さて、デスゲーム開始から一週間の時が過ぎた。
色々とイベントがあったが、その中でも僕の想像通りに事が進んだ物もある。
【
いやいや、待って欲しい。【
みたいな事を一週間前なら言う人もいるだろうが、今やプレイヤー全員の共通事項として【
さて、どうしてこうなったかは単純明快。
【
ジョブ決めの時から考えていたのだろう。
ソロっぽい人間を中心に狙い、事が終わった後に誰かに、あんたさっきまで他の人とやってなかったか? そいつはどうした?
と聞かれたら
早漏だったとか、腰が動かせないくらい楽しんだ。
とか言えば良い。
だが、そんなこと長続きするわけがない。間抜けが一人でもいれば誰かがネタばらしをする。
ああ、いや【
逆に殺して、それを5回繰り替えす。逃走路を確保して、失敗した場合は逃げて被害者として手口を暴露。成功した場合は5人殺せるまでこれを繰り返せば良い。
無事Fateをクリアできたら手口を公開。そいつはもう誰かを殺す必要が無いという信頼を得られる、って戦法だ。
また、逆に【
おかげで【
どこから手口が広まったのか情報を集めておけばよかったな。予想していたことだからって、情報取得を怠っていた。
とにかく【
【
だが、【
そんな【
弱い彼らを好き好んでパーティーに入れるような酔狂な人間も少ない。彼らはまさに今、崖っぷちにいるだろう。
まぁ、彼らのことはどうでもいいか。僕とは関係の無い話だ。
「で、報酬は僕4でいいのか?」
「ああ、お前さんが4。あんたらと俺は3だ。報酬を取りに行って貰ってる間でこっちで決めさせて貰ったぜ」
とある酒場で料理を囲みながら、報酬の取り分を改めて確認していた。
メンバーは【
Aはがたいのいい厳つい大男。最初見たときは厳つすぎて警察とかの威圧感が必要な仕事してるのかと思ったほどだ。
ファットマンは大学生の優男。線の細いイケメンでゲーマー。
かぷちーのはファットマンのリアルの彼女だ。清楚な人で優しい。
このメンバーでとあるサブクエストをクリアしたのだが、その際の情報を多く提供したり、矢面に立ち危険な場所に一番出向いたりしたのは僕と言うことで若干多くの報酬を貰っている。
「いやー、流石【
「そっちこそ。【
「僕たちのこっちのスキルは二人と比べると見劣るからなぁ」
「何言ってるんだか。ペア前提のジョブなんだから、二人の総合力で見れば充分強いだろ」
この三日間くらい常に行動を共にするメンバーだ。多少なりとも友情とかを感じ始め絆が芽生え……る訳がない。
三人とも、有能すぎて逆に警戒心を抱いてしまう。
Aは直接的な戦闘に限れば僕に劣るが、小細工などの技能は僕よりも上。準備期間などがあったら僕は負けるだろう。
ファットマン&かぷちーのは単体ではそこまでだが、二人そろったときの能力は爆発的だ。そこまで、と表現したが元々が大学生な事でゲーマーな事もあり基本的な技能はかなり高い。
そもそも信頼できる人間がいるというのがずるい。こっちは疑心暗鬼でいるというのに、この二人はギシギシアンアンときたものだ。
羨ま……じゃない。いや、羨ましいけど羨ましくない。ダメだな。嫉妬で頭がおかしくなってる。
とにかく僕たちは中々に優秀なメンバーだ。だからこそ、欲が出てくる。
「そういえば『南琥珀の虎人形』について何か知ってることはありませんか」
何気ない会話の雑談のように聞いたが、先ほどまで和やかな筈の空気が霧散した。
三人とも口を閉じ、お互いの出方を待っている。
「どうして急にこんなこと言い出したのかっていうと、メインストーリーの中にこの単語が出てきました。知っての通り、『南琥珀の虎人形』は
【
Fate:トレジャーリスト内にある宝物を一つ以上ゲーム終了時に所有していること
『南琥珀の虎人形』っていうのはこのトレジャーリストに書かれている宝物の一つ。
これが恐らく僕しかまだいけていない領域で情報が流れてきた。
と言っても、もしかしたら他の場所から情報を入手している人もいるかもしれない。更に言えば、既に入手されている可能性だってある。
僕はあくまでも攻略組。メインストーリーを優先的に進めていてサブクエストは省いている。
だからこの三人が何か情報を持っていないか知りたい。
デスゲームが始まってまだ一週間。自分のジョブと関係ない物を優先的に調べるほど三人とも暇じゃ無いはずだ。
なら、偶然耳にしたちょっとした情報くらい教えてくれても良いんじゃ無いか?
僕が情報に金を払う人間だって言うのはこの三日間で分かってるだろ。
それとも
「無言なのは、本当はジョブが【
静寂が、当たりを包む。ここが酒場だとはいえ、非武装地帯ではない。PKだって可能な場所だ。
ひりついた空気。僕を探るような目線を向けられるが、こっちも向けているのでしょうがない。
さて、どう出る。
「かはっ。そりゃ、ちょいと疑いすぎだぜ。いや、俺たちがお前を疑いすぎなのか。お前としては、疑いなんて殆ど無いようなモンだろ?」
「疑ってはいますよ。だけど、正直どうでもいい。【
Aが、がははと豪快に笑う。おかげで僕たちの中にあった緊張がほぐれ、ファットマンが苦笑いを浮かべた。
「人が悪いですよ。実際は僕たちが別のジョブがどうかなんて疑ってないでしょう?」
「私たちの【
「俺の【
【
【
「ええ。それで、どうですか。何か情報は」
「こんな酒場で話すようなことか?」
ぎろり、とAが周囲を睨む。あからさまに聞き耳を立ててた奴らは慌てたように酒を呷っていた。
「まぁ、【
「襲われる可能性は考えないのか?」
「返り討ちにしてやりますよ」
僕のジョブ【
【
「持ってるぜ。お前が知らないであろう情報をな」
「それで、売ってくれますか? もし知ってる情報だったとしても、値下げとかはしない。先に提示した額を払います」
「まぁ、まて。そうじゃねぇ。俺も噛ませろ。一儲けしようぜ」
「あのー、僕たちは残念ながら情報は持ってません。だけど、一緒に行かせて貰えませんか?」
「こんな場所で大々的に話していれば、誰かに襲われるかもしれません。それに、宝物と言うほどなのですから簡単に取得できるとは思えませんし、信用できる戦力が欲しくありませんか?」
予想してなかった展開だ。あまり誰かと長い間付き合うつもりはないんだが、彼らの言っている事も一理ある。
このゲームがデスゲームなのかは未だに分からない。ただ、一つ分かるのは死んだらこのゲームに復帰は出来ない。実際、このゲームから何人も人が消えている。
そんな中、ソロで目立つイベント攻略は危険をはらむ。
ソロプレイもこのあたりで潮時か?
一人でいれば目立たないし、面倒ごとも減る。多くの人間に顔だけ売っておけば少なくとも敵対はされないと考えていたが、考え直す必要が出てきただろうか。
「分かった。やりましょう。僕たち四人で山分けで一稼ぎだ」
次投稿:2023/07/30 17:00