問題児達と神殺しの簒奪者が異世界から来るそうですよ?   作:更新亀さん

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12話

ニつ目の不可視のギフトを手に入れたカイと十六夜とジンは、白亜の宮殿を真っ直ぐ突き進んで最奥、最上階に着く。

 

最奥に天井はなく、まるで闘技場のように簡素な造りだった。

 

「十六夜さん、カイさん、ジン坊っちゃん………!」  

 

最上階で待っていた黒ウサギは安堵したように三人の姿を確かめてため息を漏らす。

 

眼前に開けた闘技場の上空を見上げると、見下ろす人影があった。

 

「───ふん。ホントに使えない奴ら。今回の一件でまとめて粛清しないと」

 

 空に浮かぶ人影には、確かに翼があった。膝までを覆うロングブーツから、光り輝く対の翼が。

 

「まあでも、これでこのコミュニティが誰のおかげで存続出来ているのか分かっただろうね。自分達の無能っぷりを省みてもらうにはいい切っ掛けだったかな」  

 

バサッと翼が羽ばたく。たった一度の羽ばたきでルイオスは風を追い抜き、落下速度の数十倍の勢いで十六夜達の前に降り立った。

 

「なにはともあれ、ようこそ白亜の宮殿・最上階へ。ゲームマスターとして相手をしましょう。………あれ、この台詞を言うのってはじめてかも」

 

それは全て騎士達が優秀だったからだ。今回のように準備が整わない突然の決闘でさえなければ、ここまで十六夜達の目論見通り事が進む事は無かっただろう。

 

十六夜は肩を竦ませて笑い、カイは呆れ、

 

「ま、不意を打っての決闘だからな。勘弁してやれよ」

 

「自身の部下の優秀さも分からぬとはな」

 

「フン。名無し風情を僕の前に来させた時点で重罪さ」

 

彼は〝ゴーゴンの首〟の紋が入ったギフトカードを取り出し、光と共に燃え盛る炎の弓を取り出した。

 

そのギフトを見て黒ウサギの顔色が変わった。

 

「………炎の弓?ペルセウスの武器で戦うつもりはない、という事でしょうか?」

 

「当然。空が飛べるのになんで同じ土俵で戦わなきゃいけないのさ」

 

 小馬鹿にするように天へと舞い上がる。だが戦いの意思はまだ見られない。

 

壁の上まで飛び上がったルイオスは、首にかかったチョーカーを外し、付属している装飾を掲げた。

 

「メインで戦うのは僕じゃない。僕はゲームマスターだ。僕の敗北はそのまま"ペルセウス"の敗北になる。そこまでリスクを負うような決闘じゃないだろ?」

 

 ルイオスの掲げたギフトが光り始める。星の光のようにも見間違う光の波は、強弱を付けながら一つ一つ封印を解いていく。

 

十六夜はとっさに構えた。

 

カイはジンを背後に庇い、いつでも戦えるように臨戦態勢をとる。

 

光が一層強くなり、ルイオスは獰猛な表情で叫んだ。

 

「目覚めろ───"アルゴールの魔王"!!」  

 

光は褐色に染まり、四人の視界を染めていく。

 

白亜の宮殿に共鳴するかのような甲高い女の声が響き渡った。

 

[r a……… Ra、 GEEEEEEYAAAAAAaaaaaaaa!!!]

 

それは最早、人の言語野で理解できる叫びではなかった。

 

冒頭こそ謳うような声であったが、それさえも中枢を狂わせるほどの不協和音だ。

 

現れた女は体中に拘束具と捕縛用のベルトを巻いており、女性とは思えない乱れた灰色の髪を逆立たせて叫び続ける。

 

女は両腕を拘束するベルトを引き千切り、半身を反らせて更なる絶叫を上げた。黒ウサギは堪らずウサ耳を塞ぐ。

 

「r a、 GYAAAAAaaaaaaa!!」

 

「な、なんて絶叫を」「避けろ、黒ウサギ!!」 「喋る暇があるなら避けろ」

 

えっ、と硬直する黒ウサギ。

 

十六夜は黒ウサギを、カイがジンを抱き抱えるように跳び退いた。

 

直後、空から巨大な岩塊が山のように落下してきたのだ。

 

二度三度、と続く落石を避ける十六夜達を見てルイオスは高らかに嘲った。

 

「いやあ、飛べない人間って不便だよねえ。落下してくる雲も避けられないんだから」

 

「く、雲ですって………!?」  ハッと外に眼をやる。

 

雲が落下しているのはこの闘技場の上だけではない。

 

"アルゴールの魔王"と呼ばれた女の力は、このギフトゲームに用意された世界全てに対して石化の光を放ったのだ。

 

瞬時に世界を満たすほどの光を放出した女の名を、黒ウサギは戦慄とともに口にする。

 

「星霊・アルゴール………!白夜叉様と同じく、星霊の悪魔………!!」

 

箱庭最強種の一角、"星霊"がペルセウスの切り札だった。

 

「今頃は君らのお仲間も部下も全員石になっているだろうさ。ま、無能にはいい体罰かな」

 

なんの防御もしていない黒ウサギや十六夜が石化せずに済んだのは、彼の遊び心だろう。

 

本拠を舞台にしたゲームで、ようやく訪れた初めての挑戦者。

 

すぐ終わらせては勿体ない。ルイオスの吐く軽口よりも、内心の闘志は遥かに高まっているのだろう。

 

「目論見が外れたな。レティシアが戻ってくることで魔王に対抗するつもりだったんだろ?」

 

「………はい」元・魔王であるレティシアがいれば、それも不可能な話ではなかった。

 

だが肝心の彼女は魂を削られ、多くのギフトを失っていたのだ。

 

「どうする?  例の作戦は止めておくか?」

 

「何、今ならまだ引き下がっても俺以外、文句は言わぬぞ?」

 

十六夜とカイの声と表情は至って冷静だ。責める事も、小馬鹿にする事もない声音と視線に、ジンはハッキリと首を振った。

 

「十六夜さん、カイさん。僕らにはまだ貴方達がいます。貴方達が本当に魔王に打ち勝てる人材だというなら───この舞台で、僕達にそれを証明して下さい」

 

「OK。よく見てな御チビ」 「幾らでもしてやろう」

 

十六夜とカイは最後にぐしゃぐしゃと髪を撫でてから前に出る。

 

「さ、それじゃ準備はいいかよゲームマスター」「俺がルイオスをやろう」

 

「ん?三人でかかってこないのかい? 後ろの子がリーダーなんだろ?」

 

「おいおい自惚れるなよ。オマエ如き、うちの坊っちゃんが手を出すまでもねえ」

 

「雑魚が、身の程を知れ」

 

十六夜の軽薄そうな笑いと、カイのいて刺す様な視線にジンはうっすらと寒い悪意を感じる。

 

どうやら今回の騒動も広報に使うつもりらしい。

 

しかしルイオスは侮辱されたと思い、肩を震わせて叫んだ。

 

「───はっ。名無し風情が、精々後悔するがいいッ!!」

 

[r a、 GYAAAAAAaaaaaa!!]

 

ここに十六夜とアルゴール、カイとルイオスの戦いが始まった。

 

ルイオスはアルゴールよりさらに上空に飛び、陰に隠れながら炎の弓を引く。

 

蛇のように蛇行する軌跡の炎の矢を、十六夜は気合い一喝で弾き飛ばした。「喝ッ!!」

 

それだけで炎の矢は消し飛んだ。デタラメな肺活量である。

 

「ちっ、うちの海魔を打ち倒すだけの実力はあるってことか!!」

 

ルイオスは無駄を悟り、舌打ちして炎の弓を仕舞う。

 

代わりにギフトカードから取り出したのは、"星霊殺し"のギフトを新たに付与された鎌のギフト・ハルパー。

 

縦横無尽に空を駆けるルイオス達は挟みこむ形で十六夜を追いつめ様とした。

 

「押さえつけろ、アルゴール!!」[RaAAaaa!! LaAAAA!!]

 

甲高い叫び声を上げながら両腕を振り下ろすアルゴール。

 

それを受け止めた十六夜は、相手の両手を組み合う様にして握りしめる。

 

信じられない事だが、真正面から星霊と力比べをするつもりなのだ。

 

「ハッ、いいぜいいぜいいなオイ!! いい感じに盛り上がってきたぞ………!」 [RaAAaaaGYAAAAAAaaaaaa!!]

 

十六夜の手とアルゴールの手が重なり、真正面からアルゴールとぶつかり合う。

 

押し合いになったのは僅か一瞬。アルゴールは耐え切れず押し切られ、その場でねじ伏せられる。

 

「ハハ、どうした元・魔王様!今のは本物の悲鳴みたいだったぞ!」

 

獰猛な笑顔でねじ伏せ、更に腹部を幾度も踏みつける。

 

十六夜の足踏みはそれだけで闘技場全体に亀裂を発生させ、白亜の宮殿を砕くほどの力があった。

 

その間に、ルイオスは背後に飛びまわって十六夜に襲いかかるが、

 

「図に乗るな!」 「お前の相手は俺だ」

 

「グウッ!」

 

ハルパーを片手に疾駆するルイオスを、横からカイがルイオスを蹴り飛ばす。

 

辛うじて柄で受け止めたルイオスだったが、あまりに重たい一撃を受け空へと吹き飛ばされた

 

防いだにも拘わらず嘔吐感がこみ上げるほどの一撃。

 

吹き飛ばされたルイオスに、カイは跳躍して一瞬で追いつく。

 

「どうした? その翼は飾りか?」

 

「き、貴様っ………!」  怒りに任せてハルパーを振りかざす。

 

だがカイは難なく回避し、ハルパーを躱され体勢が崩れたルイオスの体を掴み今度は地面に向かって投げ飛ばした。

 

ルイオスは闘技場で昏倒しているアルゴールに重なるように叩きつけられたのだ。

 

「ガッ!」 「Gya………!」  二つの呻き声。

 

「カイ、遅えぞ!何してた!」

 

「ジンに攻撃が当たらない様、結界を張っていた」

 

「き……貴様ら、本当に人間か!? 一体どんなギフトを持っている!?」

 

無理もない疑問だろう。"星霊"を力で捻じ伏せ、天駆けるヘルメスの靴より速く走る人間など存在しない。

 

その疑問に応えようと、十六夜はギフトカードを取り出す。

 

「ギフトネーム 【正体不明】───ん、悪いな。これじゃ分からないか」

 

「ギフトネーム 【神殺しの簒奪者】神を殺し、その権能を簒奪する者」

 

飄々と肩を竦ませて笑う十六夜と、絶望を与えるカイ。

 

余裕を見せる十六夜達の背中を見てジンは慌てて叫んだ。

 

「い、今のうちにトドメを! 石化のギフトを使わせては駄目です!」

 

星霊アルゴールの本領は、身体能力と別のところにある。

 

世界を石化させるほどの強大な呪いの光こそ、彼女の本領なのだ。

 

だが自分の力でねじ伏せたいルイオスは、更に正面対決を望んだ。

 

「アルゴール! 宮殿の悪魔化を許可する! 奴等を殺せ!」

 

[RaAAaaa!! LaAAAA!!]

 

謳うような不協和音が世界に響く。

 

途端に白亜の宮殿は黒く染まり、壁は生き物のように脈を打つ。

 

宮殿全域にまで広がった黒い染みから、蛇の形を模した石柱が数多に襲う。

 

十六夜は避けながら思い出したように呟く。

 

「ああ、そういえばゴーゴンにはそんなのもあったな」

 

「十六夜、それはどういった物だ?」

 

十六夜はカイに話す。

 

ゴーゴンには様々な魔獣を生みだした伝説があると。

 

そもそも"星霊"とはギフトを与える側の種でもあるのだ。

 

今や白亜の宮殿は魔宮と化している。周囲が見えていないのか、狂気じみた形相でルイオスは叫んだ。

 

「もう生きて帰さないッ! この宮殿はアルゴールの力で生まれた新たな怪物だ! 貴様にはもはや足場一つ許されていない!貴様らの相手は魔王とその宮殿の怪物そのもの!このギフトゲームの舞台に、貴様らの逃げ場は無いものと知れッ!!!!」

 

ルイオスの絶叫と、魔王の謳うような不協和音。

 

それに合わせて変幻する魔宮は白亜の外壁を、柱を、蛇蠍の如き姿に変えて襲い掛かり、十六夜とカイ体を覆う。

 

千の蛇に呑み込まれた十六夜とカイは、その中心でボソリと呟いた。

 

「───……そうかい。つまり、この宮殿ごと壊せばいいんだな?」

 

「今の白夜叉程度の力も無いくせにまだ魔王と言うか。雑魚共が!」

 

ジンと黒ウサギは、嫌な予感がした。

 

十六夜は無造作に上げた拳を、黒く染まった魔宮に向かって振り下ろし、カイはギフトネーム【創造神と破壊神を堕とした者】を使い自身の滅びの魔力を纏わせる。

 

千の蛇蠍は一斉に砕け、十六夜とカイの周囲から霧散する。

 

直後に宮殿全域が震え、闘技場が崩壊し、瓦礫は四階を巻き込んで三階まで落下した。

 

「わ、わわ!」「ジン坊っちゃン!」

 

崩壊に巻き込まれそうになったジンを黒ウサギが受け止める。

 

翼を持つルイオス達は上空に逃げていたが、その惨状に息を呑んでいた。

 

この闘技場は宮殿内と違い、常時防備用の結界が張られている。

 

それこそ山を打ち砕くほどの力がなければ、この最上階を崩落させる事など出来ないはずなのだ。

 

「……馬鹿な……どういう事なんだ!? 奴の拳は、山河を打ち砕くほどの力があるのか!?」

 

上空で怒りとも恐怖ともいえる叫びを上げるルイオス。

 

残った闘技場の足場から見上げる十六夜は、やや不機嫌そうに声をかけた。

「おい、ゲームマスター。これでネタ切れってわけじゃないよな?」

 

「俺がまだ何もしてないだろうが」

 

「………っ……!」まだ宮殿の怪物は生きている。だがこのまま続けても結果は好転しないだろう。

 

ルイオスは屈辱で顔を歪ませた。彼にとって本拠での正式なゲームは、これが初めてだった。

 

それがまさか此処まで一方的に押されるなど、考えてもいなかっただろう。

 

しばし悔しそうに表情を歪めていたルイオスは───スッと真顔に戻る。

 

そして極め付けに凶悪な笑顔を浮かべ、「もういい。終わらせろ、アルゴール」石化のギフトを解放した。

 

星霊・アルゴールは謳うような不協和音と共に、褐色の光を放つ。

 

これこそアルゴールを魔王に至らしめた根幹。

 

天地に至る全てを褐色の光で包み、灰色の星へと変えていく星霊の力。

 

褐色の光に包まれた十六夜は、真正面からその瞳を捉え───

 

「─────………カッ。ゲームマスターが、今さら狡い事してんじゃねえ!!!」 褐色の光を、踏みつぶした。  ………比喩は無い。

 

他に表現のしようもない。アルゴールの放つ褐色の光は、十六夜の一撃でガラス細工のように砕け散り、影も形もなく吹き飛んだのだ。

 

「ば、馬鹿な!?」  ルイオスが叫ぶ。叫びたくもなるだろう。  

 

階下から戦況を見守っていたジンと黒ウサギでさえ叫び声を上げていたのだから。 

 

「せ、"星霊"のギフトを無効化───いえ、破壊した!?」

 

「あり得ません! あれだけの身体能力を持ちながら、ギフトを破壊するなんて!?」

 

「十六夜、俺の分は?」

 

「さあ、続けようぜゲームマスター。"星霊"の力はそんなものじゃないだろ?」

 

軽薄そうに挑発する十六夜。だがルイオスの戦意はほとんど涸れていた。"箱庭の貴族"はおろか、,白き夜の魔王"でさえ知らない出所不明・効果不明・名称不明と三拍子揃った、正真正銘の【正体不明】。

 

奇跡を身に宿しながら、奇跡を破壊する矛盾したギフト。

 

ルイオスはありえない存在を前に呆然としていた。

 

黒ウサギがため息交じりに割って入る。

 

「残念ですが、これ以上のものは出てこないと思いますよ?」「何?」

「つまらんな」

 

「アルゴールが拘束具に繫がれて現れた時点で察するべきでした。………ルイオス様は、星霊を支配するには未熟すぎるのです」

 

「っ!?」  ルイオスの瞳に灼熱の憤怒が宿る。射殺さんばかりの眼光を放つルイオスだが………否定する声は上がらなかった。

 

黒ウサギの言葉が真実だからだろう。

 

だがこの惨状を誰が予測できた。数多のギフトで身を固め、更には世界を石化出来るほど凶悪な星霊を従えたルイオスが"名無し"に負けるなど、誰にも予知できまい。

 

「───ハッ。所詮は七光と元・魔王様。長所が破られれば打つ手なしってことか」

 

失望したと吐き捨てる十六夜。これで勝敗は決した。黒ウサギが宣言しようとした、その時───十六夜は、この上なく凶悪な笑みでルイオスを追い立てた。

 

「ああ、そうだ。もしこのままゲームで負けたら………お前達の旗印。どうなるか分かっているんだろうな?」

 

「な、何?」不意を突かれたような声を上げるルイオス。

 

それもそうだろう。彼らはレティシアを取り戻す為に旗印を手に入れるのではなかったのか。

 

「そんなのは後でも出来るだろう? そんなことより、旗印を盾にして即座にもう一度ゲームを申し込む。次はお前達の名前を戴こう」

 

ルイオスの顔から一気に血の気が引いた。

 

その時、彼は初めて周囲の惨状に目がいったのだ。砕けた宮殿と、石化した同士達に。

 

だが十六夜とカイは一片の慈悲もなく凶悪な笑顔のまま尚も続ける。

 

「その二つを手に入れた後"ペルセウス"が箱庭で永遠に活動できないように名も、旗印も、徹底して貶め続けてやろう。たとえお前達が怒ろうが泣こうが喚こうが、コミュニティの存続そのものが出来ないぐらい徹底的に。徹底的にだ。………まあ、それでも必死に縋りつくのがコミュニティってものなのだろう? だからこそ貶めがいがある」

 

「や、やめろ………!」ここで敗北すれば旗印を奪われる。

 

そうなれば"ペルセウス"は決闘を断ることは出来ない。

 

ましてやこんな壊滅した状態で戦うなど不可能だ。

 

ルイオスは………今になってようやく気が付く。

 

自分達のコミュニティは今まさに、崩壊の危機に立っているのだと。

 

「そうか。嫌か。───ならもう方法は一つしかないよな?」

 

一転して凶悪さを消し、今度はにこやかに笑う十六夜とカイ。

 

指先で誘う様にルイオスを挑発し、「来いよ、ペルセウス」

 

「命を懸けて───俺達を楽しませろ」

 

獰猛な快楽主義者が、神すら殺す超越者が、ゲームの続行を促す。

 

彼等はまだまだ遊び足らなかった。自らが招いた組織の危機に直面したルイオスは、覚悟を決めて叫んだ。

 

「負けない………負けられない、負けてたまるか!! 奴等を倒すぞ、アルゴオォォォル!!」

 

[RaAAaaa!! LaAAAA!!]

星霊・アルゴールは謳うような不協和音と共に、褐色の光を放とうとする。放とうとしている光は十六夜が砕いた時の比では無かった。

 

「コレはちょっと不味いな」

 

光を前に十六夜は冷や汗を流す。

 

「十六夜、黒ウサギとジンを抱えて衝撃に備えろ」

 

カイの言葉におとなしく従い十六夜は黒ウサギ達の方へ行く。

 

「すまねぇな」

 

「気にするな、不完全燃焼だったら丁度良い」

 

「負けられないんだ!!!」

 

アルゴールが光を溜めている間に、敗北覚悟でルイオスが輝く翼と灰色の翼で羽ばたく。コミュニティの為、ハルパーを振り、カイをアルゴールから遠ざける。

 

カイはルイオスを掴み再度投げ飛ばす。

 

「ルイオス、今のお前ならばコミュニティのリーダーに相応しい。コレからも励む事だ!」

 

「アルゴール、今だ!!」

 

ルイオスは投げ飛ばされながらもアルゴールに向かって指示を出す。

 

[RaAAaaa!! LaAAAA!!]

 

アルゴールは謳うような不協和音と共に、褐色の光が放たれる。

 

光に向けてカイは雷撃を放つ。

 

「〈神雷〉」

 

アルゴールが放った光が霞んで見える程の一撃を。

 

カイが放った雷撃は褐色の光を容易く掻き消し、ルイオスとアルゴールに降り注ぎ、闘技場を激しく揺らした。

 

こうして"ペルセウス"とのギフトゲームは"ノーネーム"の勝利で終わった。

 

 

 

 




アンケートの結果、fgoキャラを入れる事にしました!
余り多いと大変なので、一、二キャラを予定しています。
入れるキャラは決まって無いので、要望があれば教えて頂けると嬉しいです。
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