有馬かなに転生したので、俺の意識が消えるまで彼女を守護ろうと思う 作:雑穀ライス
すいません許してください!何でもしますから!
人生最悪と言っても過言ではない誕生日イベントを切り抜け、不安定だったメンタルも持ち直してきた。
学校に行って、仕事に行って、たまに
私の居場所がこの世界にないなら、少しずつ作っていけばいい。
しばらくして、原作通りにピーマン体操が大ヒットした。「アイドル」には及ばないが、普通に紅白が狙えるレベルの売れ行きだ。
そしてこれも原作通りに、二匹目のどじょうを狙って私に次の歌を歌わせようとする。
「いや大赤字出すのが目に見えてるのでやりたくないです。有馬かながやる必要性を感じません。お断りします」
当然、断る。
「まあアニソンならやってもいいですけど」
余計なことを言ったせいで、台無しになった。
後日、本当にアニソンの案件を取ってきた。マネージャーたちがこういうときに限って無駄に有能で困る。
戦闘シーンのたびに女の子が触手モンスターに縛り上げられるアニメのエンディングテーマだった。年齢一桁の小学生の女の子に歌わせていいアニメじゃねぇ。一応全年齢対象アニメだが、何を見てヨシ!と言ったんですか?
結局円盤の売り上げ数は3000枚未満の爆死アニメ扱いだったが、実質エロアニメのEDをピーマン体操を大ヒットさせた女の子に歌わせるという神をも恐れぬ暴挙にネットが妙に盛り上がった。うん、私も頭がおかしいと思うよ。
実質エロアニメのEDで歌イベントが組まれた。本気なのか悪ノリなのか全然わからない。お前ら私が転生者じゃなかったら心に致命的なダメージ受けて引きこもってるところだぞ。加減しろ馬鹿!
歌イベントには怖いもの見たさに来たオタクと、歴戦の強者のオーラを発する剛のオタクが現れた。……ここで泣いたらイベント中止にならないかな?駄目?
だが、原作に比べたらここは天国だ。原作の有馬かなは、誰にも期待されていなかった。上等だ、お前ら私の歌を聞けぇ!!
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私の歌が終わって、イベントは終了した。客の反応は「まあこんなものか」といった感じ。失望されている雰囲気じゃないだけマシだ。
だがしかし…一体いつから『有馬かなの歌イベントはこれで終わり』と錯覚していた?
「今から握手会やりまーす!希望者はこちらに並んでくださーい!!」
かなちゃんのゲリラ握手会イベント開催だ。お前ら全員ロリコンになるまで生かして帰さん。
私の突然の宣言に客がどうしていいか戸惑う。当然握手会の列に並ぶものはいない。ククク、お前ら奥ゆかしいオタクどもの行動パターンは承知済みだ!
一番近くにいた客にニコニコしながら近づいて、こちらから握手。ほら、お前らが夢にまで見たオタクに優しい美少女だぞ。泣いて崇めよ。
一人目のロリコンタッチ成功者が現れたことで、握手会の列に並ぶ人が出てくる。半分ぐらいは釣れたか?よしよし、大漁だ。
「き…君は自分の歌が使われているアニメを見たことあるで御座るか!?」
剛のオタクが質問してきた。セクハラかな?
「見ました!女の子が可愛いですね!!」
剛のオタクが一番槍を入れたのを皮切りに、握手会に質問会の要素が加わる。
「好きなアニメはなんですか!?」
「ロボットアニメです!」
「ガンダムだとどのモビルスーツが好きですか!?」
「ガンダムデュナメス!狙い撃つぜ!!」
「罵ってください!」
「お兄ちゃんよっわーい!ざーこざーこ!」
最後の質問は何なんだよ!誘導尋問か!?思わず答えちまったよ!?おいこらガッツポーズするのやめろ!!
というわけで私の歌イベントは、原作のことを考えると中々の成果に終わった。オタ会話とメスガキムーブでコアなファンも出来たみたいだし上出来と言えよう。
ただ、勝手に握手会を始めた辺りでうちのマネージャーが青い顔になっていた。いやいや、これはお前たちが始めた物語だろ?今更後悔してももう遅い。私は悪くない。
ちなみに歌の売り上げは結局赤字だった。爆死アニメのEDなんだから仕方ないだろいい加減にしろ!
結局「アニメのファンしか買ってくれないみたいなので、この路線で行くのは厳しいですね」という話になった。アニメを下に見る態度にちょっとだけピキッと来たが、まあ最小限の被害に抑えたのでヨシとする。
原作の曇らせ展開の一つを華麗に回避したことで、状況が少しずつ好転していく。今までがあまりにも酷すぎただけ、とも言うが。
そして珍しいことに、仕事関係ではなく学校で面白いイベントが発生した。