ゲーム出身の一般アークスが、オラリオでダンジョンアタックするのは無理がある 作:柳沢紀雪
恩恵を刻んでいただいた流れで、他の神々の話が出てきたので、ワカヒルメ様から少し突っ込んだ話を聞かせて貰った。
神々とは、超越者(デウスデア)として何億年もの長きにわたり、下界を見てきて、暇をもてあまし、人々の英雄譚に感動して地上に降りてきて、人間界を舞台にして暇つぶしのゲームを遊ぶ存在だという。
「正直ろくでもなくない? フォトナーとかルーサーよりはマシだけど」
ギルドで無事冒険者登録が終了し、私とエルティナは早速ダンジョンへ。ワカヒルメ様は、ご自分も新しいバイト先を探してくるということで意気揚々と街に繰り出してしまったので、改めて神様について二人で話すことにした。
「マッチポンプ的な気配がぷんぷんしますね」
しかし、人間達(子供達)への愛は本物のようで、人間がモンスターを駆逐して世界の覇権を取る手助けをしていることは間違いない。
「では、私達がきた、あの荒廃した世界では神様達はどうしておられたのでしょう?」
おそらく未来の姿であろうと予測できるあの荒廃した世界には神様と思われる人はタダの一人もいなかった。超越者であるのなら、肉体は滅びても存在を滅ぼすことができないため、どこかにはいたはずなのだが、少なくとも地表にはそのような存在を見つけることはできなかったわけだ。
「うーん。神様は死ぬぐらいの負傷を受けると自動的に神の力によって回復するけど、それによって天界に強制送還されて二度と戻ってこれなくなるんだっけ?」
「そのようなルールとなっているようです」
あくまで未来に至るまでそのルールが適応されたとして、人類が滅びてしまえば、神々がモンスターに対抗できなくなって、みんな天界に強制送還され、戻ってこれなくなるということだ。しかし、ルールを破る神がいてもしかるべきじゃないのか?
下界の『救界(マキア)』が神々の悲願であるのなら、みすみす人類を滅ぼさせるようなことを見過ごすだろうか。
「しかし、神々は超越存在であり、私達の尺度では計れない存在であることは間違いありません。今の人類が滅びても、何億年、何十億年後に再び生命が進化して知性を得ることができれば、再びそれでゲームを再開しようと思っていたのかも知れませんね」
「あり得る。寿命がない連中の考えることはわかんないからね。スクナヒメも時々、何を考えてるのかマジで分からなくなることあるし」
これは想像したくない、言葉にもしたくないことだが、もしも私がここにいる理由がダーカーにあるのなら、ダーカーは神々すらも侵食し喰らい尽くす者であるのなら、神々は手を出そうにも手出しすることすらできなかったのではないか。
フォトンを持たない者がダーカーを倒せば、ダーカーに侵食されて、いずれは自らもダーカーとなる。しかもダーカーは、アッシュが深遠なる闇を討伐するまでは、無限に生み出される存在だったため、モンスター以上に手の出しようのない存在になってしまう。
あるいは神々のすべてをダーカーは喰らい尽くして宇宙へと旅だって行ってしまい、最後に残されたのはモンスターを生産し続けるダンジョンのみ。まさに、地獄絵図だ。
そうでないことを祈る。
というか、私がわざわざ過去に飛ばされた理由なんて、それぐらいしか思いつかないんだよ。
誰がそれをしたのかは分からないけどね。シオンはもういないし、シャオは説明もなしに時間遡行なんてさせないし。そもそも、時間遡行はアッシュの固有の能力だから、本来ならただの一般アークスである私に使えるはずがないんだよ。
だから、実のところ私はここが過去の世界であるとは思っていない。どちらかというと、平行宇宙に存在する同じ世界(パラレルワールド)である可能性の方が高いと思っているのだ。
「さてと、久しぶりにダンジョンにやってきたよ。準備はいい? エルティナ」
「はい。食料は底をつきましたが、水だけは一週間分は確保しています」
「今日は日帰りで、許可された3階層をとにかく周回しまくろう。お弁当がないから、お昼休憩も必要ないしね」
「しかし、冒険者のレベルによって立ち入ることのできる階層が細かく管理されているとは思いませんでしたね」
「リザさんのいる……中層だっけ? そこに入るには少なくともレベル2になってないとだめか。どれぐらいかかるんだろう。一週間ぐらいでなれればいいけど」
PSO2なら、しっかりと準備(ボナキーを集めて)をしてPSO2の日を狙って各種ブーストを焚きまくったら、Lv1からLv100までなら四時間で到達できるほどだ。さすがにそこまでは期待していないが、何らかの経験値ブーストアイテムがあるのなら、ちょっと無理してもそろえておきたいと思う。
でっかいピンク髪ツインテールの幼女を引き連れた小人族の女を、周りの冒険者が怪訝なまなざしで眺めていることを自覚しつつ、私達はなるべくテンションを上げて意気揚々とダンジョンへと向かっていった。
「おっと、ガンスラ起動しとかないと」
「私もウォンドを装備します」
私とエルティナはアイテムパックに格納してあったおのおのの武器を取り出して、フォトンの光と共に手のひらに出現させ、2,3度手になじませるように素振りをして腰のパーツにマウントさせた。パーツにマウントと言っても、フォトンで繋止してるだけだから、実際は身体からちょっと浮かせて空中固定しているんだけどね。
いや、久しぶりだったからね、ちょっと忘れてただけだから。なんなら、3階層程度の敵なら素手でも何とかなるからね?
というか、螺旋階段を降りたぐらいでようやく武器を取り出した私達を、「こいつら正気か?」みたいな顔で眺めるのはヤメテいただきたい。恥ずかしいじゃないか。
PSO2はレベルカンストしてからがスタートです。
惑星探査編以降で、各章の時短編(あらすじ)は必要ですか?
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いる
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いらない
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すでにある分も含めていらない
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どちらでもいい