〜side 語り部〜
洛中の情勢はめぐるましく変わり、宦官のお偉いさんも肉屋の大将軍さんも居なくなった。
平原國の劉玄徳へはこまめに「なんか洛中が怖いから帰郷して良い?」との文を出す宿ヌシ殿であるが届くのは「却下!情報収集シロ!」の返事ばかりで嘆いておる。
そんな都のまつりごとを牛耳っているのは西の蛮族こと董卓仲穎。
都会の文化に憧れる新規お得意様であるw
どっから持ってきたか不思議なほどの銭で霊明鏡を始め当店自慢のぼったくり価格商品群を買い漁る
「ウハウハで笑いが止まんねぇ」
と宿ヌシ殿も本音がダダ漏れである。
表立って讒言した爺さんを首チョンパしたり、気に入らない宦官を首チョンパしたり、都の各所で生首晒したりと世紀末感を出すのに半端無い。
きっと頭髪が薄く無ければモヒカンが良く似合うと思う。
一方で後宮も大幅な変化が出ている。
まぁ貴人も宦官も減って閑散とした雰囲気が半端無い。
ケバ女も長子殿下も高い高い尖塔からまさかの転落事故で天へ旅立ち
老婆も心労によって床から起き上がれ無くなっていた。
「MEMちょ・・・もはや都には蛮族の顔色しか窺わぬ慮外者ばかり。 せめてそなただけでも変わらず陛下に寄り添っておくれ。」
そんな言葉に「太客は蔑ろにしません!」と本心を隠さず返す宿ヌシ殿は銭ゲバの鏡であるw
そして殿下改め陛下との何時もの時間、お付きの宦官を悉く振り切り姿を眩ませた宿ヌシ殿と陛下二人だけ・・・かつては3人で過ごせていた時間がやって来る。
「MEMちょ・・・父上も兄上も居なくなり、お祖母様ももう長くはあるまい。 洛中で余の味方はもう其方だけかも知れぬ。」
「何も思い詰める事なんかありません。 嫌なことからは逃げちゃえば良いんです! 駄々をこねて隠れちゃうとか子供の特権ですよ。 陛下はまだまだ子供でいたって良いんですよ。」
「逃げるか・・・私も遠く遠く天高く迄・・・逃げてしまえば良いのかもなぁ・・・」
コラヤベェなぁと精神科医で無くとも判るぐらい落ち込んでいた帝を励ます方法を考えていた宿ヌシ殿であるが、来るたび来るたび陛下が一緒に雲隠れしてしまい、勉学も公務も一切進まない事を責任者が首チョンパされるぐらい叱責された宦官達によって遂に宿ヌシ殿の職が解かれる事となった。
「え、私が立ち入り禁止ですか!?」
「当たり前であろう、其方はもう後宮内の物品管理の職に無いのだ!」
「勝手な立ち入りは無論、商品の納品なども貴様の商会は関わらずともよろしい。」
何事もやり過ぎはよろしく無いと言う事であるな。
目をかけていてくれたお得意様を悉く失っていたのもあり洛中にいる意味はもう無いのである。
宿ヌシ殿は商会を素早く畳み、全ての人員と資産をまとめてさっさと平原に旅立った。
その頃の洛中では曹操が董卓の暗殺を企んだだの、またまたきな臭いことになっていたからスタコラさっさと急ぐのである。
〜fin〜