〜side 語り部〜
江東会戦の最終局面において語り継がれる演目に呂奉先と孫策の一騎討ちあり、その結末は栄えある武人としては恥ずべき行為であった。
馬の眼を射抜くどころか槍で突き刺さすなど誰も想像の埒外でその場に居合わせた周囲の者達の思考は凍りつく、時間にすれば一瞬にも満たない刹那であるが人々の意識へ強烈に焼き付く事で引き延ばされた感覚はいかほどであったろうか?
孫策はこの一撃で馬が死に倒れるか?痛みにより竿立ちになる!と予測し落馬する呂奉先へ止めを刺そうと集中する。
だからこそこれからの行動は意識の外であり、故に対応が遅れてしまう。
孫策が槍を戻す・・・その前にぶるんっと彼の槍を振り回すものあり、閉じた瞳に槍は突き刺さっただけで無くガッツリ瞼で固定され、首の動きに合わせて槍使いの体勢を馬ごと崩す。
後世の演目で最も盛り上がるダイワスカーレットの馬回しによって中空に投げ出されるは孫策であり、その絶対的な隙に方天画戟が容赦無く振るわれる。
腰から両断され臓腑と共に命を振り撒きながら地に堕ちゆくかの者が最後に放った言葉は亡き父への懺悔か、想い人への謝罪であったか、聞き取った者は居ない。
トドメを刺した呂奉先は討ち取った亡骸など目もくれず重症を負った相棒の介抱を優先する。
「スカーレットーーー!、大丈夫だ!いま直ぐに治療してやるぞ!」
戦場の只中である事など放り投げ周囲の警戒も何も無く、呂奉先は相棒の馬鎧を外し傷を露わにする。
「沁みるぞ!我慢できるな。」
まるで人に言い聞かせるように強い酒精で傷を拭い負傷時には己で使うようにと宿ヌシ殿より賜ったゲッター絆創膏を惜しげもなく貼る、貼る、貼る、貼る、貼る『ヒヒーン(もうええわーー!)』とダイワスカーレットが抗議するぐらいに貼りまくる飛将軍は気が動転していたのだろう。
しばらくして周囲の掃討を終わらせた徐元直が声をかけるまで痴態は続いていくのである。
「肝が冷えましたよ奉先様、しかしUMAとは頑丈なのですね。 普通ならば勝負はどうなっていた事か。」
「ふん!あのような卑怯者なんぞ100回やっても全て俺が勝つ! そう言えばあれでも敵の大将であったな・・・首はどうしたか?」
「兵が確保しております。MEMちょ様は嫌がりますが、戦功戦果の確認に首実験は必要ですから。」
「ヨシ!さすれば勝鬨を上げよ!次は江東の制圧ぞ。」
こうしてひとりの若者の夢は命と共に儚く消え、後々に伝わるのは悪評ばかりとなったいったのである。
〜fin〜
フレイバーテキスト
孫策伯符 統率93(−10) 武力92 知力68(−40) 政治68(−50) 魅力91(−20) 生年175 享年196
史実の小覇王 MEM時空では4年早くご退場、江東編の敵役その1として悪行のエピソードがてんこ盛りである。
1800年以上の年月を経て一族の命運を背負い空回りした才能豊かな少年として書かれた作品によって再評価されたが足りなかったのは運と時間、まぁ・・・そうね劣化呂布ってステである