転生ギギネブラの繁殖事情   作:じん疾風

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モンスターとして

しとり…しとり…

どこからか水滴が落ちる音が聞こえる

地面の感触は硬く冷たく

はて、眠る前は柔らかく暖かい布団に寝ていたはずだが

俺はそう思いながら目を開ける

 

「…あれ、何処だここ。」

 

目を開けると、その周りは自分の部屋ではなく薄暗く寒い洞窟だった

洞窟の天井にはつららが張っておりそこから水滴の音が聞こえていたらしい

 

「…夢か。」

 

そうだ、俺は自分の家にいたのだ

どこぞのテレビ番組みたいに寝ていた時に運び出されたとかではない限りこんなことはあり得ない筈だ

そんなことを考えながら暫くじっとしている

しかし、いつまでたっても夢は覚めない

 

「仕方ない、取り敢えず辺りをぶらつこう。」

 

そう思いながら身体を起こそうとする

だがここで俺は自分の身体に異変が起きていることに気づく

 

「あれ、なんだこれ。」

 

視界に映ったのは自分の腕ではなく、まるで獣のような白いブヨブヨとした腕だった

体毛らしきものもなく明らかに人のそれとはかけ離れている

とにかく立ちあがろうとするが身体が起き上がらない

なんとか身体を這いずり回りながら動く

壁の近くまで行き氷の反射で自分の姿を確認する

 

「…マジかよ。」

 

そこに写ったのは人間の姿ではなく、蛭のような顔をした大型のトカゲのようなモンスターだった

そう、俺はモンスターハンターのギギネブラの姿になってしまったのだ

そこで俺はこれがようやく夢ではないことに気づいた

 

 

 

 

暫くたち、ようやく落ち着く

といっても案外このような姿になっても受け入れられるものではある

ギギネブラの姿になってモンスターのしての精神が刷り込まれているのかもしれない

とにかくまずはこの身体を慣らすことから始めないといけない

この姿じゃ物の売り買いはできないだろうし、自分で獲物を狩って捕食しないといけない

とにかく作中でのギギネブラの動きを思い出す

まるで吸盤のように壁や天井に張り付いていた

恐る恐る壁に手をつけてみると、手が壁に突き刺さる

どうやら身体にできているひだが鉤爪のようになっているらしい

それもかなり強力なようでギギネブラ自体それなりに体重があるだろうにある程度無茶しても腕が壁から離れることはなかった

ギギネブラは毒を体内で生成し武器として扱うことができる

どうやらそれも問題なくできた

プシューっとまるで体からスプレーのように流れてるのはなんとも変な感じがするが

そして、最後は

 

「ギィギだな。」

 

突然だがこの身体になって一つわかったことがある

生物というものは生殖本能がとんでもなく高い

公共の場であっても動物は種を残すためにおっぱじめる

無論、モンスターも例外ではないらしい

ギギネブラというモンスターは単為生殖ができ、ギィギを生み出す卵巣を作り出すことができる

やり方がわからない筈なのに俺は「それ」がしたくてたまらない

ギギネブラと同じように俺は尻尾を地面につける

すると何か身体からこみ上げてくるのを感じた

 

ぼとり

 

尻尾から何かが排出される

 

「ぐぅ…なんだ、身体が…。」

 

次の瞬間俺に襲ったのは凄まじい脱力感だった

身体中に力が入らなくなる

どうやら卵巣を生み出すには相当な負荷がかかるらしい

身体を回復させようとじっとしているとギィ…と小さな鳴き声が聞こえる

横を見るとせっせと小さなギィギが身体を動かしている

 

「…俺の、子供か。」

 

そうだ、俺の子だ

可愛い可愛い我が子

俺はもはや人間ではない

モンスターだ

この世界でなんの為に生まれてきたかはわからない

だが、過程がどうであれモンスターなのだ

それならばやることは一つ

 

「ギギネブラとして種を相続させるだけだ。」

 

そうしてギギネブラとしての俺の生活が始まった

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