〜side 語り部〜
「奉先ーーん!早くするんだよ〜〜!」
初夏の爽やかな朝日の中、小沛の街には今日も元気よく宿ヌシ殿の起床を促す声が木霊する。
背後には下邳の街から全力ダッシュで着いてきた張益徳以下古参兵の死屍累々である。
「・・・その〜、たまには休日とかありませぬか?」
げんなりした顔で期待はしていないが、聞いてみるだけ聴いてみようと心折られた呂奉先にしっかり『NO!』を突き付けれる宿ヌシ殿は良い鬼教官である。
「休みたいとか、時間前に下邳の街まで走れる体力を身に付けてから言うんだよん。」
呂奉先以下その軍勢が宿ヌシ殿の舎弟になって早くも1ヶ月
毎朝見られる恒例のやり取りを経て訓練が始まる。
1月前のやり取りはまっこと笑えるものであった。
宿ヌシ殿の人間お手玉となった呂奉先を始め軍団の将兵5千は全員片手間に叩き伏せられ、朝日が登るまで正座による耐久お説教コースと相なっていた。
そこに懲りない男、張益徳がやって来る。
「おいおいオイ!なんだ!このおっもしれ〜光景は? 姐さんに叱られてるたぁ! いいきみだぜ! ちょいと人を呼んで見せ物にしていいかぁw」
酒が入って居なくとも悪ガキ根性が抜けていないのか弁えもせずに煽りまくる。呂奉先のこめかみに青筋が浮かぶもお構い無しである。
まぁキレても大人しく正座を続ける呂奉先とかだいぶ心折れているがw
「益徳・・・そこ・・・」
そんな張益徳に宿ヌシ殿は座った冷たい目を向けると呂奉先の横の地面を指差し
「えっ・・・」
暫し見つめ合う二人・・・張益徳の表情はだんだんと青ざめてくw
「ん・・・早く・・・」
「はい・・・姐さん・・・」
根負けした張益徳は素直に正座した。
「あー、ヤヴァイでやんす・・・」
門の影からこっそりと見ている男あり、10年前に嫌と言うほど味わった光景と再び出会った周倉が顔色を蒼白にしてそこに居た・・・目があった張益徳が手招きまでしてたりする。
「・・・すまんがみんな諦めるでやんすよ。」
そう言って古参兵に門前へ集合の連絡を言付けると彼もまた張益徳の隣に座ったのである。
そこから止める者も無い長い長い説教が続く
「姐さん、オシッコ」
「垂れ流せ!」
「姐さん!でる・・・」
「臭くても構わん!」
何処が終わりなのだろう?誰が止められるのだろう?街の住民も下邳の文官も声を掛けれぬ説教大会は熱中症で倒れる者が出ても水をぶっかけられ続いていく。
ちょうど補給の調整に戻って来た太史子義は三日三晩続いた耐久お説教に出会いボソッと一言漏らしていた。
「えっ・・・何これ?」
慣れろw。
〜fin〜
やっと予定してたシーンが書けた
ここまで来るのに必要だった話数は大誤算である(・_・;
MEMちょシリーズを書き始めた時に実はこのシーンしか無かったよ(°▽°)