有馬かなに転生したので、俺の意識が消えるまで彼女を守護ろうと思う   作:雑穀ライス

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皆さまの応援のおかげで、無事この作品を完結させることが出来ました。
本当に、本当にありがとうございました。

ところで原作カラスの少女ちゃん、想像以上に面白キャラだったんだけどどうすんだよこれ(汗


有馬かなに転生したので、目一杯の祝福を彼女に贈ろうと思う

――メフィストとの別れから3年が経ち、私は16歳になった。

 

 この3年間は大きなトラブルもアクシデントもなく、順調に過ごせたと思う。

 …前言撤回。大きなハプニングが2つほどあった。そのうちの一つは、黒川あかねと私の関係だ。

 

 順を追って説明しよう。まず、私が14歳になった頃に母が祖父の介護のために実家に戻った。

 よっしゃぁ!ねんがんの、ひとりぐらしをてにいれたぞ!これで無断外泊もお泊り会もやり放題!そう思っていた時期が私にもありました。

 一人暮らしを始めてしばらくの間、人恋しさを理由にアクア宅にお泊りデートを繰り返してルビーとの三角関係を面白おかしく楽しんでいた。ところがある日、私の休みと星野家の家族旅行がカチ合ってしまったせいで星野家に泊まりに行くチャンスを逃してしまった日があった。

 だったら動画でも見て時間を潰していればいいものを、そのとき私は何をトチ狂ったのか、黒川あかねに「ウチでお泊り会をしないか」と声をかけてしまった。彼女は二つ返事で了承して飛んできた。

 そしてその日の晩、私は黒川あかねに押し倒されていた。

 

「かなちゃんは、女の子同士の恋愛はNGなんだよね?」

「うん」

「でも、女の子同士の恋愛()()()()()は大歓迎なんだよね?」

「うん」

 百合と百合営業の違いだ。私はファッション百合なので絵鳩早苗レベルのガチ百合はノーサンキューである。というか黒川あかねがこの違いを理解していたのが意外だった。この子の私の性癖への理解度が高すぎてマジで怖いんだけど、もはやプロファイリングというよりも鑑定スキルだろこれ。こんなんチートや!チーターや!!

 

「…えっち」

「それは私の胸を触りながら言っていいセリフじゃないからね。前も言ったけど、私以外にやったら犯罪だよ?」

 なんだか原作と比べてキャラ崩壊が酷くてこちらのほうが申し訳なくなってくるが、こうなってしまったのは決して私のせいではないはずだ。この子が勝手にそっちの方向に育ってしまっただけなので絶対に私は悪くない。

 

「触られて嬉しいくせにー」

「よしその喧嘩買った」

 この後、黒川あかねとめちゃくちゃバトルした。恋愛ビターチョコ的な意味で。

 私は黒川あかねの性癖が壊れてしまったことに対する責任を取るつもりはさらさらないが、この子の遊び相手になってやる分にはやぶさかではない。彼女がちゃんとした恋人を作るまでは、この恋愛っぽい行為に付き合ってやるつもりだった。

 そんな黒川あかねとの関係が、高校生になった今でも変わらず続いている。アイエエエ!?ナンデ!?

 

 それが一つ目のハプニング。もう一つは、黒川あかねには悪いがこちらのほうが私にとって重要な出来事であった。

 

 

 

――Y()O()A()S()O()B()I()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

「アクアー、ルビー、かなちゃーん。年越しそば出来たよー」

「はーい」

「待ってましたー」

 台所から、年越しそばを茹でていたアイの声が聞こえてきた。

 

 2020年の大晦日、私はアクア宅で過ごしていた。アクアたちと一緒に紅白歌合戦を観るためだ。メフィストの世界と同じように、YOASOBIはこの世界でもこの年に紅白の初出場を果たしていた。私たちの運命を大きく変えた歌を作った2人の大舞台を、アクアたちと一緒に観たかったからだ。その歌を聞きたかったからだ。

 私は、私()の「推し」を、アクア達にもっと知って欲しかった。

 

「…推しのいる生活は良いよね、ルビー。どんなに辛いことがあっても、明日も頑張って生きていこうって元気が湧いてくる」

「うんうん、異論なし!初めてかなちゃん先輩と分かり合えたような気がする!」

 年越しそばを啜りながら、ルビーと会話する。…ちょっと待って、初めて分かり合えたって何よ?私たち3歳頃からの付き合いじゃなかったっけ?恋のライバルだからといって、ちょっと私に対する扱い酷くない?

 

「YOASOBIって、10年以上前にかなちゃんが『アイドル』を作ったときに使った名前と一緒だね」

 ルビーの塩対応に梅干しとレモンを同時に噛み潰したような顔をしていたところに、アイが声をかけてきた。アイは私が「夜遊ビ。」を名乗ってB小町に「アイドル」を楽曲提供したことをしっかりと覚えていてくれた。そうか、あの伝説のドームライブの日からもうそんなに時間が経ってしまっていたのか。

 

「…うん、凄い偶然。運命を感じるよ」

 これが神様の用意した「ご褒美」なのだろうか。それとも、私の罪悪感を煽るための悪戯なのだろうか。余計なことばかりする神様だという私の評価は変わらないが、それでもこの世界にYOASOBIを導いてくれたことについては素直に感謝したいと思う。

 

「かな…もしかして、()()()()()()なのか?」

「うん。…私のこと、軽蔑する?」

 一部とは言えども、私の事情を知っているのはアクアだけだ。彼は「アイドル」の曲を作ったのが本当は誰なのか、今になってようやく気づいてしまった。本物はあっちで、私はただの泥棒だ。それを言い訳するつもりはない。

 

「…俺たち全員が共犯だよ。かなにだけ責任を押し付ける気はないさ」

「…ありがとう」

 

 YOASOBIは私に盗作されたことに気づくことすらないだろう。自分たちが作る前に奪われたのだから当然の話で、私が一方的に敬意と罪悪感だけを抱えるだけの関係だ。

 

「ごめんなさい。そしてありがとう。…私たちは、貴方たちの歌に救われました」

 私が勝手なことをやって、勝手に救われたというだけの物語。ならば、勝手に感謝を捧げるのも問題はないだろう。

 

 

 ついにYOASOBIの出番となった。図書館の中で、本に囲まれたステージの上に立って「夜に駆ける」を歌い出す。

 私が夢にまで見た光景が、テレビの向こう側に広がっていた。

 

 

 

 

 

 私はYOASOBIの初紅白出場を見届けた後、そのままアクア宅に一泊して初詣も同行した。

 母親には翌日に帰省すると伝えておいた。だから、元旦の今日は完全にフリー。

 

 さて、今年最初の仕事だ。

 私は予め収録しておいた、メフィストに贈るために作った歌を動画サイトにアップロードする。その歌は当然、女王蜂の「メフィスト」――ではなく。

 

 

「――"Couldn't beat her smile, it stirred up all the media Secret side, I wanna know it So mysterious"」

 

 英語版の「アイドル」だ。

 YOASOBIがこの世界でデビューしたとき、私は彼女たちが紅白の初出場を終えたこのタイミングで英語版「アイドル」を出すと決めていた。これは英語の苦手なメフィストがやり残したことの一つであり、そのために私は必死に英会話の勉強をした。

 女王蜂の「メフィスト」も良い歌だが、メフィストに贈る歌という意味では少し似合わしくない。「あなたに会いたい」「あなたになりたい」なんて未練がましく歌ったら彼に怒られてしまいそうだ。

 …私たちが住むこの虚構の世界がまだ消滅していないということは、メフィストが私たちを見守ってくれているからだ。救われなかったほうのミキさんの言葉ではないが、彼が残してくれた明日への希望と祝福が私たちの命と物語に重みを与えてくれる。

 だから、私は今でも私を推してくれるメフィストのために、感謝の気持ちを込めてこの歌を歌う。

 …というかさぁ、

 

「"I know it's not a lie as I'm voicing these words I love you♪"」

 

 

 

 …日本語で言うのは、なんか恥ずかしいじゃん。




やりたかったことリスト22
YOASOBI、【推しの子】世界に降臨

やりたかったことリスト23
英語版「IDOL」を有馬かなが歌う






やりたかったことリスト(没案)
メフィストって結局何者なの?この世界から消えたあとどうなったの?


44話終了後、作品外世界に転移あるいは転生(性別は男)
→自分の体験を元に「有馬かなに転生したので~」を執筆し、有馬かなとの約束を守る。
→2周目の神がメフィストの知識と人格をコピーして2005年時点の有馬かなに植え付ける。
(メフィストはカラスの少女の分体、有馬かなは13歳で神に芸を奉納する巫女になったので二人とも神様とのチャンネルがある。時系列がおかしい?じゃあ3周目行こっか?)
ついでに執筆したストーリーも借りパクする。
→これにより有馬かなの願いである「メフィストに会わせること」「『アイドル』『祝福』の歌を提供すること」を叶える。
→本編スタート


「つまりメフィストは、作品外世界にTS転生した2周目の有馬かな本人だったんだよ!!!」
「な、なんだってーーーー!!!!」
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