転生先がわからない!ここはどこだ!   作:rapas

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【MEMちょの酒】

〜side 語り部〜

 

「益徳の〜〜、あっ!ちょっと良いとこ!見て観たいぃ〜〜、あっそれ!イッキ!イッキ!イッキ!イッキ!」

「ングングングング・・・っぷはぁ! コレで終わりかぁ〜くぁら!」

終わってくれ、終わってください頼むから・・・ 張益徳のまだ酔い潰れてないちっぽけな理性は奇跡が起こることを祈っていたが

「まだまだあるぞ〜♪」

ニタニタと小悪魔チックな笑顔で宿ヌシ殿が次の大盃を飲み干して見せ返盃を要求する。

既に周倉は潰されて哀れにも倒れ伏していた。

「んふふふぅ〜、次は〜、コレェ〜〜!」

宿ヌシ殿が出したのは特製のひょうたん型の瑠璃の杯に上下で色合いの違う酒を注いだハーブが強く香る酒である。時代を1800年ほど先取りした『コカレロ』と呼ばれる酒は甘ったるくて飲み易く「決まる」と大変評判である。

そんな時に止めに入る恐れ知らずが1人

「何をやっているか!? 祭りといえど〜・・・ヒック、大役の中であるのに〜、潰れるほど酒を呑むとは〜・・・ォェ、所詮は〜、下賤な生まれ〜だなぁ!」

訂正止めに入ったのでは無く喧嘩を売りに来た模様

そして罵声を浴びせた当人もめっちゃ酒くっさい

この男は曹豹、徐州の豪族で陶謙時代はブイブイ言わせていたが、肥満体型の見た目通りに武官としては体力不足で使えず、内政の学も無い文盲と来た。

ブートキャンプに放り込んでもブイブイじゃ無くブーブーゼーゼー言うだけなので晴れて降格となった男である。

酒が入って気が大きくなったのであろうが酒癖が悪く虫の居所も悪い今の張益徳相手にマジで恐れ知らずである。

「ウッセー!黙れや!」

拳一閃ノックアウト・・・よっわ!

顔に1発青タン貰い膝から崩れた男は這って場を後にする。

捨て台詞もフガフガとしていて閉まらない、誠に詰まらんのである。

 

それから一刻ほど、張益徳も見事に撃沈して大いびき。

祭りは街中を酔っぱらいで死屍累々となっていた。

そんな中で風に当たろうと城壁に登った宿ヌシ殿は西より迫る軍勢に気がつく。

「ん〜? なんだろ〜?」

戦意に溢れ疾走する軍勢はこの街を目指してまっしぐら!

泥酔している人々が往来に溢れている街にそのまま入られたら大惨事間違い無しって事になる。

「ちょっとヤバヤバじゃ無い?・・・益徳〜・・・は爆睡で・・・周倉も潰れて〜・・・しゃ〜無いかぁ」

ヒョイっと城壁から飛び降りた宿ヌシ殿は先頭を走る赤兎馬の頭に飛び乗り急停止させると軍勢を無理矢理止める。

「え〜っと呂奉先に陳公台だっけ? お祭りに参加したくて急いでたのかにゃ? でも街の往来は馬で乗り入れ禁止〜」

「退けぃ!」

そこにブンッ!っと一振り方天画戟が空を斬る。

宿ヌシ殿はぴょんっと後方宙返りで躱すと街の門前に降り立つ

「言葉の前に暴力とか野蛮じゃ〜 女の子にモテないぞ〜」

「何処までもコケにするか!? 女!」

怒り露わにする呂奉先の傍から陳公台が進みでる。

後ろには青タン作った肥満体型もいたが豚は気にしない事にした。

「言葉には言葉でございますか?」

「そうなんだよ〜 祭りを楽しむなら武器を収めて馬も降りて欲しいんだよ。」

「暢気でございますな。」

「暢気〜? 悪い〜事かなぁ〜。」

「はい、悪逆非道な曹操を倒し、彼奴に組みする袁紹を退け天下に静謐を保たせんとするならば些か覚悟が足りぬかと。」

「ん〜、でもたまにはハメを外して楽しまないと〜疲れちゃうんだよ〜。 君らも重い鎧なんか脱いで〜浴びるほど酒でも飲んでいくんだよ〜。」

「それは叶いません。 我らは曹操に対抗するためにこの街をいただきに参ったのですから。」

「なんでそう言う結論になるかな∑(゚Д゚)!?」

陳公台の結論を合図に左右から呂奉先配下の猛将が宿ヌシ殿を襲う、この時はまだ女相手と無意識の手加減なのか抜き身の刃では無かったのであるが・・・

「ちょい!邪魔!」

宿ヌシ殿はワンアクションでかる〜く制圧する。

「ですが、おひとりでは無力でしょう。」

二人を制圧している間に騎兵が両脇から門を目指すが・・・

「だから〜!ダメです〜。」

サクッと全て蹴り落とす。

「女ぁ!生命は要らんと見える!」

怒声と共に大上段から方天画戟が振り下ろされ重い重い渾身の一撃を華奢な宿ヌシ殿が片手で掴もうとした時、絶対の自信を持って『殺った』と呂奉先は確信した・・・のであるが、返って来たのは大地に深々と根を張った巨木へ打込み稽古をしたような感触、しかも掴まれた方天画戟はびくとも動かない。

体重を乗せた一撃であるが故に合気による重心制御で方天画戟ごと持ち上げられた時に思い出してしまった。

「貴様!あの時の小僧!?」

「だから誰が小僧かぁーーー!」

そうして天高く延々とお手玉される飛将軍(笑)は今日も伝説となるのである。

 

〜fin〜

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