Spider-Man Alternative Holo Episode 作:クルルヤッコウ
人間と言うのは誰もが皆一度、憧れを持つものだ。
画期的な発明、発見をし、世界に新たなる驚きをもたらす科学者。スポーツの道を極め、先人たちが打ち立てた記録を乗り越え、高くそびえる壁を上り続けるスポーツ選手。宇宙まで飛んでいき、様々な実験や活動をする宇宙飛行士。民衆からの注目を集め、釘付けにするアイドル。
人は皆、自分の目指す物へと憧れ、日々精進している。成りたい者になれずとも、自身の憧れを現実にするために行動する。
話を変えよう。
もしも、架空の者に憧れたら、その者はどうあろうとするのだろうか。例えば、英雄...ヒーローなどだ。
これを読んでいる君たちが思うヒーローは、歴史などで登場する偉人。身近に自分を支えている人々を指しているだろうか?だとすれば、そのヒーロー達ではないと私は答えよう。
私が言うヒーローは、男子諸君が一度は憧れた、スーパーパワーで悪人たちを薙ぎ倒し、弱きを助け強きを挫くヒーローだ。例えば、キャプテン・アメリカやアイアンマン。スパイダーマンなどだ。
幾ら折れようが、また立ち上がり世界を救う、あのヒーロー達だ。
ヒーローに憧れる者は、どのように行動し、どのような人生を歩むのだろうか。
そして...
絶対と言っていいほど、なることは出来ないそれになることが出来るのならば、その者はどう行動するのだろうか
朝10時。東京の人混みの中で、トースター程の大きさの箱を抱えた青年が小走りで帰路に着いている。少々腹が出ており、全体的に丸っこい見た目は、見る人によっては可愛らしいとも言えるだろう。人混みの中だというのに走っている青年に迷惑な者を見る目ではなく羨望の視線が向けられる。
はぁ、はぁ、と息を切らしながら、一生懸命に家を目指す。なぜこんなにも必死に走っているのか。何故羨望の視線が向けられているのか。それは
「当たった、当たったんだ!フリーダムズが!」
青年が呟いて叫んだ物。詰まるところ抱えている箱にあった。
VRゲームセット。『フリーダムズ』。自由に遊ぼうを売り文句にしている、史上初の"ゲームの世界に入れるゲーム機″である。
去年から抽選が始まり、なんと昨日、発売日一日前に抽選の結果が届いた。結果はアタリ。最新式のゲーム機を購入する権利を得たわけだ。
これだけでもかなり幸運な事だが、なんと、本体だけではなく、とあるゲームカセットまで同梱されていたのだ。
その名も、ホロアース。『フリーダムズ』と同時期に発表、発売されたホロライブ・オルタナティブという漫画の世界を自由に冒険できると言う、VRMMORPGだ。
大人気のアイドルグループが関わっているということ、そして、史上初のVRMMORPGということもあり、かなりの注目が集まっている。
このふくよかな青年も、VRMMORPGというジャンルに憧れて抽選に参加したわけであり...御覧の通りテンションが上がりまくり、いち早く家に帰ろうとしているのだ。
だが、この人混みの中で走っているのは頂けない。神様の悪戯か、ただの不注意か、青年は星の髪飾りを付けた少女にぶつかってしまった。
「キャッ!あいたたた...」
「わっ、す、すすすいません!お怪我はありませんでしたか!?」
「はい、こちらこそ気を遣わせてしまって...そちらの箱はもしかしてフリーダムズですか?」
少女が青年の持っている箱を指差すと、青年は震えながらはい、と答えた。
「そうなんですね。実は私も抽選が当たりまして...もしかしたらゲーム内でお会いするかもしれませんね」
星飾りの少女は、立ち上がって、にこりと微笑むと自身とは反対方向へと歩き出した。
何故か、青年はその姿に視界を外せずにいた。
1分後、再起動した青年は歩き出す。
あの一瞬が、全ての数奇な運命の始まりであることを、どこかで感じながら
蜘蛛霧 目十(くもぎり めと)
身長 175.8cm
体重 80.9kg
年齢 17歳
詳細
幼いころ、スパイダーマンというヒーローに憧れた青年。現在では通信制の高校に通っており、授業が終わればゲームに明け暮れる日々。
父親が有名な科学者であり、自身も昔は父親のような人物になりたいと思っていたが、いくら努力しても周りの者達からは親の七光りと言われ、体系のせいで学校では虐められるということが中学2年生まで続いた結果、引きこもってしまった。外には出さないが、心はかなり荒んでいる。
勉学はかなりできる方であり、順位は常に1位だった。ただし運動は苦手。