Before Days -case of DGP-   作:瑠和

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三か月ぶりです。ここからブーストかけていけたらな。いま別で進めてるアイマスの作品ももう終わります。


謀略Ⅰ:2つの巨塔

これはライダー側が最後の得点を決めたゲームが始まってすぐの時だ。

 

辺りのポーンジャマトを倒していた果林の前に、黒いコートを着た一人の青年が現れた。果林は一般人が迷い込んできたのかと思い慌てて駆け寄る。

 

「そこの君、ここはあぶないわよ!」

 

「お初にお目にかかります。朝香果林さん。僕の名前はアリナ。しがない花屋です」

 

青年がゆっくりと礼をしたこと、そして自分の名前を呼んだことに対して足を止めた。

 

「アリナ…………?」

 

「あなたに恨みございませんが………ここで死んでいただこうと思いまして」

 

そう言ってアリナはデザイアドライバーを取り出した。果林は急に警戒心を上げてビートアックスを構える。

 

「っ!」

 

「変身」

 

『ジャマト!』

 

アリナはジャマトライダーに変身しした。異形の仮面ライダーの姿に果林は一瞬怖気づくがそれ以上に気になったことがあった。

 

アリナの変身に使ったベルト。そこに装填されていたIDコアに見覚えがあったのだ。

 

「………ねぇ。あなた。そのIDコア……どこで手に入れたの?」

 

アリナの使っているIDコア。それはヒビの入ったパンダ柄のIDコアだった。

 

見間違えるはずもない。せつ菜の使っていたIDコアである。

 

「これですか?………さぁ、どうでしたかね」

 

「だったら力づくで聞いてあげるわ!!」

 

果林はビートアックスを構えてアリナの方へ飛んだ。

 

「はぁぁぁぁ!!」

 

アリナは果林の切り下ろしを軽く腕で防御し、カウンターの回し蹴りを食らわせる。思ったよりも強力な蹴りで、果林は吹っ飛ばされて膝をつく。

 

「ぐっ!」

 

「ずいぶんとうちの子を可愛がってくれましたね」

 

「うちの子…子供に手を出した覚えはないけど?」

 

「ジャマトのことですよ。僕は、「ファーム」の者ですから」

 

刹那、果林は少し前の栞子と薫子の会話を思い出す。

 

(でも、あんまり数が減らないのも問題ね。ファームの方からクレームが来る)

 

薫子が言っていた「ファーム」。それについて栞子に尋ねたとき薫子に止められたが止められた理由は多分これだと果林は直感した。

 

ジャマトを育てるためのファーム。そんなものが存在し、デザグラの上層部はそことつながっている。

 

何が世界を救うゲームか。

 

何が目的かわからないが少なくとも自分たちは利用されているだけだ。そのことに気づいた果林は、憤りを感じた。

 

騙されていたことにではない。

 

あんなに寂しそうに消えていった嵐珠と苦しいのを我慢して消えたせつ菜。二人の生きざまは何だったのかと。そのことに怒りを感じていたのだ。

 

「ふ………ふふっ」

 

「なにか、おかしかったですか?」

 

「いえ?あなた、要はジャマトの親玉ってことよね?だったら、あなたさえ倒せればこの戦い、勝ったも同然じゃない」

 

果林はブーストバックルを取り出した。先日栞子に襲われた際にこっそり懐に入れておいたのだ。

 

「そう簡単に倒せるとでも?」

 

『SET』

 

「やってみなきゃわからないでしょう?」

 

『ビート!アーンド!ブースト!Ready fight』

 

「はぁぁぁぁ!!」

 

下半身に鐘着したブーストで加速し、果林は飛び膝蹴りを食らわせた。顔面に食らわせたと思った攻撃は住んでのところで腕にガードされた。

 

だが果林はすぐにアリナの頭を掴み、アリナの頭の上で逆立ちをするような姿勢を取ってそのまま一気にブーストで加速させた足を現直のみぞおちに食らわせた。

 

さすがにそれでアリナも吹っ飛んだが拳を地面にたたきつけ、ブレーキをかける。そして逆の腕を地面にたたきつけるとそこから巨大な蔦がうねりながらを襲ってきた。

 

(何度も私たちを妨害してきた蔦はこいつがっ!)

 

『ROCK FIRE』

 

果林はすぐさまビートアックスを持ち替えてビートを奏でた。そして炎をまとわせたビートアックスから斬撃を飛ばして蔦を切り裂いたが、その先にアリナはいない。

 

「!?」

 

次の瞬間、果林の背後の地面から巨大なつぼみのようなものが出現し、その中から現直が飛び出してきた。

 

「はっ!」

 

『ジャジャジャ・ストライク!』

 

攻撃の寸前、アリナはドライバーにセットされた「ジャマトバックル」を押し込み、必殺技を繰り出す。アリナの腕に蔦がドリルのように巻き付き、それを果林の胸に突き立てた。果林はすさまじい衝撃とともに壁叩きつけられる。

 

「がっ……」

 

果林はその場に倒れる。アリナは小さなため息をついてから果林に近づき、目の前にしゃがむ。

 

「何度も戦場を乗り越えてきた猛者ならともかく、たかがモデルが私に勝つなんて、不可能ですよ」

 

「…………そうやって……」

 

「?」

 

「そうやって見下してばかりいると、大事なことを見落とすわよ」

 

『METAL THUNDER』

 

「馬鹿っ…………なっ!」

 

アリナと果林がいる場所に強力な落雷が落ちる。果林が吹っ飛ばされたと同時にビートアックスのエレメンタドラムを二回たたき、果林がいる場所に落雷が落ちるようにしていたのだ。

 

だが、その落雷は果林も食らう。おまけにブーストバックルの力でかなり威力が上がっている。アリナもモロにそれを食らい、ただでは済んでいなかった

 

「ぐっはぁぁ………信じられない!自爆覚悟の攻撃なんてっ!これだから……人間はァァ!!」

 

アリナは八つ当たりのように拳を振るいあげ、地面を叩いて蔦を大量に伸ばす。果林は倒れた状態でその蔦を食らい、空中に浮かされた。しかし、果林は吹っ飛ばされたというのに妖しく笑った。

 

「思ったより人間らしいところあるじゃない」

 

『FUNK BLIZZARD』

 

空中で身体をひねり、エレメンタドラムを三回叩き冷気をまとった斬撃を蔦に飛ばす。蔦は完全に凍り付き、果林はそれをビートアックスで叩き壊してアリナに迫った。

 

『ビート・ストライク』

 

「なっ!」

 

「人間!なめんじゃないわよ!!!」

 

果林の強力な拳がアリナの顔面に当たった。アリナは瓦礫に突っ込んでいったが果林はその一撃を放った後すぐにその場に倒れる。

 

さっきの一撃で果林はすでに瀕死だった。おまけに自身で当てた落雷と蔦の攻撃でいつ倒れてもおかしくなかった。だが胸に灯った想い一つで全力で食らいついたのだ。

 

「………ははっ。どうやらそう長くはもたないみたいですね。まだ僕には仕事があるので……せいぜいそこで苦しんで退場してください…」

 

アリナは勝ち誇った顔で去っていく。薄汚れた工場の地面に横になる果林は薄れ行く意識の中で天井に空いた穴からボールを持ち、必死にゴールへ走っていく栞子の姿を見た。

 

「………そう…それがあなたの答え………なのね」

 

妙に満たされた気分だった。

 

このまま死んでもいいような気がしたが、一人で消えていくのは少し寂しい気がした。

 

(まぁ……しょうがないか)

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

「ん……………りんさん…………果林さん!!!」

 

うっすらと開いた視界に映ったのは彼方と瑠和だった。ボスを撃破した後に果林が倒れていたのを見つけたのだ。

 

「大丈夫ですか!!」

 

「しっかりして!!」

 

「…………瑠和…………彼方も……ごほっ!」

 

果林はひどいケガだった。目を覚ましたはいいが派手に血を吐いた。見た目以上に重傷なことがすぐに分かった。

 

「果林ちゃん!」

 

「大丈夫ですか!?誰にやれたんですか!?」

 

「…………二人とも。ジャマトのライダーに気をつけなさい。この戦い…………一筋縄じゃ…」

 

その時、果林のIDコアにヒビが入った。

 

「果林さん!」

 

「………………ここまでみたいね。これは…あなたたちが使いなさい」

 

果林はブーストバックルを取り出して瑠和の胸に押し当てた。瑠和は驚いた顔をしながら果林の手ごと掴んだ。

 

果林は一人ではアリナを倒せないことを察し、ブーストを使っての必殺技を控えたのだ。自分よりもアリナを倒せる可能性の高い者に託すために。

 

「果林さん…っ!」

 

(ああ……………全く……柄じゃないったらありゃしないわね……。でも………こうやって………少しは親しい間の人に看取ってもらえるのは……案外悪くない。苦手だって……キャラじゃないって思って遠ざけてたものが………全部……)

 

『mission failed』

 

果林は嵐珠やせつ菜同様、瑠和の腕の中で塵か何かわからないものになって消えた。

 

「果林さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!!!」

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

―休憩所―

 

「今度は果林さんと栞子ちゃんが………」

 

「………こんな別れ…あんまりだよ…」

 

「…仇はうつよ」

 

歩夢は栞子のニンジャレイズバックルを握りながら言った。

 

「じゃあ、全体のバランスを考えて…エマさんとかすみちゃんこれ使う?」

 

彼方は二人に果林が使っていたビートバックルとブーストバックルを差し出した。

 

「…じゃあ、かすみんがブーストを使います。エマさん、それでいいですか?」

 

「うん。果林ちゃんが残した力………無駄にはしないから」

 

次のゲームはどんなゲームで、誰が消えていくのだろう。そんなことを思っていると妙に休憩所が静かなことに瑠和が気づく。

 

「そういえば………イマシはどこに行った?」

 

「……言われてみれば…いないね」

 

 

 

―ファーム―

 

 

 

ここはジャマトを育てている、通称「ファーム」そこの責任者であるアリナにデザグラのコンシュルジュでしかないはずの薫子が迫っていた。

 

「どういうこと!?私は深く知りすぎたライダーを消せとは言ったけど!栞子を殺せなんて言っていない!!」

 

「………ちゃんとお姉さんの言うことを聞くいい子でしたら僕も手を出さなかったんですが…………あの場で裏切ったということは、デザイアグランプリに対する反逆。スタッフを逸脱し「深く知りすぎたライダー」として処分しました」

 

「それはゲームマスターである私の決めることだ………っ!勝手な判断をするんじゃない!」

 

薫子は憤りのままゲームマスター用のベルト『ヴィジョンドライバー』を取り出し、腰に巻く。そして手袋を外して指紋認証を行った。

 

『グレア・ログイン』

 

「変身」

 

『インストール…ドミネーターシステム・グレア』

 

仮面ライダーグレアに変身し、アリナに殴りかかろうとしたとき薫子は赤い霧のようなものに包まれる。

 

「!?」

 

「姉さん」

 

急にな事態に困惑していると、薫子の耳に栞子の声が聞こえてきた。

 

「栞子!?どうして………」

 

「姉さん…」

 

栞子は微笑みながら薫子に近づき、薫子を抱擁する。その温もりに、なつかしさに、薫子は涙を流した。夢のために家族を捨て、夢破れてからも道具としか扱えなかった不器用な自分を恥じた。

 

「栞子………ごめんなさい。ダメなお姉ちゃんでごめんなさい!」

 

「…………気にしないでください。ずっとここにいましょう。姉さん」

 

薫子も栞子を抱きしめてその場に座り込んだ。

 

それをアリナは赤い霧の外から眺めてほくそ笑む。

 

薫子を包んだこの赤い霧は、その近くにいたビショップジャマトから放出されていた。キノコをモチーフに作られたこのジャマトの放つ霧、正しくは胞子には幻覚作用があるのだ。

 

「感情に支配され、己の役割を見失うとは、実に人間らしいですね。さぁ、幸せな夢の中で過ごしてください。その代わり、少しだけ協力してもらいますよ」

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

それから少し経ち、瑠和と璃奈はわりと日常を送っていた。しばらくデザグラの召集もなく、傷ついた心を癒すにはちょうどいい休息だった。

 

瑠和と璃奈は久しぶりに二人でカフェでお茶をしていた。

 

「ねぇ、お兄ちゃん。願いは見つかった?」

 

「いや………まだ見つからない。でも、俺はとにかく誰かの願いのために戦うよ」

 

そんなことを話ながらではあるが、つかの間の幸せを享受していると、突如として瑠和の目の前が光輝き、大きなお尻が瑠和の顔面に突っ込んできた

 

「!?」

 

「きゃぁぁぁ!!」

 

瑠和は突如として現れたのはしずくだった。

 

「いたた………え?あれ!?瑠和さん!?きゃー!ごめんなさい大丈夫ですか!?」

 

「ああ……うん」

 

瑠和はしずくの尻に押しつぶされていたが、しずくに抱き起されてなんとか立ち上がる。璃奈が心配して瑠和に駆け寄っていると、さらに二人の席の周りに次々とデザグラの参加者が転送されてきた。

 

「あれ?さっきまで録音スタジオにいたはずだけど…」

 

「これは……いったい」

 

「なんだこりゃ…」

 

二人が困惑していると、スパイダーフォンに電話がかかってきた。二人は顔を見合わせて電話にでる。

 

『やぁ、デザ神候補の皆様』

 

「…誰だ?」

 

『僕の名前はアリナ。今、イマシさんに変わってデザグラを管理させていただいています』

 

「…」

 

『たった今ジャマーエリアを発生させました。現場にいなかった方々は転送させていただきましたので悪しからず…。今回のゲームは爆弾ゲーム。これより二つの塔がジャマーエリア内に出現します。その中には爆弾がセットされていますのでそれを解除するのが今回のミッションです。爆弾が爆発すると町一つは簡単に吹っ飛ぶのでご注意ください』

 

「そんなっ!」

 

『つまり、時間切れはゲームオーバーと同時にジャマーエリアの消滅となります。それでは、ご武運をお祈りしています』

 

アリナという男の笑顔を最後に通信は切れた。それと同時に爆弾が爆発するまでの時間が表示された。

 

「爆弾の解除ってどうするんだろう…」

 

「………チームを二つに分けよう。璃奈は機械に強い。解除の力になると思う」

 

瑠和がちらりと璃奈を見ると璃奈は少し自信なさそうだったが小さくうなずく。

 

「ほかに機械に強い人は……」

 

「あ、一応私も……」

 

侑が手を挙げた。

 

「わかった。なら、侑と璃奈のチームに分けて、メンバーはくじで決めよう。くじで決めた後に全体を見て調整する」

 

璃奈チームは璃奈、愛、しずく、歩夢、エマの五人。侑チームは侑、瑠和、ミア、かすみ、彼方の五人だ。

 

チームメンバーが決定すると、地鳴りと共に赤色と青色の二本の塔が出現した。瑠和は璃奈と一緒に行きたかったが、時間もないしパワーバランスも大事だった。そのことはあえて口に出さずにいた。

 

「じゃあ、行こうか」

 

「ああ…………璃奈、気をつけてな」

 

「瑠和さん!璃奈さんのことは私が守ります!」

 

しずくがモンスターバックルを握りながら瑠和に伝えた。瑠和は小さく微笑んんでしずくの頭に手を乗せた。

 

「よろしく頼むよ、しずく」

 

しずくは一瞬顔を赤らめてから瑠和の胸に頭を預ける。

 

「…………瑠和さん…。このゲームを乗り切れたら、また私とデート…………繋がってくれますか?」

 

「………ああ。絶対生き残ろう」

 

瑠和はしずくを力強く抱きしめ、約束した。

 

「盛り上がってるところ悪いけど、お客さんだよ」

 

ミアが瑠和たちに言った。塔の方面からそれぞれ赤色と青色の騎士の装いをしたジャマトが歩いてきていた。

 

「………じゃあしずく、璃奈のこと頼んだぞ!」

 

「はい!」

 

チームごとに塔の方面へ走っていく。走りながらそれぞれのバックルを取り出して変身する。

 

「「「変身!!!」」」

 

『Ready fight』

 

 

 

―赤の塔―

 

 

 

『フィーバー・ゾンビィ』

 

「とりゃぁぁぁぁ!!」

 

フィーバーでゾンビを引き当てた愛が先陣を切って塔の中に入っていった。塔の外とは打って変わって、塔の中は意外と静かで敵の姿も見えなかった。

 

「およ?案外静かだねぇ」

 

「どこに敵がいるかわかりません。警戒しましょう」

 

「………じゃあ、二手に分かれよう!爆弾を発見次第璃奈ちゃんに連絡するってことで」

 

「では、愛さん、璃奈さん、私と、エマさん、歩夢さんでどうでしょうか」

 

「わかった、じゃあみんな気を付けて!」

 

五人は二手に分かれて塔の中を探索し始める。

 

「ねぇ」

 

「ん?」

 

塔の探索中、璃奈は急に愛に話しかけた。

 

「愛さんの願いは何?」

 

「あ~。まだ話してなかったっけ。愛さんさ、昔楽しいコトい~っぱい教えてくれた人がいたんだ。愛さん兄妹はいないけどまるで本当のお姉ちゃんみたいに慕ってたんだけど…その人が………デザグラで死んじゃったんだ」

 

「……ごめんなさい」

 

璃奈は聞くべきではなかったと思い、謝る。

 

「あ、そんなしんみりすることじゃないよ!お姉ちゃんも願いのために戦ったんだし…」

 

「ていうことは、愛さんは今回二度目の参加ということですか?」

 

「うん……ごめんね、黙ってて」

 

「いえ………」

 

「だから、お姉ちゃんが蘇った世界を私は願ってる。ほかにもいろいろほしい世界はあるけど………やっぱり大事な人が生きてるのが一番だよ」

 

「………そうだよね」

 

「!。お二人とも、お話はそこまでです!来ました」

 

前の通路からジャマトが現れる。三人は戦闘態勢をとる。

 

「いくよ!」

 

「はい!」

 

ゾンビの愛とモンスターのしずくが突っ込み、マグナムの璃奈は後方支援に努めた。大型バックルのパワーはすさまじく、並のジャマトでは相手にならない。

 

「ジャジャ!!」

 

「ん?」

 

そこに、大きな盾と銃を持ったジャマトが現れ、警察の特殊部隊のように盾を持ったジャマトが通路をふさぐ。そして銃を持ったジャマトが盾ジャマトの後ろから砲撃してきた。

 

「うわ!いた!いたたた!!」

 

「これじゃ!近づけません!!」

 

三人は慌てて物陰に隠れる。銃一発の威力はそこまで高くはないが、連射されれば致命傷になりかねない。璃奈はそれを見て少し考える。

 

「急に反撃が激しくなりましたね」

 

「もしかしたらこの先に爆弾が……?」

 

「………愛さん。少しお願いがある」

 

「え?」

 

「無理させちゃうけど、この状況を突破できるかもしれない…………お願いしてもいい?」

 

「…………しょーがないなぁ。愛さんに、まっかせなさぁーい!」

 

作戦会議を軽くした後、愛は一番槍として前に出た。当然弾丸の嵐が愛を襲った。

 

「いたたたた!!でもぉ!!」

 

『フィーバー・ゾンビィ・ストライク!』

 

愛は何とか前に進んだ後にポイズンチェンバーアームを地面に叩きつけた。エネルギーが地面に送られ、地面から巨大な腕が出現した。その腕で弾丸を防ぎつつ振り返って叫ぶ。

 

「りなりー!!!」

 

璃奈は物陰から飛び出し、愛が出現させた腕を足場に高くジャンプした。それと同時にアーマードガンを稼働させ、マグナムバックルを起動する。

 

『マグナム・ストライク』

 

盾を持ったジャマトの真上でマグナムシューターとアーマドガンにエネルギーを貯め、それを一気に放った。

 

「ジャ―!!!」

 

盾を持ったジャマトが爆発四散したと同時にしずくが物陰から飛び出し、モンスターバックルを起動させ、銃を持ったジャマトに突貫する。

 

銃持ちのジャマトは上に飛んだ璃奈に銃口を向けていたため、隙だらけであった。

 

『モンスター・ストライク』

 

「たぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

しずくの放った拳から巨大なエネルギーが放たれ、銃持ちのジャマトも消滅した。

 

「やりました!!」

 

「おー!うまくいってよかったぁ!りなりー!タッチ!」

 

「イエイ!」

 

一息ついたしずくはふと、撃破したジャマトの盾の裏になにか書いてあるのを見つけた。

 

「みなさん、これは…」

 

「ん?…………数字?」

 

盾持ちのジャマトは2体おり、盾の裏にはそれぞれ「1.183.237」、「255, 88, 0」と書かれている。

 

「なにかの暗号?」

 

「かもしれません。メモしておきます。宮下さん、歩夢さんたちにも御連絡していただいてよろしいですか?」

 

「うん、もしもしあゆぴょん?」

 

 

 

ー歩夢・エマグループー

 

 

 

「うん、こっちも同じジャマトを倒したよ。うん。3体いた」

 

歩夢たちも同様のジャマトと交戦し、こちらはこちらで撃破していた。盾の裏に璃奈たちの所と同様、数字が刻まれていた。

 

『数値は?こっちにいたのも伝えるから教えて?』

 

「エマさん、数字を言ってもらえますか?」

 

「えっと、156, 165, 185……237, 125, 149…132, 195, 110」

 

「だそうです」

 

『わかった。じゃーこっちのも伝えるね』

 

お互いに情報を共有し、しばらく探索を続けていくと、歩夢とエマは最上階に到達した。

 

「もう階段がない…ここが最上階?」

 

「みたいだねぇ…」

 

「………二人とも!」

 

璃奈が何かに気づいて指をさす。そこにはガシャポンのカプセルのようなボールがいくつかある。そして、爆発までのタイムリミットが表示されている。爆弾の様だ。

 

タイマーの横にテンキーと入力した数字が写るであろう細長いディスプレイがある。そして、ボールの表面には4つ穴があり、そこからはそれぞれ違う色に塗られている。

 

「…………小さいけど、これ全部爆発したら、町一つ吹き飛ぶんでしょ?止めないと!」

 

「数字を入力して、停止させるんでしょうか………」

 

「ジャジャ!!」

 

悩んでいた時、奥の廊下からジャマトが迫ってきた。

 

「!!」

 

「りなりー!爆弾の解除!任せていい!?」

 

「………わかった!!」

 

「ここは死んでも通しません!!」

 

しずくはそう言ってレアバックルを取り出した。ここにくる直前、瑠和と抱き合っていたタイミングでそっと渡されたのだ。

 

(璃奈を頼む)

 

「瑠和さん………任せてください!」

 

璃奈は爆弾の解除に取り掛かり、二人は迫ってくるジャマトに立ち向かっていく。しかし、璃奈はほぼノーヒントで爆弾の解除をしなければならない。

 

「…………これ………………止められる爆弾のはず……解除の方法……考えて………!」

 

唯一ヒントといえるのはさっき共有した情報のみ。共有した数字を見ながら羅列の意味を必死に考える。

 

「数字の羅列……語呂合わせ?いや、三文字………ゼロもある…三桁で考えて………何かの計算式?数式………求められる計算………」

 

いつしか、璃奈の耳には近くで起こっている戦闘の音は耳に入らなくなっていた。

 

「……ん?」

 

ふと、表面の穴に塗られた色を見た。グレー、オレンジ、ピンク、水色の四色。

 

璃奈は何かに気付き、ある数字を入力する。もし、璃奈の予想が外れていればこの場で璃奈ごと吹き飛ぶ可能性もある。だが、もうこれに賭けるしかなかった。

 

璃奈は恐る恐る最後の数字を押す。

 

少ししてもなにも起こらず、璃奈がそーっと目を開けると、タイマーが停止していた。どうやら正解だったようだ。

 

「…よしっ!」

 

 

ー愛・しずくサイドー

 

 

「道を開けろー!」

 

しずくと愛の活躍により、ジャマトは一掃された。そこに、璃奈が駆けてきた。

 

「愛さん!しずくちゃん!」

 

「璃奈さん!爆弾は!?」

 

「大丈夫。全部解除した」

 

「本当に!?すごいじゃんりなりー!ってことはこれでミッションクリア?」

 

確かに、爆弾の解除が目的であればここで終わるはずだ。たがまだミッションクリアにはなっていない。疑問を抱えた三人のところに歩夢から連絡がきた。

 

『もしもし愛さん?実は、目の前に爆弾が急に出てきたんだけど…』

 

「え…」

 

困惑する三人の前に突如アリナの写った画面が出現した。

 

「うわ!」

 

『やぁやぁ、一つ目の爆弾解除おめでとう。思ったより早かったですね』

 

「1つ目…?」

 

『そう!一つ爆弾を解除すれば爆弾は別の場所に出現します!全部で3回!解除方法はそれぞれ違うので、気を付けてくださいね』

 

「そんな…」

 

『じゃあ、頑張ってください』

 

アリナはにっこり笑顔で消えていった。

 

「……愛さん!しずくちゃん!それからエマさんたちも!少し辛いかも知れないけど全員で搭全体を捜索できるように別れよう!見つけたら私に連絡してほしい!」

 

覚悟を決めた璃奈が提案した。今回はたまたまエマたちの前に爆弾が出現したが、次もそうとは限らない。少しでもロスタイムを減らすため、搭をフロアごとにわけることにしたのだ。

 

「…わかった。シズク!行こう!」

 

「わかりました!」

 

「エマさん!いまから行くから待ってて!」

 

「あ、璃奈さん!」

 

移動を始めようとしたとき、しずくが璃奈を呼び止めた。璃奈が振り返ると、しずくは自らのベルトからレアバックルを外して璃奈に差し出す。

 

「これ………瑠和さんから渡されて……。このままじゃ私、璃奈さんを守れないから………」

 

「………ありがとう。しずくちゃん。しずくちゃんも気を付けて」

 

三人は別れて行動を始めた。

 

解除の方法はそれぞれ別であったが、一つ一つ璃奈が丁寧に解除していった。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

二つ目の爆弾の解除も終わり、最後の爆弾を歩夢が発見した。歩夢は璃奈に連絡し、璃奈が現場に急行した。

 

「歩夢さん!」

 

「璃奈ちゃん!?」

 

璃奈が飛び込んできたと同時にジャマトが群れを成して部屋に入ってきたのだ。璃奈は道中ジャマトに見つかったが相手をする時間もなく、仕方なく追いかけられながら現場に着いたのだった。

 

「大丈夫!?」

 

「ごめんなさい!お願いしたい!」

 

「う、うん!爆弾はよろしくね!」

 

璃奈と歩夢はすれ違いながらそれぞれの戦場へ赴く。璃奈は爆弾を発見し、すぐに解除活動を始めた。集中して爆弾解除を続ける璃奈の背後に、アリナが現れる。

 

「……………優秀過ぎるのも考え物だな。それゆえに、早く死ぬことになる」

 

『ジャマト!』

 

ジャマトライダーに変身したアリナは腕から触手を伸ばし、璃奈に向けて放った。

 

「!」

 

 

 

―部屋の外―

 

 

 

『ニンジャ・ストライク』

 

「はぁぁぁ!!」

 

璃奈が引き連れていたジャマトを歩夢が一掃した。一息ついたのもつかの間。璃奈がいた部屋の中から銃声がした。

 

「璃奈ちゃん!?」

 

急いで部屋に入ると、中にはレアバックルとマグナムバックルで変身した璃奈と、ジャマトライダーがいた。

 

「歩夢さん……っ!」

 

「璃奈ちゃん!」

 

「おや、君もいましたか………」

 

その声を聞いた瞬間、歩夢は胸が鳴る音を聞いた。間違いない。変身しているから少し声色が違うが、間違いなく前回のゲーム終わり際に聞いた声だ。栞子を殺した。あの男の声だ。

 

(困りますよ、栞子さん。きちんとお姉さんの言うこと聞かなきゃ)

 

刹那、歩夢はこのゲームが始まる前に侑からお守りとして渡されていたレアバックルを装填し、ジャマトライダーに向かって飛んだ。

 

「だぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「おっと」

 

歩夢の怒号と共に振り下ろされたニンジャデュアラーをアリナは蔓を巻き付けた腕で防ぐ。しかし、歩夢の渾身の力とレアバックルで上乗せされた力が合わさり、蔓を切り裂いた。

 

アリナはいったん歩夢と距離をとる。

 

「……璃奈ちゃん。大丈夫?」

 

「………うん」

 

「二人で、あいつを倒すよ」

 

 

 

続く




現在の仮面ライダー

天王寺瑠和 職業:公務員
モチーフ・猫/仮面ライダーギャーゴ
願い・未定
所持バックル・ウォーター・コマンド

天王寺璃奈 職業:高校生
モチーフ・猫/仮面ライダーリーニャ
願い・???
所持バックル・マグナム・レアバックル

朝香果林 退場

近江彼方 職業:弁当屋
モチーフ・羊/仮面ライダーランビー
願い・遥ちゃんがスクールアイドルができている世界
所持バックル・シノビ

宮下愛 職業:デザイナー
モチーフ・豹/仮面ライダークーガー
願い・???
所持バックル・フィーバースロット

中須かすみ 職業:高校生
モチーフ・狸/仮面ライダーラグーン
願い・???
所持バックル・シールド・ハンマー・ブースト

桜坂しずく 職業:高校生
モチーフ・くま/仮面ライダーマック
願い・???
所持バックル・アロー・モンスター

鐘嵐珠 退場

ミア・テイラー 職業:作曲家
モチーフ・ウサギ/仮面ライダーリープ
願い・???
所持バックル・ゾンビ

エマ・ヴェルデ 職業:農家
モチーフ・山羊/仮面ライダーライズ
願い・???
所持バックル・ドリル・ビート

優木せつ菜 退場

高咲侑 職業:大学生
モチーフ・鹿/仮面ライダーシーカー
願い・???
所持バックル・パワードビルダー・ギガントコンテナ

上原歩夢 職業:大学生
モチーフ・蛇/仮面ライダーサスケ
願い・???
所持バックル・チェーンアレイ・ニンジャ・レアバックル

三船栞子 退場
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