Before Days -case of DGP-   作:瑠和

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せっかくのコミケなのでこれもあげときます。
いまキッチンカースタンプラリーやってますけど鬼畜過ぎません?あれ。


邂逅Ⅱ:始まりの戦い

ある日唐突に命を賭けたゲーム「デザイアグランプリ」に巻き込まれた一般人、天王寺瑠和と天王寺璃奈。第一回戦を終え、何とか生き残った二人は、自宅のソファに倒れていた。

 

「………理想の世界を叶える戦いか……」

 

「…」

 

これからどんな戦いがあるのだろう、どんな別れがあるのだろうという悩み、思いが渦巻いている間に二人はまどろみに落ちていった。

 

 

 

―翌日―

 

 

 

翌日の昼前に瑠和と璃奈は目を覚ます。よほど疲れていたのか、二人は随分長いこと眠っていた。

 

「……寝ちまってたのか」

 

「おはよう」

 

「ああ………もう昼過ぎだ……」

 

瑠和と璃奈は起き出し、各々シャワーを浴びたり洗濯をしたりと昨日出来なかったことをやった。一通り家事終わらせ、身だしなみを整えると瑠和は昼食を買いに出掛けた。

 

「はぁ、なんかまだ現実味ねぇな……でもま、とりあえずやれることをやれるだけ…」

 

あまり料理をする気にもなれず、瑠和は普段は利用しない弁当屋を利用することにした。

 

「いらっしゃいませ~」

 

瑠和は店に入ると、さっそくカウンター上にあるメニューを見る。しかし、初めてきた店なので何がいいかはわからない。瑠和は適当におススメでも聞こうかと思った。

 

「あ~っと、なにがいいかな。あ、そうだ。店員さん。オススメ…は…」

 

瑠和がメニューから店員の方へ顔を向けると、そこには見知った顔がいた。

 

「君……」

 

「あんた……デザグラにいた…」

 

 

 

―喫茶店―

 

 

 

瑠和は昼食を済ますと、喫茶店に来た。喫茶店のテラス席にはすでにさっき弁当屋で会った女性が座っていた。

 

この女性、先のデザグラで瑠和に色々と忠告をくれた女性だ。瑠和は話かしたいと言って会う約束を取り付けていたのだ。

 

「お待たせしました」

 

「ううん、大丈夫。まだ来たばっかりだから」

 

「すいません。オレンジジュース」

 

瑠和も女性の前に座る。

 

「お弁当、おいしかったですよ。えっと………近江…彼方さん?」

 

瑠和はスパイダーフォンでこの女性の名前を調べた近江彼方というらしい。変身している仮面ライダーは「ランビー」。モチーフは羊のようだ。

 

「それで?君は私に何を聞きたいのかな?天王寺………瑠和君?」

 

「なんつーかな………聞きたいことっていうか、あの戦いに参加してる人間として、いろいろ話せたらなって」

 

瑠和は特に話したいことは決まっていなかったが、同じ境遇の人間と一度話してみたかったのだ。

 

「ん~?不思議な子だねぇ。君は」

 

「そうでしょうか…………そういえば、ありがとうございます。この間は助けてくれて」

 

「ん~?気づかれちゃってかぁ。まぁちょっとしたおせっかい」

 

瑠和が親分ジャマトの投げた斧の爆発でやられそうになった際、爆発の後には木の棒しか現場になかった。彼方がシノビバックルの身代わりの術で助けたのだ。

 

「なんにせよ、助かりました、ありがとうございます……………近江さんはどう思います?あの戦い」

 

「デザグラのこと?まぁ、悪くないんじゃないかな?理想の世界が叶うなら命を懸けるのも仕方ないと思うし。私は私の理想のために戦うだけだよ」

 

「…………なんで、そんなふうに割り切れるんですか?」

 

「戦わなきゃ世界を変えられない。だったら、戦うしかないんじゃないかな……」

 

「…………近江さんの願いって何なんですか?」

 

瑠和が訪ねると彼方は少し深刻そうな顔をした。

 

「私、妹がいてね。遥ちゃんっていうんだけど……スクールアイドル目指してたんだけど……」

 

スクールアイドル。瑠和はその単語になんとなく聞き覚えがあった。たしか学校でアイドル活動を行う部活だと聞いた覚えがある。全国大会もあるとかなんとか。

 

「高校に上がった直後に事故にあっちゃってね。下半身不随になっちゃったんだ」

 

「………そうだったんですか」

 

「遥ちゃん、とっても明るくていい子だったのに…事故の後からまるで別人になっちゃって………」

 

彼方は遥がどのように変わったかは言わなかったが、その話の流れから大体察しがつく。瑠和は理想の世界という単語に、なぜか自分のための貪欲な願いばかり想像してしまっていた。

 

だが、彼方はそうではなかった。自分ではなく、妹のための理想の世界を叶えようとしていたのだ。

 

そしてそれはきっと、彼方だけではない。

 

「…………そういえば、君の願いは決まったの?」

 

「…………まだです」

 

「……そう」

 

彼方はそれを聞くと少し笑ってコップの中身を飲み干し、荷物をもって立ち上がった。

 

「早く見つかるといいね。君の願い」

 

それを伝えると、彼方は伝票を持って去って行ってしまった。ちょうど彼方が去っていったところで瑠和の注文したオレンジジュースが届く。

 

「お待たせいたしました」

 

「………………………どうも」

 

何とも言えない気分で瑠和はオレンジジュースを飲む。

 

「………俺は」

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

―数日後―

 

数日経つと、瑠和たちはデザグラに召集された。

 

「皆様、ジャマーエリアが出現しました。今回のゲームは、収穫ゲーム!」

 

「収穫ゲーム?」

 

「はい。ステージに存在する特別な木には特別な果実が成ります。その果実を集め、この収獲ボックスに40個貯めるとスペシャルアイテムが手に入ります!そのアイテムを使ってジャマーエリア内のボスを倒してください!」

 

「そのボスっていうのはこれとかじゃ倒せないの」

 

一人の少女が質問する。その少女は前回のゲームで先陣を切った少女だった。瑠和はスパイダーフォンで名前を調べる。少女の名前は鐘嵐珠。変身する仮面ライダーの方は犬がモチーフのレートリバーという名前だ。

 

嵐珠の手にはモンスターレイズバックルがもたれていた。

 

「倒せなくありませんが、それはとても難しいかと」

 

「ふぅん………ならまぁ、さっさと始めましょ」

 

「ジャマトも果実を求めて襲来します。ちなみに、この果実をジャマトが食べると狂暴性が増しますのでご注意ください。ほかにご質問がなければ始めます」

 

瑠和たちはジャマーエリアに転送された。

 

「さて、行きますか」

 

転送させられた仮面ライダーたちは各々行動を開始する。瑠和は再び璃奈としずくと行動を一緒にする。

 

「しずくちゃん、これ持ってな」

 

瑠和はアローレイズバックルをしずくに渡した。

 

「え?いいんですか?」

 

「こっちは俺が使うよ」

 

瑠和は代わりにウォーターレイズバックルをしずくから受け取った。好戦的でないしずくと璃奈が後方支援。基本前に出る瑠和が前衛というような形で行動することに決めた。

 

「さて………果物は…」

 

「特別な木ってどんな木なんでしょう」

 

辺りを適当に探っていると、幹も葉も全部青色の木が生えていた。明らかに自然界にないような木だ。

 

「これか」

 

「お兄ちゃん」

 

さっそく木から果実を取ろうとしたが、前方からジャマトが数体来ているのが見えた璃奈が指をさす。瑠和は小さくため息をついてからレイズバックルを構えた。

 

「お客様だ。行くぞ二人とも」

 

「うん」

 

「はい」

 

「「「変身!!」」」

 

『アームド・ウォーター』

 

『アームド・アロー』

 

『マグナム』

 

『『『Ready fight』』』

 

 

 

―別地点―

 

 

 

「これが例の果実ね」

 

別地点ではとある人物が瑠和たちと同じく青い木を見つけていた。女性の名前は朝香果林。変身しているライダーのモデルは青い狐。ライダーの名前は「キュービー」だ。

 

「あ、あの」

 

果林が果実を収穫していると、一人の人物が話しかけてきた。赤い髪の毛にかわいらしいそばかすがある少女。名前をエマ・ヴェルデという。変身するライダーはヤギがモチーフの「ライズ」だ。

 

「なにかしら?」

 

「あの、実は、一人じゃ不安で………よかったら一緒に探索してくれませんか?」

 

「………あなた、わかってるの?これ、願いを叶えられるのは一人だけよ?」

 

「でも、今回のゲームは一緒にやった方がいいと思って」

 

「…………勝手にすれば」

 

果林はエマの申し出を冷たくあしらって去ろうとしたが、その行く手をジャマトに阻まれる。果林は小さくため息をついてから果実の入ったバッグを置き、クローレイズバックルを取り出す。

 

いざ変身しようとしたその時、隣にエマも来た。

 

「あなた……」

 

「勝手にさせてもらいますね。朝香……さん?」

 

「……果林でいいわよ」

 

その言葉に果林は少しだけうれしそうな顔をしてクローレイズバックルをベルトにセットした。エマもドリルレイズバックルをセットする。

 

「「変身」」

 

『アームド・クロー』

 

『アームド・ドリル』

 

『『Ready fight』』

 

「はぁ!」

 

「やぁぁぁ!」

 

果林は軽快な身のこなしで敵の攻撃を躱しながら切り付け、エマはドリルを構えてまっすぐに突き進んでいく。

 

「思ったより……はっ!力強い戦い方ね」

 

「果林さんの戦いかたは華麗だねぇ!」

 

そういいながらエマはジャマトを持ち上げ、周りのジャマトに投げつけた。果林に話しかけたときのオドオドしたヨスはどこへやら、かなりのストロングスタイルで戦うエマに果林は苦笑いを浮かべる。

 

 

 

―別地点―

 

 

 

さらにまた別地点。ここでは一人の少女が逃げ回っていた。逃げているのは中須かすみ。変身するライダーは狸がモチーフの「ラグーン」。

 

現在は彼女はジャマトから逃げ回っている。かすみが持っているレイズバックルはシールドであり、混戦状態ならともかく、一人で複数のジャマトを相手取るのは難しかったのだ。

 

「ひぃぃぃ!もう!何なんですかぁ!なんでかすみんばっかりぃ!」

 

叫びながらドラム缶や木の板を倒したりして逃げ回っていた。しかし、そんな逃げ方がいつまでも持つはずもなく路地裏に追い詰められてしまう。

 

「お、お助けぇ……」

 

「伏せて!」

 

絶体絶命のピンチに、誰かの叫び声がした。かすみはすぐに両手で頭を抱えながらその場に伏せる。

 

『DEPLOYED POWERED SYSTEM・GIGANT BLASTER』

 

かすみが伏せた瞬間、二人のライダーがビルから降り立ち、ジャマトに向けてガトリングを掃射する。ジャマトはそれを受けて全滅した。

 

「大丈夫ですか?ええと、中須かすみさん?」

 

かすみを助けた人物が変身を解除して手を差しのべた。かすみが恐る恐る顔をあげるとピンクの髪でお団子を作った少女と、毛先が緑の髪でツインテールの少女がいた。蛇がモチーフのライダー「サスケ」に変身する上原歩夢と鹿がモチーフのライダー「シーカー」に変身する高咲侑だった。

 

「うぇぇ!助かりましたぁ~!」

 

かすみは侑に泣きつく。

 

「わっとと……」

 

「追われてるのが見えたから。無事でよかったよ」

 

歩夢が泣いてるかすみにハンカチを渡しながら言った。

 

「ありがとうございますぅ~」

 

 

 

―別地点―

 

 

 

「さて、ここが大物みたいね」

 

ジャマーエリアの中心部。そこには巨大な青色の木が生えていた。そこには他の木に比べ、倍ほど果実がなっている。そしてその木を最初に見つけたのは嵐珠だった。

 

「ジャジャ」

 

「ジャ」

 

多くの果実がなるため、その木の場所にはジャマトも大量に集まってきていた。

 

「まぁ、これだけ大きいと敵も集まってくるわよね」

 

嵐珠はモンスターレイズバックルを構えて変身しようとした。そこにほかのライダーがやってくる。

 

「お、やる気十分だねぇ」

 

「?」

 

振り返るとそこには金髪の少女が立っていた。豹がモチーフのライダー「クーガー」に変身する宮下愛だ。

 

「愛さんも手伝っていい?」

 

「………別にいいけど、嵐珠の足を引っ張らないでよね」

 

「もっちろん!」

 

愛はフィーバースロットレイズバックルを取り出し、嵐珠と共に変身する。

 

「「変身!」」

 

『モンスター!!』

 

『フィーバー!モンスター!』

 

「お、お揃いだねぇ!」

 

「口より手を動かしなさい」

 

「りょーかい!」

 

二人はジャマトに向かっていく。嵐珠と愛は各々の戦闘センスでジャマトを次々と殴り飛ばしていく。ポーンジャマトが相手であれば二人の敵ではない。それほどに二人の戦闘センスは高かった。

 

「そういえばランジュってさぁ、香港とかで有名なスターだよね!テレビで見たことあるよ!」

 

愛はジャマトを殴り飛ばしながら尋ねた。

 

「………そ。まぁ、知っててもらってうれしいわ」

 

嵐珠はそれに答えながらジャマトを殴り飛ばす。そして、急に拳を構えて愛の方へ歩いてくる。

 

「え?ちょちょちょちょ!」

 

嵐珠は思いっきり拳を振ったが、その拳は愛の顔の真横を通り抜ける。そして愛の真後ろに迫っていたジャマトに当たった。

 

「ジャァ!!!」

 

「さっきも言ったけど、口より手を動かしなさい。これ以上足手まといになるなら、敵と一緒に消し飛ばすわよ」

 

「あっはは、ごめんごめん」

 

「…」

 

 

 

―別地点―

 

 

 

また別地点ではジャマーエリアに巻き込まれた一般人がジャマトに襲われていた。その現場にミア・テイラーが到着する。

 

「一般人も巻き込まれてるなんて、聞いてないぞ!」

 

ミアが変身して一般人を助けようとした瞬間、建物の上から大きな声が響く。

 

「そこまでです!」

 

「!?」

 

その声に一般人も、一般人を襲っていたジャマトも声の方を見る。

 

「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ!悪を倒せと私を呼ぶ!仮面ライダーダパーン!見参!!」

 

建物の上にはパンダがモチーフのライダー「ダパーン」が立っていた。変身しているのは優木せつ菜という少女だ。

 

「……………」

 

「……………」

 

「……………」

 

「とう!!」

 

ミア、ジャマト、一般人全員が呆然とダパーンを見ていた。せつ菜はそんな空気も気にすることなく建物から飛び降りる。

 

「あれ?」

 

しかし、着地と同時に足を滑らせてゴミ捨て場に突っ込んでしまった。

 

「……………」

 

「……………」

 

「……………」

 

「あれ!急に目の前が真っ暗に!あれ!?ええ!?」

 

せつ菜は頭にゴミ箱がハマり、抜けなくなっていた。ダパーンの頭は他のライダーに比べて大きく、ハマりやすかったのだ。その様子にジャマトもあきれ返り、再び一般人を襲い始めた。

 

「ああもう!何やってんだよ!!変身!!」

 

『ゾンビィ!!』

 

ミアはウサギがモチーフのライダー「リープ」に変身し、ゾンビブレイカーでジャマトを蹴散らしていく。ついでにせつ菜の頭にハマっていたゴミ箱を切り裂いた。

 

「おお、前が見えました!ありがとうございます!」

 

「いいからさっさと戦ってよ!」

 

「はい!任せてください!うおりゃぁぁぁ!!」

 

 

 

―別地点―

 

 

 

「…………」

 

各地で戦闘が勃発している。その様子をとある少女がビルの屋上から見ていた。サーベルタイガーがモチーフの「スミロ」に変身する三船栞子だ。

 

「こんなところで何してるの?」

 

背後から声をかけられる。振り返るとそこには彼方がいた。

 

「そういうあなたこそ」

 

「あなたのことが気になっちゃってね。三船栞子ちゃん?妙に落ち着いてるから、この戦い、もしかして初めてじゃない?」

 

「さぁ、どうでしょう」

 

栞子ははぐらかした。

 

「………あなたの願いってなぁに?」

 

彼方の問いかけに栞子は少し考えている様子だった。

 

「…………誰もが、適正に応じた世界です」

 

「適性?」

 

「ええ、自分に合わないことをやって傷つくくらいなら、自分に合うことだけやって生きていけばいい。私はそう思います」

 

「ふーん………」

 

「ジャジャジャ」

 

しばらくその場にとどまっていると、ジャマトが現れた。

 

「おんやぁ?ここには果実はないはずだけど?」

 

「先ほど果実を一つ絞ってこのへんにばらまいておきました。その匂いにつられたのかと」

 

栞子が指さした場所には確かに果実の破片や何か液体を垂らしたような跡がある。このゲームは敵をすべて倒すのが目的ではない。なのにわざわざ敵をおびき寄せる理由がわからなかった。

 

彼方は少し考えるとふと思い当たることがあった。

 

「……彼方ちゃんさっきこの辺り見てるときに保育園の近くに果実がなってる木が生えてるの見かけたけど………ひょっとしてそっちに行かないため?」

 

「………どうでしょうね。変身」

 

『ニンジャ!』

 

「……素直じゃないねぇ。変身」

 

『シノビ!』

 

『『Ready fight』』

 

 

 

―瑠和・璃奈・しずくグループ―

 

 

 

「おらぁぁぁぁ!!」

 

瑠和は相変わらずレイズウォーターをこん棒代わりに大暴れしていた。その後ろではしずくと璃奈がアローとマグナムで援護をしている。しかし、発生するジャマトが多く、瑠和も少し追い詰められ気味だ。

 

「さすがに多い!」

 

「でも、食べられちゃったらジャマトが強くなるんですよね!?だったら逃げるわけにも…」

 

「ああもう!やってやるよ!」

 

「………」

 

璃奈はあたりの様子を見て少し考える。

 

「しずくちゃん、アロー貸して」

 

「え?」

 

「代わりにマグナムを貸すから、私に協力してほしい!」

 

「う、うん!」

 

「お兄ちゃん!あと5分………3分だけ、私たちの援護なしで木の周りに敵を近づけないようにすることできる!?」

 

固いとは言えこん棒程度の武器しか持っていない瑠和にとってそこそこの数のジャマトを同時に相手取るのは少し難しい話だ。しかし、璃奈は頼むしかなかった。

 

瑠和は少し固まるが、レイズウォーターを肩に担いで少しため息をつく。

 

「………まったく…雨あられの中、傘代わりになれなんて……我が妹ながら無理難題言ってくれるねぇ」

 

「……」

 

瑠和は璃奈を見ながら言った。瑠和の対応は少し苦い対応であり、璃奈はどうかと思ったが接近してきたジャマトを瑠和はノールックで殴り飛ばした。

 

「4分稼いでやる。だから、頼むぞ璃奈!!」

 

瑠和は無理難題を引き受けてくれた。璃奈はしずくにマグナムレイズバックルを渡し、しずくはアローレイズバックルを渡す。

 

「しずくちゃん、時間かかってもいい。それであの木の実を打ち落として!私が木の下で回収する!」

 

「……わかった」

 

璃奈はレイズアローを構えて木の下へ向かう。しずくもマグナムフォームに変身し、マグナムシューター40Xをライフルモードにして果実を狙う。狙撃に自信なんてないが璃奈はわざわざ危険な役目を買って出てくれたのだ。やるしかない。

 

「はぁ!」

 

第一射目を放つが外れる。

 

「あっ!」

 

「大丈夫!私は大丈夫だから、ゆっくり、落ち着いて狙って!」

 

璃奈はレイズアローで近づいてくるジャマトを追い払う。瑠和が大体を引き受けているとはいえやはり漏れは発生する。

 

(…………大丈夫。ゆっくり、落ち着いて)

 

深呼吸をし、再びスコープを覗く。

 

「果実と枝の間………」

 

心臓の鼓動が高鳴りながら震える指でトリガーに指をかける。しかし、責任は自分だけのものではない。みんな一緒に戦っている。そう思うと不思議と指の震えが止まった。

 

「そこ!」

 

澄んだ心で狙った果実は見事打ち落とされ、それを璃奈が下でキャッチした。

 

「あと四つ!」

 

コツを掴んだしずくはそのまま残りの果実も一気に打ち落とす。

 

全ての果実を回収した璃奈のところに瑠和が吹っ飛ばされてきた。

 

「お兄ちゃん!」

 

「悪い!限界だ!」

 

「大丈夫!果実はゲットした。撤退しよう!」

 

「私がしんがりを務めます!お二人とも急いで!」

 

瑠和たちは何とかジャマトの群れから逃げ出し、果実を回収箱に入れた。回収箱の上に表示されているカウントが5増えた。

 

「これがあと35個必要みたいだが…」

 

「とりあえず新しい木を見つけに行こう。ジャマトに取られる前に」

 

『Secret mission clear』

 

次の木を見つけようとしたとき、何かしらのミッションを達成したらしく瑠和の前にミッションボックスが出現した。

 

スパイダーフォンを確認すると『2人以上と協力して果実を最初に納品する』と書かれていた

 

「お、なんかいいもんが出るといいんだが………」

 

ミッションボックスを開けると、中にはカードが一枚入っており、灰色の特徴がないレイズバックルも入っていた。

 

「なんだこれ。カード?」

 

一緒に入っていたカードは、なにも書いていないカードでありレイズバックルではないらしい。

 

「何に使えってんだ………」

 

「とにかく今は急ごう」

 

「そうですね。一般の方も襲われているみたいですし」

 

三人は新しく果実を探しに行った。

 

 

 

―嵐珠・愛グループ―

 

 

 

嵐珠と愛の活躍により、中央の木の回りにいたジャマトは掃討された。

 

「ふぅ…こんなもんかな」

 

「そうね…………あラ?」

 

果実を回収しようとふと上を見上げると、なにかが飛んでいるのが見えた。虫にしては大きく、鳥にしてはスマートなシルエットだ。

 

「あれって………」

 

「虫……じゃないよね?」

 

嵐珠はスパイダーフォンを取り出し、カメラを起動させた。カメラでズームしてみるとそれが羽の生えたジャマトであるのが分かった。しかも並みのジャマトではなく異形の形をしている。

 

「ジャマト!?」

 

「もしかして!あれがボス!?」

 

「………このっ!」

 

『モンスターストライク!!』

 

嵐珠は拳にエネルギーを貯め、それをジャマトに向けて放つ。拳型のエネルギーがジャマトに向かっていったがジャマトはそれを簡単によけた。

 

「簡単には倒せないってそういうこと……」

 

「あ、ジャマトが……」

 

ジャマトは果実に取り付き、それを食し始めた。

 

「そういえば………ジャマトが果実食べると狂暴化するって………」

 

「っ!はぁ!!」

 

嵐珠はすぐさま木を殴り、一気に果実を落としたがすでに遅かった。果実を食べたジャマトは巨大化し、人間台の大きさになった。

 

「あなた!果実を持っていきなさい!このボスは嵐珠が仕留めるわ」

 

「う、うん!無理しないでね!」

 

愛は慌てて果実を拾い集めて回収場所に走った。

 

「…………」

 

「ジャ……」

 

嵐珠とボスジャマトは向き合う。嵐珠が殴ったことで落ちてきた木の葉が地面に着いた瞬間、嵐珠とボスジャマトは走り出す。

 

「はぁぁぁぁ!!!」

 

嵐珠が渾身の一撃をジャマトにぶつけるが、まるで効いていない様子だった。

 

「你一定在开玩笑……」

 

「ケビラサキョラサ!」

 

ボスジャマトは嵐珠の腕を弾き、腕を嵐珠の身体に押しあてる。ボスジャマトの腕にエネルギーが溜まり、それが炸裂すると嵐珠は近くの建物を貫くほど吹っ飛ばされた。

 

「あ………ぐぅ…」

 

嵐珠は壁を支えにしながら何とか立ち上がり、再び構える。再度接近して拳を振るうが嵐珠の攻撃は簡単に受け流され、反撃を食らう。

 

「あがっ!このぉ!!」

 

さらに2発、3発と拳を食らわせたがボスジャマトは微動だにしない。ボスジャマトは嵐珠の腕を掴み、ぎりぎりと力を込めてひねり上げる。

 

「くぅぅ……」

 

「クバエインチャ」

 

「っ!」

 

 

 

―収集所―

 

 

 

「はぁ、はぁ………」

 

愛がジャマトの包囲網を潜り抜け、何とか収集所に着くとそこにはすでにほとんどのライダーが集まっていた。

 

「あと来てないのは嵐珠さんと、ミアさんとせつ菜さん…みんな無事だといいけど」

 

侑が残りのメンバーの安否を心配していた。果実のカウントは現在24。Uの説明によればあと16個集まればアイテムが手に入る。

 

「無事?むしろ脱落してくれるのを願うべきなんじゃない?願いをかなえられるのは一人だけなんだから」

 

侑の言葉に果林が返した。

 

「………だけど」

 

「おーい!だれかー!」

 

そこに聞き覚えのある声が聞こえた。

 

「ミアさんだ!」

 

声の方向に走っていくと、ミアとせつ菜が嵐珠を担いで戻ってきていた。

 

「ランジュ!!」

 

「こいつ、ボスジャマトにやられて……ひどいケガなんだ!」

 

「そんな………」

 

ランジュは意識を失うほどボロボロになっていた。デザグラのルールでは病や負傷により参加が不能とみなされた場合、強制的にリタイアとなるがそうなっていないところをみるとまだ戦えるようだが見た目の怪我はかなり大きい。

 

「大丈夫!?」

 

「命に別状はないようですが………」

 

嵐珠は回収箱の近くに寄りかかるように座らされる。

 

「トドメさされる寸前で、僕らが間に入ったから何とか回収できたけど………一人でボスに挑むなんて無謀だよ全く」

 

「………嵐珠さん……」

 

 

 

続く




現在の仮面ライダー

天王寺瑠和 職業:公務員
モチーフ・猫/仮面ライダーギャーゴ
願い・未定
所持バックル・ウォーター

天王寺璃奈 職業:高校生
モチーフ・猫/仮面ライダーリーニャ
願い・???
所持バックル・マグナム

朝香果林 職業:モデル
モチーフ・狐/仮面ライダーキュービー
願い・???
所持バックル・クロー

近江彼方 職業:弁当屋
モチーフ・羊/仮面ライダーランビー
願い・遥ちゃんがスクールアイドルができている世界
所持バックル・シノビ

宮下愛 職業:デザイナー
モチーフ・豹/仮面ライダークーガー
願い・???
所持バックル・フィーバースロット

中須かすみ 職業:高校生
モチーフ・狸/仮面ライダーラグーン
願い・???
所持バックル・シールド

桜坂しずく 職業:高校生
モチーフ・くま/仮面ライダーマック
願い・???
所持バックル・アロー

鐘嵐珠 職業:スター(女優、タレント)
モチーフ・犬/仮面ライダーレートリバー    
願い・???
所持バックル・モンスター

ミア・テイラー 職業:作曲家
モチーフ・ウサギ/仮面ライダーリープ
願い・???
所持バックル・ゾンビ

エマ・ヴェルデ 職業:農家
モチーフ・山羊/仮面ライダーライズ
願い・???
所持バックル・ドリル

優木せつ菜 職業:浪人生
モチーフ・パンダ/仮面ライダーダパーン
願い・???
所持バックル・ハンマー

高咲侑 職業:大学生
モチーフ・鹿/仮面ライダーシーカー
願い・???
所持バックル・パワードビルダー・ギガントコンテナ

上原歩夢 職業:大学生
モチーフ・蛇/仮面ライダーサスケ
願い・???
所持バックル・チェーンアレイ

三船栞子 職業:高校生
モチーフ・サーベルタイガー/仮面ライダースミロ
願い・誰もが適正に応じた人生をおくれる世界
所持バックル・ニンジャ
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