仮面ライダーガルム   作:眼鏡侍

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お待たせ致しました。

今回、そして次回もがっつり説明ターンでございます。


Chapter2

 

A・スパイダー撃破から一夜明け、千和は一人特敵対オフィスへと向かっていた。

先に用事を済ませて来た為、時刻は昼過ぎである。

手にはコンビニで買ったサンドイッチと紅茶が入ったレジ袋が握られていた。

 

結局アニマキーを回収した後は現場を警察に任せ早々に撤収。

採取したサンプルを咲耶に渡した後は真っ直ぐ帰宅した。

 

なお帰る道中の車内は仏頂面で窓の外を眺める紘人と若干凹んだ様子の誠実を見て盛大にため息をつく羽目になった。

 

(リーダーは心配する事は無いとは言ってたけど…)

 

確かに戦闘では誠実が見事な援護射撃を見せてはいたが、あの様子が続けば今後予想外のトラブルが起きる可能性がある。

 

(まぁ御子柴さんも真面目そうなで悪い人ではなさそうだし)

 

問題なし、と呟いてオフィスの扉の前に立つ。

そしてそのままドアノブを捻り、

 

「おはようございまー…」

 

「だから肉ばかりじゃなくて少しは野菜も取らなきゃ駄目だと言ってるじゃないか!」

「いちいちうるっせえな…!多少は食ったっつってんだろうが…!!」

「付け合わせをほんの少しだけだろう!ほらこのサラダも買ったんだから食べなほらほら!」

「やめろ押し付けんな母親かテメェ!」

 

そのままそっと閉めた。

 

「……今日有給取ろうかな」

「いやいやいやお願いですから帰らないでくださいよぉ!?」

 

しかし咲奈に引き止められた。ガッデム。

 

●●●●

 

「確かにコミュニケーション取ってくださいとは言いましたよ。言いましたけどなんですか今の」

「紘人君が肉ばかり食べるからつい…」

「側から見たら母親のそれでしたよ御子柴さん」

「君もそう言うんだね…」

 

全員が昼食をとった後、結局サラダを食べてもらえず再度凹んだ誠実を無視して千和達によってプロジェクターが用意された。

 

どうやら備え付けられていたらしいディスプレイに映像が投影される。

『誰でもわかるアニマ因子!』というタイトルがデフォルメされた形容し難いゆるキャラと共に映し出された。

 

辰正はデスクから立ち上がるとディスプレイ横に立つ。

 

「昨日は結局説明できなかったからね。御子柴君もわからない事だらけだろうし、今日は軽く説明会をしようじゃないか」

「ありがとうございます課長…正直何が何やらなので…。ちなみにあのよく分からないキャラクターは一体」

「私が描きましたけど何か問題が?」

「いやなんでもないよごめんね」

 

誠実がジロリと千和から睨まれ冷や汗を流す。

それを尻目に咲耶はPCを操作、画像別のものに切り替わった。

 

「ではまず最初に、そもそもアニマ因子とは何か、だ……西園寺君」

「はい…では私から説明します。アニマ因子とは自然界に存在するありとあらゆる生物、その中でもごく一部の特別な力を持つ個体が保有されているとされる因子の事です」

「特別…?」

「突然変異、と言えば分かりやすいでしょうか?全ての個体がそうであるとは限りませんが、突然変異を起こした個体の多くはこのアニマ因子が原因となります」

 

画像が切り替わりタイトル画面にいたゆるキャラの両腕が肥大化したイラストが表示される。

おそらくこれも千和が書いたものなのだろう。

誠実はもう睨まれたくないので黙っておくことにした。

 

「アニマ因子はある特定の条件下で遺伝子に作用、生物を特殊な進化へと導く力を持っています。その条件はまだ研究途中ではありますが、進化した個体の力は他のものを遥かに凌駕します」

「ちなみに…この因子自体がある種のエネルギーを放つ性質を持ってる、らしいです…」

「そんな…あり得るのかい?」

「普通ならあり得ません…だから研究者達も頭を悩ませているんですよね…」

 

千和の説明、咲耶の補足に目を丸くしてしまう。

 

「しかもこの因子、ある特殊なデバイスを介することで因子を別の個体に移植することが出来るんです。当然移植された個体も条件次第で因子の恩恵を受けることができます」

「と、途轍もないな…」

 

最早言葉を失って呆然となる。

この手の話は疎い誠実であっても、もしこの事実が広まれば今までの生物学が覆される代物だと言うのがわかる。

 

だからこそ疑問も浮かぶ。

何故アニマ因子の存在が知られていないのか。

 

「でもこの因子、どうしようもなく危険なものなんですよね」

 

その疑問を読み取ったのか、千和はため息をつきながら次の画像を表示させた。

それは先程因子を移植されたゆるキャラが苦しそうに蹲っているイラスト。

 

「この因子を移植した個体の九割は進化して行く遺伝子に耐えきれず、理性を焼かれた怪物になるんです」

「怪物…、まさか!?」

「そのまさかです、それが─アニマトゥルムです」

 

更に画像は切り替わり、完全に怪物と化したゆるキャラのイラストが。

普段であれば、あり得ないと一笑に付していただろう。

しかし実際にアニマトゥルムを目撃した誠実には、そのイラストに妙なリアリティを感じていた。

 

●●●●

 

「で、では次は…、僕からアニマトゥルムの…説明をします…」

 

少し休憩時間を挟んだ後、ディスプレイの横に千和と入れ替わるように咲耶が立っていた。

 

「先程、説明した通り…アニマトゥルムはアニマ因子を移植された生物が適応できず…突然変異を起こして生まれた怪物、です…」

「あるデバイスを介して移植するって言ってたけど、もしかしてそのデバイスって」

「そのとーり!そのデバイスが、アニマキーなのです!」

 

誠実の疑問に今度は咲奈が補足するようにウルフアニマキーを見せる。

それを見て頷きながら咲耶は説明を続ける。

 

「アニマトゥルムは突然変異による強靭な肉体だけではなく…因子に秘められたエネルギーを最大限扱うことが出来るんです」

「昨日のスパイダーの糸。あれも因子からのエネルギーが作用して、通常の蜘蛛の糸より強靭な性質を持っていることが分かりました」

 

画像が切り替わり、今度は人間とアニマキーが表示される。

画像の人間はアニマキーを直接肉体に差し込んでいた。

 

「このように、現在確認されているアニマトゥルムは人間がアニマキーを使用することで変異した、ものになってます…、なので、見た目は動物と人を掛け合わせたもの、なのが特徴…です」

「御子柴君が特敵対に来る以前にも何件かアニマトゥルムによる事案が発生してね、その全てが人がベースになったものだった」

 

知らないうちに既にアニマトゥルムが出現していたという事実に、思わず紘人の方を見る。

彼はそっぽを向いたまま相変わらずの仏頂面で瞳を閉じていた。

 

「やつらは、因子侵食率によって、力が左右されます…」

「因子侵食率?」

「文字通り…アニマ因子がどれだけ肉体を蝕んでるかを、数値化したものです…これが高ければ高いほど強大な力を発揮しますし…」

 

そういうと咲耶は更に画像を変更。

アニマトゥルムが更に異形とかした写真が映し出された。

 

「侵食率が60%を超えると…もう、元の姿に戻れなくなるんです…」

「それは、つまり…」

「人の姿に戻れず暴れ続ける正真正銘の化け物になる…殺るしかねえってことだ」

 

静かに告げられた言葉。

誠実は再び紘人の方を向く。

彼の表情からはなにも読み取れない。

 

「一応、侵食率が60%を超える前に…ライダーシステムの力でトドメを刺せば…人とアニマ因子を分離させる事が出来ます…」

 

咲耶のフォローとも取れる言葉にホッと胸を撫で下ろす。

だがすぐに疑問も生まれた。

誠実は隣でカフェオレを飲みながら弟の説明を聞いていた咲奈へと質問を投げかける。

 

「…そういえば、そのライダーシステムもアニマ因子を使ってるんだよね?」

「そうですよ?」

「それって大丈夫なのかい?聞いた限り、それを使う以上紘人君もただじゃ済まない気が…」

「別に問題ねえよ」

「へ?」

 

思わず驚いた声を上げる誠実を見ながら、紘人は更に続けた。

 

 

「俺の中にもアニマ因子が混じってるからな」

 

 

その言葉に、誠実は目を見開いた。

 

 

 




今回は一旦ここまで。
続きは早いうちに出されたらなと。

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