俺をほっといてくれ!! 作:やめてくれ
はい、遅くなって本当にすいませんでした。
ああ、前世のお母さん、お父さん、ペットのポチ、私は一体どうしたらいいのでしょうか?
前世の知識はまったくと言ってこの世界で役には立たないし、転生した時には今世の親に捨てられて人生ハードモードになるし、魔王と勇者にボコボコにされて死にかけるし………とにかく散々な目に合いました。
そしてそんな私から質問があります。
魔王に拉致された時の対処法とは?
答えを知っていたら是非私に教えてください。
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やあ、現在進行形で黒い鎖で縛られている俺だ。
昨日の夜に魔王ことリリスに鎖で縛られて、ずっと身動きが取れない状態になってるぜ。
後、俺達は今馬車に乗って何処かに向かっている。俺が気づいた時にはこの馬車に乗っていた。なんでだろ怖いね。(すっとぼけ)
「───どうした?何か問題があったか?」
俺がボーッと上を向きながら考えていると、リリスが心配をして声を俺にかけてくる。
「あー、問題なら色々とありますね………」
「何…?!言ってみろ直ぐに対策し改善するぞ!」
「じゃあ俺を解放してください。」
「無理だ。」
直ぐに対策し改善するとは??
いやね?確かに勇者に負けて1年間ぐらい姿消したけどね?鎖で縛られるのはね?
一応言っとくが、俺が鎖で縛られて興奮するような、変な趣味は持ってないからな。
…………持ってないからな?
「うお?!」
突然、馬車が道端の何かに躓いたのかガタンと揺れて俺は倒れてしまう。
鎖で縛られてると身動きが取れないし、バランスが取りにくいんだよなあ………
「大丈夫か?」
そんな俺を優しく心配しながらリリスが起こしてくれる。鎖で縛られてなかったら惚れてたね。
「あっ、そういえばリリス…様?」
俺は一つ気になる事があるのでリリスに話しかける。
「様を付けるなと言っただろ?………それでなんだ?」
「これは一体何処に向かっているのでしょうか?」
俺達が今乗っているこの馬車は街から離れてからは、どんどんと森の奥へと進んで行っていて何処に向かってるのかがまったく分からない。
一体何処に向かってるのだろうか………
「そんなの決まっているだろう?お前と私の愛の巣だ❤︎」
………何処に行くかは分からなかったが、俺の頭の中がヤバいと警報を鳴し始めた。
「い、いったいそこで何をするつもりで?」
俺は冷や汗をダラダラと流れ始めたのを気にせず質問すると、リリスは数秒黙り口を開く。
「うーん、そうだな。まずはお前の事をよく知りたいからたくさん話をするとしよう。」
お、意外と平気そうか?
「そしてその後はお前と愛を育むとしよう。」
ん?
「私は三人ぐらい欲しいんだが、お前は何人ぐらい欲しいんだ?私はお前が望むならなんだって受け入れるつもりだぞ?」
……………
「それに家事や身の回りの世話も任せろ。私はこう見えて料理も得意だし家事も全てこなせるぞ。」
「そ、それだとお、俺はダメ人間……いやダメ魔族になる気が………」
俺は動揺して素の状態で話してしまう。
「別にそれでいいじゃないか。お前は一生私の側に居ればいいんだ。」
「…………」
確かにこのままリリスに着いて行けば俺は最高の暮らしが出来そうだが、人として……いや魔族か……まあ魔族の男として大事な何かを失う気がする。というか確実に俺はダメ魔族になる気がする。
「り、リリスそれはき、気が早いんじゃないか?だ、だって俺達は別にそういう関係でもないし「私がこんなにも愛を注いで身も捧げると言っているのに気が早い?」
どうやら俺は地雷を踏んだようだ。リリスの紫色の美しい瞳か濁ったかのような錯覚をさせる程に雰囲気がガラリと変わる。
馬車の御者は白目を剥いて気絶し、馬は泡を吹いて倒れ、周りに居る生き物達は恐怖し急いでその場を離れていく。
「り、リリス……?」
俺はその異常な雰囲気の変わりように動揺してしまう。
「………確かに私はお前とそういう関係ではない。だけどそれは後でゆっくり時間を掛けて築いていけば良いだけの話だ。」
リリスが俺の頬に手を添えて真っ直ぐとその紫色の瞳で見つめてくる。
「だけど私はそんなに長い時間はもう我慢は出来ないんだ。」
リリスの瞳から狂気じみた何かを感じる。
「………あの時にお前が私の前から消えた時から私は変わってしまったんだ。こんな風に私がなってしまったのはお前のせいだぞ?」
リリスの頬に添えている手が異様に冷たく感じる。
「私はもうお前を絶対に離さないし、もし離れたとしても掴んで連れ戻す。もう私は絶対にお前を逃さない。」
「……………」
俺は鈍感でもなんでもないので、リリスが俺の事を好いているぐらいはここまで来たら分かる。でもまさか俺のせいでこんなにもリリスの心が歪むなんて思いもしなかった。
「俺は………」
上手くリリスを説得しようと言葉を出そうとするが言葉が出てこない。多分、俺は主人公みたいに誰かの考えを改めさせたり、歪んだ心を直したりなんて出来ないのだろう。
「…………確かに俺は貴方の前から勇者に敗れて消えた。そして貴方を……リリスを変えてしまった。……それでリリスが、こんな事を考えるようになったのは紛れもなく俺のせいだ。」
なので俺は俺が思っている事をそのままリリスにぶつけるみることにした。
「だけど俺はそれでリリスの側に一生いる気はない。」
リリスの瞳が揺れ手に力が入る。
「………それは何故だ?」
「元々俺は最底辺から脱出して自由がある人生を過ごしていたいと思って、自分を鍛えてここまで来た。それなのにまた誰かに縛られて自由が更になくなるなんてごめんだ。」
俺の言っている事はハッキリ言って最低かもしれない。だけど俺は善人でもなければ紳士でもない。どちらかと言うとクズに近い方だ。
そしてこんな俺を見てクズだのゴミだの周りから罵られるのは仕方のない事かもしれない。それでも俺は誰かに縛られて自由をなくしたいとは思わなかった。
「私が絶対に逃さないと言ったら?」
「絶対に逃げきってみせる。」
それを聞くとリリスはゆっくりと俺の頬から手を離しす。そして人差し指に魔力を込めて俺へと向ける。すると俺を縛っていた鎖は解けてゆっくりと宙に浮く。
「……?!」
リリスが人差し指をクルリと円を書くように回すと、いきなり鎖が俺の首に巻きつき俺の首を絞める。
「なら私がお前に私の物にならないなら殺すと言ったらどうする?」
「全力…で…抵抗して……逃げき…る。」
俺がこの状況を脱出する為に、この馬車の持ち主には悪いと思いつつ魔法を馬車の中で放とうとすると、突然鎖の力が弱まり俺の首から離れる。
「……??」
「ならば考えを変えるとしよう………」
俺が困惑しているとリリスは俺の元に近づき手を取る。
「お前が私の側に一生いる事が無理なのが分かった。そしてその気持ちはどんなに私が言葉をかけても揺らぐことがない事も分かった。」
先程まで感じていたリリスの異常な雰囲気は既に収まっており、今度は何かを決意した様子だった。
「ならばこうしよう。お前が私の側に一生居るのが無理なら、私がお前の側に一生居ればいい。それならお前は私の側で縛られて自由をなくす事もない……どうだ名案だろう?」
名案……か?これ……
「あっ!もし受けないならばお前を問答無用で愛の巣に連れて行く。」
「素晴らしい案ですね!!」
なんでこうなった??(色々)
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なんとか?鎖から解放された俺は気絶した馬車の御者や馬を起こして次の街に向かおうとしたのだが………
「助けとくれーー!!」
リリスのあの雰囲気がよっぽど怖かったのだろう。目が覚めた瞬間、馬に跨ってダッシュで逃げてしまった。
そこで俺は一つ大きな問題に気づいた。俺の使う転移とは一度来た事がある街にマーキングをする事でそこに超スピードで移動をする魔法だ。そしてそのマーキングは一度転移すると消えてしまい、もう一度マーキングをしないといけないのだが、クラートでマーキングをするのを忘れた。
そして俺はいつの間にかこの馬車に乗せられて何処かに連れてかれており、今自分が何処に居るのかが分からない。
簡単に言えば、転移の魔法も使えずここが何処かも分からない。
「…………ここどこ?」
うん迷子になった。
ヤンデレの少し会話が合わないような感じを意識したけど、駄目だったかな………
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