〜side 語り部〜
筋肉の宴から無事に生還した少年は、巻き込まれなかった事に安堵しつつ置いてきた弟の元へ急ぐ。
「アレに関わらなくて良かった〜〜。 頭脳派のボクとしては脳筋の相手は辛いんだよねぇ〜。」
ガチムキさん達の映像は一部を除き視聴者からも非難囂々であったため誠に共感出来る。
きっと再編集版ではカットされるであろう・・・知らんけどw
「・・・それでね!それでね! 亮兄が外に遊びに行こうって誘ってくれたのーーー」
戻り着いたその先には弟と見た事も無い令嬢が1人。
薄い朱色に黄色味の雷文柄をあしらった鮮やかな衣装を纏い自分より少し年上(年齢詐欺ここに極まれり!?)に見える。
可愛らしく華がある故郷の街では見かけないような令嬢と談笑している楽しげな弟に嫉妬ならぬ、兄の苦労をちょっとは知って欲しいと八つ当たり気味な苛立ちを覚えた。
「均ーーーん!何やっているんだ!知らない人には気を付けなさいって普段から言われているだろ!。 どなた様か存じませんが弟がご迷惑を掛け申し訳ありません。」
美少女との出会いも大事だが、今は命が掛かっている一大事!一刻でも早く安全な場所を見つけ無ければならない。
そんな少年の悩みを屈託ない笑顔でほぐしながら少女は誘う。
「これは丁寧にありがとね。 暗い夜に子供が1人とは不用心なので声を掛けていたんだよ。 こちらこそ不躾なまねをしてごめんねぇ。 聴けは貴方たちのおうちはここから3里は離れた街とか、今から帰宅も出来ないだろうしさー、よければ私たちと一緒にこちらの亭に泊まんないかな?」
「わーいMEMちょちゃんと一緒だぁ♪ でもオイラはまずお腹空いたぞ。」
「はいはい、ご飯にしよっか? 亮くんもお招きだよ♪」
「大変ありがたいのですが、代金ぐらいは持ち合わせております。それにこの亭には泊まるのは今ちょっとよろしく無いかと・・・」
少年としては筋肉の宴に美少女を放り込むのは避けたのであろう、的外れな心配である。
「心配ご無用!大丈夫!大丈夫! これでもMEMちょさんは、そこそこお金持ちだから子供二人に奢るぐらい問題ナッシングだよ♪」
「いえそう言った心配では無くて、この亭には正体不明の軍隊がおります。 もし曹操軍の手の者であれば大変危険です。 離れた方がよろしかろうと思います。」
「問題ないよ、あの連中は曹操軍じゃ無くて劉備軍だからね!」
「劉備軍?・・・」
少年は呟くように聞き返した・・・ 少年にとって劉備軍は黄巾の乱や董卓討伐での噂は耳に入れているが徐州とは縁もゆかりも無いはずで、この戦雲吹き荒れる地に居る理由が思い当たらないのだ。
「もしや混乱に乗じて徐州を切り取りに来たのか?、しかし跳び地を得ても負担にしかならないはず・・・」
「ん〜? 劉備軍が徐州にいるのは不思議かな? まぁ理由は曹操軍の蛮行が酷いって聞くし州刺史から援軍も頼まれたから助けに来てるんだよ。」
「そうなのですね! それなら曹操軍が近くまで来ている事を伝えた方が良さそうですね・・・でも子供の言葉を信じて貰えるか?・・・」
「近くまで来てるの?」
「はい、この先にあるボクの故郷は今日の昼に包囲されていました。たまたま外にいたボク達は見つかる前に逃げてここにいます。」
「見たことを詳しく話せる?」
「はい、記憶には自信があります。」
令嬢は劉備軍に伝手でもあるのだろうか?付近の豪商の娘のように見えるから父親が商いで関わっているのかも知れないと少年は考えていたのだが・・・
「子義ーーー!コッチにこーーーい!急いで集合ーーー!」
令嬢は突然大声で誰かに呼びかける・・・と松明の灯りを持って筋肉が!ネットリと暑苦しい熱気が!やべぇ連中が!雪崩れの如く押し寄せて来た!
「姐さん!太史子義!及び護衛頭!集結しやした。 ご命令をお願いいたしやす。」
「この先の街が昼から曹操軍に襲われたらしいのね。 まずは連絡の速馬とこの子達を保護する準備して! 亭で詳しい話しを聞くから他の頭目も集めて。」
「ガッテンでさぁ!オイ!姐さんの指示だ!そこの二人、行ってこい。」
令嬢は矢継ぎ早に筋肉へ指示を出すと周囲に筋肉を侍らせながら少年達へ亭へ急ぐように促す。
そんな状況に少年は呆然としながら問いかけるのである。
「あなたは・・・誰ですか?・・・」
「私はMEMちょ 劉備軍MEMちょ隊司令で少府輔軍将軍のMEMちょだよ!」
そう言って令嬢もとい宿ヌシ殿はドヤ顔で少年に告げるのである。
〜fin〜
あっるれ〜 シーンが3倍に伸びたぞ?