〜side 語り部〜
国宝級の献上と他者を突き放す抜群の武勲に報いない訳にも行かず、国のトップが直に会いたいしてるのに、「本件は持ち帰って検討し後日有耶無耶にしたいです、いやする!」なんて宦官お得意の方法は帝の面子的にも許されない。
「治安維持を始め兵の運用には自信がございます」と劉玄徳も此処ぞとばかりにグイグイと行っていた。
「やたっぜ!大出世だ!さすが兄じゃ!」
「一国の太守様、あっ、いや平原国の相様でやんすか!?」
「これで根無草な生活ともオサラバで〜い。」
幽州の臨時の都尉と言う無位無官な立場から帝から直接任命された国付き執政官、徴兵徴税から地方官の任命権までと自由な裁量を持つ郡の太守相当官である相への大出世なのだから、義勇軍もとい劉備軍は今まで無視同然に捨て置かれた不満も吹き飛び、喜びに湧いていた。
まぁ実際には戦功のいっさいが伝わってなかったのであるがw
「MEMちょの姐さんも御出世おめでとうございます♪」
「我々の分だけじゃなく補給を中心に官軍にも融通されていましたものね。 裏方仕事も評価して貰えるなんて皇甫嵩将軍は見る目あるんですねぇ。」
宿ヌシ殿は尚方令特別次官と言う、帝の刀剣、翫好の器物製作を司どる責任者相当官が与えられた。
これは老婆から「良い品物が有ればいつでも持って来なさい」とのお言葉から忖度された結果である。
決して誰もが『コイツの取り継ぎとかって心臓に悪い事やりたく無いです!直接自分で持ち込んでね!』って押し付け合った結果では無いのである・・・たぶん。
権限はかなり自由が利き、帝へ物品を納めるついでで有れば国家全土での生産、物流許可を自由に出す事が出来た。
自分で作って、自分で運んで、自分で売る。そしてすべての許可も自分で出せる。
究極の商人が爆誕していた事を偉い人は分かっていなかったのである。
こうして劉玄徳一行は任地へと向かう。
平原国は、皇族直属の領地で太守の代わりに家老扱いの代理責任者として相が派遣される。
属する県は10にも及びそれぞれ県城と言う都市を持つ、場所は黄河流域で冀州と青州の州境にあり物流に秀でていて、人口はおよそ15万戸 / 100万人と言われている大国であった・・・黄巾前の記録であるがw
大国のあるじになったぞと意気揚々、夢ワックワクの劉備軍が郡治所に辿り着いた時に辛い現実が襲い掛かる。
冀州も青州も黄巾軍が活発に活動した激戦区、城は落ちる略奪は捗る人は逃げるか死ぬの不幸役満大三元な地である。
ボッロボロ、めっちゃくちゃになった街、城、田畑を前に『復興頑張ってね♪』っと劉玄徳以下、劉備軍面々の脳裏にはそんな帝の言葉が聞こえて来たそうである。
〜fin〜