ゲーム出身の一般アークスが、オラリオでダンジョンアタックするのは無理がある   作:柳沢紀雪

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アンケートが確定してから急いで書いたのでかなり荒いです。
できる限り修正を入れて行こうと思います。


閑話:結果発表

 

 ところ変わって神会の現場に戻って参りました。

 レベル2ランクアップ最速記録を更新したワカヒルメファミリアの二人の冒険者、ベルディナとエルティナの二つ名を付けようの会のテンションは最高潮となっている。

 

「おーい、集計まだかよ」

 

 と、足を机にのせてのけぞる、お行儀の悪い男神が、集計を担当する数柱の神にヤジを飛ばす。

 

「万全を期しているところだからね、もうちょっと待ってくれないかな」

 

 ヘルメスも、いろいろ雑談をしながら時間稼ぎをしているが、やはりワクワクは抑えられないようで、集計中の神をチラチラ横目で見ている。

 

「当然うちのが優勝に決まっとるやろ」

 

 無乳の細目女神が、無い胸を張って背もたれに背を預ける。

 

「あらぁ、それはどうかしらね、ロキ。私も友神は多いわよ?」

 

 美の女神が、美乳を腕で持ち上げるように組んで鼻でせせら笑った。

 

「自分の友神ってのは、寝所限定やろが」

 

 ロキの誹謗中傷にフレイヤは、異常なほど美しい笑みで返した。女神の微笑みはあまり信用しない方がいいとはいうが、その最たる例だろう。ぶっちゃけ、怖い。

 

俺がガネーシャだ(なんだか、ワクワクするな)!」

 

「君はそれしか言えないのか……」

 

 ワカヒルメは最前線から逃れて、ガネーシャが座る中程の席まで避難してきた。

 

「気にしちゃダメよ、ワカヒルメ」

 

 バイト仲間の女神……女神スクルドが心底疲れた様子で机に突っ伏した。

 

「いや、ゴメンね。迷惑かけるよ、スクルド」

 

「いーのよー。まあ、一応貸しってことで、次は助けてよね?」

 

「ああ、もちろんだ」

 

 スクルドにも眷属が三人いるが、まだまだ次のランクアップの壁を越えることが出来ないでいる。アビリティはランクアップ条件を達成しているので、後は偉業を成し遂げるだけなのだが、それが一番難しいのだ。

 偉業を達成するために、無茶をして命を落とされるのは嫌だから、主神としては無理をするなと言わざるを得ないが、無理をしなければランクアップが出来ないことも確かなことだ。

 

「難しいわよねぇ」

 

「何が?」

 

「あんたには分からない悩みもあるのよ」

 

俺がガネーシャだ(よくわかるぞ)!」

 

「君は、悩みがなさそうでうらやましいよ」

 

 しかし、大手ファミリアでも最初は零細だったことは誰も変わらない(もちろん、例外はある)。最初の眷属がランクアップできなくてくすぶることは、どの神も通過する儀礼のようなもので、だからこそ、最初の眷属がランクアップできただけでそれは万歳三唱で、夜通し宴会をしてしまうほどの喜びにつながるのだ。

 

 だからこそ、スクルドは、初めての眷属がたった4ヶ月で二人同時にランクアップしたということの異常さをよく理解できるのだ。

 

 それも、それが種族的にはハンデを背負っていると言われるヒューマンと小人族(パルゥム)の二人がだ。しかも、片方は幼女ときたらもう、理解不能だ。

 

「あら、そろそろ集計が終わるみたいよ」

 

 正義の女神が鈴を鳴らすような声でそう告げて、ヘルメスは集計表を受け取り、

 

「おっとー、なるほど、こうきたか……そうでなくちゃ、神会じゃないよね」

 

 一瞬驚いて目を見開いたが、すぐに子供みたいな笑みを浮かべ、両手を高く掲げた。

 

「さあさあ、投票の結果が出たよ。どんな結果が出ても恨みっこなしだ。誰が何に投票したかっていう詮索もなしだよ」

 

 ついに結果が下される。

 

「それじゃあ、せっかくだから一番下から発表していこうか」

 

「おい、焦らすなや」

 

 ロキは頬杖をついて、余った手を机について指をコツコツと叩いていらだちを隠さない。

 

「まあまあ、こういうのはお約束ってやつだよ。じゃあ、発表するね、残念ながら最下位になってしまったのは……フレイヤ発案の【巫女(ヴォルヴァ)】だね」

 

「あらぁ……ちなみにヘルメスは誰に投票したのかしらぁ?」

 

「ははは、俺は司会者だからね、最初から投票権はないさ。次いくよ。見事ブービー賞に輝いたのはディアンケヒト発案の【小聖女(リトル・セント)】だ、おめでとう!」

 

「賞金はあるのか?」

 

「ないね。じゃ、次は…………ガネーシャ発案の【慈愛(シーター)】だね!」

 

俺がガネーシャだ(残念だったな)!」

 

「おー、ここまで来たらうちとアストレアの一騎打ちか……悪かったなぁアストレア」

 

「あら、結果は見てみないと分からないわよ、ロキ」

 

「喧嘩はしないでくれよ。次は…………残念! ロキ発案の【賢者(セージ)】だ! いやぁ、俺もこれが一位かと思ったんだけどね」

 

「なんやて! うちが、負けたんか?」

 

「ごめんなさいね、ロキ」

 

「それじゃ、次は…………アストレア発案の【星乙女(リーブラ)】だ!」

 

「ありがとうみんな!」

 

「じゃあ、二つ名は【星乙女(リーブラ)】で決定?」

 

「そうなんじゃね? まあ、妥当なところだったな」

 

「ちょっと面白み無いよねぇ」

 

「ん? ちょっと待てや。ヘルメス、自分、一位はもう言ったんか?」

 

「はあ? 何言ってんだロキ?」

 

「ははは、さすがはロキだね。うん、そうなんだ。僕はまだ一位を発表していないのさ」

 

「「「な、なんだってー!!!」」」

 

 神々はわざとらしく驚いてみせるが、どう考えても投票したのお前らだろうが。

 

「お約束どうもありがとう。それじゃ、発表するよ。栄えある一位は、本人発案の【一般小人族(リトル・ノーマル)】だ! いやぁ、集計結果を見たときは目を疑ったけどさ。最終的には収まるところに収まった感じだね」

 

「「「ぎゃははは!!!」」」

 

「うせやろ?」

 

「まあ、争いにはならなかった……のかな?」

 

「うーむ。まさにこれぞ神会か……」

 

「なんだかなぁ」

 

「しっかし、珍しいんじゃね? 本人の希望がそのまま通るのって」

 

「前代未聞だろ」

 

「一周回って悪乗りがすっぽり収まったってやつ? ていうか、そのエルティナって子、神々と同じ感性してるってことじゃないの?」

 

「いや、それはない」

 

 真面目すぎる故になにか妙なところに入ってしまったのか、それとも一般にこだわる主人(ベルディナ)に合わせた故にややこしいことになってしまったのだろうとワカヒルメは想像した。

 

 とにかく、今回の神会は訳の分からない盛り上がりの末、訳の分からないまま終わりを迎えた。

 

「疲れた……帰って寝たい……ベルディナのご飯食べたい……エルティナを抱っこしたい……」

 

 エルティナは絶対に拒絶するだろうが、多分頭を下げればやってくれるかもしれないと思えるほどワカヒルメの脳には栄養が足りていなかった。

 

 

 




余談
作者の予想
1位 賢者(セージ)
2位 巫女(ヴォルヴァ)
3位 星乙女(リーブラ)
4位 小聖女(リトル・セント)
5位 慈愛(シーター)
6位 一般小人族(リトル・ノーマル)

結果
1位 一般小人族(リトル・ノーマル)
2位 星乙女(リーブラ)
3位 賢者(セージ)
4位 慈愛(シーター)
5位 小聖女(リトル・セント)
6位 巫女(ヴォルヴァ)

うーん、これぞ神々の戯れ
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