ゲーム出身の一般アークスが、オラリオでダンジョンアタックするのは無理がある   作:柳沢紀雪

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道中のプロットが全然固まってないので、ライブ感満載で書いてます
後々つじつまが合わなくならないか怖い
なので、誤字脱字の報告お待ちしております(切実)









道中はこともなし

 

 

 

 ギャザリングにはスタミナゲージというものがあり、採掘と釣りでそれぞれ独立したゲージが用意されている。

 んで、採掘なり釣りをすると一回で10%ゲージを持って行かれて、だいたい3分で1%回復するって感じだね。100%まで回復するためには5時間もかかるから、あくまで作戦行動中の空き時間にちょっとずつやっていくのが基本になるわけだ。

 

 ゲージを消費するとフォトンによる演算が行われて、その場で採掘できる可能性のある素材を一撃で確実に得ることができる訳だから、普通に採掘や釣りをするよりは何百倍も効率がいい。もちろん、ゲージを消費しなくても採掘や釣りはできるけど、それは普通に岩を掘ったり釣り糸を垂らすのと変わらないから、注意が必要だね。趣味で釣りをする分には時間はかかるけどエサとかいらないからちょうどいいかもしれない。

 

「うーん。できる限り釣りをしてコンボを稼いでおきたいんだけどね」

 

 そう言って私は周りを見回し、それらしいポイントがないか確かめてみるが、洞窟内だと釣りが出来そうな場所はほとんどないみたいだ。

 

「しっかし、未だ信じられねぇな。本当にそんなもん(釣り竿)どこで手に入れたんだよ?」

 

 スィデロさんは疑わしげに私が腰に差している釣り竿をじろじろ見ている。

 

「便利でしょう? あげませんよ?」

 

「そりゃよこせなんて言わねぇけどよ。せめてどこに行ったら買えるぐらいは教えてくれてもいいんじゃね?」

 

「うーん。私もよく分からないんですよね。家にあったやつを適当に持ってきただけなので。肝心の両親ももういないですし」

 

 まあ、嘘なんだけどね。ここには神様がいないから多分バレないだろう。

 

 出発前にちゃんとギャザリングが有効かどうかを確かめるために、システムをギャザリングモードに設定してから拠点の近くの水場に移動したところ、ちゃんと水場に釣りポイントがHUDに表示されていたので、そのまま一回だけ釣りをやってみたのだ。

 

 連れたのは洞窟イワナというもので、これは帰ってきたら焼き魚にして食べようと思う。ギャザリングでとれた素材には特殊な効果があり、魚介類は特定の採取物が所得しやすくなる効果が多い。ちなみに、採掘でとれる野菜や穀物、果物には戦闘系のステータスアップのものもあるから要注意だ。特に野菜炒めとフルーツタルトはすごくおすすめだね。

 

 で、それをデモンストレーションよろしくスィデロさん達3人に披露してみたら、期待通りみんな目ん玉ひんむいて驚いていて、内心爆笑だった。

 シャクティさんなんて宇宙猫みたいな顔してたので、HUDスクショ機能を使って保存したらエルティナから白い目で見られたのだった。

 

 いろいろあったけどとりあえず、ギズィアさんの案内に従って前を進むシャクティさんの後ろをトコトコと着いていき、時々はぐれみたいに単独行動をしている骸骨兵や骸骨羊を倒しつつ順調に道を進んでいく。

 

『エルティナ、どう? 地図は大丈夫?』

 

『今のところ、手持ちの地図との齟齬はありません。かなり正確に描かれていると判断できます』

 

『そうなんだ。すごいね、そういうスキルがあるのかな?』

 

『可能性はあります』

 

 エルティナは手持ちの地図に目を落としながら時々周辺を見回して違いがないかを確認しているようだ。借り物だから直接書き込むわけにはいかないけど、多分エルティナが自分のデータベースに直接いろいろ情報を入力しているのだろうと思う。

 

「君はマッピングができるのだな、世界最速小人族(レコードホルダー)

 

 それを殿から眺めていたキズィアさんが感心するようにエルティナに声をかけた。

 

「私はお嬢様のサポーターですので、マッピングも担当しております」

 

 今回の採掘任務でエルティナは治療師(ヒーラー)だけはなくサポーターとしての役割も兼ねているので、いつものでっかいリュックサックを背負って地図も任されているようだね。

 

「よくやるよなぁ。俺はそういうのは苦手でなぁ」

 

「お前は得意なことの方が少ないだろうが」

 

「うるせぇよ!」

 

 うーん、スィデロさんとキズィアさんは仲が悪いように見えて結構仲がいいのではないだろうか。

 

「大丈夫ですよスィデロさん。私もお料理と戦闘以外はさっぱりです!!」

 

「威張っていうことじゃねぇだろ……」

 

 それはその通り。だけど、無理に苦手なことをしようとしてもその専門家には敵わないのだから、自分の得意分野にとにかく集中してそれ以外は頼れる人を捜して、お互いに補完し合えばいいのだ。

 

 そうしてワイワイやっていると、通り過ぎた通路の横道から突然青い鱗のリザードマンが襲いかかってきたので、すぐに虚空跳躍(ネクストジャンプ)を展開して高速で跳び蹴りをカマして一旦吹き飛ばし、すぐに巨剣を腰のマウント部から取り外して跳び蹴りの勢いをそのまま回転エネルギーに変換してリザードマンの脳天から唐竹割りに振り下ろした。

 

「堅いなぁ……」

 

 間違いなく頭部に損傷を与えることは出来たが、真っ二つにすることは出来ず、リザードマンは灰にもならずに衝撃に行動を停止する程度に収まっている。

 

「あまり突出するな猫又(ツインテールキャット)

 

 シャクティさんの声が側を駆け抜けるたと思ったらリザードマンの頭部が胴体とサヨナラして洞窟の天井に舞い上がってそのまま灰になって降り注いできた。

 

「うーん、すごい。一撃の鋭さが段違い(ダンチ)だ……」

 

 私の場合は虚空跳躍(ネクストジャンプ)で無理矢理加速して、巨剣のインパクト時に慣性制御を切って、巨剣の重量も威力にプラスしてようやくちょっとダメージを与えることができるのに、シャクティさんはあっさりとそれを乗り越えてしまう。

 

象神の杖(アンクーシャ)様は第一級冒険者(レベル5)ですので、当然かと……。魔石の回収を行います」

 

 少し肩を落とす私の後ろからエルティナがただ真実のみを告げて、頭部を失ったリザードマンの遺骸に手をねじ込んで魔石を取り出した。

 モンスターとは不思議なもので、そうして核を失ってしまえば灰となってダンジョンの一部へと還っていくのだ。

 

「安全階層なのに結構遭遇しますね」

 

 18階層もそうだが、安全階層という割には危険も多いというのはなんとなからないものかな。

 

「そう言うものだ」

 

 シャクティさんは剣を鞘に戻すと、腰の水筒を取り上げて少し口に含んで一息ついた。

 

「うーん。今更言うのもなんですけど、ぶっちゃけ私いなくていいのでは?」

 

 エルティナやスィデロさんの護衛はシャクティさんとギズィアさんがいれば十分だし、採取にしてもエルティナとスィデロさんがいれば事足りるだろう。私が出来ることと言えば、エネミーにちょっとダメージを与えることと水場からイワナを釣ることと、岩場からブドウを採掘する(さっき試してみた)程度の事だ。

 

「おいおい、寂しいこと言うなって。お前ぐらいだぜ、俺に話しを合わせてくれるやつなんてよ」

 

 スィデロさんは私の頭をポンポンと撫でてくれた。優しい。

 

「分かりました。賑やかしのマスコット役を頑張りますね……」(自虐)

 

 思えば、ガネーシャファミリアのお姉様方がやたら私に飴ちゃんとかビスケットをくれるのも、彼女たちが癒やしを求めているからに他ならないのだろう。こうなったら、マスコットからアイドルを目指すしかないか(錯乱)。

 

「おい、いちゃついてねぇで前を見てみろ」

 

 私とスィデロさんがお互いに慰め合っていると、ため息交じりにギズィアさんが声を投げかけてきた。

 

「あー、すまねぇな。何かあったか?」

 

 そろそろ目的の場所に着く頃かなと思うけど、どうかしたのかなと私も同じようにそっちに目を向けると、キズィアさんがいらだっている理由が分かった。

 

「落盤か……迂回するとなると……今日中には戻れないか」

 

 戦闘を行くシャクティさんも悔しそうに拳を握りしめている様子だった。

 

「うーん。見事に塞がっちゃってますね……」

 

 私は本来あるはずだった通路が大小様々な岩や土によって出来た壁に近づいて軽く叩いてみた。

 

『ねえ、エルティナ。掘削とかできそう?』

 

『現在演算中です……演算完了。ラ・フォイエの威力調整をすれば小さめの穴を開くことは可能となりました』

 

『それは安全?』

 

『よっぽどの力が加わらない限りはそれ以上の崩落は発生しない確率が高いです』

 

『分かった。シャクティさんに相談してみるよ』

 

 エルティナとの内緒話を終えて、私はシャクティさんに、その旨を伝えた。シャクティさんは結構渋ったが、キズィアさんは結構乗り気だったので少しでも異常を感じたら即座に撤退することを条件にエルティナの案を採用する運びとなった。

 

「では開始します。皆様、身の安全を確保してください……ラ・フォイエ」

 

 サミットムーン(リバレイトウォンド)を岩壁の一部に当ててフォトンを励起させると小規模の爆発が発生した。

 

「おお、いい感じの抜け道が出来たんじゃない? かなり狭いけど……」

 

 エルティナの言うとおり、発生させた爆発から少しズレたところに子供一人が通れる程度の細道ができあがり、のぞき込んでみると確かに向こう側に洞窟の通路が見えた。

 

「それは、爆発の魔法か? 一般小人族(リトル・ノーマル)

 

「その通りです、象神の杖(アンクーシャ)様。これは任意の場所に炎の爆発を発生させる魔法(テクニック)です」

 

「先日木竜(グリーンドラゴン)捜索の際に使用した炎の魔法と同じなのか?」

 

「いえ、あちらは巨大な火球を頭上から降らせる魔法(テクニック)ですので、今使用した魔法(テクニック)とはそもそも用途が異なります」

 

「そうか、分かった……これで、12か……」

 

 シャクティさんはまた眉間に指を当てて少し考え込むようにしていたが、今は先を急ぐべきだろう。

 

「この広さだと、シャクティさんとキズィアさんが通るのは無理そうですね。私とエルティナなら行けますけど、スィデロさんはギリギリってところですかね?」

 

「武器だけ後から押し込んで貰えれば問題ないな」

 

 キズィアさんの筋骨隆々のボディだと、肩幅でそもそも無理だ。

 シャクティさんは、肩は通ったとしても、悩ましいおっぱいと豊かなお尻が引っかかってひどいことになるだろう(セクハラ)。

 

「それじゃあ、どうしましょう? 私とスィデロさんと……エルティナだけこっちに残ってもらいますか?」

 

 私はシャクティさんに判断を委ねることにした。

 

「いや、この場だけなら私とギズィアのみで何とかなるだろう。むしろそちらの方が心配だ」

 

「採掘ポイントはすぐそこだから、何とかなるだろう。問題は連絡か」

 

 スィデロさんも私達も具体的にどこで物資がとれるかは分からないから、出来ればキズィアさんの指示を常に仰ぎたいところだけど……そういえば、アレがあったな。

 

『ねえ、エルティナ。通信機の試作機ってもう使い物になるぐらいにはなってたっけ?』

 

『動作検証の段階で止まっております。隔壁を介してですと50m程度の通信は可能と思われます』

 

『なるほど。じゃあ、ちょっと使ってもらう? 現場検証とかもいるでしょ?』

 

『…………マスターの指示に従います』

 

『ありがと、じゃあ、準備して』

 

 私はエルティナにクラフターで制作してもらった通信機の試作機をリュックから取り出すフリをしてアイテムパックから出してもらうことにした。

 

 これがあれば、分断されていても何とか会話ぐらいなら出来るでしょう。まだまだ小型化が出来てないから、百科事典ぐらいの大きさはあるけどね。

 

 

 







スィデロさんをちょっと活躍させたいけど、これがまた難しい。
少なくともランクアップのきっかけぐらいの冒険をさせてあげたいなぁと考え中。


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