ゲーム出身の一般アークスが、オラリオでダンジョンアタックするのは無理がある   作:柳沢紀雪

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※さらに高評価ありがとうございました。これでもっと頑張れます。

※注意※
・ラスターについて実際に使ってみないと分からない表現が多々出現すると思いますが、全て説明するのは難しいので、なんとなく雰囲気で察してください。すみません。

・スターレスについて、作者はNGSストーリー第5章までの知識しかありません(ほとんど何も知らない)。









星滅

 

 スターレス。それはゲームPSO2NGSにおける正体不明の敵集団の総称だ。今から数百年後にこの宇宙に現れ、船団や人類に大きな損害を与えてどこかへ消え去っていった全く謎の存在。どこから来てなぜ消えてしまったのか、私がこの世界にやってくるまで全く分からない、不気味な存在として1000年後のアークスに襲いかかってきた宇宙の脅威。

 

 ダーカーとの関係は全く分からないし、全く関係の無い存在であるかもしれない。しかし、今私の眼前に存在するネクス・ヴェラをまるで生物に変換したような姿のエネミーが全くそれと関係が無いとは到底思えない。

 

「ここが、星滅種(スターレス)の生まれ故郷ってことなの?」

 

 それなら私は、歴史を数百年早めてしまったと言うことなのだろうか。

 

「お嬢様、対象の驚異度がUH(ウルトラハード)級に達しました。ダーカー因子の侵食レベルはすでに超化エネミーであることを示しています。即時撤退を具申します」

 

 エルティナの迷いのない言葉は私の意識をようやく現実に戻してくれた。超化し、しかも全身が漆黒に覆われ、表面に紫の雷光がまとわりつくその様はまさに絶望(ギガンティクス)の名にふさわしいと言えるだろう。

 

「ここで逃げてどうするの? こいつを倒さないと、この階層はめちゃくちゃなことになる。もしも、討伐隊が結成されたとしても冒険者がダーカー因子に汚染されるだけだ。ここで殲滅するしかないんだよ」

 

 ダーカーの脅威はその戦闘力だけではない。ダーカー因子はフォトンによる浄化を行わなければ、たとえ討伐したとしてもその邪悪なエネルギーは霧散してあらゆる生物、非生物を問わずに侵食し暴走させ、いずれダーカーとなって世界を破壊しようとする。

 

「もしも、神様達がダーカーに汚染されたらどうなると思う? この星の終わりだよエルティナ。そうなってしまったら、全てが終わってしまうんだ」

 

「しかし、無謀です。勝てる可能性はかなり低いと言わざるを得ません」

 

 エルティナの言うことは全て真実だ。それは疑いようもないし、本当ならエルティナの言葉に従うべきだということも分かる。しかし、それはオラクル船団が私達の後ろにあってのことだ。私達の後ろには何もない。船団も、最後の希望たる守護輝士(ガーディアン)もいまここにはいない。

 

「私はね、エルティナ。私は守護輝士(ガーディアン)にはなれない。それは分かってる。あの二人はシオンの演算すらも越える結果を常に勝ち取ってきた。私にそれが出来るとは到底思えない。だけどね、エルティナ。私だってやるときにはやるんだよ」

 

 幸いにしてネクス・ヴェラとはゲームNGSにて散々戦ってきた相手だ。すでに三本首で怒り状態になって今にも大規模爆発攻撃を放たんと力をためている状態であるが、その挙動はほとんど身体が覚えているはずなのだ。

 

「もう、時間が無いよエルティナ。もうじきあいつが体内のエネルギーを解放してこのあたりの地形をまるごと変えてしまうぐらいの爆発を引き起こすと思う。エルティナはすぐに私以外の人を全員連れて、安全な場所に避難してほしい。これは、あなたのマスターとしての命令。分かった?」

 

「………………了解しました。直ちに撤退いたします」

 

「うん。みんなをお願い。後、なるべく早く助けに来てね」

 

 私はにっこりと笑い、エルティナの頭を軽く撫でて彼女に背を向け、ネクス・ヴェラに向き直った。

 

「戦闘システム対【終の女神】に設定し再起動(裏コード・スリーナイン)フォトン最大出力(マックスパワー)

 

 通常ならあり得ない状況に対処するには、通常ではあり得ない方法をとるしかない。私がいろんな人と相談して作り上げた、私でも終の女神の足止めが出来る程度の戦力を得るための方法をいまここで、初めて発動するのだ。

 

【驚異度UH対象エネミーを確認:緊急警報発令】

【緊急事態により一時的に『絶対令(アビス)』を解除】

【システム再起動開始/『特別戦闘状態』にて起動確認】

【全リミッター解除/残り時間1800秒】

【周辺アークスへの支援要請を実行/『該当者なし』/要請を継続中】

 

 一瞬途切れたHUDが直ちに再起動を行い、数々の表示と共に私に課せられていた全てのリミッターが解除されていく。

 

 まるでそれは、身体の芯を貫いていた杭が引き抜かれて、押し込められていた莫大なフォトンがあふれ出してくるように感じられ、不安と恐れ以上に巨大な快楽を私に与えた。

 

 抑制されていた力は堰を切ったかのような激流となり、それが私の体内に存在する疑似器官に流れ込み、ひたすら圧縮されてポテンシャルを増加させていく。

 

 一人でオラクル船団と同等の力を有する終の女神(シバ)に比べれば塵芥(ちりあくた)に過ぎない私ではあるが、それでも足止めをする程度には戦うことは出来る。

 

 しかしそれは、ただの一般アークスが得るには大きすぎる力であるゆえ生命保護を目的として起動時間を1800秒(30分)に限定する処理も施された。本当に過保護な人達だ。だけど、私も自分自身を犠牲にするつもりはない。

 

「ダンジョンが……揺れてるの?」

 

 アリーゼさんのつぶやきに応じる声はなく、皆無言で私を一瞥してエルティナとリザさんの誘導に従って安全地帯への撤退を開始する。

 

 先ほどまで空を旋回していた鳥のようなモンスター(?)もいつの間にか姿を消していた。

 

「ネクス・ヴェラの弱点属性は確か雷だったよね。ザンディスタイルだったら物理ダウンと属性ダウンの両方を狙えるだろうけど、安全に戦うならバーランスタイルで距離を取りつつガードポイントを活用した方がいいか。エルティナもいないし」

 

 私はブツブツと敵の特性を思い出しつつどのように戦闘を行うかを大体決めて、武器をフルクシオタラッサからリンザータラッサ(光)に交換した。武器迷彩をかぶせているので、見た目は同じだが中身は別物になっているのが少し不思議だ。

 

 さて、大まかな方針は決まった。エルティナが戻ってくるまでは距離を取りつつバーランスタイルのPAや通常攻撃に仕込まれたたくさんのガードポイントを使って防戦主体で戦う。本格的な戦闘はエルティナが戻ってきてからだ。

 

「頼むよエルティナ、あんまり私を一人にしないでよね」

 

 リンザータラッサのSOPが有効化し、私に特殊な力を与えてくれる。

 特にS4:聖者の盾は被ダメージを6割カットしてくれる上にスーパーアーマーも付与されるので、絶望(ギガンティクス)相手には最適な能力と言える。さらにはS5:活器応変もいい仕事をしてくれている。冒険者になる前はそれほど耐久を盛ることが出来なかったが、冒険者アビリティがそれを補ってくれて今では攻撃ごとに耐久が回復してくれる効果(奪命)と常時頑強まで効果が解放されているのだ。

 

 そして次の瞬間世界が爆ぜた。

 

 エネミーにより解放された莫大なエネルギーが周辺の岩石を吹き飛ばし空中へと誘う。一瞬で視界の全てが真っ赤に染まりきるが、それもガードポイントで無効化し、さらに飛び上がったエネミーの周辺に灼熱で真っ赤に染まった岩石が飛び回り一つになって、あたかも隕石のごとくエネミーと共に地面へとたたきつけられた。

 

 直撃すればどれほど防御を固めていたとしても耐久の十倍以上のダメージをたたき込まれ、下手をすれば私の身体は跡形もなく蒸発していたかもしれない。

 爆発がようやく晴れてあらゆるものが焼けただれ融解する香りが湧き上がり、回復した視界には先ほどまで白亜紀のジャングルを思わせるようなシダの森が広がっていたはずが、今となってはまるで月面に降り立ったような巨大なクレーターと熱せられて溶けた岩石が再び固まりつつある台地が広がり、遙か遠くにわずかに見える木々の姿以外はまるで開けた空間が残されるばかりだった。せめて、爆発の余波で天井が崩落しなかっただけ幸運と思うべきなのか。

 

「ジャングルが、まるで月の裏側みたいになっちゃったね」

 

 このままだとこの階層そのものが作り替えられてしまいそうだ。

 

 エネルギーを放出しきったネクス・ヴェラはそれでもクールタイムを設けることなく再び羽ばたいて空中に飛び上がり、膨大な数の火炎球を生み出した。超化しているから攻撃も熾烈になっているだろうと覚悟はしていたが、本来の数の二倍どころではない、逃げ場すら探すのが困難なほどの数が鎌首をもたげこちらを虎視眈々と狙っているようだった。

 

「隕石どころか流星群じゃん。もうちょっと加減してよね」

 

 絶望(ギガンティクス)化している限りはあの火球の一つ一つが必殺級の威力を持っているのだろう。先ほどからHUDに表示されている【提案:一時撤退】の文字がいつまでたっても消えないのも無理はない。

 

 ラスターウィルがあるから一度の死は免れるし、ハイボルテージに成るまでコンボをつなげることが出来れば命の予備は回復する。

 

「やるしかないか」

 

 逃走は無意味だ。だったら、せいぜい死なない戦いを続けるしかない。私は飛翔するネクス・ヴェラの左足をターゲットに設定し、せめて火球の落下の余波から逃れるべく空中に飛び上がって攻撃を開始した。

 

 

◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇

 

 

 その後はというと……まあ、泥仕合と言うしか他はない。

 

『マスター。こちらは上の階への出入り口付近に到着しました。ここで一度負傷者の救護を行います』

 

『分かったよエルティナ。どう? こっちにはこれそう?』

 

『応急処置は終わりましたので、後はアストレアファミリアの方々に任せることが可能です』

 

『リザさんは?』

 

『共にいる』

 

『良かった。じゃあ、リザさんはアリーゼさん達を守ってあげてください。すみません、リザさんも重傷なのに』

 

『かまわぬ。剣を握ることが出来るのなら戦うことも出来よう』

 

『私は直ちに支援に向かいます』

 

『うん。待ってるよ』

 

 すでにラスターウィルも何度か発動してしまい、そのたびに少し無理をしてコンボを積み重ねハイボルテージを発動させるという繰り返しだ。

 

「HPゲージがないから、どれぐらい削ったのか分からないのが辛いね」

 

 何度か物理ダウンを発生させたから、それなりにダメージは蓄積させているとは思いたいが、絶望(ギガンティクス)系ボスエネミーは本来ならカンストアークスが32人が束になって30分以上殴り続けてやっと殲滅できる類いの存在だ。ゲームなら参加人数に応じて耐久値が上下する仕様だったが、現実となったこの世界ではその仕様が適応されているとは到底思えない。

 

「攻撃がまだワンパターンだからいいんだけどね。それでも手数が多すぎるよ、でっかい図体の癖にさ。ねえ、聞いてる?」

 

 私の問いかけに言葉ではなく12連撃の火炎ブレスで返され、私は間断なくやってくる火球に対して一発一発丁寧に通常攻撃を合わせていく。

 

 通常攻撃のガードポイントが発動してダメージをキャンセルしつつ、敵の攻撃を貫いて進む斬撃が光波となって離れたペダス・ヴェラの頭部に直撃する。12連撃の火炎が収まったタイミングで武器にフォトンを込めて振り抜き、『エンハンスアタック』を発動し相手の周囲にバインド効果のあるダメージフィールドを展開し、短時間だけその場に釘付けにしてやった。ダメージによってギアゲージが蓄積し、さらにはイベイドシュートの発展としてエネルギーをチャージして、最大まで蓄積させたギアゲージを全て消費しての『エンハンスシュート』を左足にたたき込む。

 

 ガードポイントによる攻撃回避で発動するアドバンス状態のおかげで、身体の周囲に三枚のシールドが展開され、それによってダメージがかなり軽減されるとは言え、相手の攻撃力がバグっているのであんまり恩恵を受けられていない感じ。それでも、弱攻撃で一撃死を貰わない程度には成っているので戦闘の継続性には貢献しているとはいえる。

 

 もっとも、エルティナがきっちりと支援と回復をしてくれればすぐにオフェンス型のフォメルスタイルに変更するつもりだ。

 

「通常三段からの『エキストラアタック』の四段目を入れてから……間髪を入れず『クイックシュート』ってね! 安全に戦うならこれが一番無難かも」

 

 基本的に空中にとどまって戦い続けることで間断なく降り注ぐ火球の影響を最小限にしているのだ。ラスターは割と空中戦が得意なのも助かったね。

 あれが直撃したらアドバンス状態のバーランスタイルでも耐久が100パーセントもっていかれるので割とヤバイ。

 

 下手したらUH級のDF【巨躯(エルダー)】の隕石投げより威力が高い気がする。悪夢だ。

 

【全リミッター解除中/残り時間60秒】

 

 フルパワーモードの制限時間が残りわずかになった。もう30分ちかくもたったと言うべきか、まだそれだけしかたっていないのかと思うべきなのか。

 このカウントダウンがゼロとなれば、再びリミッターが再設定されて強制的に通常状態に切り替えられることになる。

 

『マスター、お待たせしました。直ちにサポートに入ります』

 

 その通信が入った次の瞬間に頭上に展開されたタリスからシフタとデバンドが発生し、攻撃力と防御力が上昇し、耐久値も大きく拡大した。

 

「待ってたよエルティナ。システム、緊急状態を解除」

 

【『特別戦闘状態』解除/『発展戦闘状態』設定】

【緊急状態解除につき『絶対令(アビス)』の再設定開始……完了】

【時間制限解除/カウントダウンを停止】

 

 私はすぐさま対【終の女神】状態(裏コード・スリーナイン)を解除してから、武器をフルクシオタラッサ(炎)に持ち替え、素早くエンハンスアタックを繰り出してジェルン弾をセットし、いよいよ本番を迎える準備を整えた。

 

「出力そのものは下がったけど、フォメルスタイルの単体に特化した火力ならそれを補うことも出来るはずだ」

 

 今までが守り(ディフェンス型)のバーランであるなら、今度は攻め(オフェンス型)のフォメルと言えば分かりやすいと思う。

 

『エルティナはとにかく回復と支援に集中して。攻撃するときは雷系のテクニックを中心でお願い。フォトンブラストは適度に』

 

『了解しました』

 

 エルティナは私と違ってタリスのエキスパートだ。これなら離れた場所でもあらゆる支援が可能になるし、設定して貰っているフォトンブラストはケートス・プロイというPPとHPの回復に特化したものなので安心して戦えるというものだ。

 

 私はフレシェットのムーブアーツで一気にネクス・ヴェラの足下に接近しそのままジェルン弾を撃ち込むことで相手の攻撃力を下げつつ武器に搭載したフレイズ・ディケイを有効化してアドバンス状態を展開しつつ、その場にとどまってブランドエクステンションのエンハンスコンボをひたすらたたき込み続ける。

 

 S4に仕込んでいる累加追撃が数秒おきに大ダメージをたたき出し、身体の周辺に展開された赤いダメージフィールドがギアゲージとPPをどんどん回復してくれるので、ただひたすらPAを打ち込み続けて、ダメージも加速度的に拡大していく。

 

『多分もうすぐ特殊ダウンが発生するから準備して。弱点は首の付け根あたりにコアが表出するからよろしく』

 

『承知しました。ザンバースを展開します』

 

『お願い』

 

 私の背中に張り付いているぐらいの場所に展開されたタリスから風属性のフィールドが現れ、しばらくの間私の攻撃に風属性の追加攻撃を与えてくれる。

 そうしているうちにネクス・ヴェラがひときわ大きな叫び声を上げて前につんのめるように地に伏せた。

 

 私の予告通り首元あたりにコアが表出し、私は一旦コンボを中断しクイックシュートからのクイックスラッシュにつなげて、ダウンによって移動した弱点に向かい高速移動を行った。

 

 弱点に肉薄する頃にはその周辺にエルティナから追加のザンバースが与えられ、さらにコアの周辺のフォトンが収束して雷撃となってそれに襲いかかった。完璧なサポートをしてくれるテクターがいるかいないだけで、安心感が天地の差だ。

 

「これで倒れてくれると助かるんだけど」

 

私はギアゲージが枯渇するまでエンハンスコンボを打ち込み、さらにはスタイルパージを敢行して大ダメージを与えつつラスタータイムを発動させることでギアゲージを一気に最大まで回復してさらにエンハンスコンボを継続した。

 

「これで仕上げ……ラスタータイムフィニッシュ!」

 

 私は小さな身体を限界まで振り回して何十もの斬撃を同時に発生させ、それでもなおもあまりあるエネルギーを全て武器に託して収束し打ち出した。

 

『エルティナ、一旦下がるよ』

 

 出せるだけの攻撃は全て出し切ったと判断した私はエルティナにそう短く伝え、バックステップを何度か繰り返してネクス・ヴェラから距離を取った。

 

 アドバンス状態も解除されてボルテージコンボもリセットされた。ラスターウィルもストックが一つ回復しているので、ここから何か大技を出されてもギリギリ一度は耐えきれる。

 

『エルティナは一旦戦闘範囲を離れて』

 

 しかし、テクターであるエルティナはそういうストックがないので一旦は安全な場所に離れて貰う方がいいだろう。

 

『いいえマスター。ダーカー汚染レベルの急激な低下を観測しました』

 

 ダウンから立ち直ったネクス・ヴェラはそのまま天井を仰ぎわずかに浮き上がったかと思うと徐々に輪郭がぼやけていきあるいは何かに飲み込まれるように収束して、十字の光となって爆散して消えた。

 

「終わった……勝てた……」

 

 超化した絶望(ギガンティクス)をまさかたった二人で討伐できるなんて夢にも思わなかった。もちろん、負けるつもりは無かったし、死ぬつもりも毛頭無かった(実際は7回死んだ)。だけど、多分勝てないだろうという覚悟はあった。勝てないのなら一体どうするべきなのかを、戦闘の傍らでずっと考え続けて答えが出なかった。ここで敗走したらおそらくこいつはオラリオだけではない、この惑星全てを滅ぼし尽くしていたかもしれないと思うと気が気ではなかった。

 

『終わったのか?』

 

 大きな爆発を最後に全く音がなくなった森に、リザさんの声が耳に届く。

 

『はい、もう大丈夫です。私達は、生き残りました……』

 

 ネクス・ヴェラが消滅した跡地に浮かび上がった巨大な赤い結晶を尻目に、私は土からグリップだけのぞかせていた巨剣を思いっきり引っこ抜き、その反動で後ろに倒れ込んだまま大の字になってダンジョンの天井を見上げた。

 

 さすがに何度も死んでは復活するを繰り返すと心が摩耗してしまう。オラクル船団なら少なくとも3日は出撃停止を食らったあげく、メディカルで心身共に治療を受けなければならない状態だ。

 

「さてと、みんなにはなんて説明したらいいと思う、エルティナ」

 

「それは、マスターが判断するべきことです」

 

「そうだよねー」

 

 一難去ってまた一難がこれからさらに連続してやってきそうな気もするが、今はちょっと疲れたので休ませて貰おう。

 

 

 

 







一番書きたかったところが書けて割と満足しています。


※参考
ジェルン状態
 →敵の攻撃力を下げる効果

フレイズ・ディケイ
 →武器に搭載した特殊能力。
  ジェルン状態の敵に対して与えるダメージが5%向上する。

累加追撃
 →SOPの一種。4秒間PAやテクニックで与えたダメージの総量の約3割が、直後のPA・テクニックに追加ダメージとして発生する。(上限25万、リキャスト10秒)。火力が欲しいならほとんど必須級だが値段が高い。




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