大尉は吐き捨てる。議員の娘などこんなものと言ってしまえばそれまでだろうが、それにしても娘がいなくなるとこうも変わるとは。月刀の女は気にせず続ける。

 

「計画には複数の部門(セクシヨン)が存在します。あなたは私の娘たちだけが計画と思っていたようですが、それは大きな間違いですよ」

「じゃあなんですか。釜山で私たちを助けてくれたのはただの尻拭いだと? おかげで満州との折衝は大荒れになりそうなのに」

「それにつきましてはお詫び申し上げるしかありません」

 

 言葉通りに受け取るなら、先ほど海峡トンネルで長谷川大尉を襲った凶弾は神産計画の産物だという。

 

「まあ良いわよ。それなら駄賃代わりに教えて頂戴。その別の部門っていうのが沿海州なのね? 推進してるのは何処? 技術本部じゃないわね。お父さんの勤王党、それとも月刀財閥?」

 

 長谷川大尉の問いに、月刀春奈は微笑みを湛える。

 

「あなたが無意識下で除外した可能性、飯田重工財閥(グループ)ですよ」

「まさか。あそこは瀬戸内侵攻で壊滅したでしょう?」

 

 飯田財閥。航空機大手の旧中島(PHI)系列(グループ)と蜜月関係にある革命戦争特需・樺太景気で成長した企業グループ。しかしその栄光は既に戦禍の中。国内工場の大半を喪ったことで、戦時経済政策に則ってプレアデス重工(PHI)と統合する方向で話が進められている。

 

「飯田財閥倒れようとも、旧北満州産業連合(だいまんしゆう)は健在です。大満州インダストリアルグループが飯田系列なのはご存じでしょう?」

「……なるほど。それで沿海州というわけね」

 

 長谷川大尉は唸る。旧北満州産業連合(だいまんしゆう)グループは北満州地域、特に沿海州においてはほぼ全ての工業を独占していた。

 つまりその第二の『神産計画』は大満州グループに()()されているのである。国内で完結していると信じていた長谷川にとっては、それは驚くに値する情報であった。

 

「でもそれってつまり、満州がドジ踏んで神サマの子供が逃げ出したってことよね。責任問題とか大変なんじゃない?」

「ええ大変ですよ。でもまあ、大金星を挙げたからいいんです」

 

 大金星? 長谷川大尉の舌に乗った言葉は、飛び出すことはない。なぜなら彼女の眼に、取り出された拳銃の姿が映ったから。

 

 発砲は流れ作業のように、発射の反動に合わせて自動排莢装置が作動、飛び出す薬莢に時を合わせるように次の弾丸が銃口から滑り出す。その動作が十数回続いて、機構上部(スライド)が下がって止まる。

 

「いたた……痛いわね、何十発撃つつもりよ」

「へえ、驚いた。生きてるんですね。春奈びっくりです」

 

 向かい合った座席、その調子近距離から銃弾を叩き込まれたはずの長谷川大尉はしかし、痛そうな素振りも見せずに座っていた。

 

「何がびっくりです、よ。本当は驚いてもいないクセに」

 

 顔面に()()()()()数発の弾丸を取り除き制服の胸に空いた穴を気に掛ける長谷川。月刀春奈は腕を組んで考えるフリ。

 

「いえいえ、ちゃんと驚いていますよ。海峡トンネルで長谷川さんは傷を負っていた。にも関わらず今回は服は貫通しても皮膚までは貫通していない……ということは、ステージ2とステージ3の間くらいでしょうか? もしくは神の子が放った弾丸は貫通できるとかですかね?」

 

 いずれにせよ研究しがいがありますね。そんな春奈を、長谷川は嗤う。軍人手帳と、もう一枚の紙を取り出して。

 

「月刀春奈さん……あなたは立派な頭を持っているが、しかし結局はただの脳筋らしい。私は陸軍軍人だ。それにこの診断書を見ろ。私は、この長谷川鈴は『リスト入り』の検査を堂々通過している。私は人間なんだよ。残念ながらこれは証明されている。軍人に手を出した罪は償って貰うぞ」

 

 そう言いながら腰の軍刀……陸軍軍人の誉れに手を伸ばす長谷川。しかし春奈は冷静に、それを手で制する。

 

「いえ。それには及びませんよ長谷川さん、あなたは人間であっても、天も許さぬ罪を犯しております」

「なんの話よ」

 

 手を止めた長谷川、春奈はじっと相手を見つめ、言葉を吐く。

 

長谷川(はせがわ)(りん)、階級は大尉で兵科は憲兵。この奇妙な()()が始まるまでは幾多の抗日抵抗軍(ゲリラ)摘発に貢献してきたそうですね」

「それがどうした」

 

 それは長谷川にとっては栄光。そして今回『神産計画』の対象者である月刀美佳の監視任務についた理由でもある。

 

「抵抗軍の撲滅、それはお疲れ様なことです。ですが妙なんですよ。あなたが検挙に関わった事件、武器や証拠はわんさか出てくるのに、肝心の抵抗軍の幹部逮捕には全く至ってないんです」

 

 まあこれだけなら、ちょっと怪しいぐらいで終わるんですけれどね。どうせ抵抗軍撲滅は不可能ですし。そう独りごちる春奈。

 

「まあ、わたしが言いたいことはもう分かると思います。さて話を神産計画に戻しましょう。沿海州を逃げ出した神の子供に我々が()()()()()任務は、抗日抵抗軍の索敵・撃破(サーチ&デストロイ)です。その結果行きついたのがあなただった……ね、大金星でしょう?」

 

 月刀春奈に指を指されても、長谷川は表情一つ動かさない。

 

「年貢の納め時です」

 

 その言葉と共に、長谷川の首筋に放たれる物体。それは注射器状の弾体。刺さると同時にへし折って、長谷川は嗤う。

 

「ふん。それで勝ったつもりなの日本人? 『リスト入り』の捕縛に麻酔銃が使われることは知っているけれど、こんなの程度で眠るほど私たちは容易くないわよ」

 

 その証拠に、春奈の首筋を掴んでみせる長谷川。

 

「それにね、私たちは知っているの。真実の歴史を」

「へえ。そうですか」

 

 首が締められているにも関わらず、平気な顔で言葉を吐く春奈。自身の腕に力が込められなくなっていることで麻酔の効きを悟った『リスト入り(はせがわ)』は、表情を真っ赤にして叫ぶ。

 

「そう、真実よ。日帝なんて存在しない世界(れきし)。沖縄から北海道までそこら中に爆弾を落とされて、あなた達は文明人ですらなくなるの。その先に待っているのは()()()()の勝利なのよ!」

 

 その抵抗は言葉だけ。まくし立てる言葉は空気に吸われて消えてゆく。やがて幾つかの呪いの言葉を最後にして、彼女はぐったりと身体を横たえた。春奈は立ち上がると、乱れた服を正す。

 

研究室(ラボ)に持って行きなさい。検査をすり抜けた上に抗日抵抗軍とは……随分厄介な相手でしたね」

 

 その言葉に、てきぱきと動き始める飯田防護社の社員たち。たちまちについ先ほどまで長谷川だった人物は物体に変わり、丁寧に梱包されて荷物へと変わる。陸軍第六(ちようせん)軍で輝かしい成果を上げた長谷川憲兵大尉は、帝国傾く時勢の中を抗日抵抗軍(ゲリラ)と戦い続け、そして名誉の戦死を遂げたとされることであろう。

 

 その様子を眺めながら、月刀春奈は一言。

 

 

「何が『真実の歴史』ですか。大日本帝国は不滅です」

 

 

 ですが、我々もそろそろ年貢の納め時かもしれませんね。

 その呟かれた言葉は、誰にも届くことはなかった。

 

 

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