気ままに行くリク(偽)の旅路 作:仙儒
少し野暮用で世界移動したらワームホールみたいなのに飲み込まれてかなり過去の世界に移動してしまったらしい。
建物ではなく、洞窟見たいので人が暮らしてた。
何か3人親がない子を崇め倒す推定現地人から渡された。人身売買ですかね?
てな具合で、バイアリーターク、ダーレーアラビアン、ゴドルフィンバルブと名乗った子供に一通り礼儀作法とある程度の知識教え込んである程度自立できるまで面倒を見た。
まぁ、常に面倒を見ていたわけではなく、程々にグミシップで他の世界に渡り建築や農業法の本やそれらを現地の人たちでも工夫して作れるようにDIY知識を入れ込みマジのほぼゼロからの文明造りとしゃれこんだりした。
いや~、アイドル活動もする農家の方々みたいなことは楽しいしやりがいはあるけど非常に大変でしたね。
最初は生贄として俺に捧げられてた3人はいつの間にか女神様として拝まれる存在に。いや~、下剋上の大出世しましたな~。
いつの間にかキーブレード使いに成ってるし、何なら外の世界に遊びに行っている3人に一応秩序の為に大型重機なんかの明らかに何段階も進んだ技術の代物持ち込むなよ? 楽しむならその世界だけにしてくれと言っといたしそれに対して3人も理解は示してくれていた。この文明のぶの字もない世界に現代地球と同等のゲーム機や蓄電池やソーラーパネルに化粧品や衣服や救急箱があるのには目を瞑ろうと思う。あくまで個人の所有物の範疇だし。
あ、後3人連れてイェン・シット様の所行ったらイェン・シット様は居なかったけど妖精や何故かゴッドマーザーいたので闇を祓う衣をおくれとお願いしたら1ヶ月位で作ってもらえたので、それを以て卒業と言うことで。グミシップに乗り込んで何時の間にかあった
久々に戻った世界で、長くなりすぎてポニーテールにしてた髪をバッサリと切り落とし、さっぱりして歩いてたら絡まれていたウマ娘に遭遇するべたな展開にあって民度低いことすんなよと突っかかって軽くボコったら警察駆け寄ってきたんで全力で逃げて。
とりあえず腹が減ったので近場に在ったラーメン屋によりラーメンを啜っていたら「ごきげんよう、お隣よろしいですか?」と言われてとりあえず頷いておく。
別に許可を取る必要はないんだが。……それにしてもどこかで見た顔だな。どこだっけ?
「よくここに来られるんですか?」「ラーメンお好きなんですね」「お茶会をやろうと思ってるんですけど、よかったら来て下さらないかしら?」と続々と質問攻めにされて少し引いていたところを付き添いだろう黒髪のウマ娘が止めて一応謝罪をしてくる。ガラの悪そうな見た目に反して面倒見がよく、そして苦労人そうな気配をビンビン感じる。そして、殿下と呼ばれていたのを聞いて、その条件に思い当たりそうな人物を頭の中でピックアップしていくと、一人だけ思い当たる人物がいる。
前回会った時はまだ幼女と言って過言ではなかったが……まさかな?
「そうがっつくな坊や。はしたないぞ」
「あー! またそれ言った! 私は立派なレディーなんだぞきさま~」
「はいはい。レディーレディー」
カマかけるつもりで言っただけだけどビンゴだった。
どうも
まぁ、それは置いといて。
面倒ごとにならないうちに残りのラーメン啜って会計を済ませようとしたらニコニコと付いて来る。
近場で待機してた黒服の人物に「護衛だろ?怪しい俺をお姫様から引き離した方がいいんじゃないのか?」と問いかけるが「国王陛下より銀髪碧眼のファインモーション殿下が近づく少年は国賓として迎え入れよ。くれぐれも粗相のないようにと申命が下りております故、どうか」と言われてしまう。
参ったな。とりあえず逃げようと足を踏み込もうとしたら手を引かれた。そちらを向くとニコニコ笑いながら「きさま~」と言ってる坊や改めファインモーション。うーん……詰んだ?
時間魔法使って時を止めてもがっちり掴まれてるから意味ねーし。
困ったぞ。普通に不敬罪で首が飛ぶ……ことは流石にないだろうけど豚箱にぶち込まれる可能性は十分にある。いやマジで。
助けを求めるために連れ添っていた黒髪のヤンキーそうな苦労人オーラの漂うウマ娘に視線を送る。
「んー、あー……。殿下。今日は少しおかしいぞ? お相手さんも迷惑してンだろ」
「え~、そんなk……いえ、そうですね。少しはしゃぎ過ぎてあなたの都合も考慮していませんでしたね。後日謝礼品と改めての謝罪を。改めて王家を代表して国王陛下より謝罪と御礼をと申し付かっております。そして、私個人としても」
もっと食い下がると思ったら意外と素直に手を放して綺麗なカーテシーをしつつ頭を下げてきた。
こんな街中の人目のあるところで頭を下げられても困るんだけどな。これ、断りにくくすることが目的だよね~、はっきり言って。
これ以上悪目立ちするのは嫌なので時間魔法を使ってとっととずらかることにした。
かわいい子が外堀埋めて言いなりにさせるのが許されるのはそれは、二次元で画面の向こう側から第三者として見ているから出る他人事な感想だから。それが現実として降りかかった際のその圧力は途轍もない。ましてや、相手はチンピラじゃなくどこぞの王族なのだ。こちらの心労も慮ってほしい。
ゲームの中の俺がツンデレされてもかわいいなと思うけど、それが現実で起これば幾ら相手が美人だろうがめんどくさく感じるものだ。と言うか場合によっては立派な人格否定だぞあれ。
俺は幸い根無し草なので身軽なのがいい所。最悪闇の回廊で違う世界へと行けばいいし。
まぁ、おれも大人げなかったとは思うけど、すぐにでも捕まえたいという意思を隠しすらしていない態度に付き合うつもりはないよと明確に言葉や態度にして訴えることが大事なのだと昔読んだか見たかしたものに書いてあったような気がする。
久々に誰かに会いに行ってみるかな? 取り合えず宝石商に財宝を売りに行こう。その後、今の情勢を調べることとしよう。
宝石商に入って「お久しぶりです」と驚かれながらあいさつを交わし、他愛のない話を少しして軍資金を手にして漫喫を探して入り情報収取と言う名のネットサーフィンをしてある程度分かったところで外に出て腹ごしらえ。
なんか入り組んだ奥に隠れ家みたいないい感じのカフェがあったのでそこに入りデザートと珈琲を味わっていたら「相席、よろしいですか?」と真っ黒な長い髪の毛に印象的な黄金の瞳の少女が聞いて来たのでOKをだす。これまたどこかで見た顔なんだよな。
「お久し、ぶりです。珍しい所で、お会い、しましたね」
独特な途切れ方をした話し方をする少女。とりあえずそっちこそよく来るのか? と問いかけると行きつけなのだという。
へー、そうなのか。
と言うか、最初に途切れ途切れに声かけてきたのは久しぶりすぎて動揺してたかららしい。今は物静かな感じで話している。まぁ、どっちかって言うとぼそぼそしゃべってるのに近いんだけど。
で、長く話が続かないのがコミュ障のコミュ障たる所以なわけで…。程なくしてどちらとも話さなくなり、彼女の注文の品が来たことで互いに注文の品に集中する。
不意に、
「……キーブレードについて、お聞きしたいことがあります」
そう言って前に出された手には黒を基調とした悪魔が翼を広げたような鍵先のデザインに柄のジャックを思わせるデザインにチェーンに繋がれたパンプキン。ゲームでいうところの”パンプキンヘッド”と言われるキーブレードを握っていた。
これには俺もびっくり。女神と拝まれてた3人と同じように、実は俺が死んで転生した後のキンハの登場人物だったりするのかね? 確認する手段はもうないのだけれど……。
取り合えず何が聞きたいん? と聞き返すとこれが何なのか? について聞きたいらしい。あれ? キーブレード知ってるんちゃうんか?
でもまぁ、キンハの中でも20年もやってて明かされてないこと多すぎるからな~。俺でも知らないこと大いし。一応キーブレードはあるものを模して造られたものであることは知ってるけど大いなる闇と戦うのになぜ
特に決まりはないんだろうけど、キーブレードマスター候補生でもない奴にキーブレード戦争の話するのもどうかと思うし。
とにかく、世界の未来の為に必要なものだと言っておく。ついでに意味深に「キーブレード使い達の無念を」とも呟いておく。
聞き返してきたが、何でもないと適当にはぐらかしておく。マジで意味はないし。
「はい、はい、……では」
サンデーサイレンスさんから渡されていたモバイルポータル(ウマホとほぼ機能は同じ。違うとすれば世界が違ってもやり取りができることくらい)でバイアリーターク様に連絡を入れて通話を切る。
まさかこんなところで彼に会うとは、世界とは本当に狭いものである。
「……それにしても、キーブレード使い達の無念を…ですか」
彼がポツリと零した言葉。
改めて出したキーブレードからはそのような負の念は欠片も感じない。私の扱うキーブレードは闇の世界の物だと聞いたのでそのことに起因するものかとバイアリーターク様に報告するときに聞いてみたが、光の世界のキーブレードと闇の世界のキーブレードの違いは外鍵か内鍵かの違いだけで、私たちのイメージの中にある勧善懲悪とは欠片も関係ないのだという。
そもそも、バイアリーターク様は光の世界のキーブレードだが、師である彼は闇の世界のキーブレードを使っているらしい。
バイアリーターク様自身はこの単語について心当たりがあるらしいが、私にはまだ早いとだけ言って言葉を切ってしまったのでわからずじまい。
ついでに、メジロ家にも連絡を入れておく。
メジロ家とは何かと私を支援してくれているいわゆるパトロンであるのだ。まぁ、蓋を開けてみれば私がキーブレードを使えるのと彼に繋がる人物だからであるからだが、そちらはバイアリーターク様経由でゴドルフィンバルブ様が釘を刺してくれたようで、ひたすらメジロ家の男児からのお見合い
尚、約3名程熱心に彼のことを根掘り葉掘り聞いて来る
彼には世界を広げてもらった大恩はあれど、惚れた腫れた等の恋情は欠片も持ち合わせていない。それに私も年頃の少女(自分で言うのもなんだが)。そういう話に興味がないわけではないのだ。
誰かの恋情に肩入れをする気は更々ないが第三者としてそれを眺めているのは中々に面白いものである。
「カフェ、なかなかいい性格になったね。悪い顔してるよ」
「ええ、
私を驚かそうとこっそりと近づいてきたようだが、生憎と生きてない者たちからは「黒い子が近づいてきてるよ」と告げ口と言う名の警告を受けている。全く、他でもない
しょうがないなと思いながらも、どこかこのやり取りを楽しんでいる自分がいる。
私に成り代わって撮影現場でやらかしまくっているのにかち合った時は本気でキーブレードで切りかかったが。残念ながらキーブレードで正規の訓練を受けている彼女にかなうことなく軽くあしらわれるのを周りは驚きながらも映像を撮っていたらしく映画の内容を一部変えてこのシーンを入れてそれの受けが中々に良かったのが余計に腹立たしい。因みに彼女もその件がきっかけで私のそっくりさんとしてデビューしていたりする。後で知った話だが、急用ではないが私に用があり訪ねてきたところを私と勘違いしたスタッフ達が受け入れ、彼女がそれに悪乗りした形となったのだという。当然、現場の人たちには頭を下げて回ったのだが、自分たちの勘違いと、彼女が何かを言うアクションを挟ませなかったこちらに非はあるしいい人材を見つけられた。良ければ彼女を紹介してくれないか? と温かい言葉を頂いている。
以後、彼女がやらかさないようにお目付け役のような立ち位置になってしまったが、なんだかんだと気の置けない関係という奴になっている……と思う。
無論、気苦労は絶えないけれど。これは特別手当を貰えないと割に合わない。
そう思いながら彼女から渡された甘くてしょっぱいアイスを齧る。そういえば、バイアリーターク様も良く口にしているのを見かける気がする。
案外、神様の世界ではこのシンプルで不思議な味のアイスは流行っているのかもしれない。
「うーん、ちょっと攻めすぎちゃったかな?」
「おい、殿下サマよ。お前、マジで今日おかしいぞ。そんなにあの男が気にナンのかよ、急に消えちまったし」
「そっか。シャカールはあの方のこと知らないんだね。この場合、知ってはいるけど一致しないって言った方が正しいのかな?」
「ナンだそりゃ」
そう言ってそれ以上の追及はしてこなくなったシャカール。
もしかしたらシャカールには言ってしまってもいいのかもしれないけど、きっとシャカールの性格からして信じてはくれないよね。あの人が神様だって。
認識を共有できないのを残念に思うと同時に、そんなあの方の正体を知っているのは自分だけと言う優越感がゾクゾクと背中を駆け抜けて言葉にできない背徳感に近いものも同時にこみ上げてくる。
まぁ、アプローチを間違えて相手に逃げられてしまった以上、一回目は没交渉と相成ったわけだが。次なる一手はどう攻めるべきかを早急に組み立てねばならない。
王家に生まれ、王室として公務を優先するように英才教育を施されたファインモーションは子供っぽい言動もするが社交的で政治的な交渉ごとを得意としている。決して、ラーメン大好きな面白お姫様と言う属性詰込みなイロモノギャグキャラなだけではないのだ。
だからこそ、今回の強引なアプローチによる相手の心象悪化に少し焦りすぎてしまったと頭を痛めていた。人との交渉事ならば身分と言う切り札は大いに役立つし、そこに利害を絡ませれば多少の悪印象と言うのは水に流せる。だが、自分がこれから交渉しようという相手は一国の王族ですら傅き希わねばならない相手。神様相手に差し出せる利がわからないのだ。相手から言われるならばそれが互いの利になるが、今回はこちらからどうかお願いしますと願い出ている状態。当たり前だが相手にメリットが無ければそもそも交渉の席についてさえくれない。気に入られてお情けをこう以外の考えが浮かばない現状、これ以上の悪印象をさけるのにはやはり時間をかけて口説き落とさねばならない。
ただ、時間をかければ時間をかけるだけ自分たちだけが知っているアドバンテージがなくなるのも事実だ。一国の王家が必死になってある人物に執着しているなど周りが気が付かないわけがない。気が付かないのならばその人物は政界には向かないだろう。必ず周辺国や有力な貴族やそれに連なる家が横やりを入れてくる。そして、かのお方がこの国に頻繁に表れてる事実からこの国の上層部とは少なからず繋がりがあると想像できないほどファインモーションの頭はお花畑ではない。
友好国として政治の場で”オフレコなんだけど”とかのお方のことを知っているというにおわせをして相手に釘を刺しつつ動向を見守ることくらいは父親が既にやっているだろうから、その父親からの報告を待ちつつ、今日の出来事を報告したうえで姉を抜いた家族会議となるだろう。
フットワークの軽い姉のことだ。この事を知ったらきっと自家用ジェット飛ばして此方にすっ飛んで来るだろう。いくら仲のいい姉相手でもこれだけは譲れない。
はぁ、と小さくため息をついて政治的な理屈と女の性がまじりあった思考に没頭するのだった。