「シン・陰流簡易領域」
祓串で居合の構えをしだしたみこにすいせいは困惑する。
「みこち…何やってんの?」
「可哀想な物を見る目で見てんじゃねぇ!」
「ごめんごめんwww」
苦笑いする一方頭の中ではみこの意味不な行動を冷静に考察する。
す(居合の構えでシン陰流って言ったってことはみこちは確実にカウンター狙いな訳だ、さっき動きを見切られたことを考えてもここは変化球で場を乱すのが最適解だな)
一息置いてすいせいは槍斧を振りかぶりみこに向け投げる。
「三等星『刳魔』」
み(槍で間を潰しに来た!?でも!)
「ちょっと甘いんじゃねぇの?」
すいせいの読みは正しくみこはカウンターを狙っていた。が、彼女の口にした「シン・陰流」の言葉は完全な嘘である。実際に彼女が発動していたのは、
「秘伝『落花の情』」
槍斧が射程に入るが天翔斧の能力と呪力のカウンターが相殺され、静止した槍斧がその場に落ちる。
「一等星『瞬』」
そして一人時間差で移動したすいせいをみこは完璧に眼で捉えていた。
「視えてるにぇ!」
すいせいの方に向き直したみこが祓串を向けると、すいせいは射程ギリギリで立ち止まる。
「は?」
「六等星『環(カン)』」
瞬間、すいせいの周りに展開された光の輪とみこの結界がぶつかり合い弾ける。
「秘伝『落花の情』!」
みこが再び『落花の情』を展開する間にすいせいは落ちている天翔斧を拾い展開された『落花の情』にぶつける。
周囲に呪力を削り続けるゴリゴリという音が響く中、みこは構えを変えて結界の中から祓串をすいせいに向ける。
「グラニテ…」
「三等星『刳魔』!」
みこの声を遮り、すいせいが左手をみこの結界にぶつける。
三等星『刳魔』は手で触れたものに呪力によるコーティングと高速移動を付与する。その術式対象は多岐にわたり結界もその対象となる。
「わぷっ!」
落花の情は通常の簡易領域とは違い自分の体にフィットするように作られていて余分なスペースが無い。それにより『刳魔』により高速移動したみこの結界は彼女自身にぶつかり、そのダメージで落花の情が解除される。
「撃たせねぇよ…。」
「自分の結界にぶつかったのは初めてだにぇ…」
み(すいちゃんの術式は今までの中で大体わかった。速く移動する「一等星」、物を速く投げる「三等星」、光の輪を出す「六等星」、すげぇ痛いやつの「三等星改」。高速系はみこの眼で追えるから攻撃のタイミングで落花の情を使えば相殺できる。「六等星」も同じく落花の情で相殺できる、問題の「三等星改」も遠距離でグラニテ・ブラストと天穿を撃ち続ければなんとかなる。全て、問題無し!)
す(この感じ、多分私の動きが読まれてるな…。それも呪力的な視点で)
「・・・。みこち、六眼でも持ってんの?」
「リクガン?何それ?」
「五条悟が持ってる術式とか色々見える目のこと!」
「あぁー!あれね!知ってゆよ」
「知らなかったろ…。で?持ってんでしょ?そーゆーの」
呆れ気味に聞くとみこは目を背ける。
「・・・。持ってない。」
「持ってる間だなぁ…。」
す(だとしたら出し惜しみしてんのも無駄ってことだよな)
「そうと分かれば、本気で行くしかないね。」
すいせいが笑うと、彼女を包む呪力が急激に膨れ上がる。
み(あれ?)
みこの眼に映ったのは星の術式の奥にある本当の術式。
「何…これ?」