君色eyes   作:黒姫卿

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広い広い空は青く澄んでいて

鳥の鳴く音やカーテンの隙間から覗く朝の陽射しが自信が起きる時間であると教えてくれる。

 

彩葉「う…うーん…」

 

黒姫……零さんと会ってから1週間たった、毎日…という訳では無いが最近は一緒に帰ったり、遊んだりすることができた

 

あっ、そうそう昨日知ったことだけど零さんには妹がいたの、歳は私の1つ下で平均より少し小さい私よりも小柄な子だった

……なぜか少し睨まれてたけど…

 

「彩葉ちゃんや、起きてるかい?」

おばあちゃんが部屋の前で私が起きているか少し心配そうに訪ねる

少し思い出に浸りすぎたみたい

 

彩葉「ごめんおばあちゃん!起きてる!」

少し慌てた私は急いで着替えを済ませいつもと同じように髪飾りを頭につける。

 

彩葉「おはよう!」

「お〜起きてきたんだねぇ おはよう」

リビングではおばあちゃんがいつもの優しい笑顔をこちらに向けて朝の挨拶を返してくれる

 

早々に朝ご飯を食べ終え、家を出ようとすると

「おっ最近元気そうだな!」

とおじいちゃんが声をかけてくれる

 

彩葉「…うん!最近すっごく楽しいから!」

「それはいい事だ!行ってらっしゃい」

 

行ってきます!と言葉を返し家を出る。

そして家から少し進んだ所で探していた人の姿を見つける

 

自然と彼に近寄る足が駆け足になる

彩葉「…あっ…零さん…おはよう!」

 

壁に背を預け少し寄りかかりながら本を読む零さんは声をかけた私の方を見るといつもの優しい笑顔を見せてくれた

 

黒姫零「彩葉ちゃんおはよ! 行こっか」

サッと手に持った本をしまい私の横を歩き始める

 

出会った当初は知らなかったけれど零さんは人気者だった

通学路や学校の廊下ですれ違う生徒の大多数が彼に話しかける

 

私は…まだそういうのは分からないけれど零さんのことを恋愛的に好きって子も結構いるみたい、私のクラスにもたしか1人いた気がする

 

足をかけたりとかそういうのは少しは減った…物を隠されたりするのは嫌だけど…それでも前より気持ちはずっと楽になった

 

黒姫零「あっそうだ 彩葉ちゃん」

不意に声をかけられた私は少し驚きつつ

彩葉「どうしたの?」

と返事を返す

 

黒姫零「今日彩葉ちゃんの教室に迎えに行くの遅くなっちゃうからさ、伝えとこうと思って」

彩葉「大丈夫、今日も来てくれるんだ…ありがとう」

零くんは一緒に帰る時は律儀に教室に迎えに来てくれる今日は何やら用事があるらしいのに終わったらすぐに来てくれるようだ

深い意味なんてものはないだろうが零くんの行動に思わず口元がにやけそうになってしまう

 

黒姫零「何かいい事あった? 目が黄色だよ〜」

彩葉「…あんまり見ないで」

 

通学路を一緒に歩き、学校へと辿り着く

私の教室の近くまで着くと零くんはまたね〜と軽く手を振りながら1つ上の階へと向かっていく

 

少し寂しさを感じながら教室へと入っていった

 

ーーーーーーーーーー

放課後、私は今教室で同じクラスの女子数人に詰められている

「なんであんたみたいなのが黒姫くんと仲いいの!?」

「ほんと、どうせなんか卑怯なことでもしたんでしょ」

「わたし達と仲良くできないからってそうやって黒姫くんに媚び売って恥ずかしくないの?」

 

そんなよく分からないような罵声のような嫉妬にまみれた言葉をぶつけてくる

 

彩葉「別になにかしたわけじゃ」

反論をしようと口を開こうとすると

「それならなんで最近毎日のように一緒に帰ってるの!」

反論をする時間もくれないほどに文句を付けられる

自分達が構われないからって無意味な嫉妬をぶつけてくる彼女達に思わず(嫉妬してるだけじゃん」と思ってしまった

 

「あ…あんた…」

どうやら途中から声に出てしまったようだ顔を赤くして目の前の彼女は次の瞬間黒板消しを綺麗にする時に使う機械を持ち上げ私に向けて投げる

 

腕で防ぐも次の瞬間には鈍い痛みと同時に散らばるチョークの粉が髪や服にまとわりつく

 

教室にいる何人かはこちらを見て見ぬふりをするか今の私を見て可哀想なものを見る目で見ているだけだ。

 

私を助ける人はいない、ひそひそと話す声もきっと後片付けのこととか…そういうのだ。

 

とにかく今の私を零くんに見られたくない、それに心配はかけたくない。

そう思った私は屋上に行った。

 

ーーーーーーーーーー

屋上は飛び降り防止?とかで凄く高い柵がある。

彩葉「良かった…水道止まってない」

 

屋上にある水道から冷たい水を被り粉を落とす。 少し服が濡れて春先の今だと少し冷える。

 

彩葉「……はぁ」

思わずため息をこぼしてしまう。

(あぁ、思わず真っ白な自分を見られたくなくて外に飛び出したけど零くんはそんなこと気にしないか…)

 

結局あの教室にいた他の子と同じ自分の悪い目で見られたくなくて飛び出していることに気づいた私は思わず笑ってしまった。

 

彩葉「結局私も自分勝手なんだな…」

(零くんなら心配してくれるってわかってたのにな…何も言わずに待ち合わせ場所にいなくなっちゃった……怒ってるかな…それとも…嫌われちゃったかな)

 

冷たい風が体を包み込む、濡れた髪から服にかけてじっとりと冷たい感触が伝わってくる。

 

(もう一緒に帰ったりできなくなっちゃわないかな…それは)

彩葉「…やだな」

 

ボソリと呟くその言葉と同時に頭に何かが被さる。

 

彩葉「わっ、えっ、なに?」

頭に被さった物を取ると自分の正面に座り込む零くんがいる。

 

黒姫零「みっけ!」

まるで遊んでいたみたいに無邪気な笑顔をこちらに向けてくる。

今は会いたくなくて、私を見られたくなくて、でも1番逢いたくて私に声を聞かせて欲しかった人。

 

彩葉「あっ…れっ零くん…えっと」

上手く言葉を出せない私の横に座りながら彼はただ一言だけ

 

黒姫零「怒ってないよ」

と言ってにこにことこちらに微笑む

 

彩葉「……ありがとう」

(良く見ると息を切らしてる…走って探してたのかな…)

 

黒姫零「どういたしまして〜」

 

(これは今聞くべきでは無いのかもしれない…でも…)

彩葉「零くんはその目を隠したりしないの?」

私の唐突な質問に少し考えてから

 

黒姫零「なんで?かっこ悪い?蒼の瞳」

なんて少しおちゃらけたような答えを返した後に

 

黒姫零「じゃあなんで彩葉ちゃんはその目を隠したりしないの?」

と自分がなげかけた質問を返されてしまった。

 

なんで目を隠さなかったか…それは…だって…

彩葉「……私のこの目は…お母さんがくれた…大切な体で…お母さんのくれた私だけの特別な目だから…隠したくない…」

 

そこまで言うと零くんは突然両サイドから私の顔に手を添え覗き込む。

彩葉「へっ?あっれっれいくん?」

突然の出来事に思わず変な声が出てしまう。

 

黒姫零「僕とは違う綺麗な目」

 

彩葉「えっ?」

ボソリと呟く彼の言葉は上手く聞き取れなかった。

 

黒姫零「隠したくなったらいつでも言って」

彩葉「……えっ?何か隠し方とかあるの?」

彼の言う言葉に思わず反応すると素っ頓狂な顔で

 

黒姫零「えっ?そんなのないよ?言ってみただけ」

と言ってケラケラと笑う。

 

揶揄うような彼の行動に少し私は怒りながら

彩葉「もう!なんで「隠す必要ないと思ったからさ」

 

黒姫零「特別で素敵な目だよ 僕は好き」

顔に添えた手で優しく撫でながら彼は優しく微笑む

 

ボンッ!と仮に効果音をつけるならこんなものだろうか

彩葉「ばか!」

 

黒姫零「わっごめんごめん あっ暗くなる前に帰ろ」

彼は立ち上がって太陽を背に私に手を差し出す。

 

彩葉「……ずるい」

私はその手を受け取り屋上を後にした。

 

 

 




黒板消しを洗う?粉を落とすやつはイレーザーもしくはイレーサーって言うらしいですね初めて知りました
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