転生先がわからない!ここはどこだ!   作:rapas

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【ガチムキの見た光(裏)】

〜side 語り部〜

 

宿ヌシ殿が不本意なゴミ掃除に駆り出されていた頃の事である。

劉備軍と曹操軍の本体は小沛近郊に陣を張り睨み合いを続けていた。

この時の兵力は劉備軍3万余、曹操軍2万数千弱、互いに攻め込めないまさに泥試合。

戦端が開かれれば一気に勝負が決まるものの決定打が無くどちらの総大将も決意が出来ない状態であった。

 

劉備軍は徐州の残兵を吸収し5万強の総兵力で曹操軍に抗う予定が大崩れ、曹操全軍に合流されればジリ貧なので速戦で決着を着けたいものの自軍の練度統制に不安が生じていた。

劉玄徳は黄巾の乱から反董卓連合軍とさしたる被害も無く戦功を立て続けており、今や常勝将軍の名声も高い・・・のだが本人からすれば今までは上に立って責任を取ってくれる者がいたため数百から数千の少部隊を率いて伸び伸び戦っていただけである。

それが?今は総大将?天子の御前で?兵数は以前の10倍?戦場が広過ぎて目も耳も効かんよ(涙

更に兵の半数は実績と信頼の平原兵じゃ無くてthe雑兵とでも言うべき徐州兵と元叛乱兵・・・昔の義勇軍の方がやる気があるだけマシってレベルですね。

こんなのと混ぜ混ぜして戦わせたら折角の精鋭平原兵が溶けちゃう!

更に平原兵の真髄はクッソ高い忠誠度と近代軍並みの戦法戦術の理解度にあるから平地で陣組んで正面からぶつかるなんて勿体無いのである。

森林戦や山岳戦に引き摺り込めれば本陣から指揮なんかしなくても他勢力の将軍並みに戦術理解度が高い古参兵達が各々最適な方法で敵を一方的にボコってくれる。

首席指揮官が戦死しても即座に次席が最終的に伍長レベルの末端小頭が将軍職の代行で指揮を引き継ぐ異常さを持っている。

「こんな形で使いたくねぇ!」と今日も劉玄徳の胃壁はガリガリ削れていた。

 

一方こちらの曹操軍でも想定外の事態に困っていた。

黄巾残党の青州兵を手に入れ、名門(笑)と馬鹿にしていた小心者の袁術をボコって豫州から追い出し地歩を固めて順風満帆と思いきや、徐州で父親をぶっ殺されて怒髪天。

ハイエナの如く数だけは多い青州兵を略奪自由の餌で前面に立て、元々統制の効いていなかった徐州各地を謀略で叛乱させる事に成功すると一気に勝負を決めるつもりで侵攻したのだ。

そして蓋を開ければ、損害担当の筈の青州兵は略奪どころか虐殺を目的にして統制を外れてしまい戦争にも占領にも使えやしない。

人もいない荒廃した土地だけあってどうすると言うのか?

叛乱でバラバラにしたはずの徐州兵はあろう事か平原から来た劉玄徳が建て直してしまった。

しかも近隣最強の平原兵付きである。

かつての反董卓連合では諸将の軍が軒並み壊滅して自身も命からがら逃げ帰った戦いで、ほぼ損耗無しを今も継続している唯一の軍・・・やだなぁ闘いたく無いなぁ、曹操の脳裏にはっきりと半数の敵に一方的に潰された連合軍の姿が今の曹操軍に重なって見えていたのであろうw。

しかし部下の手前では自信タップリで強気の孟徳を演じなければならない。

そこが割れちゃいそうな器の玄徳と違うところであるなぁ・・・どっちがいいのか知らんけどw

「どこの誰とも分からぬ出身で元貧乏人の筵売りなど捻り潰してくれよう。 大尉まで輩出した名門曹家との違いを見せてくれる。」

袁術は名門(笑)って馬鹿にするのに自分は名門の出身である事を誇るんですねぇ・・・生き残ってるだけで戦争で負けも多いのにw

「曹仁・曹洪に使いを出せ!全軍を集結させ徐州の敗残兵にトドメをくれてやろう!」

倍でも負ける幻影が見えるのに劣勢じゃ戦いたくないよねぇ・・・来るか知らんけどw

そしてお返事は来た・・・何故か西からw

「ぐぅっ・・・仕方がない引くぞ。 曹純!虎豹騎を使い殿を命ずる。 旗も天幕もそのまま置いていくので炊事の煙を今までと同じ数保ち撤退を悟らせるな!1日稼げば騎兵の虎豹騎なら離脱出来よう。」

何があったか多くを語らず、曹操軍本体は兗州へ引いていった・・・因みに偽兵は郭奉孝に見破られて曹純くんは見事なカックイイ生首になり申した。

 

〜fin〜

 




劉備と曹操そして出番の無いMEMちょ
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