電子廻戦   作:メイマロン

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目黒区編③

「みこち、ここ最近何かあった?」

すいせいはみこを一目見て口を開いた。

「まぁ、色々とな…。」

遠い目をするみこを見てすいせいは苦笑いして、本題に入る。

「で、こっからが本題なんだけどみこち倒していい?」

「いいわけねぇだろぉ!!」

さぞ当たり前かの表情で言うすいせいに対しみこは絶叫する。

「だよねぇ…。でもね?こっちにも色々あるんだよ?何かみこちがすげー強いって噂がたってるせいで今すげぇ命狙われてんのよ。 」

「マジか…最悪なんだけど…!」

真っ青になるみこをガン無視してすいせいは続ける。

「だからね?他の誰かにみこちが殺される前に私が殺そうって事になったんだ!」

すいせいは満面の笑みで締めくくった。

「なったんだ!じゃねぇよ!なんで誰もみこを守るって選択肢に至らねぇんだよぉ!」

「・・・なるほど。」

発狂し続けるみこの言葉を聞き、すいせいは少し考える。

「じゃあこうしない?」

「あぁ!?」

「みこちが勝ったら守ってあげるよ。」

「・・・? 戦わないって選択肢はないの?」

「ないよ?」

即答するすいせいを見つめて無駄だと察したみこは祓串を真上に投げ両手を合わせる。

「秒で終わらせる!」

 

 

呪具「天翔斧(あまかけのおの)」すいせいの愛用する槍斧。斬った相手の呪力を削り任意で放つ。

能力が知られていないアドバンテージを最大限に生かし二撃目での決着を狙う。

 

みこは前回の白上戦のゾーン状態により『天穿』をモノにしていた。

すいせいの動きが読めないためにあらゆる展開を想定して呪力を両掌に集中させ、相手の行動の出鼻の叩く。

 

す(相手はあのPONのみこち。どんなに強い術式を持ってようと使い手次第、相手に手の内がばれる前に速攻で潰せばやれる、)

み(やっぱすいちゃん怖ぇー!でも術式の割には出力は低い。呪力総量でもみこの方が上。大丈夫、落ち着いて戦えば勝てる。)

す&み(絶対に負ける気がしない!)

二人が対峙し数秒の沈黙の後すいせいが仕掛ける。

「『天穿』」

「一等星『瞬』!」

すいせいの踏み込みに即座に反応したみこが圧縮した呪力を放つ。それに対しすいせいは天翔斧を添わせるように構え、去なしつつ超速でみこに接近する。その際、天翔斧のチャージが進んでいることを確認したすいせいは放たれているのが呪力だと理解しみこに接近した直後にその呪力を放ち切り上げる。それを、体を反らして避けたみこは左手で呪力を撃つ。

「片手でも撃てんのかい!」

すいせいは撃たれた呪力を左手で弾くと槍斧を振りかぶり、みこの真横に踏み込む。

「これは痛いから覚悟しといてね」

「はぁ!?聞いてねぇよ!」

みこの声をガン無視してすいせいは思い切り槍斧をみこに叩きつける。

「拡張術式(オーバースペル):三等星改『抉刳魔(エグリゴマ)』」

槍斧がぶつかった瞬間みこに激痛が走る。

「痛っっった!」

み(喰らう寸前に呪力が削られた!?何かすっげぇ痛い!)

「さてと、もう一回行ってみようか!」

「愉しんでんじゃねぇ!」

楽しそうに笑うすいせいは槍斧を振りかぶると地面を蹴った。

「一等星『瞬』」

刹那、みこの視界からすいせいの姿が消え死角から巨大な呪力を感じ、その方向に向けて祓串を振る。

「ッ……!」

祓串が槍斧の柄に当たり、両方とも弾かれる。

す(私の動きに完全に反応できてた。マグレにしろなんにしろ流石みこちって感じだな。)

み(なんか分かんないけどすいちゃんの呪力の動きが見える!)

 

立ち上がったみこは祓串で抜刀の構えを取ると静かに呟いた。

「シン・陰流簡易領域」

 

 

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