有馬かなに転生したので、俺の意識が消えるまで彼女を守護ろうと思う   作:雑穀ライス

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前話の感想を見て読者様全員から解釈一致を得るのは土台無理な話なのかなぁと思いました。
せっかくなので今回のネタとして使わせていただきました。


ゼロから始める新事務所生活

「僕は…これからどうすればいいと思う……?」

 フェレスの断罪を無事?乗り切ったカミキヒカルだったが、メンタルにかなりのダメージを受けていた。というか悪縁結びがガッチリハマってる。これ解除は無理なんじゃね?

 

「んー、好きにすればいいんじゃね?」

 ぶっちゃけ、これが俺の本心だ。今更「罪を償え」とか言う気は1ミリもない。ていうか、罪を償わせるつもりがあったのならば、()()()()()()()()()()()()。そこだけはブレる気はない。

 

「でも…僕は犯罪者だ……」

 なんかこんな感じの展開、アイのときにも見たなぁ。また俺がメンタルケアしないといけないの?

 

「うん、じゃあお前の犯した罪とやらを一つずつ確認していこうか?」

 お前のウジウジネガネガした考えなんか全部ダンガンロンパしてやるわ。かかってこい。

 

「まずは姫川愛梨の件。これは完全にお前が被害者だ」

 姫川愛梨とカミキヒカルの性別を逆転させて考えれば完全に犯罪だ。TSさせなくても普通に犯罪だ。つか姫川愛梨が戦犯だろこれ。

 

「で、アイの担当医であるゴロー先生の殺害の件だが」

 この件についてだけは、俺は絶対に自分の意見を曲げる気はない。

 

()()()()()()()()()()。これを罪だと言う奴を俺は許さない」

 

 ここでゴロー先生が死んでアクアに転生しなかったら、アクアは生まれていなかった。もし生まれていたとしても、()()は別人だ。俺はそいつを星野アクアだとは認めない。

 つまり、「『()()()()()()()()()()()()()()()()』というのは、『()()()()()()()()()()()()()()()()()()()』のと同じである」というのが俺の持論だ。

 えっ?心が本体であると主張するのは中二病だって?うるせぇ黙れ。とにかくこの件では誰にも文句を言わせるつもりはない。反論する権利があるのはルビーぐらいだが、話が凄くややこしくなるので黙っておくつもりだ。すまんルビー、文句はアクアに言ってくれ。俺は悪くない。

 つか俺が見たカミキヒカルの記憶を信じるならば、この世界だとゴロー先生の殺害はリョースケの単独犯だろ。いつの間にカミキヒカルが結託して殺したって話になってんの?殺人事件じゃなくて死体遺棄事件の共犯だよね?

 

「そして最後、リョースケを煽ってアイを襲わせて、アクアが怪我した件について」

 これは流石に無罪というわけにはいかない。なので

 

「謝ればいいんじゃね?」

 示談だ示談。わざわざ司法に介入させるな。アイは考える前に動くタイプの人間だから、たぶん顔面への鉄拳制裁で許してくれると思うぞ。

 

「リョースケは主犯だから自己責任。ほっとけ。終わり!閉廷!」

 とりあえず俺が主張する弁護の内容はこんな感じだ。ゴロー先生の件は勢いで流されてくれないかな?駄目?

 カミキヒカルのほうを見ると、まだ納得いってないような表情をしていた。この頑固者め。

 

「…結局、俺はお前を助けられねぇよ。力を貸してやれるだけだ。お前を助けられるのは、お前だけだ」

 ラノベの台詞を引用して、俺はカミキヒカルに諭してやる。化物語はいいぞ。俺のオススメは漫画版だ。羽川翼がメインヒロインだからな。連載開始は2018年だから後3年待たないといけないのが悲しい。

 

「でも、ま、大丈夫だろ。お前は『彼方』のカミキヒカルと違って、『愛』がどんなカタチをしているのか知っているんだからな。あのドームライブを見て『まだ愛が理解出来ない』って言うのなら、それこそ救いようがねーよ」

 

 これで言いたいことは全部言った。後はカミキヒカル次第だ。原作【推しの子】の真相も分かったことだし、やりたいことをすべて済ませた俺はカミキヒカルの事務所から出ようとする。

 

「待ってくれ」

 しかし、カミキヒカルが俺を呼び止める。

「メフィスト…いや有馬かな。君を、僕の事務所にスカウトしたい」

 あ、その話まだ終わってなかったんだ。 

 

「君に縋りついているように思われるのは承知の上だ。だけど、君の話を聞いているうちに、僕がこの業界で何をしたいのか明確になってきた」

 さっきまでフェレスにいいように弄ばれて憔悴していたカミキヒカルの目に、光が戻ってくる。

 

「君を僕の手で第2のアイにしてみせる。それが、僕の新しい愛の形だ。僕が本当の愛を手に入れるために、君に協力して欲しい」

 B小町のドームライブに匹敵する感動と祝福を、自らの手で作り出す。

 此方のカミキヒカルは、星の輝きを見せる女性を刈り取るのではなく、星の輝きを持つ女性を育てることに愛を見出した。もう道を踏み外すようなことはないだろう。そして、ちょうどこの場に事務所を辞めてフリーになった小さな女優がいる。…これも運命ってやつかな。

 俺は、カミキヒカルの申し出を受け入れることにした。

 

 

「で、新しい事務所に移籍すると決めたのはいいけど、これからどうするつもりなんだよ」

 事務所に所属しているのは、移籍予定の俺を除けばカミキヒカルしかいなかった。こいつマジで見切り発車で俺にスカウトかけてきたんだな。事務所を辞めた直後にアプローチしてくるとかどういう嗅覚してるんだよ。

 

「君と同じように、こちらも()()()()を使わせてもらう」

 迷いのない表情で、カミキヒカルが言った。こいつはフェレスの悪縁結びで原作のカミキヒカルの記憶を植え付けられたが、それはアイと片寄ゆらを殺害した記憶だけでなく、()()()()()()()事務所を運営してきた記憶も含まれていた。

 

「『彼方』の世界で僕の事務所の中核になった2人…『片寄ゆら』と『本田澪』を、うちの事務所に引き込む」

 転んでもタダでは起きない。カミキヒカルは、「彼方」の世界の成功体験を元にこれからの計画を立てていた。

 

「『片寄ゆら』は分かるけど、『本田澪』…?あれ…どこかで聞いたような名前のような気が……?」

 確か【推しの子】原作世界の片寄ゆらのマネージャーの名前だったはずだが、こちらの世界でも聞き覚えのある名前だった。どこで聞いたか少し考えて、俺は今まですっかり忘れていた重要なことを思い出した。

 

「社長に睨まれてクビになったうちの事務所のマネージャーじゃん」

 あんた原作キャラだったんかーい。




やりたかったことリストその17
『ゴロー先生を殺したことの罪を問う』というのは、『アクアが生まれなくてもよかったと認める』のと同じである。

難しいこと言ってるように見せかけて「俺はゴロー先生の心が入ってるアクアが好きなんだよ!」と言ってるだけの話。惚気かな?
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