「おっ?何か爆発したな!」
煙が上がっている方を見てあやめは面白そうに指を刺す。
「ふぅー。もう大丈夫でござる。」
立ち上がったいろははあやめを見て言う。
「おお!じゃあ早速始めようか!」
あやめが刀を抜くと同時にいろはは居合の構えをとる。
「シン・陰流『簡易領域』『抜刀』!」
あ(ノータイムで!?)
シン・陰流『簡易領域』『抜刀』、領域に入った物を即座に斬るカウンター技。通常2m程度の領域だが風間いろはの場合居合の天才的センスによりその範囲は10mにも及ぶ。
いろはの刀を去なしたあやめはもう片方の刀を振り下ろす。
「鬼炎灰燼(キエンカイジン)!」
放たれた炎の斬撃を躱したいろはは空中で再び居合の構えをとる。
あ(空中で!?)
「シン・陰流『簡易領域』」
簡易領域は通常、両足が地面を離れると解除される特性がある。だがいろはは解釈を広げ空を足場とすることで空中でも使用ができるようになった。
「『抜刀』!」
いろははあやめを斬るとすぐに刀を納め、再び居合の構えをとる。
「シン・陰流 居合『飛燕』」
抜刀して切り上げ、刀を返して斬り伏せる。
「がはっ…!」
血を吐き出したあやめは即座に体を再生させると地面に向けて炎を放ち地面ごといろはを吹っ飛ばす。
「ぐっ…なんの!」
着地したいろはの正面から、漂う煙を切り裂いてあやめは両手の刀を振り下ろす。がいろははすぐに横に飛ぶ。
「鬼炎斬双(キエンザンソウ)!」
振り下ろした刀はいろはが居た地面を抉り飛ばす。
「やるな!」
二人が向き合うと同時に居合の構えをとる。
い(なっ…!)
「シン・陰流、」
「抜刀術、」
瞬間、二人の間に白い人が落ちてきた。
「へっ?」「おお?」
落ちて来たのは白上フブキ。
「えっ?なんでフブキちゃんがここに?」
二人が動揺していると静かにフブキが立ち上がる。
「白上…?」
「ハッ!いいねぇ」
フブキは不敵に笑うとあやめに目を向ける。その時徐々に白上の髪が黒く染まった。
「まさか、」
「まずは小手試し、だ。」
フブキが居合の構えをとると、2人に悪寒が走る。
い(死ぬ…!?)
「『円斬孤月(えんざんこげつ)』」
黒い斬撃が周りに放たれ、2人は吹っ飛ばされた。
「チッ、期待外れだな…。」
不服そうな顔をした黒上は少し歩くと倒れているあくあを見つける。
「へぇ、あいつでいいかな?」
楽しそうに呟くとあくあの隣に座った。
「はっ……!」
気絶していたあくあは目を覚ますと、横に座っていた黒上と目が合った。瞬間、あくあは即座に拳銃を抜き黒上に向けると、黒上は銃を持つ腕をつかみ自分の額から銃口を外す。
「まぁまぁ落ち着けよ、今の私は敵じゃない。」
あ(一旦聞くか…。)
あくあが銃を下ろすと黒上は楽しそうに話し始める。
「楽しそうな祭が始まったものだなぁ。面白そうな奴がウジャウジャ居る。最高だ!あ〜今からウキウキしてたまらない!」
「は、はぁ…。」
困り顔のあくあに目をやった黒上は微笑む。
「もちろんお前もその独りだがな、お前には頼み事をしたい。」
「へぇっ!?」
素っ頓狂な声を挙げるあくあを見て黒上は笑いながらあくあの頭を撫でる。
「そんなに怯えるな、簡単な人探しだよ。名前は確か、「さくらみこ」とか言う奴だ。」
あ(みこち…?)
「詳しくは言わないが奴とは因縁があってな頼めるか?」
「えぇ…。」
「そんな嫌そうな顔するなよ、頼む!報酬は出すから!」
黒上が頼み込んでいると物音が二人の耳に入る。そっちを見るとあやめが面白い物を見る目で黒上を見つめていた。
「期待外れなんて寂しいこと言うなよ。」
黒上はあやめを数秒見ると立ち上がり空を握る。するとその手に黒い太刀が握られた。
「あくあ、ちょっと下がってろ」
あくあの後ろ姿を見送るとあやめに視線を戻し、嬉しそうに叫んだ。
「おいおい!あんまりワクワクさせんなよ!」