型月世界の西遊記   作:筆折ルマンド

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西遊記大好きです
Fateも大好きです
という訳で開幕します


星の娘

 

 推定時間軸 紀元前10年

 

 ──座標『天の玉座』──

 

 

 神代末期の中国大陸

 神の時代が終焉へと至り、人の時代が今まさに始まらんとするその前夜。

 

 その積み重ねられた歴史の全てを無に返し、

星の命運を己が手にしようと企む者たちがいた。

 

 魔将 七十二妖魔王

 一騎当神 七大聖

 

 首魁 斉天大聖

 

 神霊ごとき恐るるに足らずと

 大魔王に率いられた30万を超える魑魅魍魎の百鬼夜行。

 

 彼らは

 星の玉座を狙い天界へ侵攻した。

 

 対抗するのは

 中国天界に集結した総勢10万騎の英霊・神霊の天界大連合軍。

 

 正に圧巻の光景。

 

 神代最後の神話がその時、人々の頭上にあった。

 

 皆既日食の様に空は黒々と闇に染まっている。

 真昼の青空を分厚い夜が覆い隠していた。

 

 闇夜のごとく空を覆う黒雲は全てが妖怪の群れ。

 その闇を切り裂く様に輝く星々は全て英霊。

 

 星の瞬きは英雄と魑魅魍魎が刃を交え砲火を交える戦火の光。

 

 世紀の、否、()()()()()()()()()を決めるこの戦い。

 熾烈を極めた終末戦争に終止符を打ったのは、空から落ちる一条の雷だった。

 

 ◇

 

 摩天ならぬ魔天の黒夜が刹那のうちに黄金に染め返された。

 放電の炸裂音が豪雨のように地平線の彼方まで朗々と響き渡った。

 魔性も神霊も等しく空を仰ぎ、皆、目も絡む閃光を浴びた。

 

 災禍の霹靂

 神罰の炎

 

 神話の最期に相応しい終焉を告げる音色を奏で

 暗雲を吹き消し空を太陽よりも眩く照らす巨星の如き大雷。

 

 ──地を裂き──

 

 ──海を割り──

 

 ──全てを原子に打ち砕け──

 

 威厳に満ちた声が天地にこだまし、聞く英雄たちの魂を震わせた。

 

 雷を掲げる1人の大神

 彼が放たんとするのは究極の業。

 

 己が身を触媒にして

 己が全霊基を対価として

 己が魂を燃やして放つのは

 神代全盛期

 天空神の原始の雷霆

 

 島一つを蒸発させて余りある

 核兵器を超える極大の雷

 

 閃光

 雷号

 轟き爆ぜる神罰の極限

 

 対星宝具

 

 ──拝謁せよ

 

我、黎明を告げる雷鳴也(ワールド・ディシプリン・ケラウノス)

 

 ()()()1()()()()()()()()

 星砕きの雷霆は解き放たれた。

 

 ◇

 

 地表にて迎え撃つのは1人の少女だった。

 

 息を呑むほど

 息を忘れるほど

 

 美しい『ヒト』だった。

 

 パステルカラーの

 目を離せば空に溶けてしまいそうなほど淡く美しい精霊だった。

 

 豊作の小麦畑の如き黄金の髪は星の申し子の証。

 髪の内側、インナーカラーは青空の様に澄んだ水色。それは地母神の直系の証。

 神秘に満ちた獣の如き赤金の瞳は原初の神々の血を引く証。

 桃花のように温かく丹精な顔立ちをキリリと引き締め、黄金の蔓草模様の刺繍の施された無縫の天衣に身を包んだ少女がたった1人で雷霆を待ち受ける。

 

 黄金に輝く聖剣を携え、ジッと機を待つ彼女の姿はどこか涼やかな明け方を連想させた。

 

 空から迫る天空神の必滅の雷霆を前にして

 微塵も臆する事なく相対する少女はすらりと光を抜き放つ。

 

 聖剣を構え、誇る様に頭上に掲げた。

 

 神造兵装

 星の聖剣

 世界を護る命の剣

 

「束ねるは星の息吹」

 

 少女は世界から汲み出した魔力を凝縮していく。

 

「輝ける命の奔流」

 

 凝縮された世界規模の魔力を更に増幅、加速させながら光エネルギーへ変換し、剣を研ぎ澄ますように滑らかに収束させていく。

 

 光剣が輝く。

 ほんの僅かな、%でも表せないほどの極小の揺らぎから漏れた光だけで光剣は更に太陽がもう一つ増えたかの様に地平線を照らした。

 

 雷霆が迫る

 

 迫る

 

 迫る

 

永久を謳う勝利の剣(■■■■■■ー)

 

 放たれたのは途方もない光の奔流

 

 斬撃の極致

 

 解き放たれた極光が絶死の雷霆と激突する。

 

 拮抗は刹那

 

 極光は雷霆を穿った──

 

 

 ──────

 ────

 ──

 

 

 推定時間軸 紀元前700年頃

 

 遥か昔

 まだ神秘が色濃く

 山一つに妖怪の群れが一つ、

 大きな川には神か龍が棲み、

 2〜3の村に妖怪が一匹は紛れ、

 天には10万を超える神霊が天上国を形作っていた頃の話

 

 中国山嶺

 人の手の届かぬ奥地

 鬱蒼とした森林

 巨大な岩を割って刺したかのような岩肌の剥き出した尖塔形の山々の連なる山脈

 

 その中で

 春夏秋冬、いつでも緑の絶えることのない一際生命力に溢れた山。

 

 霊峰 花果山

 

 秘境

 仙郷

 

 妖精の亜種である霊猿たちが暮らす一種の妖精郷。

 

 そんな土地に1人の精霊が生まれた。

 

「夢見る石」

「地母神の末娘」

「O■Tレプリカ」

 

 星の霊気の凝縮体。

 天地開闢より存在する仙岩を核に製造された至高の玉体。

 『原初の一』(アーキタイプ・アース)

 

 平たく言えば、地球が産み出した究極最強生物(ウル◯ラマン)

 

 汎人類史において()()()()()()()()()はずの、神を凌駕する星そのものの化身。

 

斉天大聖(天に等しき大聖者) 美候王(美しき大地の王)

 

 将来、そう名乗る事になる彼女は星に望まれたままに誕生した。

 

 ◇

 

 ずっと昔に私は製造されました。

 

 ずっとずっと昔に世界は滅びかけました。

 

 空の彼方からの来訪者

 いえ違いますね

 災厄の星、捕食遊星からの破壊者

 

 遥か星空の彼方から飛来した──

『敵性地球外知的存在』

 いわゆるエイリアンですね。

 白くて巨大な点から『白き巨神』と呼称された未知の人型兵器によって、地球はあらゆる生命・文明の8割を失い、迎撃に出た神々も悉くが鏖殺されてしまいました。

 

 星が滅ぶ正しく今際の際、間一髪の所で聖剣が完成し、これによって白き巨神は撃破され、地球は救われました。

 

 ですが、敵の撃退に成功したものの、地球の受けた損傷は完膚なきまでに致命的でした。

 大量絶滅は為され、この出来事は時代の転換点となったのです。

 

 世界に残された爪痕は想像を絶する程に根深く、巨神襲来による文明断絶後、記録に残る上で最古の女神となったチャタル・ヒュルクの地母神は、自身の持つ地母神の権能(生命創造能力)を地球誕生初期から存在する神秘の堆積した岩塊に付加し、七つ七色の世界再生装置を建造しました。

 

 それが『補天石』

 

 私はそのうちの一つでした。

 

 補天石はソレそのものが強力な魔力炉心であり、更に与えられた地母神の権能により、世界の根源から魔力の無限供給を可能としていました。

 要するに無限のエネルギー源『枯れぬ井戸』という奴でした。

 世界中に配置された補天石はその無限の魔力を持って動植物を育て、生態系を再生させていきました。

 

 補天石の配置された土地は正に砂漠の中のオアシス。

 

 生き残った生命は補天石のもたらす豊穣に支えられて版図を再び広げ、地球は再び生命の溢れる緑の星に戻ったのです。

 当然ながらその過程で補天石は厚く信仰され、その信仰の力によって補天石は単なる地母神の作成した魔力井戸ではなく、一柱の神として存在を確立することが出来るようになったのです。

 

 ──────

 ────

 ──

 

私以外は!! 

 

 

 はい、世界地図に注目してください! 

 はいコレ! ここ中国! 広いですね!! 

 え? ロシアの方が広い? あんな森ばっかりの所、無駄に広いだけで人口密度馬鹿ほど低いじゃないですか! (偏見)

 で、私ココ! すっごい山奥に設置されちゃったんですよ! 

 

 いや分かりますよ? 

 世界全体を再生させるために面積を考えて配置する場合、僻地に飛ばされる人員が必要なのは分かります。

 分かりますけどならせめてもう少し良い立地に設置してくれませんかお母様!! 

 

 中国の山って断崖絶壁なんですよ! 

 本当に、石を縦にブッ刺したみたいな形状の山ばっかりで仙郷とか言われてますが、それってつまり普通の人じゃ登れないような山の天辺って意味ですからね!? その天辺に置かれちゃ信仰してもらう以前にそんなありがたい石が在ることすら知られないんですよ! 

 

 いやぁ苦渋の時でしたよ本当に! 

 他の補天石仲間はみんな「女神様〜地母神様〜♡」ってチヤホヤされてるのに私と来たら山奥で猿山大将ですよ。敗北者じゃないですか。

 いや、お猿さんたちは可愛いですよ? 霊猿なので頭もいいし、基本的に善性の存在なので品の無いイタズラもしてきませんし。でも、ソレとこれとは話が別なんですよ! 

 私も他のみんなみたいに賢しい連中にチヤホヤされたい! 敬われたい! 慕われたーい! 

 

 お猿さんたち! 何かアイデアはありませんか!? 

 

 うん、もう自分たちは幸せです? 

 

 あー! 嬉しいこと言ってくれるじゃないですか! でもごめんなさい! 私もっと「くっ、本当は敬いたくないけど、敬ったほうが断然得だし頭を垂れるしかないッ」とか性悪な人たちからも崇拝してもらってみたいんです! 

 

 ……まぁ、今日は興が乗ったのでいいでしょう。

 お猿さんたちには好物の甘ーいお花だけじゃなくてイチゴや柿に、最近見つけたバナナとやらも育ててみましょうか。えーっと遺伝子構造はたしか……こんな感じで……食用だし種は少なくて果肉多めで……。はい、あとは創って一丁上がりですね。今日のお仕事終了ー、みんなーご飯ですよー! 

 

 ◇

 

 大精霊 美候王

 その身は万能の願望器。

 将来、天地を揺るがす戦乱の火種となる大神の末娘。

 けれどその力に願わなければ叶わないほどの大望を彼女はまだ持ち合わせていなかった。

 




『美候王』
クラス適性
グランドキャスター/ルーラー/■ー■■/セイヴァー
性別 女性
身長154cm
体重42kg
属性 混沌・中庸
イメージカラー 金/空色
称号「夢見る石」「地母神の末娘」「O■Tレプリカ」
ステータス
筋力EX
耐久EX
敏捷B(EX)
魔力EX
幸運A+
宝具EX

保有スキル
・千里眼(現在)A+
 「石猿」は産まれながらに千里眼を持っていたが欲望に塗れ劣化する(はずだった)。
 世界の現在の全てを見通す。人の心も同様に見透かす事が出来る。
・地母神の神核EX
 美候王は地母神の末娘である。
 生命を自由に作り替え生死を操る「百獣母胎」の権能と根源からの魔力供給を受けられる。
・原初の一EX
 美候王は星の娘である。
 地球から様々なバックアップを受けられる。
空想具現化EX
 美候王は最高ランクの精霊である。
 自然物を自由に精製する事が出来る。
 人工物も質はかなり下がるものの可能。
(ここまで原作設定由来)
・魔力放出(■)EX
 美候王に付加された対■■者用機能。
 またこのスキルが星から付加された事により美候王は逆説的に聖者である事が運命付けられ、『正史』のような()()をしない。良くも悪くも意志が折れる事は絶対にあり得ない。
・起源覚醒『■■』
 
Ms.孫悟空
地母神の性質が強く出た事によって女性として産まれた。
桜系アルトリア顔のアーキタイプアース
ティアマト+アルクェイド+アルトリアが8割原作準拠という怪物。
「優しい全能」
根が優しいし責任感もあるので王様としては割と理想的。
本音を言えばもっと天真爛漫に自由に暮らしたいとも考えているが、時々ハメを外すぐらいで抑えている。

Q.こんなチートスペックなのに原典の孫悟空はなんで負けたの?

A.頭妖精さんだったから。
王様ごっこぐらいなら頑張るけどそれ以上の責任は面倒くさがって逃げてしまう妖精メンタルだったので、星の代弁者としての責務を投げ捨てて権能も全て未覚醒状態だった。
なお権能全封印状態でも大抵の神霊より強い模様。

*そんな怪物を生け捕りじゃなかったら倒せてた英雄がいるらしい。
ヘラクレスって言うんだけど。
ヘラクレス強すぎんだろ!(正確には天帝の甥の二郎神君。ただ蛇龍退治の功績などを鑑みるに、たぶんヘラクレスがモデル)
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