ラスボスが増えてるブルーアーカイブ   作:シフィ

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ヒナの戦闘力はどこまで盛ってもいい。
あとヒナのASMR買おうね。






ゲヘナ入学

 

 トリニティ退学後、帰ってこなかったティエちゃんにこの部屋は好きに使って良いと置き手紙を残し、私はトリニティ自治区を去った。

 

 去ったといっても、せっかく退学したのだから適当にブラブラしてみたくなっただけだ。

 もしもセイアちゃんの身に何かが起きそうな時はクラウンから連絡が来ることになっている。

 

 ……クラウンからエデン条約が締結された場合、アリウスの生徒が全員死ぬという話を聞いて、

 私に何かできることがないか聞いたが、今の私にできることは何もないそうだ。

 

 そして、自(・)分(・)が(・)ア(・)リ(・)ウ(・)ス(・)を(・)救(・)う(・)た(・)め(・)に(・)動(・)い(・)て(・)い(・)る(・)の(・)だ(・)か(・)ら(・)心(・)配(・)す(・)る(・)な(・)、とも。

 

 

 

 そんなこんなで私は今、ゲヘナ自治区の超絶治安の悪いところで不良生活を送っている。

 

 

「おりゃー!」

 

 

 拳を振るい、スケバンが連れてきた戦車を叩き潰す。

 

 

「そりゃー!」

 

 

 叩き潰した戦車を振り回し、周囲のスケバンを吹き飛ばした後、上空にいるヘリへ戦車をぶん投げ、ぶっ潰す。

 

 

「とりゃー!」

 

 

 気合を入れ、宇宙から無数の隕石を降らせてスケバンが築いた陣地を更地になるまで吹き飛ばす。

 

 

「くっくっく、なーっはっはっはっはっは!!!」

 

 

 超気持ちいい。何にも考えずに全てをぶっ飛ばすのは最高だ。

 

 降り積もった瓦礫と、無数の隕石と衝突の熱で発生した溶岩の上で高らかに笑う。

 

 

「あ、あれがトリニティの覇王……!」

「マジぱねえ」

「あんなもん今まで従えてたとか、ティーパーティーのセイアってやつは化け物か?」

 

 

 賛美の声が気持ちいい。

 よろよろと立ち上がったスケバンを踏みつけ、椅子にする。

 なかなか悪くない座り心地だ。

 

 ちょっと溶岩に浸かってるせいで、「熱っ! え、溶岩!? ちょっ、死ぬっ!?」とか元気に騒いでいるが無視し、

 溶岩の熱で沸かしたお湯に茶葉を入れ、紅茶を飲む。

 

 美味いぜ。

 

 

「あ、あれがティーパーティー流……」

「明後日って、トリニティのコンビニ襲うんだったよね?」

「やめた方がいいだろ……絶対殺されるって」

 

 

 尻で敷いていたスケバンがぐったりしだしたので溶岩の外に投げて救助しておく。

 多分やけどにはなってない。私の攻撃は神秘が薄すぎて火力に乏しいのだ。

 

 ふと通りの奥を見ると、黒いロングコートを羽織った生徒と戦車がこちらにやってくるのが見えた。

 

 ……あれは。

 

 

「キキキッ! 見ていたぞトリニティの覇王! 貴様がいればあのにっくきヒナもイチコロだ!」

 

 

「あれ、誰?」

「知らん」

「何だっけ、あの、ほら、なんだっけ?」

 

 

 ……誰? 

 

 周囲の野次馬たちも知らないようだ。

 最近の私の破壊活動は噂になっているようで、よく見物客が来る。

「あのトリニティのティーパーティー潰したんっすよね!? マジでパナイっす! 舎弟にしてください!」ってのもいた。

 

 どれだけ私のティーパーティー襲撃は噂になっているのやら。

 ナギサちゃんの「ロールケーキをぶち込みますよ!」はネットミーム化しており、連邦生徒会長にロールケーキをぶち込むコラがおおバズりしていた。

 

 私の戦闘は派手なので、ツルギちゃんやミカちゃんと殴り合っているシーンはトリニティの防衛力を支持するものになったらしく、トリニティでの犯罪率は10分の1になったとか。

 

 

「な、なんだと? 貴様ら、この万魔殿(パンデモニウム・ソサエティー)の次期議長であるマコト様を知らないのか!?」

「……マコト先輩、これまでスケバン達に顔を覚えられていたことの方が少ないじゃないですか……」

「う、うるさいぞイロハ! こうなったら……虎丸(戦車)を出せ! イロハ! あのアホ共にこのマコト様の姿を知らしめてやるのだ!」

「えぇ? 今、あそこの人、戦車殴って空に投げてませんでした? 嫌ですよ、高いんですから」

「グギギギギ……」

 

 

 万魔殿(パンデモニウム・ソサエティー)。そういえばゲヘナの生徒会の制服だな、あれは。

 何をしにきたんだ? 風紀委員会なら私を止めに来たと想像はつくが、万魔殿(パンデモニウム・ソサエティー)が来るっていうのはよくわからない。

 ゲヘナの生徒会ってただの飾りだった気がするけど。

 

 

「おい、貴様! 貴様であれば私の事は知っているだろう? トリニティの覇王、冠ウルト!」

 

 

 ずんずんと白い髪でちょっと猿っぽい万魔殿(パンデモニウム・ソサエティー)の生徒が近づいてきて……そこそこの距離、30mくらいで止まった。

 銃撃戦の距離だが、会話をするには結構遠い距離だ。

 

 遠いので一歩近づく。

 ビクッとしてマコト先輩と呼ばれていた生徒が一歩下がった。

 

 あれ、ビビってない? よく見ると汗かいてるし。

 

 

「えっと、万魔殿(パンデモニウム・ソサエティー)のマコトち(・)ゃ(・)ん(・)?」

「そうだ! この私は万魔殿(パンデモニウム・ソサエティー)の……ち(・)ゃ(・)ん(・)? ちゃん付けだと!?」

 

 

 普通では? 

 私よりちっちゃいし。*1

 

 驚愕している間に近づき、拳が届く距離になった。

 

 

「えっ、デカっ」

「褒められると照れる。それで、要件は? 喧嘩? 殴り合い?」

「あっ、いや、キキ、キキキキキッ! 喜べ! 貴様を万魔殿(パンデモニウム・ソサエティー)に招待しにきたのだ!!」

「(マコト先輩、完全に雰囲気に呑まれてましたが、何とか持ち直しましたね。しかし……大きいですね。あれで私と同い年ですか。)」

 

 

 万魔殿(パンデモニウム・ソサエティー)に招待。つまりゲヘナ学園に招待ということか、それも生(・)徒(・)会(・)に。ティーパーティー(トリニティの生徒会)の私が。

 

 ダメじゃね? 

 

 

「結構です。お帰りください。」

「は? 何故だ?」

「……先輩、相手はティーパーティーを襲撃し、退学になったとはいえトリニティの生徒ですよ? ゲヘナに入学してくださいと言われて、はい、そうですか。と頷くはずないじゃないですか」

「…………」

 

 

 なるほど、私がティーパーティーを襲撃したからか。

 トリニティに何らかの恨みを抱いていて襲撃したと、つまり親ゲヘナであると。

 

 別に私はゲヘナのことが好きってわけじゃない。

 

 ティーパーティーを襲撃したのも、暇だったから+セイアちゃんの襲撃を何とかするためであって恨みとかないし。

 

 

「い、イロハ。どうすればいい?」

「いや、私に聞かれても……マコト先輩が勝手に飛び出していったんじゃないですか」

 

 

 ……あ、いいこと思いついた。

 これならばトリニティで微妙な立場になってしまっているサンクトゥス分派、セイアちゃんの評価を何とかできるかもしれない。

 

 

「ちょっと電話……いや、モモトーク触ってもいい?」

「ええ、どうぞ」

 

 

 赤髪でちっこくて苦労人そうなイロハちゃんから許可も取れたし、モモトークを開く。

 

 

 

 

セイアちゃん

 

 

 

既読
ゲヘナ襲撃したいから、ゲヘナに入学してもいい? 
▶

◀
突然何を言い出すのかと思えば 

◀
いや、何を言っているんだい? 

◀
とうとう壊れたのかい? 

 

既読
ひどい。
▶

既読
そのままだよ
▶

 

既読
ゲヘナ入学できそうだから襲撃すれば良くねって
▶

 

◀
すまないが理解できない 

 

既読
今って、私のせいでセイアちゃん大変でしょ? 
▶

既読
ティーパーティー襲撃したのが問題なら
▶

既読
ゲヘナの生徒会も襲撃すれば良くねって
▶

 

◀
……君、エデン条約のこと忘れてはいないかい? 

 

既読
両方襲撃したら私の頭がおかしいってだけで済みそうじゃない? 
▶

 

既読
なんなら両方被害に遭った、ってので仲良くできるかも
▶

 

◀
理解し難いが、理解できたよ 

 

◀
風紀委員会がいるが、成功保証は? 

 

既読
万魔殿(パンデモニウム・ソサエティー)の次期議長を名乗る人は弱そうだし、風紀委員会はうまいこと対応すれば
▶

 

既読
簡単に倒せそう
▶

◀
好きにしたまえ

◀
君がゲヘナで暴れていることで

◀
一部の生徒からの心象はよくなっているし

◀
少なくとも悪い結果にはならないだろう

既読
りょ。
▶

 

+
 

 

 

 

 

 

 スマホをしまい、万魔殿(パンデモニウム・ソサエティー)のマコトちゃんとイロハちゃんの方を向く。

 

 

「わかった。私はゲヘナ、万魔殿(パンデモニウム・ソサエティー)に入るよ。」

「はい?」

「キ、キキキキッ! 見たかイロハ! これが万魔殿(パンデモニウム・ソサエティー)の次期議長であるマコト様のカリスマだ!」

「ま、待ってください。先ほど、一体どこに連絡を取っていたんですか? そんな簡単に……」

 

 

 ぴょんっと、虎丸と呼ばれた戦車に飛び乗り、

 車長席、戦車の上部から顔を出しているイロハちゃんの唇の前で人差し指を立てる。

 

 

「しぃー。」

「…………」

「キヒャヒャヒャヒャ!! よおし! イロハ! 今すぐ学園に帰還せよ!」

「(これは、確実に何か企んでますね……)」

 

 

 戦車がキュラキュラとキャタピラを回し、ゲヘナ学園へ向かう。

 っていうか、戦車なんて1人で動かすものじゃないのに、イロハちゃん1人で動かしてない? 

 

 マコトちゃんは笑ってるだけだし。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 ゲヘナ学園に到着後、万魔殿(パンデモニウム・ソサエティー)の制服を着せられ、「キキキキキッ! 今から風紀委員会の驚く姿を見にいこうではないか!」と風紀委員会まで連れてこられた。

 いわゆる挨拶回りというやつだ。

 

 そして今目の前に立っている白い髪の少女は、空崎ヒナか。あのゲ(・)ヘ(・)ナ(・)最(・)高(・)戦(・)力(・)の。

 

 

「それで、その子を見せびらかしにわざわざ来たって訳?」

「キキキッ! そうだ! いつもいつも私の邪魔ばかりする貴様らにも立場をわからせる時が来たようだな!」

「おなしゃーす。」

 

 

 風(・)格(・)が(・)違(・)う(・)。

 

 遠目に見た事はあったし、情報としては知っていたが、あのツルギちゃんにも劣らない強さを感じる。

 小さいのに超強そうだ。

 

 ツルギちゃんとかミカちゃんは猛進タイプで、策を練れば何とかなりそうだが、ヒナちゃんは強さに加えて頭も良さそうだ。

 以前、調べたことがあるが、風紀委員会に所属する前は情報部とやらに所属していたとか。

 

 何でヒナちゃんがゲヘナのトップじゃないんだろうか。

 

 

「そう。……貴女も色(・)々(・)とあるのだろうけど、大変ね」

 

 

 色々に込められた情報量がすごい。全部知ってそう。

 怖いわーこの子。ハナコちゃんと似た雰囲気を感じる。

 

 

「キヒャヒャヒャヒャ! さあ! ウルトよ! ここであのヒナを倒してしまうのだ! そうすればゲヘナは完全に私のものだ!」

「え? ゲヘナ入って初日でヒナちゃんとやるの?」

 

 

 ちらりとヒナちゃんの様子を見るが、全くやる気がなさそうだ。

 

 助かった。このレンジ(殴り合いの距離)ならやってやれない事はないだろうが、今持ってるゴミみたいな武器(弾詰まりするリボルバー)では、ステゴロでヒナちゃんと戦うのと変わらない。

 流石に無理すぎる。もし距離を離されたらその時点で負けだよ、負け。

 

 感覚的にヒナちゃんの弾はミカちゃんと変わらないくらいに痛そうだし、準備が十全でも勝てるかどうか怪しい。

 

 

「……今日はその子、ウルトを見せにきただけだって、アコから聞いているわ。私は業務に戻るから」

「なにぃ!? 待てっ! ヒナ! 貴様逃げる気か!?」

 

 

 ヒナちゃんはすたすたと風紀委員会の事務室に去っていく。

 ほんと助かった。

 襲撃の際に戦うことになるだろうけど、負けるのは嫌だ。

 

 せめて武器を何とかしないとな……

 

 

「マコトちゃん、私、お風呂の時間だから帰るね。また明日。」

「は? 風呂? おい! ウルト!? 待てっ!?」

 

 

 温泉開発部*2の旅館とってるから今日のお風呂は楽しみだ。

 ご飯は何にしようか。

 

 

 


 

 

 ゲヘナ学園から結構離れたところに、かなり巨大な温泉旅館を発見した。

 あれが温泉開発部の旅館かな? 

 

 自動ドアが開き、中に入る。

 

 中は結構な人で賑わっており、獣人からゲヘナ生、ヴァルキューレ生っぽい制服を着た生徒までいた。

 

 受付に立っている犬の獣人さんに話しかけて、予約を取った部屋の確認と鍵をもらう。

 

 

「後ほど、カスミ様がお部屋に参られますので、よろしくお願いします」

「うぃー。」

 

 

 カスミちゃんは温泉開発部の部長だ。トリニティでの温泉開発なんかで資金を援助したり、交流があった。

 

 温泉にかける情熱はヤバいし、温泉を見つける嗅覚もすごいが、

 温泉開発、なんていう資金のかかる事業を趣味でやれちゃうほど経営能力の高い子だ。

 

 私の暮らしていたホテルも温泉開発部に掘ってもらった温泉から湯を引いているのだ。

 

 

 部屋に入り、荷物を下ろし、万魔殿(パンデモニウム・ソサエティー)の制服を脱ぐ。

 

 なかなか良い感じの部屋だ。広いし、ゲヘナの景色がよく見える。D.U.*3に近い立地のため、ゲヘナにしてはまともな建物が多いし、破壊痕が少ない。

 木の天井に彫られた花の彫刻も美しい。

 

 後はカスミちゃんを待つだけだが、せっかくだし温泉に入っちゃおうか。

 高い部屋なので家族風呂がついている。

 

 

 更衣室に入ると、既に誰かの服が置いてあった。

 赤いシャツに、デカい白衣。

 

 どうやら待つ必要はなかったらしい。

 

 髪を束ねつつ露天風呂への扉を開け、掛け湯を被る。

 化粧は事前に落としておいたし、掛け湯だけでいいか。

 

 

「ハーッハッハッハッハ! 相変わらずデカいな、スポンサー殿は!

 ようこそ、我々の第66温泉郷へ。歓迎するぞ、盛大にな!」

 

 

 デカい声で人の事をデカいと言うちっこいつるぺた女が、先に風呂に入っていた。

 

 

「デカいって言われるの今日2回目。相変わらず元気そうだね、カスミちゃん。」

 

「スポンサー殿は色々と愉快なことになっているらしいじゃないか。 聞いたぞ、トリニティを退学になったんだろう?」

 

「まあね。」

 

 

 あまり波を立てないようにしつつ、カスミちゃんの隣で温泉に浸かる。

 

 良い湯だあ、夕暮れも美しいし、言う事なしだな! 

 

 

「カスミちゃんが温泉旅館に招待してくれて助かったよ。ゲヘナにホテルなんて全然なかったし。」

 

「なに、お互い様というやつだ。トリニティ自治区での温泉開発で心置きなく爆破させてもらった事も感謝しているが、特に料理の提供で君の会社には世話になっているからな。

 温泉に料理の提供は付きものだが、我々には殆ど料理の心得がない。君に手配してもらった料理人には感謝している」

 

 

 私の会社と、温泉開発部は業務提携を結んでいる。ゲヘナのやべー部活である温泉開発部だが、その手腕は本物だ。

 

 この私が世話になっているゲヘナといえば、1に温泉開発部。2に美食研究会である。

 両方ともテロリスト呼ばわりされている非常にヤバい奴らではあるけど、両者とも趣味に掛けている情熱は本物である。

 

 この人たちを満足させることができれば、キヴォトス中で勝負ができる内容と言って良い。

 

 

「良いお風呂に浸かって、美味いご飯を食べれるなら後はどこでだって生きていけるからね。」

「ハッハッハッハ! 違いない!」

 

 

 ぐいっと伸びをし、肩まで湯に浸かる。

 

 ほんと良い湯だ。

 

 ゲヘナにはヒノム火山*4があるから、温泉が沸きやすい、と以前にカスミちゃんが話してくれたが、その中でもここの温泉は上物なのだろう。

 

 

「面と向かって話すのは2ヶ月振りか。

 スポンサー殿とは馬が合うし、新たな温泉ポイントの選定に付き合って欲しい事もあったが、我々の立場上それも難しかったしな」

 

「私はトリニティ生で、それもティーパーティーの重鎮。*5対するカスミちゃんはゲヘナで指名手配中の超問題児。

 まるでロミオとジュリエットだね?会いたくても互いの立場が邪魔をする。」

 

「おお、いいぞ、いいぞ?トリニティのお嬢様らしいロマンチックな表現じゃあないか。

 私のジュリエット様は家を捨てて、会いにきたというわけだ」

 

 

 暴力と隕石降らせるのが特技のジュリエットか。

 随分とアグレッシブだ。恋人を喪ったくらいで自殺する女とは思えない。

 

 

「ジュリエットなんて柄じゃないよ。とトリニティを捨てた訳じゃないけど、これまでよりも簡単に会えるようになった。

 電話やモモトークも悪くないけどやっぱり顔を合わせたほうが楽しいからね。」

 

「ハーッハッハッ!無論、私としても望んでいた展開だ。だからこそエデン条約とやらに期待を寄せていた訳だが……一足早かったな?

 しかし、トリニティもクーデターを起こされたくらいでスポンサー殿を手放すとは見る目がないな。

 どうだ? 君となら素晴らしい温泉開発ができる気がしているのだが」

 

 

 もしも私(・)が(・)最(・)初(・)に(・)ト(・)リ(・)ニ(・)テ(・)ィ(・)じ(・)ゃ(・)な(・)く(・)て(・)ゲ(・)ヘ(・)ナ(・)に(・)入(・)っ(・)て(・)た(・)の(・)な(・)ら(・)カスミちゃんについて行ったんだろうなあ。

 初等部の頃、キヴォトスの地下には何が眠っているのか気になって3000mくらい1人で掘ってたし、温泉開発も私に向いてるんだろう。

 

 

「退学したとはいえ、ゲヘナの部活に在籍しちゃうとトリニティの友達に迷惑がかかっちゃうからね。ビジネスパートナーとしていさせてよ。」

 

「振られてしまったか。残念だが、問題なかろう。

 歓迎されることの少ない我が部活でビジネスパートナーというのは擽ったい表現ではあるが。

 ……んむ、んむ。悪くない。中学から続くこの付き合いにも一歩進展をとも思ったが、その必要はないか」

 

「まだ高一だしね。私たち。」

 

 

 蜜月の関係とまでいかなくとも現時点で大概親密だし、これ以上となると所属とか合併って話になってくる。

 裏切る予定の万魔殿(パンデモニウム・ソサエティー)は良いけど、ゲヘナと仲良くしすぎるのはまずい。

 

 私のアライメントは混沌に振り切ってはいるがセイアちゃんにあまり迷惑をかけたくない。

 万魔殿(パンデモニウム・ソサエティー)襲撃は楽しそうだし、それはやるが。

 

 

「無駄な時間を過ごせるほど人生は長くないが、生き急ぐ事もあるまい。

 君のような理解者を得ることができたのは実に幸運なことだ。焦らず、出逢いに感謝し、育まなくてはな」

 

 

 卵でも育てるような口ぶり。

 温泉卵食いたくなってきた、殻が真っ黒になったやつが食べたい。

 

 カスミちゃんが湯船に浮かせていた盆を指で引き寄せる。

 盆の上にあるのお(・)酒(・)じゃない? 徳利とお猪口置いてあるんですけど。

 

 キヴォトスで銃を人に向けて撃つことは犯罪ではないが、お酒や煙草はかなりの重犯罪である。矯正局送り待ったなしだ。

 

 

「では、我々の変わらぬ関係とスポンサー殿のゲヘナ入学を祝し、乾杯としようじゃあないか!」

 

 

 手渡されたお猪口を見てみると、コ(・)ー(・)ヒ(・)ー(・)牛(・)乳(・)だった。

 かなり安心した。流石にキヴォトスでお酒を飲むのは勇気がいるし。

 

 

「「乾杯!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえばカスミちゃん、ヒナちゃんの弱点ってわかる?」

 

「どうやらスポンサー殿はかなり難関な道を歩もうとしているようだが、アレに弱点はないぞ。狙うとするならば徹夜明けのヒナだが……それでも我々が勝てた試しはない。

 何か事を起こそうと言うのなら、スポンサー殿の頼みだ。派手に騒ぎを起こして風紀委員会の気を引いてやってもいいぞ?」

 

「じゃあ頼める? 決行は3日後の予定だから。時間帯は都合が良さそうな時を連絡して。」

「我々も風紀委員会には煮え湯を飲まされてきたのだ。全力を尽くそうとも、温泉開発と同じようにな! ハーッハッハッハッ!」

*1:
ウルトの身長は181cm 半年前から1cm伸びた。

*2:
温泉開発部 ゲヘナの部活。温泉開発と称し、あらゆる建物をぶっ壊し、温泉の気配を感じたならばあのレッドウィンターにも向かい、温泉開発を行うイカれたテロリスト集団。 ウルトは温泉開発部に何度か温泉開発を依頼し、トリニティの建物をぶっ壊した。無論、その土地の建物などは買収済み

*3:
D.U. 連邦生徒会やヴァルキューレ警察学校のあるキヴォトスの都心部

*4:
ヒノム火山 ゲヘナ自治区にある火山。アビスがあるらしく、ゲヘナの中でも神秘に満ちた場所

*5:
ウルトは図書委員会所属だが、ティーパーティーとして扱われることの方が多い。サンクトゥスの中等部で生徒会長をやっていたことと、学校に対しての多額の献金などの要因がある。他にも兵站の大部分がウルトの会社に依存してしまっており、政治に関わろうとしていないにも関わらず極めて重要なポジションにいる。また、退学にはなったが出入り禁止になっていない。








ウルトは性格的に、トリニティ以外ならどこでも向いている性格です。
アビドスで、「りょ。カイザーを襲う。」ってしてても良いですし、
レッドウィンターでチェリノちゃんのお世話をしながら定期的にクーデターを起こしてても良いです。
ヴァルキューレならカンナのこと振り回しながら遊んでそうですね。

連邦生徒会に入ったウルトは……カヤと仲良くしてました。
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