Before Days -case of DGP-   作:瑠和

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今回で最終回?もちっとだけ続くんじゃ。
どうでもいいけど、仮面ライダーガヴ面白すぎない?


慟哭Ⅳ:最後の戦い

「…………」

 

瑠和は、帰路についていた。だいぶ遅くなってしまった。彼方がいなくなった今、瑠和はどちらの家に帰ろうか、悩んでいた。

 

「お姉ちゃん………お姉ちゃん!!」

 

そこに、聞き覚えのある声が響いてきた。声の方を見ると、扱い過ぎで血がにじむ手で車いすを押す遥の姿が見えた。

 

「遥ちゃん…」

 

遥は道の先に瑠和の姿を確認すると急いで向かってきた。だが、道に落ちていた小石に躓き、車いすごと倒れてしまった。

 

だが、腕の力で瑠和の足元まで必死に這ってきた。

 

「瑠和さん!!!よかった!!無事だったんですね!?お姉ちゃんは!?瑠和さんもお姉ちゃんも帰ってこなくて……心配で」

 

「……………………………………」

 

「瑠和さん………?」

 

「…………彼方さんは………………死んだ」

 

「え…………嘘……………なに言って………………あは、アハハ、瑠和さん…なんでそんな」

 

「………………」

 

「え…………いあ…………いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」

 

遥は、絶叫の後に気絶した。

 

瑠和は遥に申し訳ないと思っていた。だけどもう、誰かを気にする余裕なんて瑠和にはなかった。もう帰って休みたかった。

 

涙も枯れた。ただ目に影を落とすことしかできなかった。

 

「…………」

 

 

 

―近江家―

 

 

 

瑠和は遥を車いすに乗せ、近江家まで帰ってきた。

 

まだ近江家の両親は帰ってきていない様だった。聞いた話では祖母が体調を崩し、両親はその世話に行っているとか。

 

(……………まぁ、騒がれるよりかいいか)

 

瑠和は遥を遥の部屋のベッドに寝かした。そして、瑠和は彼方の部屋を訪れた。

 

「…………彼方」

 

枯れたと思っていた涙は、再び瑠和の頬を伝う。もう失いたくないと思っていた大切な人。両親を失って、妹を失って、恋人を二回失った。

 

もう、何もかもどうでもよかった。

 

瑠和の心に残ったのは復讐の炎のみだった。

 

瑠和は彼方のベッドに倒れた。わずかに香る彼方の香りに包まれながら、瑠和は眠りについた。

 

 

 

◆◆

 

 

 

「う………」

 

どれくらい眠っていたのだろうか。

 

窓から差し込む日差しで瑠和は目を覚ました。

 

「…………」

 

時計を見るともう11時だった。

 

一晩眠って瑠和は少しだけ落ち着いた。ショックが抜けきったわけではない。だが、さすがに遥に申し訳ないと感じていた。

 

瑠和は起き上がり、遥の部屋に向かった。まだ居間も静かなところを見ると、遥もまだ部屋だろうか。そう思いながら、遥の部屋をノックした。

 

「遥ちゃん、起きてる?」

 

返事はない。

 

「昨日は、ごめん。急すぎたよね………ちゃんと説明したくて」

 

返事はやはりない。

 

「…………遥ちゃん…?」

 

ドアノブを掴んだ。

 

「入るよ?」

 

ぐっとドアを押すとドアが異常に重かった。

 

鍵が閉まっているのではない。

 

重いのだ。

 

「遥ちゃん?」

 

嫌な予感がした。

 

力任せにドアを押すと、ドアの隙間から、遥の腕がだらりと垂れてきた。

 

「っ!!」

 

僅かに開いた隙間から身体を入れ、ドアの前を見る。

 

そこには、ドアノブにどこかしらのコードをかけ、首を吊って自殺した遥の遺体があった。

 

「………………………」

 

まだ死臭がしないところを見ると、ついさっきのことだったのだろう。

 

「そりゃ…………………………………………………そっか」

 

自分も妹を失ったとき、同じようなことをした。予想できたことだ。

 

瑠和はわずかに開いた遥の瞼を閉じてやる。そして、まだ硬直していない身体を車いすに乗せ、瑠和は外に出た。

 

「……………」

 

 

―お台場海浜公園―

 

 

 

瑠和は遥を連れてお台場海浜の砂浜に来ていた。

 

「ここで、一緒にお散歩したよね……………せめて、思い出の場所で………眠ってて」

 

遥を人の目につきにくい木陰に置き、瑠和はその場を去った。

 

(この世界には、悲しみが多すぎた………だから……もう、終わりにしよう)

 

 

 

◆◆

 

 

 

―国際展示場 屋上ヘリポート―

 

昨日と同じ場所に、瑠和は足を運んだ。やはりそこには、Uと、リクが待っていた。

 

「……………さぁ、決着をつけよう!」

 

「……………ああ、そうだな。だが、その前に…………………U!!!」

 

瑠和はUに向けてデザイアカードを投げ渡した。そのデザイアカードには、願いが書かれていた。

 

「瑠和様……これは」

 

「それが俺の願いだ。叶えられるな?」

 

「………不可能であれば、書いた時点で却下されます」

 

「そうか………わかった」

 

もうそれ以上交わす言葉はなかった。二人はデザイアドライバーを装着し、バックルを取り出す。だが、昨日と少し違ったのは、瑠和が出したのはマグナムとニンジャバックルだった。

 

「………なに?」

 

「変身」

 

『ジャマト!ジャマトブースト!!』

 

『ニンジャアーンドマグナム!』

 

『『Ready……Fight』』

 

雨が、降り始めた。

 

「はぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

「だらあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

降り注ぐ雨を弾きながら、瑠和はマグナムシューターを連射しながらリクに迫っていった。リクも蔓の剣を生成し、マグナムシューターの弾丸を弾きながら瑠和へ接近していく。

 

「ふっ!」

 

「はぁ!」

 

リクは瑠和が振るったニンジャデュアラーを蔓の剣で受け、蹴りでニンジャデュアラーを弾く。体勢を崩した瑠和の背中へ肘を繰り出そうとしたが、体勢を崩しながらもこちらに向けられたマグナムシューターの銃口に気付き、一旦引いた。

 

瑠和が放った弾丸はリクをかすっただけだ。瑠和は崩された体勢から回転蹴りを放つがそれも躱された。

 

「おぉぉぉぉぉ!」

 

瑠和はさらに接近し、リクの腹部にマグナムシューターを押し付けて数発弾丸を発射した。

 

「ぐっ!このぉ!」

 

瑠和の攻撃に怯んだリクは腕から蔓を伸ばし、瑠和を拘束しようとする。

 

「っ!!」

 

瑠和は瞬時にニンジャデュアラーを手裏剣のように投げ、迫りくる蔓を切り落とし、それに追従するように走り出した。

 

「はぁぁ!!!」

 

「この!」

 

走りながら向けられたマグナムシューターをリクは蔓の剣で反らしたが、瑠和は即座に回りながら飛び、リクの顔面を蹴り飛ばした。

 

「うぁぁぁぁぁ!!!!」

 

よろけたリクに向けて瑠和は着地と同時に鳩尾に向けて蹴りを放った。さらに蹴り飛ばしたリクに向けて脚部のガンスリンガーから弾丸を放った。

 

「ぐぅ!!」

 

リクは吹っ飛ばされながらも空中で体勢を立て直し、着地した。

 

「なるほど………父の記憶から、もともとお前は戦闘能力に秀でていたように感じていたが……どうやらすべて吹っ切れて、覚醒したみたいだな」

 

「………お前を殺す」

 

瑠和は二つのバックルを起動させる。

 

『ニンジャ・マグナムヴィクトリー』

 

リクも蔓の剣を構える。

 

「はぁ!!」

 

瑠和がとびかかったがリクはすぐに蔓を伸ばして反撃した。だが、瑠和は蔓を受けた瞬間、ポンッという音と共に消えた。

 

「っ!そこか!!」

 

リクはすぐさま背後に剣を振った。瑠和は背後に迫っていたが再び煙と共に消える。

 

「…っ!」

 

「はぁぁぁ!!!」

 

瑠和はポンッという音と同時に上空からリクへ迫り、脚部ガンスリンガーと腰部にかけたマグナムシューターから強力な砲撃を放った。

 

「っ!!!」

 

砲撃を受けたリクは爆発したように見えたが、炎の中から蔓の鎧に守られたリクが現れた。

 

「さすがに、少し焦ったな………」

 

「………………殺す!!!!」

 

瑠和は走りながらマグナムとニンジャのバックルを投げ捨て、ゾンビを下半身にモンスターを上半身のスロットにセットして装備を変える。

 

「おぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

勢いをつけたモンスターでの拳は鎧で威力を減少できても内部に響く。

 

「ぐっ!」

 

「俺は!お前が憎い!!彼方を奪ったお前がぁぁぁ!!!」

 

「っ!」

 

「おぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

瑠和はさらに拳を振るうが、リクはその拳を掴んで両腕で抱え込む。

 

「いい拳だ!………いい憎しみが乗っている!!」

 

「なに…?」

 

「お前は俺が憎いようだが、俺も人類が憎い、お前は俺を倒すことが正義だと考えているようだが、俺とお前の憎しみに、何の違いがある!!」

 

「そんなもん知るかぁぁ!!」

 

瑠和は拘束を振りほどき、下半身のゾンビで攻撃する。

 

「テメェの願いなんざ知ったこっちゃねぇが、俺は世界から憎しみをなくす!!ジャマトだけの世界に!!!」

 

「ジャマトは俺が殺す!!皆殺す!!!」

 

『モンスター!ゾンビ!ヴィクトリー』

 

「だぁぁぁぁ!!!」

 

ゾンビの力で地面から墓石を出現させ、それでリクを囲む。

 

「!」

 

「おぉぉぉぉぉぉぉらぁぁぁぁぁあぁ!!」

 

そしてモンスターの拳で墓石ごとリクを殴り飛ばした。

 

「まだまだぁぁぁぁぁ!!」

 

さらに瑠和はモンスターとゾンビを解除し、ギガントとフィーバーをセットした。フィーバーは運よくブーストを引き当て、空中に吹っ飛んでるリクをギガントのアームで掴み、拘束する。

 

『ギガント・フィーバーヴィクトリー』

 

「はぁぁぁぁ!」

 

下半身のブーストを吹かせながらリクを蹴り飛ばした。リクは瓦礫へ突っ込み、瑠和は息を切らしながら地面へ着地した。

 

「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

「………………うあぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

瓦礫の中から、仮面の奥底から血を流したリクが立ちあがった。

 

「はぁ…………はぁ…………どうした、俺はまだ………生きているぞ」

 

『リボルブ・オン』

 

フィーバーのブーストとギガントを入れ替え、瑠和は一気にリクに接近した。

 

「だらぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

『ジャジャジャ・ストライク』

 

瑠和のブーストで加速をつけた拳と、リクの蔦を巻き付けた拳が交差する。しかし、リクの拳の方が、僅かに素早かった。

 

「がっ………」

 

リクの拳が、瑠和の顔面に命中しマスクが割れた。それほど強力な一撃に瑠和は意識を失いかけながら、ゆっくりと倒れる。

 

 

 

◆◆

 

 

 

「あぐっ」

 

どさっと倒れたのは、どことも知らない居心地のいい丘。

 

瑠和が倒れたのは、心地いい風の吹く丘に寝転がる彼方の上だった。

 

「………………彼方…?」

 

「お疲れ様、瑠和君」

 

「……………………俺は、死んだのか」

 

「かもね」

 

「…………」

 

さっきまで、命がけで戦っていたのが嘘のように、健やかな気分だった。ただ憎しみを背負って、悲しみをごまかすように拳を振っていた。

 

そうか。

 

もう全部終わったんだ。

 

それを理解した瞬間、瑠和は彼方の胸に顔を埋めて涙を流し始めた。

 

「あ………うあぁぁぁ………うわぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「………よしよし」

 

「彼方………彼方…俺は………俺はぁぁぁ…………」

 

「うん、うん、疲れたよね。お疲れ様。もう………無理しなくていいよ」

 

瑠和は子供のように、彼方の胸の中で泣きじゃくった。そんな瑠和を優しく撫でながら、彼方は尋ねてみる。

 

「…………もういいの?」

 

「…………もう、いいよ。俺には願いなんてない…………。このままあなたの胸の中で………いさせてくれ」

 

「そっか。それもいいかもね」

 

風が吹いた。

 

風に揺られる若草が、瑠和の手をくすぐる。

 

「………」

 

瑠和は己の手を見た。

 

血まみれだった。

 

敵の血か、己の血か、わからない汚れが。

 

「……………随分、汚れちゃったね」

 

「………ああ」

 

彼方はハンカチを取り出して、拳を拭いてやる。

 

「瑠和君に、こんな汚れは似合わないよ」

 

「…………もう、どうでもいいだろ」

 

「本当にそう思ってる?」

 

「……………」

 

彼方に聞かれ、瑠和は少し黙ってしまう。

 

「瑠和君は、憎しみのまま戦ってたのかな?」

 

「…………」

 

その、拳の血は、瑠和の血だった。

 

強く、強く、握りしめ過ぎた故に流れた血だった。

 

「どうしてこんなに強く握ってたのかな」

 

「………それは」

 

「本当に憎しみで……瑠和君は戦ってたのかな?」

 

瑠和はしきりに、相手が憎いと叫んでいた。だが、それは、本心だったのか?

 

答えは否だ。

 

「俺は、憎しみなんかで戦ってない………ただ、戦う理由が欲しかっただけだ………。ただ、悲しくて。ごまかしたかったんだ……戦うことで…」

 

「………」

 

彼方は微笑み、瑠和を抱きしめた。

 

「……………私が、消える前に言ったこと…覚えてる?」

 

「本当の………強さ」

 

「本当に強いっていうのは、力が強いってことじゃないよ。心が強いってことだと彼方ちゃんは思うな」

 

「…………心」

 

「誰だって、悪意や、善意はある。それで悲しいことが起きるのは当たり前だよ。でも、大事なのは、それを乗り越える力。それが、本当の強さじゃないかな」

 

「…………」

 

「少なくとも、その強さを持っているのが仮面ライダー………だと思うよ」

 

瑠和は少し俯いて考える。

 

「瑠和君がここにいたいって思うなら、それでいいと思うよもう、無理に苦しむ必要なんてないんだから」

 

「……………ごめんなさい。彼方さん」

 

瑠和は起き上がった。

 

「大事なことを、伝えなきゃいけない奴がいる。それに、俺は彼方さんだけじゃなくて、皆が笑ってる世界がいい」

 

「………瑠和君」

 

「俺は、俺の願いのために戦うよ」

 

瑠和は、微笑んだ。今までないくらい、すがすがしい笑顔で。その顔を見て彼方は少し驚いていたが、すぐに笑った。

 

「……………そっか、もう大丈夫だね」

 

彼方は再び瑠和の手を握った。

 

(その思いを胸に、君自身も、大切にしてあげてね)

 

 

 

◆◆

 

 

 

倒れかけた瑠和は思いっきり足を踏ん張らせた。仮面が割れた影響で瑠和の変身は解除される。

 

しかし、瑠和は彼方が握ってくれた手を強く握り、生身の拳で思いっきりリクを殴った。

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「ぐおっ!?」

 

リクはなぎり飛ばされ、少々後退した。

 

「はぁ…………はぁ………」

 

想定外の反撃を食らい、リクは動揺する。

 

「馬鹿な………なぜまだ倒れない!!」

 

瑠和は顔を上げ、拳を開く。

 

それと同時に、雨が止んだ。

 

「………………倒れたくないから………かな?なぁおいリク!お前の望みは!!」

 

「……………人類の滅亡。そして、悲しみの…………死のない世界だ」

 

「………………それじゃダメなんだ。死のない世界には憎しみも悲しみもない!!悲しみや、苦悩があるから!明日を願うんだ!!願いがあるんだ!」

 

瑠和の叫んだきれいごとに、リクは激昂する。

 

「俺を憎んでいるから、俺を倒したいんだろう!だったら世界に憎しみなんて必要ない!!!お前もそう思うだろ!!」

 

「ああ、そうだな。そうだ。俺もお前が憎い。世界が憎い………ああ、そうだ。憎しみはある。でも………どんな世界にでも必ず憎しみは生まれる」

 

「俺の世界には憎しみはなくなる」

 

「憎んで、憎しみのままに世界を壊す。それは、気持ちがいいんだろう。けどダメなんだ。それじゃ。憎しみを抑えて、乗り越えてこそ、人間は…成長するんだ!!!!お前の世界は誰もが望む理想かもしれない。けど、成長もなくなった世界は…………いずれ終わりを迎える」

 

「………やってみなくちゃわからない。俺は、憎しみを乗り越えるために、この戦いに勝利する」

 

「俺はお前の憎しみを受け止める!世界は壊させない!!絶対乗り越えられる!!!お前も!!仮面ライダーだろ!!」

 

「貴様の方が正しいっていうのなら、俺に勝って見せろ!!!」

 

リクは瑠和を殴りに行った。しかし、どこからともなく飛んできた侑が所持していたレアバックルが、リクの攻撃を妨げる。

 

「なに!?」

 

そしてレアバックルは、瑠和の手に渡った。

 

「…………みんな、力を貸してくれ」

 

次の瞬間、瑠和の持っていたレアバックルが輝き、灰色だったバックルは紅く、さらに侑の所持していたバックルは黒くなった。

 

『『ワンネスレイズバックル』』

 

そして、今まで無地だったカードには、それぞれ瑠和を中心に璃奈、彼方、嵐珠、しずく、ミア、果林が集合した絵柄が描かれたものと、侑を中心に歩夢、かすみ、愛、せつ菜、エマ、栞子が描かれたカードへと変貌した。

 

「行くぞ」

 

瑠和は二つのワンネスレイズバックルをデザイアドライバーに装填し、カードも装填する。

 

「何をするつもりだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「変身!!!」

 

リクが妨害しようと蔓を伸ばしたが、瑠和のまわりに出現した13人のライダーアイコンがそれを防ぎ、その後に瑠和の身体に張り付いていく。

 

『ALL AS ONE GYA-GO ONENESS』

 

『Ready……Fight!!!』

 

全身には、先ほどのライダーアイコンとは違うアイコンが全身に刻まれていた。翼や、羊、アンテナなどそれぞれのイメージにあったアイコンが刻まれ、背中には12色のマントがなびいている。

 

「なんだその姿は!!!」

 

「守りたいという願い………見捨てないという誓い…………お人好したちが託していった願いの形だ!!!」

 

瑠和はリクに歩み寄り、渾身の拳をお見舞いした。

 

「ぐぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

リクはとっさに蔓の鎧を纏ったが、それはいともたやすく破壊され、吹っ飛ばされた。

 

「馬鹿な…………そんな形状のライダーはありえない!!」

 

リクは蔓の剣を出現させ、瑠和に切りかかる。

 

『vanishing sword』

 

瑠和の手元に剣が召喚される。レイジングソードによく似ているが、刃の色が赤と黒の二色だ。

 

「はぁ!!」

 

リクが振り下ろした剣をバニシングソードで受け止め、地面に押さえつける。そしてがら空きの腹部に蹴りを入れた。

 

「ぐぁぁぁ!このぉぉぉ!!」

 

リクは一気にかなりの量の蔓を伸ばして反撃に出た。

 

「はぁぁぁぁぁ!!」

 

しかし瑠和はそれに臆することなく立ち向かい、伸びてくる蔓をバニシングソードで切り倒し、リクの前まで接近した。

 

「はぁぁぁぁ!!」

 

瑠和はリクを思いっきり切り上げ、上空へ吹っ飛ばした。

 

「ぐぉぉぉ!!」

 

「…………」

 

瑠和は少し間を開けてから、ワンネスレイズバックルを稼働させる。

 

『ワンネス・ヴィクトリー!!』

 

「はっ!!!」

 

瑠和は上空へ飛び上がると、先ほど切り上げたリクよりも高く、高く飛んだ。

 

雲を突き抜け、青空と太陽を背に受けながら下を向く。12個のアイコンがリクに向けて列を成すように出現し、瑠和はそのアイコンめがけてキックを放つ。

 

「おりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

12個のアイコンを通り、虹色に輝くキックをリクに食らわせた。

 

「っ!!」

 

リクは屋上ヘリポートを貫き、国際展示場の逆三角形の施設をも貫通し、その下の地面に叩きつけられた。

 

「あっ…………がはっ…」

 

瑠和はリクの開けた穴を通り、地面に降り立つ。瑠和が放った必殺技で、雲に穴が開いた。そこから差し込んできた光が瑠和を照らす。

 

「…………」

 

リクのドライバーは破壊され、IDコアもすでに粉々だった。

 

「………なぜ…だ。……………なぜ何もないおまえが…」

 

「そうだな。俺には何もない」

 

「…」

 

「でも、託されたんだ。みんなの願いを。希望の光を照らすのが、仮面ライダーなんだから」

 

「…………そうか」

 

(想いの強さ………か……………母さん、父さん…………ごめん)

 

リクはどこかスッキリした顔で消滅した。

 

その瞬間、鐘が鳴り響く。

 

勝者が決定し世界が作り替えられていくのだ。

 

「おめでとうございます。瑠和様。瑠和様の願いが叶いました」

 

「…………ああ」

 

瑠和が空を見上げると、そこにはキレイな虹がかかっていた。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

「おはよう!!歩夢!!」

 

「侑ちゃん!おはよう!」

 

ある朝、上原歩夢と高咲侑はいつも通りの時間に家を出て待ち合せをしていた。

 

「じゃあ、行こうか」

 

「うん!」

 

二人は仲良く話しながら学校へ向かう。大学ではない。そう、最後の決戦が行われた地。国際展示場改め、虹ヶ咲学園へ。

 

 

続く




現在の仮面ライダー

なし
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