俺はブレスレットをマサトという人間に渡すのが、いいのだが、ちょっとした情報が必要だと思った。しょっぱなから落とすとかどうかしていると自分でも思ってしまうが、実際のところ、ブレスレットの正体とはよくわかっていない。俺の脳内に浮かんだだけだし。
「早く決めてくれると助かるのですが、どうなさいますか?」
「少し待ってくれよ。俺にも準備ってものがあるだろ。それに、それが何かわかっているのかい?」
「さぁ、どうでしょうね。俺的にはそんなものは別に関係ないのです」
俺はこいつがこのブレスレットに執着心がすごいことが気になり、今になって少し吐き出そうとしているところ。
「早くしないと、こんなブレスレットはお蔵入りにしちゃいますよ。いいんですか?」
「……」
何も答える気がなさそうだ。俺からもう少し仕掛けるしかないらしい。どうにか、このマサトという人間からいくらかの情報を聞き出さないと……。
「本当にいいんですか? こんなにも大切なものがなくなってしまいますよ」
「そ、それはそうなんだけど。俺は意外と大変なんだから。勘弁してくれぇ――」
「それはできませんね。このブレスレットは脅威を働かせるものなのは、わかっているのですから」
それでも、マサトは今やろうとしていることを探りたいのだが。それに、このブレスレットがどうなのはわからないし、どうしたらいいのだろう。
「わかったから、話すから。落ち着いて」
「そうですか。それでは、あなたは何をしようとしているのですか?」
「それは、そのブレスレットでちょっとした管理者権限にログインできるから、ログアウトできるように設定しようとしたんだ」
――そんなものがあるのか。興味深いものだと思う。でも、あの男がそんな便利なものをこの世界においておくか。もしかしたら、トラップという落ちもあるんじゃないか。
そんなことを考えた矢先であった。目の前にいるマサトが光とかして、消えていってしまった。
「どうやら、俺はトラップに引っかかってしまったようだな。この世界にはそのようなものがたくさんある。だから気を付けてくれよ。そして、パーティーを組んで、ボスに立ち向かって。無事に現実世界にも……」
最後まで言葉を聞きたかったが、時間切れのようだ。どうやら、ソロで活動するのはこのゲームには向いていないことがわかった。これから大変になることもわかった。
マサトが消えてしまった教会の近く、ちょっとした町が広がっていた。どうやら、初心者向けの拠点みたいなものらしい。この街には、必要なものがすべてそろっているみたい。とりあえず、俺は町の少しはずれにある格安のホテルに泊まることになった。
もともとお金は持っていなかったが、マサトが残したお金や武器を拾って、今の状況となっている。武器には太刀があり、少し体が重いという感覚がある。
「やっぱりすごいな。こんなにも思いものを持ったのは初めてだな」
俺が一人ごとを言っていると、
「ねぇ、そこの太刀使い。私と隣町までパーティー組んでくれない?」
俺は初めてパーティーを組むこととなった。その前に準備をするために俺は買い出しに付き合うことになった。
「そういえば、私の名前を言っていなかったね」
「でも、パーティー組んでいるから、わかるよ。アヤカでしょ」
「そう。それじゃあ、よろしくね」
「うん、俺もできるだけ頑張るから。それで、俺は初心者でさぁ、左も右もわからないんだけど」
「そうなんだ。じゃあ、私が教えてあげるね。私いくらか、特訓しているからわかるよ」
「そうなんだ。じゃあ、よろしくお願いしますね」
やっと俺はこのゲームの戦い方というものをレクチャーしてもらえると思った。それにしても、このゲームにはチュートリアルというものがないのか。本当に困るやつだな。
「そういえば、このゲームには操作の仕方とか教えてくれないんだよね。登録が済むとすぐに駆り出されちゃうし」
「そうなんだよ。だから、困っているんだよね」
アヤカはにっこりと笑いだした。その顔を見たときにかわいらしいと思った。という前に、この子のアバターは本人とそっくりなのだろうか。
「ねぇ、みんなアバターって、好みで作られるんだっけ?」
「いや、そういうわけではなくて、本人のアバターで行われるんだよ」
「えぇ――、そうなの。てっきり普通に自分で選べるかと思っていたのに」
「ということは、君はよくわからない場所に集められていないということかな?」
「どういうこと? 変な場所に集められるというのは?」
アヤカが言ったことが全く理解できない自分がいる。何のことだか、さっぱり。そして、俺はアヤカから今まであったことを話されるわけである。
こんにちは、喜村です。
少し遅くなってしまいましたが、更新ができました。すいません。ガリ勉とツンデレのほうにつきっきりだったもので。やっと、話が進み始めたって感じですね。今後も不定期になりますが、よろしくお願いします。