仮面ライダーガルム   作:眼鏡侍

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お待たせ致しました!

ガルムの初戦闘、ご覧ください!

…なかなか描写難しいな。


Chapter5

 

「狩りの時間だ」

 

宣言と共にガルムは駆け出し、A・スパイダーへと肉薄する。

予想以上の速度に思わず飛び退こうとする。

 

「シッ!」

『ィ…ギィッ!?』

 

しかし、それよりも早く突き出された拳が蜘蛛のように変質した顔面へと突き刺さった。

硬質化し、警官達の銃撃をものともしなかったはずの外皮には罅入り、スパイダーは予想以上の衝撃にのけぞってしまう。

 

ガルムはその隙を逃さず顔面、胴へと抉るような拳を叩き込む。

一撃入る度に凄まじい衝撃が身体を襲い、スパイダーはなす術もなく拳を受け続ける。

 

『ちョ、調子、にィ…!』

「黙って…ろ!!」

『ィィィギャァっ!?』

 

苦し紛れの言葉を遮るように繰り出された回し蹴りが脇腹へと突き刺さり、スパイダーは積み上がったドラム缶の山へ吹き飛ばされた。

ドラム缶が音を立てながら崩れて行くのを見て、誠実は言葉を失う。

呆然とする様子をモニター越しに見たのか、咲奈は得意げな顔をする。

 

『どうですかぁ?これがある設計図をもとに私が完成させた『ライダーシステム』!その第一号であるコードネーム『ガルム』!アニマキーに込められたアニマ因子を装甲状に展開、装着した人間に強大な力をもたらす私達特敵対の切り札!!!そもそもこの原理はかつてアニマ因子を…』

『姉さん今はその説明いらないから…!紘人さん、侵食率が少しずつ上昇しています…、トドメは早めに…いたっ!?』

『お姉ちゃんが説明してるんだから!邪魔しないでもー!』

『いたっ、ちょっ、足踏まないで!?』

 

画面の向こうで再びじゃれあいを始めた二人に思わず呆れてしまう。

ふと隣を見ると千和がホークフォトテイカーが採取した繭の一部を睨みながら、再度PCに何かの数値を入力していた。

 

「この成分…、彼が持っているとは思えない…。だとすれば他に協力者がいる?しかももしかするとこれは…」

「あの、千和さん?ここは危ないから一旦離れて……、っ!?危ない!」

「きゃっ!?」

 

突如誠実が声を上げながら千和をその場へ押し倒す。

解析を邪魔されたことを講義しようとするが、何かが大きな音を立てながら飛んでくるのを目撃して我に返った。

 

荷物を回収し柱の影へと身を隠す。

周りを見れば警官達も各々物陰へと身を隠し、飛来物から身を守っている。

 

柱から覗き見れば、起き上がったスパイダーが口から吐き出した糸をドラム缶に括り付けているのが見えた。

そして糸を背中から生えた脚に結び、そのまま振り回し始めた。

 

『こレ、で…!近ヅけなィだろ……!』

「チッ…、面倒臭え真似しやがる。なぁ、今から武器修理できないのか?」

 

毒づきながらジェイルウォッチに向かって声を掛けるガルム。

無理言わないでよぉ!?という悲鳴とも取れる抗議を聞いてそりゃそうだよな、独りごちる。

 

それを見て好機とと捉えたのか、モーニングスターの如く振り回されるドラム缶を振りかぶりスパイダーが大きく踏み込んだ。

 

『死ィネェぇぇぇぇぇ!』

「あぶね……っ!?」

 

背中の脚を振り下ろすと同時に脚に結ばれた糸が千切れ、ドラム缶が砲弾の如く放たれる。

あまりの速度にガルムも驚き、その場から飛び退く事で回避していく。

二つ、三つと飛来してくるドラム缶を躱し、隙を伺う。

そしてドラム缶が途切れた瞬間、前方へと強く踏み込んだ。

 

しかしスパイダーがその異形の顔を歪めて笑みを浮かべ、自由になっていた両腕を振るった。

 

次の瞬間、手のひらから糸が伸び離れた場所に転がったドラム缶を引き寄せる。

そしてその勢いのまま、ガルムへ向かって右手を振り下ろした。

一つ目は辛うじて回避するが、スパイダーは飛び退いた直後を狙ってもう一つ、左手を振り下ろす。

 

(仕方ねえか…!)

 

ダメージを最小限で済まそうと咄嗟に腕を交差させる。

そしてドラム缶がガルムへと衝突する瞬間。

 

突如ドラム缶が火花を散らしながらあらぬ方向へと弾き飛ばされた。

 

『何ィっ!?』

「なっ!?」

 

突然の出来事に思わず二人揃って驚いてしまう。

 

そして後ろを振り返ると、ハウンドトランサーを構えながら顔を顰める誠実の姿があった。

 

「これ…、反動凄すぎないかい…!?」

『一応モード切り替えれるんですけど〜…いや、精度すごーい…』

「……お見事です』

 

咲奈や千和も目を白黒させる中、誠実は再度銃口をスパイダーへと向け何度も引き金を引く。

放たれた銃弾は正確に両腕両足へと命中し、火花を散らせた。

通常の銃弾ではあり得ない効き目にスパイダーが狼狽するのを尻目に誠実はガルムに向かって叫ぶ。

 

「いまだ、紘人君!」

「……ふん」

 

ガルムは鼻を鳴らすと同時に、ドライバーに装填されたウルフアニマキーへと手を伸ばしキー裏面のスイッチを押し込む。

 

『Ready?』

 

ドライバーから音声が鳴るとそのままキーを抜き、ブレード部分をジェイルウォッチにかざす。

 

『Judgment!!』

 

音声が高らかに響いた瞬間、ウルフキーのブレードが強く輝きそこから放たれた光が集まり一本の杭へと形を変える。

ガルムはそれを前方のスパイダーへ向かって蹴り飛ばし、銃撃によって動きを封じられたスパイダーの腹部へ深々と突き刺した。

 

瞬間、杭から光が伸びてスパイダーを取り囲むように地面へと突き立てられた。

まるで檻のような形へと変わるのを確認すると、ウルフアニマキーを再度ドライバーに装填、スイッチを押し込んだ。

 

『Full Blake!!WOLF!!』

 

その音声と共にガルムは助走をつけて高く跳躍。

右足を突き出すと同時に各装甲から放たれたエネルギーが巨大な狼の頭部を形作る。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

『ギ、ィィィぁあアァァァっ!!?』

 

狼の顎と化したガルムはそのまま凄まじい速度で急降下、顎が檻ごと噛み砕くと同時にスパイダーの心臓部──鍵穴の紋章へと右足を叩き込み工場の端まで吹き飛ばした。

 

『やっ、ト…ここマで…み、ヅきちゃ……っ、ぃいぃいいぃァァァァ!!?』

 

スパイダーは何かを呟いた後、身体の各部から光が漏れ出し徐々に収束。

次の瞬間、スパイダーを中心に巨大な爆発を起こした。

 

あまりの衝撃に周囲が蹲る中、紘人は爆発が収まったのを見計らいドライバー前面のパーツを閉じた後ウルフアニマキーを操作して施錠、そのままキーを引き抜いた。

次の瞬間、装甲とアンダースーツが粒子となってキーへと吸い込まれ紘人の姿も元に戻った。

 

誠実はその様子を呆然と眺めていたが、ふと我に返り紘人へと詰め寄る。

 

「い、今の爆発!彼は大丈夫なのか!?」

「……問題ねえよ。ダメージが入ったのはキーの方だ、本体にはそこまで影響はない」

「本体…じゃああれはもしかして…!」

「マジで何も聞かされてねえのかよ…」

 

紘人は深い溜息をつくと爆発したスパイダーへと歩み寄る。

そこには20代前半頃であろう眼鏡をかけた青年が倒れていた。

傍には砕け散ったアニマキーらしきものも転がっている。

 

「コイツはアニマキーを直接ぶっ刺した事で変異した怪物だ」

「元は、人間…なのか」

「そういうこった……ああさっきの援護、助かった」

 

紘人は落ちていたアニマキーの残骸を拾うと、爆発によって空いた穴からそのまま外へ出た。

 

「いやいや、役に立てたようでよか……え!?ちょっと、どこ行くんだい!?」

「あ?帰るに決まってんだろ。コイツを回収した時点で特敵対(俺たち)の仕事は終わりだ」

「彼はどうするんだい!?」

「知らねえよ、それはあの警官(サツ)のおっさんにでも聞け」

「いやいやだからってさっさと帰る事ないだろう!あの繭だってもう少し調べる必要もあるだろうし…!」

「だとしても俺の仕事はもうねえんだよこっちは腹減ってんだからさっさと帰らせろ…!」

 

ぎゃあぎゃあと言い争いながら乗ってきた車へと歩いていく二人。

それを眺めながら千和は一人ため息をついた。

 

「……あの二人、ちゃんとバディとして機能するのかしら」




これにてひとまず第一話終了でございます。
少々駆け足気味でしたが、次回から色々と説明ができればなと。

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