ゲーム出身の一般アークスが、オラリオでダンジョンアタックするのは無理がある   作:柳沢紀雪

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住む場所が決まりそうです。




新しい拠点だ!

 それからしばらく、私はエルティナと別行動を取ってひたすら5階層(4階層が余裕だったので、許可を貰った)を巡回して、地上ではワカヒルメ様とエルティナがギルドから紹介された仲介業者を介していろいろな物件を探すことになった。

 

『賃貸か、中古か……どっちがいいんだろうね』

 

『うーん。土地ごと買い切れれば、後はタダで住めるのは魅力的ですよね』

 

 こっちに固定資産税があるのかどうか分からないが、自分の所有物にできるのは安心感がある。

 

 ワカヒルメ様と通信で相談しつつ、私は最後のダンジョンリザードにイベイドシュートを打ち込んで、ちょっとしたラッシュをさばききることができた。

 

『やっぱり、エルティナがいないと魔石の回収が大変だね。いつもありがとうね』

 

『いえ、それが仕事ですので』

 

『あー、ゴメン、戦闘中だったか』

 

『いいですよ。ほとんど作業みたいなものなので、むしろ退屈でしたし。ダンジョンでもワカヒルメ様とお話しできるのはうれしいですね』

 

『そう言われると、なんか照れるな』

 

 誰も道連れがいないにも関わらず実は和気藹々としながら薄暗いダンジョンをどんどん進んでいく。

 

『次は、賃貸の一軒家のようです。織機がおける広い部屋が特徴的ですね』

 

『織機も考えないとなぁ。中古か、レンタルか』

 

『織機を手に入れるめどが立つまでは、普通のところでいいんじゃないですか? 三人部屋でキッチンだけ付いてて、お風呂は公共のを使うとか。もちろんトイレはつけてくださいね』

 

『予算を考えるとその線が濃厚ですね』

 

『とにかく今は、私の命を守るための引っ越しだからねぇ。最悪安宿の三人部屋って選択もあるわけだ』

 

 結局どういった場所に住まうかはまだ決めかねているところだ。とりあえず、予算感覚を得るため、いろいろ見せてもらっているが。

 

「おっと、ゴブリンか、10匹ぐらいはいるな」

 

 出現してちょっとたったのか、なぜか10匹も集まっている、珍しいな。

 

「うーん。この感じだと天井からリザードとかも結構出現しそうな予感」

 

 私の予感は結構当たるんだ(別にそんなことはない)。

 

『ピンチかい?』

 

 急に黙ってしまった私を心配したのかワカヒルメ様がおずおずと話しかけてきた。通信機を渡してから、珍しさか寂しさか、暇があると話しかけるようになった。

 

 分かる、私も初めて自分で携帯を買ったとき、ついうれしくて友達と意味なくメールとか電話とかよくして、翌月の請求書を見て真っ青になったものだ。

 

『雑魚ばっかりです、今のところは。すぐ終わらせますよ』

 

 そういって、こっちに気がついて向かってくるゴブリン集団にフェリシテエーデルの切っ先を向けて、イベイドシュートを斉射する。

 

「お前ら相手にPPを使うのさえもったいない」

 

 武器アク攻撃はそれほど攻撃力は高くないが、PPを使用しないことと、ガードポイントからのカウンターアタックを発生させることができるので結構便利だ。

 

 結局、その後、天井から数体のリザードが壁から出現して振ってきたが、やっぱりイベイドシュートだけで片付けることができ、後は魔石を回収するだけの作業となった。

 

「まずいなぁ。戦いの感覚が鈍っちゃいそう。これじゃ、強敵と当たったときが怖いなぁ」

 

 地上で定期的にエルティナと訓練はしているが、それはそれだ。命の危険を感じないと本当の戦いにはならない(戦闘狂並感)。

 

『やっぱり、広い部屋があると一気に高くなるね』

 

 それから何度か戦闘をすると、内見を済ませたのかワカヒルメ様が話しかけてきた。

 

『そりゃそうでしょ。どうします?』

 

『やっぱり、普通のところにするよ。一軒家じゃなくてちょっと広めの平屋でもいいよね?』

 

『あくまで、織機を手に入れるまでのつなぎという立ち位置です』

 

 エルティナが一応補足してくれた。そうなるまでどれぐらいかかるのかは分からないが、今はとにかく廃墟から避難することが先決だから、スピードが一番だ。

 

『その方向でいいと思う。後は二人の判断で決めちゃっていいよ』

 

『分かりました』

 

 ひとまず、方向性は決まったので、私は戦闘に戻ることにした。途中で、契約書のやりとりまでいったのか何度か契約書の記述や質問などを交わして、何とかみんな納得できるすみかが決まったようだった。

 

「今日中に決まって良かった」

 

 時間的にはまだ少し早いぐらいだが、家も決まったから早めに上がってもいいかな。廃墟から持ち出す荷物もちょっとはあるし。

 

『ふふん……賃貸で、お世辞にも広いとはいえないけど、一軒家を借りられたよ。これで、私達もちゃんとファミリアを名乗れそうだね』

 

『二階も地下の貯蔵庫もない平屋建てですが、強度には問題はなさそうです』

 

『分かった。じゃあ、もう戻ってもいい?』

 

『よろしく。それと、ずっとバタバタしててできなかったけど、今晩はちゃんとステイタス更新をするからね。忘れてたわけじゃないから』

 

 「言い訳乙」と言いたかったがぐっと我慢して、私は『分かりました、よろしくお願いします』と言ってそのまま地上へと戻っていった。

 

『リザさん、聞こえます? 今日はそろそろ地上に戻ります』

 

『分かった。こちらは特に異常なしだ。牛のモンスターの大集団にあったが、何とか撃退できた』

 

『それ、大丈夫ですか?』

 

『なかなかよい魔石が摂取できた。むしろもっとほしいぐらいだ』

 

『うーん。武人だ』

 

 リザさんが心なしか生き生きしているように思えるのは気のせいだろうか。下手に気を遣わず、このままダンジョンに住んだ方がリザさんにとって幸せなんじゃないかと最近思うようになった。

 

『しかし、やはり、お前がいないと張り合いがないな。早く再会できればいいのだが』

 

『頑張りますね』

 

 リザさんのいる中層に進出するにはレベル2にランクアップしないとどうにもならない。今回のステイタス更新でランクアップできるかどうか分からないが、できる限り早く再会できたらいいんだけどなぁ。

 

 

 

 




主人公は、若干リザさんレス症にかかっています。

惑星探査編以降で、各章の時短編(あらすじ)は必要ですか?

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  • すでにある分も含めていらない
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