電子廻戦   作:メイマロン

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目黒編
目黒区編①


死滅廻游開始から1晩明け2日目に突入した。

 

ー目黒区ー

ホテルから出たみこは周りを見渡すと、呪力を一番感じない方に歩き出す。

み(全く、昨日は酷い目にあったにぇ…。)

昨日のことを思い出し、ため息をついたみこはふと顔を挙げると目線の先に一人の男の姿が映った。

「あれ…?」

 

一流の呪術師ほど呪力操作が上達していき、無駄な呪力が少なくなっていく。それは日常生活でも同様で強者ほど通常状態の呪力放出は限りなく少ない。

一目見た瞬間にみこの眼はそれを見抜きみこの体は無意識のうちに戦闘態勢に入っていた。

「マジかよぉ…。」

立ち止まったみこと男の目があった。瞬間、男は呪符を使って式神を二体出し、ナイフを抜き構えると何か小さく呟いた。刹那、みこの目の前に男が現れた。

み(ッ…!?)

一瞬混乱するみこだったが彼女の眼が映し出した情報を読み取り、落ち着きを取り戻す。

み(相手が来たんじゃなくてみこが移動させられたのか。)

間髪入れず切りつけるナイフを受け流すと、そのままナイフを持つ腕を掴んで逆の手を男の腹に当て呪力を放つ。

「間(カン)」

男がボソッと呟くと次の瞬間には男が遠くに移動している。

み(なんだか面倒臭い奴と当たっちまったにぇ…)

 

游泳者:ルェル・ラグメ・ムヴァム 千年前の呪術全盛の時代、宿儺と戦い敗れた術式の一人。相手との距離を操る術式を使う。

 

みこと会敵した後、ルェルが近づいては離れ、離れては近付いてを繰り返しその度にみこは呪力を撃ち続けたため、周りの建物には大量の穴が空いていた。

み(ら、埒が明かないにぇ…。)

舌打ちしたみこは両手を広げると、みこの周囲に黒い球体が生まれる。

「『猟天衣弾(ペイブウェイ)』」

撃たれた呪力はルェルを追いかける。

「間」

ルェルが呟くと同時にルェルの前に式神が現れる。式神が呪力を全て受けるとルェルがまた呟く。

「間」

急接近したルェルはナイフを振り上げるのに対してみこはルェルの顔の前で両手を叩く。

「『天穿』!」

「間」

瞬時に移動し呪力を躱したルェルの額には傷がついた。

「痛てぇな…。」

「お、お前…喋るんか…!?」

「あぁ?」

ルェルが「何言ってんだ?お前?」と言わんばかりに首を傾げ、みこはそれを見て同じように首を傾げた。

 

同刻、目黒区に一人の游泳者が乱入する。

「やっほ!調子どう?」

 

游泳者:星街すいせい 死滅廻游開始から一日で世田谷区の游泳者の半分を戦闘不能にした蒼い流星。

 

すいせいが降り立った時、目の前に居たのは大神ミオ。ミオはへらりと笑い返す。

「いやー、丁度いいところに。」

「丁度いいって?」

「丁度みこちを探してたんだよね。」

「…と言うと?」

すいせいの声色が変わる。

「白上がみことやり合ってどっか消えちゃったからみこに聞こうと思ってさ」

「そのついでにやり合ったり?」

すいせいが半笑いで聞くと、ミオは黙る。

「・・・ふーん、そっか。」

数秒の沈黙の後、すいせいがミオを槍斧で殴り飛ばす。

「痛ったた…。」

吹っ飛ばされたミオは着地すると拳を構える。と拳が炎に包まれる。

す(手が燃えてる…。術式か何かか?)

「面白ぇ…。」

槍斧を逆手に持ち振り上げる。

「三等星『刳魔』」

振り下ろすと光を纏って槍斧が超速で放たれる。

「えぇ!?」

槍斧をギリギリで躱すと拳を振りかぶる。

「鳳仙牙(ほのおのぱんち)」

振り下ろした拳から炎が飛び出し、すいせいに向けて放たれる。

「うおっ!」

すいせいも躱した後、ファイティングポーズを取り睨み合う。

す(まだここに入って一人目なんだけどな…。時間もあるしできるだけ手札を見せずに終わらせたいな。)

二人の距離は数メートル程度。お互いの呼吸が整うと格闘を始める。

ミ(意外とすいちゃん動けるな、この感じだとやっぱり術式使うしかないか…。)

す(炎あっつ!ダメージはないんだけど手痺れてきた。)

一旦離れるとミオが両手を広げ、空を掴むとその手にロケットランチャーが握られる。

『特醒武装(スペシャルウェポン)』

 

呪蓄射法。自身の使用した呪力をチャージして一定値に達すると『特醒武装』を使用できる某イカのゲームを元にした術式。使用できる『特醒武装』は選択式で、その種類は30種にも及ぶ。

 

す(マジか…?)

『多重爆撃(マルチミサイル)』

ミオが真上に撃ちあげた多数のミサイルがすいせいに降り注ぎ爆発する。

「ふぃー、終わった。」

炎が上がるのを見てミオは溜め息をついた。

 

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