ジィさんの元に訪れてから
大体7ヶ月が経過した。
非常にムカつくが体力や呼吸の精度も上がっているので
ジィさんとの鬼ごっこもかなり続くようになってきた。
まぁ最終的には捕まるんですけどね!
そんな俺だがジィさんから改めて話があると
呼び出される。
「さてお前の肉体もそろそろ仕上がってきただろう」
「誠に遺憾だがまぁそうやな」
「そこでお前には新しい呼吸を編み出して貰う」
「あー、そういえば俺って雷の呼吸が合わないんだっけ?」
「いや、合わないわけではないのだがな。おそらく雷の呼吸だとお前の全力が引き出せないのじゃよ。お前の父の言うとおりだったな」
「なるへそなるへそ」
「だからお前は雷の呼吸の派生の新たな呼吸とその型を
作り出すんじゃ。雷の呼吸と相性が悪いというわけではないし、むしろ良いほうと言えるじゃろ」
なるほど。ここに来てようやく目標が決まったわけだ。
「いやでも最初に言ってくれてもよくない?もう7ヶ月たってるんだけどさ。全くジィさんは合理性がないな~」
だがここでしっかり煽っておくのも忘れない。
もちろんそうすると...
「それはお前が刀も振れなかったからじゃろうが!!」
「フッ読んでるんだよなぁ!!」
当然頭に血が昇ったジィさんが杖による横凪ぎを繰り出す。
だけどそれはもう何百回、下手したら何千回食らっている!
頭を下げてそれを回避する!
同じ攻撃を何度も食らうと思うなよ!
そうしてジィさんにドヤ顔をしようと目を向けた瞬間...
「一回避けたくらいでいい気になるな!馬鹿もん!!」
避けたはずの杖が壁に弾かれたように再びこちらに向かってきたのだ。こんなの避けれるわけない...
「ゴエェッ!」
見事に俺のこめかみにクリーンヒット。
結局いつものでしたね、はい。
更に一ヶ月後
現在の俺はようやく木刀を振りきれるくらいの腕力を
手にいれた。ここまでで約八ヶ月。
......やめてくれ何も言うな
ただ真剣だとまだ重くて自由に振ることができないのだ...
これでは新たな呼吸の開発も糞もない。
だがここで超ウルトラ天才瞬くんは閃いてしまったのだ!
早速ジィさんに提案をしにいく...
「なぁ桑ジィ、短刀ってない?できれば2本」
「あったかは見てみないとわからんが2本ということは二刀流か?」
「だって二刀流の方がかっこいいじゃん」
「はぁ...あまり二刀流は勧めたくないんじゃがのう...
だが新しい呼吸を作るのなら目を瞑ろう。ちょっと待っておれ。
そう言うとジィさんは家の中から短刀を探しにいった。
まぁ実際短刀でも十分鬼の首を切れるだろうしね!
多分問題ないやろ!
逆手に持ったりして戦ったらかっけえだろうなぁ...
そんなことを考えているとジィさんが戻ってきた。
「あーー、短刀なんじゃがな?探してみたのじゃが
これしかなくてのぅ...」
そうして手渡してきたのは...
「これドスじゃねぇか!!!」
渡されたのは短刀ではなく二本のドスだったのだ。
おいおいおいこれじゃ剣士じゃなくてヤクザじゃねぇかよ...
ちなみに短刀とドスの違いだが
鍔があるかないかである。ドスだと懐に隠しやすいのだとか...
「え、なんでドスとかあるの怖っ。もしかして鬼殺隊の元柱じゃなくてヤクザの元幹部?」
「誰がヤクザじゃ!!何で家にあったのかは儂にもよくわからん!」
「えぇ...」
いいのかそんなので...
もし前世でドスなんか出てきたら大騒ぎなんだけどね。
「それで?どうじゃそれだと問題なさそうか?」
「どれどれ?」
早速鞘から抜いてドスを数回振ってみる。
うん、予想通り問題なさそうだ!
「やっぱしこれならいけるな!ありがとな桑ジィ!」
「う~む、剣士がドスを振り回すのもどうなんじゃ...?」
ジィさんは最後まで何か言っていたが知ったことか!
俺には関係ありましぇ~~~ん!!
そこから更に三ヶ月後
遂に俺は「俺だけの呼吸」を生み出し型も少ないが
いくつか作り出したのだ!!
やっぱり短刀(ドスだけど)作戦が大きかった。
もうこれなら入隊試験にも行ってよくねぇか?
何をするのかは知らんけどさぁ...
「まさか三ヶ月で新たな呼吸を作り出すとはのぅ
師として鼻が高いわい」
「いやいやそれほどでもあるけどさ~♪」
「お前は全く謙遜なんてしないのぅ...」
「なぁそろそろ入隊試験に行ってもいいと思うのだが」
「まぁそうじゃのぅ...」
さっさと許可を出すんだ!!
俺は一刻も早くこの地獄を抜け出して自由になるんだ!!
「普段であれば型をある程度完成させた時点で最終選別の許可を出してもいいと思っていたのだがのぅ」
「そうだろ?な?な?」
『普段であれば』とかいう不穏な言葉が聞こえた気がするが気のせいです俺は何も聞いてない!
「だが瞬、お前だとやはり不安でのう...。果たして鬼の首を切れるのか...ソレニドスダシ」
あ、この流れはやばい!何を血迷ったこの糞ジジィ!!
ふざけんなこのくそハゲ童貞童貞童貞童貞童貞童...
「誰がハゲ童貞じゃって?」
「」
また途中から口に出てたみたい
「よしここじゃ」
「これって...」
たんこぶの出来た俺が連れてこられたのは何やら岩の前であった。大体直径1メートルくらいかな?
「お前にはこの岩を一太刀で真っ二つに切って貰う」
「え、なんて?」
いやいや絶対聞き間違えだ。だって岩は切るものじゃないもん
やっぱり頭悪いわこのジィさん...
「だからこの岩を切れと言ったんじゃ」
聞き間違えじゃなかったわ。
もう終わったわ。
「ちなみにじゃが、この鍛練は儂の知り合いの鱗滝という育手がいてな。そやつの鍛練を参考にさせてもらったんじゃ」
よしその鱗滝とかいう奴は絶対に許さん。
いつか絶対復讐してやる。
「だがのぅ瞬。鬼の首は岩と同じくらい固いのじゃから
これくらい切らないと認められんぞ」
「最低限でもこれくらいはできないとってことか...」
「取り敢えずやってみたらどうじゃ?」
「それもそうか...」
そうして俺は呼吸を整え、ドスを鞘から抜いて逆手に持ち構える。
超速で岩まで突っ込みすれ違い様に一閃。
その速度は雷の呼吸よりも大きく上回る。
また加速の勢いもあるため殺傷力も高くなっている。
確かな手応えを感じた俺が振り返り岩を確認すると
半分くらいまで切れ目が入り、綺麗に切れていたのだ。
「...まっ、こんなもんですよ」
ドヤ顔で言う俺だがまさか本当に切れるとは思っていなかったため内心では大騒ぎであるがこれは秘密である。
「ふむ、確かに見事なものじゃ。だが条件を忘れておらんか?」
「え、条件?いや切ったじゃん?」
「儂は一太刀で岩を真っ二つに切れと言ったんじゃ。
半分は切れとるが真っ二つではないじゃろ」
「...なら切れてないとこをもう一回切れば真っ二つになるよね?」
「だから一太刀で切れと言っとるじゃろ」
あれ?もしかしてこれって...
「...でもドスだと長さ的にも一太刀で切れなくね?」
「そうなるな」
「つまり真剣で切れと」
「そうなるな」
......はめられた。
短刀を使うって言った時に嫌な顔をしてはいたがまさかこんなとんでもないことになるとは...
「これ何年かかるんだよ...」
「あと言い忘れてたのだがな」
おいおいおいまだあんのかよ...いい加減にしてくれ...
「鬼殺隊最終選別は17歳未満でしか受けれないから早めに終わらせた方がいいぞ(嘘)」
は?
え?ちょっと待てよ、そんなの聞いてないんだが。え?
だって俺もう16歳なんだけど?
17歳でアウトってマジで言ってます?
じゃあタイムリミットって...
「あと10ヶ月で俺17歳やん」
「いや違うぞ。最終選別が行われるのは一年に一回なんじゃ。
次に行われるのは6ヶ月後だからそれまでに頑張れ」
「/(^o^)\」オワタ
「なぁに。心配せんでもドスや木刀をまともに振れるようになったんじゃ。死ぬほど鍛えれば真剣でも振れるようになるじゃろ」
何が死ぬまで鍛えるだこの糞ジジィがよ!!
他人事みたいに言いやがって...
そこから半年間文字通り死ぬほど鍛えられたのは言うまでもない...
アァンマリィダァァァァァァ!!!!!
半年後
桑島side
儂の名前は桑島慈悟郎。歴代最高の問題児を弟子を鍛えている元鳴柱の育手じゃ。
その馬鹿弟子の名は「早川瞬」。元鬼殺隊であった「早川光」の息子であり、凄まじい鬼殺の才能があると聞いており顔の知れていた仲でもあったため面倒を見ることになったのじゃがな...
確かに才能は見事なものであり、腕力の無さには別の意味で驚かされたが鍛えれば克服できると考えていたのもありそこまで問題視はしていなかったのだがな...
それを上回る大きな問題があったのじゃ。
それは度々行われるのは奇行の数々だ...
見た目に反する口や態度の悪さはもちろんのこと
度重なる脱走未遂(全部捕まえてる)や何処からか捕まえてきた野鳥を鍛練中に焼いて食っていたり(油断した鳥を仕留めてた)などなど...
一番酷かったのは寝返りで部屋の壁を蹴り飛ばした時に機嫌が悪いこともあったのかは知らんが、威力が強すぎて家屋の一部が吹き飛んだことだったな...(遠い目)
本人はわざとではなかったようだが惨状に気付いたときには「この糞ジジィざまぁみろ」という顔をしておった...
とまぁそんな異常な脚力をもつ問題児なのじゃが半年間死ぬほど鍛えた結果...
スパァァン!!!
遂に岩を切断することに成功したのじゃ。
これには儂も感慨深いものもあり、つい涙を流しそうにもなったが師としてグッと堪えた。
だがここで疑問に思っている者も多いと思うがなぜ「儂からの」視点で話しているのかじゃ
その理由だが...
「パラッパッパッパ~!I'm lovin it!」
完全に脳の容量に限界を迎えて壊れてしまったからである...
脳細胞が死滅した結果がこれとは恐ろしい...
何やら訳のわからぬ事を言っているがかなりまずいことになっているのは間違いない...
いくら岩を切るためとはいえやりすぎたか...
「お、おい瞬...」
「ボクスティッチ!オハ○、キライ!」
駄目だ会話が成り立たない...
「とはいえ一体どう『ボクミッキー!』したらいいのか...。最終選別ま『ママダイスキ☆』であと3日しかないの『ブルンブルーン!』にこのままでは行か『ショウライノユメハカイテンボウキニナルコトデス』
「うるっさいわぁぁ!!!」
人が悩んでいるときにあまりにもうるさいので拳骨をくらわしてやったが相変わらず効果はなさそうじゃ...。(既に何度も検証済み)
「オッパイオッパイ!」
隙あらば狂ったように下品な言葉を吐き散らす...
この女好きな性格もどうにかならんものか...
ん?女好き?
「瞬。最終選別に合格したら遊廓に行かせてやる」
「なにぃぃ!?遊廓だとぉぉぉぉ!!!」
うむ、馬鹿で助かった!
大正コソコソ噂話
①桑島が最終選別の期限で嘘をついたのは瞬のやる気を最大限まで出させるため。
瞬くん復讐リスト
・鱗滝←new!