にじさんじヤンデレ物語   作:にじさんじヤンデレ委員会非常勤員

25 / 59
と、言うわけでリゼさん編開始!
プロローグでヤンデレ見せると後半と食い違いそうなので止めました。
戌亥さんのお話が小説で言うと一冊分の量になってしまったので、今後は短い文章で書こうかなと・・・・・・一応アンケート取りますので、ご回答よろしくお願いします。


リゼ・ヘルエスタ
リゼプロローグ


 もしも人生をやり直せたのなら、それはきっと幸福なのだろう。

 自身の過去に思い入れもなく、なあなあに歩いてきたのなら、変化を喜ばしく受け入れるのだろう。

 今度はこうしよう、子供のうちからあれをしよう、新たな生と待ち受ける数十年という未来に希望を抱いただろう。

 

 誠に残念なことに、俺はそんなものを抱くことはなかった。

 よほど面白味に欠けたのだろう、前世の記憶は曖昧で特に自分のことになるとなおさら。

 でも、誰かのために生きたことも、自らの人生を輝かせることもせず、喰って、寝て、いつの間にか死んだ気がする。

 社会人になったのかも、大学に行ったのかも、高校に行けたのかも、思い出せなかった。

 

 馬鹿は死んでもならおらない。生まれ変わろうとも変わらない、何も成すことはなく、何者にもならず人生を食いつぶすのだろう。

 

 だが転機というのはあまりに唐突だ。

 俺の人生の転換期、それはとある赤子の生誕と同じ年だった。

 

「我が娘、リゼ・ヘルエスタの生誕である!」

 

 声高らかに宣告したのは今世の故郷、ヘルエスタ王国の現国王だ。

 

 三千里先まで轟くほど喜ぶ民衆の中で、俺だけは茫然としていた。

 たかが人っ子一人に喜べるのが羨ましかった、涙を流し、隣人と肩を組んで宴だ祝いだ目出度いだとか騒いでみたかった。

 

「誠に喜ばしいことだ、お前の人生は彼のために存在するのだ。ナナシダ」

 

 齢5歳という年齢に見合った低身長を持つ俺の頭上から、俺の保護者である男の低い声が届く。

 普通に考えて5歳児に何言ってんだと思うけど、口答えは許されない。

 

 名前だってこの人が適当に付けた、ナナシダなんてふざけた名前だ。

 

「はい」

 

 決まった言葉を吐くスピーカーのように、自動的な回答をするだけだ。

 

「来るんだ、これより陛下の元に向かう」

 

「はい」

 

 そう言うと男はゆったりとした動きで歩き始める。

 

 

「よくぞ来た我が友よ!」

 

 一市民に向けるには恐れ多い言葉で俺の保護者と握手を交わすのは、先ほど皇女殿下の生誕を謳ったヘルエスタ国王その人。

 

「過分にして恐れ多いお言葉でございます、陛下」

 

 ヘルエスタ王国の国民であれば感涙の喜びを表現するかもしれないが、俺の保護者は一歩引いて答える。

 我が一族は王家と深い関係を築いてはいけない、我々の命は王家のために存在し、王家のために築いた屍こそ我々が誇れる唯一の誉れ。

 

 常日頃からそんなバカげた思想を自信満々に言いふらすこの男だ、本当に恐れ多いと思ってるんだろうな。

 誰かのために命を懸ける……本当に馬鹿だ。

 

「我が娘だ、妻に似た愛い顔立ちをしておろう?」

 

 陛下が両腕に抱えた布のたまりを見せてくる、覗き込むとそこには一人の赤ん坊がいた。

 スヤスヤと寝息を立てるリゼ・ヘルエスタ皇女殿下、民衆は皇女殿下を未だ見ること叶わずとも喜び、俺は皇女殿下を前にしてひどくつまらないと落胆していた。

 

 なんと不忠な考えだろうか、俺の保護者に知られれば容赦のない鞭が飛んでくるだろう。

 

「これはなんと神々しい……」

 

 それ本心? 我が保護者よ……あ、目が本気だ。キラッキラしてる。

 

 保護者がそう言うのなら、俺の言葉は決まったものだ。

 

「まさしくその通りです」

 

 自己主張の皆無なセリフだ。

 

「……ぁぅ」

 

 大の大人二人と子供一人からの視線に晒されたためか、眠り姫が小さな息漏れにも似た声を上げて瞼を開けてしまう。

 

「ぁー……」

 

 皇女殿下の大きな瞳が順番に巡る、国王陛下、俺の保護者、最後に俺。

 

「あー!」

 

 そして、茫然としていた表情が俺を見た途端に花開く。

 氷花が織りなす清廉とガラス細工のように美しい、そんな笑顔を前に俺は雷に打たれた。

 

(めっちゃ天使、命ぐらい幾らでも捧げちゃう)

 

 人生の転機とはこのことだろう。

 胸がこれほど熱くなるのだと初めて知った。

 初めて自分の存在を明確に言葉にできる気がした。

 俺は初めて誰かのために自身の人生を捧げようと思ったのだ。

 

「俺を死ぬほど強くしてください、皇女殿下を必ずお守りするための力が欲しいです」

 

 宿所に戻った俺は保護者の男に向かって、初めての我が儘を言った。

 

「言うに及ばず。お前を買ったのはそのためだ」

 

 代々ヘルエスタ王家を陰で守護する一族、王家からは影と呼ばれ、王家だけが存在を認知する汚れ役。

 男のみで構成される一族は誰一人として伴侶を作らず、前提条件として身寄りがなく、その上で才能を見出された男児をもって組織を拡大させる異端の一族。

 

「お前は潰れてくれるなよ」

 

 影の一族現当主である男は冷たい笑みを浮かべた。




アンケートですが、フリーダムは = 増えもするし減りもします

一人一人の文章量(異常恋愛を抱くまでのお話が増えるか減るかです)

  • 戌亥さんと同じぐらい(大体一冊分)
  • 戌亥さんの半分ちょい(早めにヤンデレ
  • 過程が味を深くするんだよな!(フリーダム
  • 過程いらなくない?(過程無し
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。