〜side 語り部〜
ゴミ掃除の裏話も終わってそろそろ時系列を戻そう。
曹操軍が実質壊滅していた事を知らない劉備軍本体は謀略により撤退させた曹操軍本体を深追いせずに戦線を縮小した。
まぁ下手に曹操の首を取ってしまえば巣を得た餓狼を牽制してくれる奴が居なくなるので徐州復興までの時間稼ぎを考えていたのである。
ガチムキこと太史子義と合流し、子供達の安否を確認した宿ヌシ殿は盛大に困っていた。
ここには緊急で治療が必要な重傷患者が大量にいる。
そして古代中華の医療レベルでは救命率は絶望的、主人にお見せするは忍び無しと太史子義が介錯の決断をする直前に間に合った・・・間に合ってしまったのである。
残念ながら宿ヌシ殿のジョブ構成にヒーラーは無い。
医療知識も技術も応急処置が関の山、どう頑張っても肺を突かれて血で溺れているチビの均を、手を足を奪われた童を、顔を割られた幼女を、助ける手立ては持ち合わせていない。
先ほど多めに手に入れた経験点は倒した数の割にしみったれた3万点、Lv40から2Lv上がれば良いところであろう。
残念ながらLv2のヒーラーとか、かすり傷を治せるのが良いとこなのであるよ。
「うあぁぁーー!もうどうしたらいいかわっかんないぃーーー。」
救ってあげたい、でも手段がない。
故郷ならヒーラーはいっぱいいるし、そもそもそう簡単に怪我などしない。
軍人として教育も受けたが、民間人の幼児となれば心にくるものがある・・・そんな時であった。
『MEMちょさん、MEMちょさん!聴こえていますか? あー、聞いてませんね・・・気付に1発逝きますね。』
宿ヌシ殿を中心に割と高出力で放たれたメッセージは周辺に居た生き残りやガチムキにも遠慮なく届き動揺させていた。
ちなみにちょいと錯乱してメッセージを無視していた宿ヌシ殿には落雷直撃のオマケ付きだったので吾輩もかなり痺れたのである・・・シビビビビィぃ。
『MEMちょさん、まどかよりお告げとして絆創膏のレシピを授けます。 外傷であれば多くの幼い命を助けられるでしょう。 これで出来ることをなさい。』
「まどか様!ありがとうなんだよーーー! それと救助プリーズ!せめてネオ・ジャパンの座標をちょうだいです!」
『『『それはダメw 撮影の続き頑張ってね♪』』』
無慈悲なお告げと共にメッセージ回線が切られるどころか、せっかく逆探してたのにネオ・ジャパンごと跳ばれたのである。
吾輩もフォームアップデートとか逃してしまって残念無念。
宿ヌシ殿よ今回ぐらいは泣いて良いぞ・・・画質向上や便利機能追加の機会を逃してしまったからのぅ。
「ちくしょうめーーー! でもコレで何とかなりそうなんだよ。 子義!子供達の傷をこのアルコールで洗ったら絆創膏貼って!」
こうして宿ヌシ殿はネオ・ジャパンでお馴染み!ご家庭の常備薬で、頭空っぽさんも大絶賛のゲッター絆創膏を次々と創り出す!チビの均も童も幼女も出血が止まり一命を取り止めた・・・明日には立てるぐらいには回復するであろう。
治療が終わった後はキラキラした目をした周囲の人々に拝まれて宿ヌシ殿が難儀していたがどうでも良い話しである。
〜fin〜