ゲーム出身の一般アークスが、オラリオでダンジョンアタックするのは無理がある   作:柳沢紀雪

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今話で、エピソード:オラクルは終了です。
第2期をお待ちしております、セガさん。

あと、誤字報告ありがとうございました。便利ですねこれ。


私の話をしよう――Ep2-3

 ハドレッドの最後を離れたところで見届けて、その後、アッシュは若干単独行動が目立つようになった。

 

 おそらくは人知れず時間遡行を繰り返して人々を救っているのだろうと思う。

 

 私が思い出せるところなら、第二次エルダー戦争の寸前で復活したエルダーによってMIA(作戦行動中行方不明)となったゼノ先輩と、その前に生じたテミス襲撃事件でKIA(作戦行動中死亡)となったウルクちゃんを助けに行ったことだろう。

 

 ゼノ先輩を失ったエコーさんは、気丈にも振る舞っていたが、誰もいないところでは涙を流してたのを私は見てしまった。ゼノ先輩はたぶん、きっと、絶対アッシュが助け出してくれるだろう、その再会まで何とかエコーさんを励まして元気づけようとしたが、「後輩が先輩の心配までしなくていいの。今は、自分の心配をなさい」と、逆に気を遣われてしまいちょっとショックだった。

 

 テオドールについては、私は何もできなかった。あの事件以来、誰とも交流しようとせず、ほとんど単独行動でダーカーを殲滅し続けて、ただいなくなったウルクの影を探し続ける彼にかける言葉なんて見つからなかった。

 

 アッシュなら、絶対にウルクちゃんを助けてくれると確信できる。しかし、それを彼に伝えることなんてできないし、結局アッシュ頼みになる私自身にちょっと嫌気がさしていた頃だ。

 

 しょせん、私はただの一般アークスに過ぎない。それをただ分からされる日々が続くばかりで、私一人おいていかれた気分に勝手に陥っていた。今となっては恥ずかしいばかりだ。

 

 

 マトイちゃんについては、最近忙しそうにしているアッシュを心配しつつもやはり私のように無力さをかみしめていたように思える。

 

 そんなマトイちゃんをショッピングに誘ったり、一緒に甘い物を食べに行ったりと、ちょっとは支えることができたかも知れない。

 

 そして、よく話題になるのが、アークスになるにはどうしたらいいのかと言うことで、この頃から、マトイちゃんは、アークスになることを決意していたのだろうと今では思う。

 

 アークスなんてなるもんじゃないと口では言っていたが、心の中には、マトイちゃんがアークスならないと、おそらくこの宇宙に未来はないだろうという打算が確かに存在した。

 

 マトイちゃんがアッシュのパートナーとして守護輝士(ガーディアン)にならないと、アッシュはおそらく十全に戦えないし、シバどころか、オメガの事件すらも解決できていなかったんじゃないかと思えた。そんな風に友達を打算的に見てしまうような自分を認識することが一番いやだった。

 

 

 そしてついに訪れた再誕の日。私は【絶対令(アビス)】の恐ろしさを忘れはしないだろう。

 

 マトイちゃんによって何とか解除してもらえたが、その時の後悔は半端なく、マトイちゃんと和解できるまでずいぶんかかった。最終的にはウジウジする私にマトイちゃんが無理矢理近づいてくれたことで何とかなった。面目ないと今でも思う。

 

 その後は語ることはあまりない。

 

 ルーサーは討伐され、ダブルが出現し、シオンが失われ、マザーシップの一隻が消滅した。

 

 私は一般アークスとしてそれを眺めることしかできなかった。

 

 実際、私はルーサーとの決戦舞台にはいられなかったし、ダブルの姿も見ていない。すべてはアッシュとマトイちゃんから聞かされたことだけだ。

 

 私はと言うと、六芒均衡の戦いにおいて、ルーサーによって投入された、クラリスクレイス(イリス)のクローン集団の無力化と、それらをマザーシップから安全に護送する仕事にかかりきりで、その先に足を進めることができなかったからだ。

 

 ただ、後悔はしていない。ゲームでは殲滅されてしまった彼女たちだが、この世界では命を奪われず、アークスによって保護されることになったのだから。

 

 救われる命が一つでも多い方が当然いいし、それに少しでも携われたことを私はうれしく思う。

 

 最後に皆とともにマザーシップシオンが、超新星のごとき光となって消滅したことを見届け、一つの時代の終焉と新たな時代の幕開けを予感したものだ。

 

 オラクル船団はルーサーの暗躍から解放された。そして、シャオとウルクちゃん――未来の総司令――がいれば、おそらくアークスは正しい方向へと導かれるだろう。私はそう確信し、今はそれが間違いではなかったことが証明された。

 

 

 そして、アプレンティス――ユクリータとアフィンの和解と解放。ダブルによるアークスシップの襲撃とそれによる深遠なる闇の復活。

 

 深遠なる闇になりかけたマトイちゃんはアッシュによって助け出され、私はただ自分にできることを精一杯しただけ。

 

 そうして、エピソード・オラクルは完結に導かれた。

 

 ダークファルス【仮面】を依り代とした深遠なる闇の復活という結果だけを残して。

 

 その後アッシュとマトイちゃんは、ダーカー因子の集中浄化のため長期間のコールドスリープに入ることが決定した。

 

 

 

 ゲームの知識通りに歴史が進むのであれば、物語が動き始めるのは2年後。その間に私は何ができるのか、模索する日々が始まったのだ。

 

 

 

 

 





アニメのエコーは大人の女性な感じがして、結構お気に入りです。何となく、ゲームのEp5以降の彼女をそのままEp1に持ってきた感じ。


惑星探査編以降で、各章の時短編(あらすじ)は必要ですか?

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