〜side 語り部〜
役人から大至急だ!と急かされ劉玄徳と宿ヌシ殿は着の身着のまま連れられて行く。
道中は多くの露店が建ち並び活気に満ちた都の大通り。
「お店をひやかしに行きたい!あれ!美味しそう! こっちからもいい匂い! ちょ〜っとぐらい覗いて行っても良いよね!? ヨシ!行ってくる。」
「良いわけないでしょう!!!!!」
ちょっと青筋浮かべた役人にお叱りいただいた宿ヌシ殿と劉玄徳(巻き添え)は、郭奉孝の父親、郭淮の館に到着すると最低限は整えろと水を浴びせられ、着た事も無い衣に着替え香を焚き込められてほら行け!とばかりに馬車へ押し込められ宮城入りするのであった。
始まる前から疲労困憊な2人をチラ見した付き添いの郭淮に「それぐらいの方が緊張もせず良かろう」などと言われて放置される。
デカイ宮城内を案内人に従いズンズン進む3人は、日当たりの良い庭園に辿り着いた。
お登りさんよろしくソワソワ、キョロキョロと忙しない劉玄徳と宿ヌシ殿は再び案内人に跪き暫し待て!と怒られてしまうのである。
『あれぇ?論功行賞って卒業式よろしくデッカイ部屋で列に並んで呼ばれるのを待ってるだけではないのん?』と宿ヌシ殿は混乱中、もちろん隣の劉玄徳も頭からダラダラ冷や汗をかいている・・・せっかくの水浴びが台無しであるなw
四半刻の後、10数名の足音が聴こえる。
「郭淮よ、その者達がそうか?」
「はい、左様でございます。」
「ふむ、直答を許す。 この見事な杯について聞かせるが良い。」
杯って何のこと??? 2人は心当たりも無く絶賛混乱中であるw
「面を上げ陛下からの問いに疾く答えよ!」
お付きの誰かが偉そうに指示したのをコレ幸いと2人は顔を上げ状況を再確認。
見事な庭園に重たそうな成金衣装のオッサンと、ケバイ美女が腰掛けている。
その周囲をやっぱり成金趣味で偉そうなオッサンどもが囲み、テーブルの上には戯志才に渡したこの時代にありえない不純物も無く透明な瑠璃の杯が鎮座していた。
「あー、あれかぁ」と小声で呟く宿ヌシ殿へ劉玄徳のオマエ説明しろ!の熱い視線が届く。
宿ヌシ殿は行商人で磨いたセールストークをぶちまけた。
「それは遠き遠き地平線の果ての遥か先、ネオ・ジャパンの職人(私)が丹精込めて作り上げた切子グラスでございます。透明な瑠璃に海や山河、鳳凰などの意匠を施した逸品、その他にもこのような櫛や簪に首飾りなど商ってございます。」
宿ヌシ殿は自然な流れでチタン製の焼き色も鮮やかな装飾品や半透明で不思議な質感を持つプラスチックの小物などを見せる。 まさに逞しい商人魂。
「あら♪そちらの品も良いわね」
ケバイ美人の興味を惹き、侍女を介して手渡される。
「似合うかしら」と装飾品を身に付けた処で宿ヌシ殿が次の文化爆弾(CIV脳)を投下した。
「「聞いてないぞ」」」と劉玄徳と郭淮の呟きがハモるのがエモい。
とってもお似合いですよ、これこの通りと宿ヌシ殿はケバ女に見える様にコンパクトミラーをさりげなく取り出す。
とっても見事なオーパーツですね。
『あら綺麗ね♪』なんてセリフで済む訳が無く、降って湧いた国宝級(三国志感)に場は大騒ぎであった。
〜fin〜