ゲーム出身の一般アークスが、オラリオでダンジョンアタックするのは無理がある 作:柳沢紀雪
感想欄でヴァリス交換券について心配する声が多かったので、ここで現状と今後の発展案を置いておきます。
ストーリーには(おそらく)何の関係もないので、読み飛ばしてもOKです。
1 発端
株式発行装置ができて、偽造防止対策が可能になった。
この技術を流用して、偽造が難しい「売掛証書」を作成する。
→元々、オラリオでは大きな買い物は後払いで、証書を持って後からファミリアに請求に来るのが一般的だった。
ベルディナは偽造が怖かったので、これを使ったことがなかった。
2 交換券発行
売掛証書に一工夫して、ギルドの金庫に預けているイシュタルファミリアからの賠償金と交換できるように交渉した。
ギルドの金庫番や受付の担当者は、最初不審がったが、交換券に仕込まれた偽造防止処理に感銘を受けて、試しに100万ヴァリスだけ発行することとなった。
3 初期段階(←イマココ)
冒険者相手に商売をしている商店なら、売掛で取り引きすることは一般的で、しかも、それをギルドに持って行けばヴァリスに交換してもらえると言うことで、むしろ取りっぱぐれがなくなったと思う店もちらほら。もちろん、怪しんで普通の売掛証書を要求する商店もあれば、現物ヴァリス以外お断りの店もある。
ワカヒルメファミリアが最近それなりに有名になってきているので、売掛の信用もそれなりにあるので、応じてくれる商店もそこそこある。また、ヘファイストスファミリアやディアンケヒトファミリアなど大手が信用して取り引きしているということも大きい。
・売掛証書
→ファミリアの信用によって成り立っている。
偽造される可能性がそれなりにある。
集金に行っても居留守を使われたり、期限を延ばす交渉をされたりする。
ファミリア一つ一つを回らないとダメなのでそれなりに労力がある
・交換券
→正規の物はギルドによって発行されているので、ギルドの信用によって成り立っている。
偽造される可能性がかなり少なくなった(ゼロではない)
集金ではなくて交換なので、何の障害もなくヴァリスを得られる
ギルドに交換しに行くだけで終わるので労力が最小
+ヴァリスに交換せずに、別のファミリアとの取り引きにも使える(←これが便利!)
4 普及段階
ロキファミリアやヘファイストスファミリア、ディアンケヒトファミリアからも交換券の発行を要請される。
ワカヒルメファミリアの交換券の彫刻凹版と同等のものを用意するのが難しいのと、もったいないのでしばらくはワカヒルメファミリアの交換券を流用することになる。
ここで、ワカヒルメファミリアと交渉が入る。他のファミリアも使って良いかと聞かれる。
交換したヴァリスは金庫とは別の保管庫をつくり、交換券の発行とそれに裏打ちされたヴァリスを保管する新しい部署が設立され、その責任者がそれまで金庫番をしていた窓際職員ということになった(ある意味大出世)。
交換券を発行する際は、ギルドが信用するファミリアが裏打ちのヴァリスを保管庫に入金し、その分をギルドが交換券として発行するという形。こうすることで、世に流通する紙幣量と保管されているヴァリスが同じになる。
1つのファミリアが交換できる上限を100万ヴァリスとして、交換券のシリアル番号と発行したファミリアを紐付ける帳簿が保管される。誰かが交換に来た場合はそのシリアル番号と帳簿を付き合わせて、当該のファミリアの交換可能額が開放されるということ。
※この段階では信用創造が行われていない。
5 発展期
交換券が現物ヴァリスに交換されずに、交換券だけで流通し始めると、100万ヴァリスの上限では、保有できる交換券の量に限界が訪れるようになる。そのため既存のファミリアからは、100万ヴァリス以上の交換を求めるようになり、さらには新規参入を希望するファミリアも増えてきたため、本格的に開放することとなる。
ただし、物理的に紙幣を刷る速度には限界があるので、申請から実際の発行まではそれなりに時間がかかるが、上限が撤廃されることになった。
この頃には粗悪な偽造品が出現し始めて、それに対してギルドがガネーシャファミリアに大規模な捜査を依頼。それによって2つほどファミリアが解体され、一柱が送還、一柱がオラリオ追放という重い処分が言い渡される。
ギルドは新たな紙幣の原版の開発を企画し、エルティナが顧問として招聘され、紙面に透かしを入れる技術が伝えられる。製紙に携わる神と、彫刻を生業とする神が新たに招聘されて新札の発行事業が開始された。今回はワカヒルメファミリアだけの利権にならないように、いろいろなファミリアの技術が取り入れられることとなる。もちろんヘルメスファミリアのアスフィも呼ばれることとなった。
6 黎明期(原作開始直前)
いよいよ新紙幣が発行され、順次旧紙幣(ワカヒルメファミリアの交換券)と入れ替えられていくこととなる。
新紙幣でも、その主なデザインにはワカヒルメの肖像画が使われることになった。
この頃には、紙幣をヴァリスに交換する者は全体の7割程度になっていて、残りの3割はヴァリスに交換せずに紙幣をヴァリスの代わりとして取引するようになっていく。
※この頃でもまだ信用創造は行われていない。
また、保管庫はあくまでヴァリスを保管するだけの場所なので、融資をするなどの銀行業は行っていない。
ただし、時間の問題ではある。
7 錬金術期(おそらく原作よりも未来になるか?)
いよいよ紙幣の流通が一般化し、殆ど現物ヴァリスと交換されなくなった。ある日、保管庫に山のように眠っているヴァリスを見てロイマンが、「これを有効活用できないか」と管理者に問いかけたことだった。
現在、現物ヴァリスに交換する目的はオラリオ外との取り引きに使用するためということが大部分になっている。メレンではすでに紙幣の流通がオラリオぐらい活発になっている状態。
つまり、オラリオ外との決済用のヴァリスさえある程度残しておけば、現実的に破綻することはないという調査が挙げられる。
そこで、ロイマンは考えた。結局、紙幣の発行権はギルドにしかないのだから、腐らせているヴァリスを保証にして紙幣という形で融資を行えばよい、と。つまり、ギルドは無からヴァリスを生み出したのだ。信用創造の開始である。
ただし、取り付け騒ぎのリスクもあるので、超過発行分は保管されているヴァリスの3割以下に抑えるという決まりも作られた。つまり、現物ヴァリスが100億ヴァリスあれば、超過分として発行できる紙幣は30億ヴァリスまでと言うこと。
※ちなみに、これは現在では当たり前に行われていることで、17世紀イギリスのゴールドスミスが発祥とされている
ここからギルドのヴァリス保管庫は、本格的な銀行業に携わっていく。