ゲーム出身の一般アークスが、オラリオでダンジョンアタックするのは無理がある 作:柳沢紀雪
「これだけモンスターを倒しても経験値得られないとか、普通の冒険者はどうやって強くなってるんだろう?」
周囲は死屍累々と言うよりは灰の山というべきか。モンスターは倒して魔石を引っこ抜くとなぜか灰になってダンジョンに還っていく。いずれはそれが再び受肉してモンスターとして活動を再開するのだろう。
こうしたループが過去現在未来と無限に続けられるのだから、これはアッシュ(世界の器)の案件だ(意味不明)。そういえば、アッシュって英語で灰って意味だから、実はアッシュはモンスターなのかもしれない(錯乱)。
「マスター、思考が乱れています」
「ん? 脳波見た?」
「マスターのバイタルは常に監視しています」
「そうだったね。じゃあ、次のお月さまはいつ頃?」
「13日後の予定です」
「そっかー、まあ、軽めだからそんなに大したことにはならないけどね。フォトン出力がちょっと落ちるぐらいで」
いざとなったら生命維持装置で無理矢理押さえ込んで戦うこともできるが、反動が結構つらいのだ。
そんな、アホなことを話す程度には私の気も落ち込んでいると言うことだ。
「今日は最終日だから、早めに上がろうか。なんか、気分も上がらないし」
「分かりました。ワカヒルメ様にお伝えします」
「よろしく」
とりあえず話し合ったとおり、この一週間はエルティナと共にダンジョンに通い続けて朝から晩までひたすらモンスターを狩りまくり、6階層の進出も許可されるかも知れないというところで、タイムアップだ。
一週間、毎日寝る前にステイタス更新をかけたが、最終日の一週間目になっても結果は同じだった。
「だめだ。なにも上がってない」
と、ワカヒルメ様は「今日こそは」と気合いを入れてステイタス更新をしてくれたが、アビリティがゼロであることには変わらなかった。
「昨日は朝廷のアマテラス様を拝みながらでもダメでしたから。そろそろネタが尽きてきましたね」
エルティナはちょっと呆れ気味だ。三日目からはご祈祷をしたり、護摩を焚いたり、塩を家の四方に盛ったり、祝詞をあげて悪い空気を出したり、昨日に至っては神が神に祈ってどうするんだと思いつつ、ワカヒルメ様の気が済むのならということで流していたが、そろそろ真面目に話すべきかと思う。
「ひょっとして、ワカヒルメ様は、この家にいる悪霊のせいじゃないかって思ってます?」
「そ、そんなことはないけどさ……。それ以外、私にできることはないから」
「もう少し根本的なことを考える必要がありそうですね」
エルティナは、先に更新を終わらせたついでにリビングでお茶を入れてきてくれていた。
「ありがとう、エルティナ。だいぶ美味しくなってきた」
「恐れ入ります、ワカヒルメ様」
さて、少し落ち着いたところで、そもそも経験値とは何かと言うところから考えてみよう。
「そもそも経験値とは単にモンスターを倒すだけで得られるものなのですか?」
「それは、そうだよ。モンスターを倒す、特にダンジョンのモンスターは外界に比べて強力なものが多いから、より質の良い経験値を得られるって聞いてるけど」
エルティナの質問にワカヒルメさまはしっかりと答える。まずは常識。それを疑っていくことか。
「つまり、より強いモンスターを倒したらよりよい経験値を得られるってことですよね?」
「基本だね。だからこそ、冒険者はより強いモンスターを求めて、より深くに冒険していくってことだ」
そう聞くと、冒険者というのもカッコイイ職業に聞こえるから不思議だ。
「それが原因かも知れませんね」
と、エルティナがつぶやいた。どういうことだ。私にも理解できるように説明してほしい。
「つまり、マスターは現状全く冒険していない……むしろ雑魚狩りをして小遣い稼ぎしているだけの冒険者と言うことになりませんか?」
「うーん。そう言われればそうかな。5階層ぐらいならイベイドシュートだけで蹴散らせるから仕方なくない?」
戦闘にすらなっていない。タダの掃除だね、あれは。
「エルティナが言いたいことはこうか。ベルディナが強すぎるから、5階層ぐらいのモンスターではまともに経験値を得られないってことか。それは、盲点だったな」
まあ、言われてみれば、深層に挑戦できる第一級冒険者が上層で雑魚のゴブリンをいくら狩っても経験値なんて一つも得られないだろうというのは当然といえる。
「じゃあ、どうする? 裸で戦ったらいいってこと?」
アークスなら、下着ぐらい見られてもどうってことないが、さすがに全裸で戦うやつはいなかったぞ。
「いや、捕まるって」
でしょうね。
「裸……というよりは、現在の装備、マグに至るまで一度全部解除してみてはいかがでしょうか。そうすれば、相当に戦闘力が下落するでしょうし」
「うーん。何だかなぁ。だけどさ、私、素手でなんて戦いたくないよ?」
アッシュなら、ウーダンぐらいなら素手でぶっ飛ばせるだろうけど、私は単にいやだ、自分よりもでっかいやつの懐に潜り込みたくないし、できる限り離れて戦いたい。
「とにかく、使える武器を探す必要がありますね」
「うーん。普通の武器なんて、私に使えるのかな?」
とにかくなんでも試してみる必要はありそうだ。
あくまで私見です。
序盤で強キャラが弱体化される的なやつ(エターナルブルーとか、ジアビスとか、エクシリアとか……あとなんかある?)結構好きです。
そう簡単に無双はさせないよってことで。
惑星探査編以降で、各章の時短編(あらすじ)は必要ですか?
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いる
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いらない
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すでにある分も含めていらない
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どちらでもいい